ポケットモンスター トータス【本編完結】   作:G大佐

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お待たせしました。ポケモンSVは、バイオレットを買いました。御三家はホゲータを選びました。仕事や勉強等で中々進まず、ようやく三つのルートなそれぞれ1つ目をクリアした感じです。まぁ、YouTubeのサムネとかで進化形とかのネタバレ踏んでしまう時がありますが。


別れ

 海の迷宮に安置されていたプレートが、迷宮の魔法によって反応し、エヒトとアルセウスの真実が明らかになった。どちらかと言えば、巨大隕石を破壊して弱っていたところを、エヒトがプレートを奪っただけなのだが。

 

 アルセウスの怒りの声を最後に、真っ白になった視界。白から、青と黒の混じる空間へと変異する。

 ハジメが居たのは荒れ狂う海と降り注ぐ大雨の狭間。だが体が濡れないことが、この空間も幻だとハジメに悟らせた。

 

『これが真実だ』

 

 厳かな声と共に現れたのは、まるでシャチのような生き物。だが幻影とはいえそのプレッシャーは大きい。

 この者の名はカイオーガ。それも、ゲンシカイキをした姿である。

 

「カイオーガ……!」

 

『む……。貴様、陸の奴からも……。まぁ良い。神の欠片を集めし者よ。陸の奴から聞いているな。偽りの神によって縛られし三神。彼らは怒りに染まりつつある』

 

「ディアルガ、パルキア、ギラティナの事だね。だけど……あの映像の中だとアルセウスも怒っていた。グラードンは、アルセウスの声で三神は落ち着くって言っていたけど……」

 

『心配は要らぬ。人間、お前の行動を真なる神は見ている』

 

「え?」

 

『お前が集めしプレート。それは神の力の欠片であり、神の端末。お前が誠意ある行動を見せれば、今は動けぬ真なる神もまた、生命への慈愛を取り戻すであろう』

 

「僕の行動が……」

 

『お前が抱く、この星に生きる者達への信頼。私も、そして癪だが陸の奴も、その心を認めている。ありのままのお前で振る舞え』

 

 また目の前が白くなっていく。ハジメはカイオーガの言葉に、大きく頷いた。

 

 

 ハジメは しずくのプレート を手に入れた!

 

 

 プレートによる光が収まると、ハジメ達は迷宮の入り口へと戻っていた。どうやら迷宮の創設者であるメルジーネは、プレートを手に入れた後は自動的に地上へ送還する魔法を仕組んでいたらしい。

 

「おぉ、ハジメ殿! ご無事でしたかな」

 

「はい。無事に迷宮の奥に眠る物も、手に入れられましたよ」

 

「なんと……。ほほ、それでは戻りますかの」

 

 海人族の族長が漕ぐ舟へと乗り込んだハジメ達。島からゆっくりと離れていくが、それと共に島の輪郭もぼやけていく。

 

「ハジメ君。島が……消えていくよ」

 

「空が明るくなり始めてる。皆既月食が終わったから、結界がまた発動したのかもしれない」

 

「次の皆既月食まで、また誰の目にも映らなくなる……。まさに幻の島、だな」

 

 香織、ハジメ、幸利が話す中、波の音と共にその島は消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 エリセンへと戻ってきたハジメ達。肉体が時間感覚を取り戻したのか、どっと疲れが押し寄せ、眠気が出てくる。

 

「ふわぁ、眠くなってきました……」

 

「少し休んでから、次の目的地へ行く?」

 

「そうしようかのぉ」

 

 シアやユエ、ティオが眠そうに目を擦る。それは幼いミュウも同様であった。

 

「んみゅ、マナフィも一緒に寝るの~」

 

 だが、マナフィは寂しそうな顔をして桟橋から動かない。

 

「……マナフィ?」

 

「…………ミュウ。よく、聞いてほしいんだ」

 

 ハジメは決心し、ミュウに教える。マナフィは大迷宮へたどり着いた事で、海の王子として海へ帰らなければならないことを。

 

 つまり……ミュウと別れなければならないことを。

 

 その事を告げられたミュウは、最初こそキョトンとしていたが、話をゆっくりと理解していき……目に大粒の涙を溜めながらマナフィを抱き締めた。

 

「やあー! マナフィと一緒にいるの! お別れなんて嫌なのぉー!」

 

「ミュウ……。気持ちは分かるけれど、マナフィは海のポケモン達のリーダーになるんだ。その為にも、海で修行しないといけないんだよ」

 

「嫌なの! ミュウはマナフィとずっと一緒なの!」

 

 マナフィを抱き締め、首を大きく横に振って拒否するミュウ。ハジメとしても心が痛いが、今まで黙ってたことへのツケだとして受け止めていた。

 

「ミュウちゃん」

 

 そこへ香織が近付いた。ミュウと目線を合わせるようにしゃがむ。

 

「……香織お姉ちゃんも、マナフィを海に返しちゃうの?」

 

「……私もハジメ君と同じ考え。だけどね? ミュウちゃんに、これだけは覚えていて欲しいの」

 

「?」

 

 ミュウは泣きながらも、しっかりと香織を見つめる。

 

「マナフィは、ミュウちゃんや私達と旅したことを、忘れないよ」

 

「……本当?」

 

「とっても仲良しだったんだもん。思い出として、絶対に忘れないよ」

 

 ミュウがマナフィの顔を見つめる。マナフィも別れを察して少し涙が出ていたが、ミュウを泣かせまいと笑顔だった。その時、マナフィは頭の触手のような物をミュウの額にくっ付けた。そこから赤い光が発せられる。

 

 

『ミ、ウ』

 

 

 不思議な声がミュウの頭の中に響いた。舌足らずだが、確かにミュウと呼んだ。

 

「マナフィ……?」

 

『ミウ、オモイデ。ボク、ワスレナイ』

 

「……っ!」

 

 今度は嬉しそうに抱き締める。その後、そっとマナフィを下ろした。

 

「ミュウも忘れないの。私達、仲良しなの!」

 

「マナァ!」

 

 マナフィが軽く跳ねて、ミュウとハイタッチをする。そして少し名残惜しそうな顔をするが、マナフィは桟橋から海へと飛び込んでいった。

 

「……バイバイなのー!」

 

 マナフィは何度も水面から飛び出すようにジャンプしながら、遠くへと去っていった。

 

 




とうとう、ミュウとマナフィがお別れしました。次回は、原作だと異端認定される辺りになるかもしれません。
更新は相変わらず遅いですが、次回もお待ちください。
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