ポケットモンスター トータス【本編完結】   作:G大佐

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職場の人手不足により10時間勤務が増えてきて、「おちごと……ちゅらい……」な状態になりかけてました。

そんな中、ポケモンデイでの発表をリアルタイムで見ました。「ゼロの秘宝」がとても楽しみです!


vsイベルタル(2)

 城の防壁から降りたハジメ達だったが、イベルタルは彼らの狙い通り追いかけてきた。確実に仕留めるためなのか、防壁での戦いよりも高度は下がっており、技を当てやすくなっている。

 

「ゴルーグ、“そらをとぶ”攻撃!」

 

 ユエの指示を受け、ゴルーグはジェット噴射を開始。まるでスーパーロボットのように飛んで行った。

 

「ユエ!? 一体何を!」

 

「考えがある!」

 

「……信じてるよ! シア、イベルタルを地上に釘付けにするんだ!」

 

「はい! アブソル、“ちょうはつ”です!」

 

「アァァブ!」

 

『グ……! オオオオ!』

 

 “ちょうはつ”を受けたイベルタルは、口にエネルギーを溜める。金色に光るそれを見たシアは、技能である「未来視」によって何が起きるのかを察した。

 

「格闘タイプの技!? アブソル、避けて!」

 

『ガァァァァァァ!!』

 

 イベルタルによる“きあいだま”が放たれるが、シアによる咄嗟の指示で辛うじて避けることが出来た。しかし着弾したその威力は凄まじく、強い爆風がハジメ達を襲う。

 

「くっ、この……!」

 

「香織、無茶はしないで!」

 

「私だって……私だってハジメ君と戦えるんだもん!」

 

 衝撃波から全員を守ろうと結界を貼る香織だが、土壇場で強固な結界を貼っただけあって体力の消耗も激しかった。ハジメは無理をしないように叫ぶが、彼女の顔にはどこか焦りが見られた。

 

「ユエさん! ゴルーグは何処に!?」

 

「今来る!」

 

「ゴォォォォォォォ!!」

 

 上空から猛スピードでイベルタルに迫るゴルーグ。そこへユエが更に指示を出した。

 

「攻撃変更! “ヘビーボンバー”!」

 

 イベルタルの体重は、約203kgである。それに対してゴルーグは約330kg。その体重差は大きい。更に、先ほどまで“そらをとぶ”攻撃によってイベルタルよりも高度を取っており、それが中止されたことで落下状態になっている。

 高い所から重い物が落ちればどうなるか。答えは、すぐに起こった。

 

『グオオオオオオオオ!?』

 

 イベルタルは地面へと勢いよく落とされ、大ダメージを受けた。

 

「よし、狙い通り!」

 

「ナイスだ、ユエ! サイホーン、“メガホーン”!」

 

「アブソル、“じゃれつく”攻撃です!」

 

 それを好機と見たハジメ達は、一斉攻撃を始める。しかし……。

 

 

『偽りの味方をするか、人間』

 

 

 殺気。ハジメがそれを察した瞬間、“あくのはどう”が放たれた。至近距離に居たゴルーグは、先ほどの体重差が嘘のように大きく吹き飛ばされる。

 

「ゴルーグ!?」

 

「ゴ、ル、ル……」

 

 ユエの叫びに立とうとするが、そのまま倒れてしまう。戦闘不能だ。

 更にイベルタルは、その脚でアブソルを掴むと、サイホーンへと投げつける。

 

「アブソル!?」

 

「っ! まずい!」

 

 味方を投げつけられて怯んだ所を、イベルタルは即座に“きあいだま”を発動!

 

「グオオオオオオン!?」

 

「サイホーン!」

 

 煙が晴れると、アブソル、サイホーン共に目を回して戦闘不能になっていた。

 

「嘘だろ……?」

 

「そんな……」

 

 何とかボールに戻すものの、3体のポケモンが一気に倒されてしまうという事態に、ハジメの脳は若干パニックになっていた。

 

 

 

 

 

「バ、バサギリ!」

 

「シャアァァァ!」

 

 あまりにも絶望的なこの状況に、香織はゼルネアスに叫ぶ。

 

「ゼルネアスさん、貴女の力を貸してください! このままじゃ……!」

 

『お待ちください……! 秩序の番人に、ジガルデ・セル達にイベルタルの場所を伝えているのです……!』

 

「そんなことをしてる間に負けちゃうよ!」

 

 香織がハジメ達に目を向ける。

 

『散れぇい!!』

 

「“ゴッドバード”……! 回避して“ステルスロック”!」

 

「バルァァァ!!」

 

「少しでも魔法でダメージを稼げたら……! 『天灼』!」

 

「ハジメさん! 未来視によれば、次は“ぼうふう”が来ます!」

 

 彼らはまだ諦めていない。それを見た彼女の中にある焦りや劣等感は、望みへと変わっていた。

 

「(私はハジメ君のようにポケモンを持ってないし、ユエのように強い魔法を撃てない。シアのように予知なんて出来ない……)」

 

 自分だけいつも後ろ側。それが、先ほどまで彼女の心に影を落としていた。

 

「(私に出来るのは、トータスに来てから得た治癒魔法で、皆を癒すこと。でも今のままじゃ、全然足りない!)」

 

 これから先、過酷な試練や戦いが待っている筈だ。それなのに周りに追い付けていなければ、自分はきっと後悔するだろう。

 

 

「(もっと、もっと癒しの力を!)」

 

 

 その時、ハジメが使っているポーチからある物が飛び出した。

 

「え……?」

 

 それは、かつてウルの町にて豊穣の王バドレックスから託されたもの。

 

『それは、みどりのプレート……!』

 

 ゼルネアスが驚きの声を上げるが、その理由はプレートが飛び出したからでは無い。

 迷宮で見た時の他のプレートとは違い、神々しい光を放っているのだ。

 

「………………!」

 

 香織は迷わず、手に取った。その瞬間!

 

「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 彼女の体を、激しい雷が襲った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『っ! 強き神の力を感じる。そこに居るのか、ゼルネアス。そして、イベルタル……!』

 

 犬の姿の番人は、駆けつける為に速度を上げた。




ようやく、ようやくジガルデさんを出せます……!
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