ポケットモンスター トータス【本編完結】   作:G大佐

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評価バーが赤色になってるし、お気に入り登録者数も600人超え……!? 本当にありがとうございます!

ところで、いよいよ本日、ポケモンSV発売ですね!
私ですか? 新卒研修があるらしく、これを投稿後に休日出勤です。

追記)サブタイトル名を変えました


メルジーネ大迷宮(後編)/敗北の真相

 偽神エヒトのもたらす惨劇。それを見てしまったハジメ達は、完全とはいかないものの顔色は戻ってきていた。

 沈没船のある広場を出て、チューブの中を歩く。だがそこまで時間は掛からず、すぐに別の広場へと抜けた。

 

「わぁ……!」

 

 ミュウが思わず感嘆の声を上げる。それもそうだろう。先程までの暗く禍々しい空気から一転して、まさに聖域と呼ぶに相応しい神秘的な光景が広がっていたのだから。

 

 壁や天井には、何で出来ているか分からないが光を放つ物体が一定間隔で設置されており、まるで広場全体がシャンデリアのような明るさに包まれていた。

 床の方は、所々に水路が掘られている。源流は分からないがサラサラと聞こえる流水の音は、精神が疲弊したハジメ達に癒しとなった。

 そして広場の中央には、青いクリスタルが幾つも刺さった物……まるで王冠のような物が鎮座している。

 

「(あれはまさか、海の王冠! それにこの水路、変な掘られ方してるなと思ったけど……よく見るとカイオーガの体にある赤線の紋様だ!)」

 

 ティオやシアは、その海の王冠の放つ魔力に唖然としていた。

 

「何て魔力……! アーティファクトなんてレベルじゃない。神器に匹敵するかも!」

 

「恐らくは、この迷宮の核を担っているのやもしれんな……」

 

 海の王冠の前には、小さな台があった。その上には青い色をしたプレートが祀られている。

 

「ハジメ。プレートだぜ」

 

「うん。今取るよ」

 

 慎重に近付き、そっと手を伸ばすハジメ。その指先がプレートに触れた途端、再び光が放たれた。

 

「今度はなん……!」

 

 目の前が白く染まっていった。

 

 

 

 

 

 目を開く。周りを見ると、困惑するように周囲を見渡す仲間達がいた。

 ハジメ達が居る場所。そこは、荒れ果てた大地。僅かにしか草が生えず、土と石が目立つ土地であった。

 

「ハジメ君。ここは何処……?」

 

「分かんない。けど、さっきのパターンからするとこれは、プレート自身が過去を見せているのか……?」

 

 その時だ。ゴゴゴゴゴと何かが揺れるような音が聞こえた。

 

「何だ? 地震か?」

 

「景色が揺れておらぬ。違うじゃろう」

 

「え、待ってください。何か空が赤くなってませんか?」

 

「……みんな、上!」

 

 ユエの声で全員が空を見上げると、そこには……。

 

 

 あまりにも巨大な隕石が、この土地へ落ちようとしていた。

 

 

 これにはハジメ達もあんぐりと口を開けるしかない。

 

「ええええええええ!?」

 

「いや、ちょ、デカ過ぎじゃあぁ!」

 

「びええええ! お兄ちゃぁぁぁん!」

 

 ミュウは、隕石と大気の摩擦で赤く染まる空に恐怖して泣き叫ぶ。ハジメが彼女を安心させるように抱き締める。

 その時だ。一筋の光が、隕石へと激突した。

 

「何ですか、アレ……」

 

 シアの呟き。その光は、ただの光ではない。神々しいとはこの事だろう。

 そして隕石を破壊せんと立ち向かうそのポケモンの姿を、誰もが見た。

 

「(あの形……。初めてオルクス大迷宮に行く前に見た夢の中の……)」

 

 香織が思い出すのは、オルクス大迷宮へ初挑戦する前日に夢で見た、謎の光。思わず神様と呟いた存在が、目の前に居た。

 

「アルセウス……!」

 

『ハァァァァァッ!!』

 

 その瞬間、隕石は爆ぜた。それと同時に辺りへと散らばる光。その小さな光がプレートの物だと、ハジメの直感が悟った。

 

「なぁハジメ。あのポケモン、もしかして……」

 

「うん。……アルセウスだ」

 

 創造神自らが迎撃に当たる程の脅威。それ程までに巨大な隕石は粉砕されたが、アルセウスもまた、プレートを失い満身創痍であった。

 それを遠くから見る人間達がいた。その姿は、トータスに召喚された時に見た、教会の天井絵の人物。

 

「エヒト……!」

 

『何と言うパワーだ……。空間転移してきた矢先に、あんな化け物を見るとは……』

 

 エヒトの目はアルセウスを化け物と捉えていた。そんな中エヒトは、周囲に散らばったプレートを見つける。

 

『これは……あの化け物から飛び散ったものか。何と言う力よ……!』

 

 プレートに触れるエヒトの顔は、醜い笑顔となっていく。

 

『これ程の力を持つ化け物を放置しては、私たちに危害が及ぶ。何よりこの力は……高位の魔法を扱える私たちが相応しい。アルヴ!』

 

『はっ!』

 

『このプレートを回収せよ。これ程の力だ。我らをより高位の存在へと昇格させるだろう』

 

『畏まりました! 私にお任せ下さい!』

 

 エヒトは近くに居た人物……アルヴを呼ぶと、プレートを集めるように指示した。だがその時、倒れていたアルセウスがゆっくりと立ち上がった。

 

『待……て……!』

 

『っ! 知性があると言うのか……!』

 

『その力はお前達では扱えぬ……! 不相応な者が強き力を持てば、自身の在り方を失うぞ……!』

 

『獣ごときが何を語るか! 獣は大人しく這いつくばっていろ!』

 

 エヒトが何らかの魔法を放った。プレートを失い大きく弱っていたアルセウスは足がもつれ、倒れてしまう。倒れたアルセウスにエヒトは手をかざす。

 

『お前の力は私が有効に使ってやる! この世界は、私たちの新天地となる!』

 

 アルセウスの真下に魔方陣が展開され、光り輝く。すると徐々にアルセウスが石となっていく。この時、アルセウスの目は怒りの赤色に輝いていた。

 

 

『ならば覚悟しておくが良い! 我が再び目覚めし時が、貴様等の破滅の時だ!!』

 

 

 目の前が再び白く染まっていく。だが、その神の怒りの声は、恐ろしい程のプレッシャーを放っていた。




この作品でのアルセウスの声は、劇場版アルセウスの声を演じた、あの方の声をイメージして頂ければ幸いです。
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