区切りを良くするため、かなり短めです。
ハジメ達がイベルタルと戦っていた頃、幸利たちは神山を駆け上がり、教会内へと向かっていた。
「教会内には地下牢があると聞いています。雫たちは恐らくそこに」
「何のための地下牢だろうな。拷問、洗脳……とにかくキナくせぇ! 手早く助けるぞ!」
リリアーナの情報を頼りに急ぐ幸利たち。その時だった。
「イレギュラー3名を確認」
機械的で冷たい声が響く。ティオが瞬時に気配を察知し、声を上げた。
「2人とも伏せよ! 上からじゃ!」
ティオが魔力で“まもる”を発動し、幸利とリリアーナが地面に伏せた瞬間、銀色の弾が3人に降り注ぐ。
その弾の正体は、羽。攻撃の主がもつ翼から放たれたものだった。
攻撃が止み、煙が晴れる。伏せていた2人も顔を上げると、そこには……天使が居た。しかしその表情に慈悲の笑みは無く、位置と相まってまさに「見下している」顔である。
「天使……?」
「騙されるなよ、王女様! あいつは敵だ!」
「メルジーネ大迷宮での過去映像におったの。お主がエヒトの手駒……人間と魔人族を争わせ続けた張本人じゃな」
幸利とティオが睨み付ける。天使は表情を変えることなく、魔法によって巨大な両刃剣を2本持った。大剣を二刀流で構える辺り、やはり只者ではない。
「これ以上の盤上荒らしを、我が主は望んでおりません。よって、あなた方を排除します」
「盤上……。妾たちはお主達からすれば、遊戯の駒というわけか」
「クソ野郎だな!」
「やはり、この世界は……」
天使……ノイントの言葉に対して声を荒くする幸利と、世界の歪みを再認識するリリアーナ。
そこへ、ティオが2人の前へ出た。まるで2人を庇うように。
「2人は先に教会へと向かうのじゃ。あ奴は妾が相手をしよう」
「なっ! さっきの攻撃と言い、アイツはかなりヤバいぞ!」
「私たちもポケモンで加勢します!」
「だからこそじゃ! 教会も、神殿騎士とやらで守りを固めておるじゃろう。戦う力は少しでも残しておくことじゃ。ここで疲弊しなくとも良い。それに……」
ティオが右腕に力を込めると、緑色の光を持つエネルギーが爪状になって彼女の腕を覆った。それは、“ドラゴンクロー”と呼ばれる技であった。
「妾はシアと同じ亜人族……とりわけ、ドラゴンポケモンの血を持っておるからの。ちゃんと戦える」
「なるほど。竜人族ですか。ならば、反逆者達によって奪われたプレートの場所を吐いてもらいましょう」
「行け! 早くクラスメイトを助けるのじゃ!」
幸利は悔しそうに拳を握るが、すぐに顔を上げてリリアーナの手を取り走り出した。
「死ぬんじゃねえぞ!」
「逃がしません。排除します」
「やらせぬよ」
再び羽による攻撃を行うノイントだったが、ティオも負けじと“まもる”を発動。広範囲に放たれた攻撃は幸利とリリアーナが走る方向とは別の場所にも着弾し、それによる土煙が目隠しにもなった。
「(はてさて……。あぁは言ったものの、あ奴の攻撃がフェアリータイプだったらちと不味いかの……)」
ノイントに悟られないように、笑みは崩していない。
「(龍神さま……。妾に御加護を!)」
ティオが“ドラゴンクロー”で突っ込み、ノイントは剣を構える。両者の戦いが、始まった。
サブタイトルを何にしようか迷ってる時に偶然、クロスアンジュと言うアニメでの、ヴィルキス覚醒BGMを見つけました(クロスアンジュを知ったのはスパロボですが……)。
次回は、ティオvsノイントです。