そんな中、ポケモンデイでの発表をリアルタイムで見ました。「ゼロの秘宝」がとても楽しみです!
城の防壁から降りたハジメ達だったが、イベルタルは彼らの狙い通り追いかけてきた。確実に仕留めるためなのか、防壁での戦いよりも高度は下がっており、技を当てやすくなっている。
「ゴルーグ、“そらをとぶ”攻撃!」
ユエの指示を受け、ゴルーグはジェット噴射を開始。まるでスーパーロボットのように飛んで行った。
「ユエ!? 一体何を!」
「考えがある!」
「……信じてるよ! シア、イベルタルを地上に釘付けにするんだ!」
「はい! アブソル、“ちょうはつ”です!」
「アァァブ!」
『グ……! オオオオ!』
“ちょうはつ”を受けたイベルタルは、口にエネルギーを溜める。金色に光るそれを見たシアは、技能である「未来視」によって何が起きるのかを察した。
「格闘タイプの技!? アブソル、避けて!」
『ガァァァァァァ!!』
イベルタルによる“きあいだま”が放たれるが、シアによる咄嗟の指示で辛うじて避けることが出来た。しかし着弾したその威力は凄まじく、強い爆風がハジメ達を襲う。
「くっ、この……!」
「香織、無茶はしないで!」
「私だって……私だってハジメ君と戦えるんだもん!」
衝撃波から全員を守ろうと結界を貼る香織だが、土壇場で強固な結界を貼っただけあって体力の消耗も激しかった。ハジメは無理をしないように叫ぶが、彼女の顔にはどこか焦りが見られた。
「ユエさん! ゴルーグは何処に!?」
「今来る!」
「ゴォォォォォォォ!!」
上空から猛スピードでイベルタルに迫るゴルーグ。そこへユエが更に指示を出した。
「攻撃変更! “ヘビーボンバー”!」
イベルタルの体重は、約203kgである。それに対してゴルーグは約330kg。その体重差は大きい。更に、先ほどまで“そらをとぶ”攻撃によってイベルタルよりも高度を取っており、それが中止されたことで落下状態になっている。
高い所から重い物が落ちればどうなるか。答えは、すぐに起こった。
『グオオオオオオオオ!?』
イベルタルは地面へと勢いよく落とされ、大ダメージを受けた。
「よし、狙い通り!」
「ナイスだ、ユエ! サイホーン、“メガホーン”!」
「アブソル、“じゃれつく”攻撃です!」
それを好機と見たハジメ達は、一斉攻撃を始める。しかし……。
『偽りの味方をするか、人間』
殺気。ハジメがそれを察した瞬間、“あくのはどう”が放たれた。至近距離に居たゴルーグは、先ほどの体重差が嘘のように大きく吹き飛ばされる。
「ゴルーグ!?」
「ゴ、ル、ル……」
ユエの叫びに立とうとするが、そのまま倒れてしまう。戦闘不能だ。
更にイベルタルは、その脚でアブソルを掴むと、サイホーンへと投げつける。
「アブソル!?」
「っ! まずい!」
味方を投げつけられて怯んだ所を、イベルタルは即座に“きあいだま”を発動!
「グオオオオオオン!?」
「サイホーン!」
煙が晴れると、アブソル、サイホーン共に目を回して戦闘不能になっていた。
「嘘だろ……?」
「そんな……」
何とかボールに戻すものの、3体のポケモンが一気に倒されてしまうという事態に、ハジメの脳は若干パニックになっていた。
「バ、バサギリ!」
「シャアァァァ!」
あまりにも絶望的なこの状況に、香織はゼルネアスに叫ぶ。
「ゼルネアスさん、貴女の力を貸してください! このままじゃ……!」
『お待ちください……! 秩序の番人に、ジガルデ・セル達にイベルタルの場所を伝えているのです……!』
「そんなことをしてる間に負けちゃうよ!」
香織がハジメ達に目を向ける。
『散れぇい!!』
「“ゴッドバード”……! 回避して“ステルスロック”!」
「バルァァァ!!」
「少しでも魔法でダメージを稼げたら……! 『天灼』!」
「ハジメさん! 未来視によれば、次は“ぼうふう”が来ます!」
彼らはまだ諦めていない。それを見た彼女の中にある焦りや劣等感は、望みへと変わっていた。
「(私はハジメ君のようにポケモンを持ってないし、ユエのように強い魔法を撃てない。シアのように予知なんて出来ない……)」
自分だけいつも後ろ側。それが、先ほどまで彼女の心に影を落としていた。
「(私に出来るのは、トータスに来てから得た治癒魔法で、皆を癒すこと。でも今のままじゃ、全然足りない!)」
これから先、過酷な試練や戦いが待っている筈だ。それなのに周りに追い付けていなければ、自分はきっと後悔するだろう。
「(もっと、もっと癒しの力を!)」
その時、ハジメが使っているポーチからある物が飛び出した。
「え……?」
それは、かつてウルの町にて豊穣の王バドレックスから託されたもの。
『それは、みどりのプレート……!』
ゼルネアスが驚きの声を上げるが、その理由はプレートが飛び出したからでは無い。
迷宮で見た時の他のプレートとは違い、神々しい光を放っているのだ。
「………………!」
香織は迷わず、手に取った。その瞬間!
「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
彼女の体を、激しい雷が襲った。
『っ! 強き神の力を感じる。そこに居るのか、ゼルネアス。そして、イベルタル……!』
犬の姿の番人は、駆けつける為に速度を上げた。
ようやく、ようやくジガルデさんを出せます……!