ポケットモンスター トータス【本編完結】   作:G大佐

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今回はちょっとしたご都合主義が含まれてます。苦手な方は申し訳ありません。


竜人族の里へ

 ハイリヒ王国から遠く離れた空を、あるものが飛んでいた。

 

「まさか飛行船が作られてたなんてねぇ」

 

「それらを捨てずに保存していた辺り、何かしらに使えると考えては居たのじゃろうな。しかし聖教教会がその使用を禁じていた……。つくづく影響の強い組織じゃのぉ」

 

 そう、ハジメ達が乗っていたのは飛行船。かなり前に、トータスの人間が開発したと言うものだ。残念ながら、聖教教会の「空はエヒト様の領域であり、それを侵すのは不敬である」と言う横槍があった。これによって飛行船の開発者は異端認定され、聖教教会によって処刑されてしまっている。故に実用化されることはなく宝物庫に眠っていた。それをリリアーナが引っ張り出してきたのだ。

 

 ハイリヒ王国は現在、混乱状態に陥っている。イベルタルによる混乱と、それに対する迅速な指示のない王家、そして教皇イシュタルの()()()()()()()。国民達の不信は大きくなっており、エリヒド国王の支持は低迷しつつある。現在の政務を取り仕切っているのはリリアーナであった。

 

「ハジメよ。プレートの事を知っていたのを黙っていて、すまなかった。千宙腕さまの力は、例え欠片一つであろうとも強大じゃ。本当に所有するに相応しいかを見定める必要があったのじゃ……」

 

「そう言うことだったのか。でもまぁ、ティオ達の信仰する『龍神さま』を祀る祭壇にあるのなら、仕方ないよね……。まさか祭壇が大迷宮になってるとは思わなかったけど』

 

 ティオの故郷にある大迷宮。そこは、普段は竜人族が、龍神さまと呼ばれる存在を崇める為の祭壇となっている。そこに納められているのがプレートだと言うのだ。

 

「プレートの影響ゆえか、他の迷宮のように他のポケモン達は居ない。居るのは『番人』と呼ばれる存在のみじゃ」

 

「つまり、天之河たちも行けると言うわけか」

 

 飛行船に乗っているのは、以下のメンバーである。

 ハジメ、香織、シア、ユエ、ティオ、幸利、恵里、雫、浩介、光輝、龍太郎、鈴。

 

 永山重悟率いる永山パーティーと、園部優花を始めとする愛ちゃん護衛隊はハイリヒ王国に残ることになった。先述した混乱の隙を突いて、ヘルシャー帝国が何か動きを見せる可能性がある。魔人族が攻めてくる可能性もあるため、国防のために残ったのだ。メルド団長も居るため心配は不要だろう。

 なお、完全に余談になるが、檜山たち小悪党チームは、イベルタルのオーラに当てられて心が折れ、自室に引き込もってしまったらしい。その事を聞いたハジメとしては、最早どうでも良いと割りきることにした。

 

 

 

 

 

 飛行船内の一室では、香織と幸利と浩介によるポケモン講座が行われていた。ポケモンのタイプ相性から始まり、ゲームで言うHPやPPと言った要素の説明も行われたのだ。

 

「ぐおおお……! 頭が割れるぅ……!」

 

「うにゅぅぅぅ……!」

 

 龍太郎や鈴はその内容の濃さにグッタリしていた。雫や光輝はその奥深さに驚いていた。

 

「南雲たちは、これを常に意識しながら戦っていたのか……」

 

 相手と自身のポケモンが保有するタイプ、覚えている技や相手の技のタイプ、それらを考えながら戦っていたと言う事実に驚きを隠せない。それに加えて、特性と呼ばれる要素も併せ持っている。相当に頭を使うことだと光輝は理解した。

 

「それにしても……天気が崩れてきた」

 

 ユエが窓を見ると、出発当初の快晴とは一転して暗雲が立ち込めていた。シアも続いて見てみるのだが、その時彼女の“未来視”が発動した。

 

 こちらへ高速で向かってくる飛翔体。恐ろしい数の稲妻と共に、ポケモンが姿を現す未来だった。

 

「っ! ごめんなさい! 操舵室に行ってきます!」

 

 

 

 

 

 

 

 視点は再びハジメに戻る。舵を取る彼の表情は優れない。

 

「さっきまで快晴だったのに」

 

「……妙じゃな。こんなに急激に天候が変わるなんてことは無かった筈じゃ」

 

「念のため聞くけど、竜人族の里って某天空の城みたく雷雲で護られてるとか無いよね?」

 

「もしそうならば、この天気の回避ルートを教えておるわ。こんなの初めてじゃよ」

 

 強風や雨は無いが、視界が暗く不安が込み上げてくる。そんな時、操舵室の扉が乱暴に開かれた。

 

「ハジメさん!」

 

「シア? 申し訳ないけど今手が離せないんだ!」

 

「未来視で見えました! ポケモンが、ポケモンが来ます!」

 

 シアのその叫びと共に、目映い光と轟音、そして咆哮が響いた。

 

「キョオォォォォォォン!!」

 

 目の前に現れた存在。雷をまとって現れたポケモンの名を呟いた。

 

 

サンダー……!」

 

 

 




はい、檜山は見せ場無く退場しました。「もはや眼中にない」と言うのが、彼に与える最大の屈辱だと思うのです。
次回は三鳥の一体、サンダー戦です。
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