World Trigger NOCTURNE   作:鏡狼 嵐星

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ようやくかけた。
就職活動も相まって、超忙しいですが、ゆっくり書いていきます。
さっさと、研究も終わらせねば。

次回は、新しいやつに手を出そうとしていますが、ティアマトの方もまとまってきたので、気分次第です。


混沌との対決前

ボーダーに所属するB級以上の面々へと、緊急連絡が届く。

 

『至急、ボーダー本部へと向かうこと』

 

サイレンもない状態での緊急招集。これが意味するのは、近界民(ネイバー)に関連する重大な事件が発生する予兆であること、またはそれに準ずるなにかが発生したということ。学園にいるものが大半であったが、いつものように連絡通路からどんどんと本部へと人間が集合する。

しかし、隊員たちは出撃準備をすることはなかった。各隊室に移動するように指名され、リーダーと同伴を許された一名のみ、別室に移動するように指名を受ける。一人で移動するもの、事情が理解できずに親しいものを連れて行くもの、様々な種類の人がいた.だが、ランク戦をみるための巨大モニター室へと案内される際、モニター前で東が指示をしていたことから、その疑念は晴れた。東がマイクを持ち出して、モニター前に立つ。

 

「いきなり呼び出したのに、ほとんどのチームが集まってくれた礼を言わせてくれ。そして、今回の呼び出しは8日前の大規模侵攻に関する話だ。A級以上のメンバー話には聞いていると思うが、まず今回我々と同盟を結ぶことになった『人修羅』に関して、まず説明しよう」

 

『同盟』に関して、B級隊員たちに動揺が走る。知らされている情報では、『人修羅』は近界民(ネイバー)であり、倒すべき敵であるからだ。そんな動揺が広がる中、東が解説席にいる人見に指示をする。すると、人修羅の外見とともに破壊されたラービットが映し出される。

 

「同盟に関して、疑問がある人間が大半だろうが、その疑問の答えは俺の話を聞いてもらったあとに話そう。まず、人修羅の外見は前に画面に映しているとおりだ。全身に特殊な入れ墨が入った上半身裸の男、というのが特徴だな。まず注目してほしいのが、彼の戦闘能力だ」

 

破壊されたラービットが拡大され、その3Dモデルが展開される。モデルが動き、ラービットが両手を前に構えてガードするような体勢に変化し、両腕と頭に巨大な穴が開けられているのがよく見えた。その異様さに諏訪が「はぁっ!?」と声を漏らした。

 

「実際にラービットと戦った隊員ならわかると思うが、こいつの特徴は弧月やアイビスの弾丸すら弾く装甲の硬さにある。だが、画面にあるこいつは、両腕を重ねた状態に人修羅が攻撃して破壊したものだ。つまり、人修羅にはラービットの両腕と頭の装甲を容易に貫通する攻撃力がある。追加で言えば、一刀両断された個体もいれば、全身に穴が空いた個体もいた。ボーダーが観測した、人修羅が破壊したラービットは8体。さらに、人修羅はこの後、アフトクラトルの黒トリガー使いを撃退している」

 

画面が切り替わり、グラフがいくつも並ぶ。

 

「そして、これがトリオンの計測結果だ。人修羅個人だけでも60を超えている。さらに、彼には8体前後の自立型のトリオン兵を引き連れていて、そのトリオン兵ですら40前後。二宮が14であることを考えれば、どれだけ高いのかがわかると思う」

 

B級の面々が顔をひきつらせる。迅の詳細を知っていなくても、自分のもつトリオンとは桁が離れていることはわかる。

 

「ボーダーは大規模侵攻のとき、人修羅側から交渉を持ちかけられた。人修羅には地球での別の目的があり、それの達成に協力してくれるのであれば、敵の撃退に協力しようという内容だった。遠征によって、人修羅の強さを理解していた上層部は、これを了承。結果として、大規模侵攻の被害を最小限に抑えることに成功した。戦功で言うなら、ラービット8機、ブラックトリガー使い、新機体を含む相当数のトリオン兵の撃破とボーダー総合の戦績と比べて遜色ない」

 

東が一息つく。隊員たちは今回の大規模侵攻の概要を、初めて詳細に知ったため、人修羅の協力による被害減少の功績に、同盟の話に徐々に理解を示し始めていた。

 

「肝心の同盟に関する話だが、交渉に応じた結果というには少々ややこしくなっていてな。すでに交渉の対価だった、人修羅の目的はすでに達成されていて、交渉自体はすでに終わっている。……ぼかしても意味はないから、結論から言おう。人修羅は元地球人だった」

 

爆弾発言に、殆どが理解できず、理解できたメンバーたちは眉をひそめたり,目を見開いたり、反応は様々だった。

 

「指紋、血液、頭髪。人修羅が提供した個人情報特定に必要なものすべて、過去に三門市で消息を絶った一人の少年と一致した。つまり、人修羅はこの世界で『近界民(ネイバー)に拉致された後、近界(ネイバーフッド)から地球へと帰還した唯一の人間』ということになる。当然、ボーダーは彼に近界(ネイバーフッド)の情報を聞くのはもちろんだが、その前に地球人である彼を放置しておくわけにはいかなかった。これが同盟を組んだ理由だな」

 

徐々に動揺が広がっていく。大規模侵攻が起こったというだけでも大事件だというのに、近界民(ネイバー)とともに現れた人修羅という存在、その強さ、その正体と明らかに情報量が多すぎる。

 

「質問いいですか、東さん」

 

「鋼か。おう、いいぞ」

 

どよめくメンバーが多い中、手を上げて、質問権を要求する鋼に、東は許可を出す。

 

「人修羅に関して、B級が与えられていた情報は多くありません。大規模侵攻のときにオペレーターを通じて連絡を受けました。ですが、戦ってはいけない、敵対してはいけない、この2つが主な情報です。今の話から、人修羅側には、戦力的にブラックトリガー使いが最低9人以上いるわけですし、戦ってはいけない理由と情報統制していた理由はわかりました。ですが、強力な力を得て帰ってきたとは言え、元地球人なわけですから、保護でなく、同盟としたのはなぜですか? 人修羅はボーダー側に悪印象を持っているのですか?」

 

冷静な分析による現状の把握、それを踏まえた質問だった。元地球人なら、なぜボーダーと協力しなかったのか。なぜ交渉という形になったのか。それはボーダーをして、敵対をしてはいけないと言わせる実力のある存在が、ボーダーに良い印象を持っていないからではないか。彼はそういった疑問をまとめて質問とした。

 

「前提として、人修羅は近界(ネイバーフッド)の中でも相当強力な存在とされていることがわかっている。加えて、彼が地球人だとわかったのは、大規模侵攻が終わって、事後処理をしている途中だったからな。その時、ボーダーは保護と言う形を考えたが、自分よりも強力な相手を保護するというのはおかしな話だろう。そして、人修羅自身はボーダーに悪印象を持っているわけではないが、彼が『仲魔』と呼ぶ自立型トリオン兵たちが俺たちに懐疑的だ。だが、人修羅にも事情があるらしく、条件付きで同盟を結んでくれたというわけだ」

 

東との討論で、大方のメンバーが状況をある程度理解できてきた。しかし、最後の条件付きという単語に引っかかったメンバーもまた多かった。

 

「……その条件だが、単純だ。彼らに人修羅と組む価値があると納得してもらうために、実戦をする。彼らの示す条件を満たせば、お互いに利のある同盟になるが、満たせない場合は、向こう側だけ利のある同盟になる」

 

「おいおい、そりゃ向こうに有利な条件だな。よく上層部が了承したもんだ」

 

諏訪の感想は最もで、この条件は圧倒的にボーダー側が不利である。

 

「示された条件が『人修羅に攻撃を一度当てる』だからな。ボーダー側もその要求を飲まざるを得なかった」

 

次の発言で、諏訪がまた「はぁっ!?」と声を荒げる。声を上げていないだけで、驚いていないメンバーはいなかった。

 

「どんな攻撃方法でも当たれば良し。ボーダーの戦闘員の制限は20名までで、オペレーターを含めずにこの人数となる。戦闘に直接介入しなければ、どのようなサポート行為も可能だそうだ」

 

20名。それはランク戦に参加できるメンバーの最大数と等しい。一人を相手にする場合、過剰戦力であり、むしろ、ともに戦うメンバーの邪魔になるレベルである。

 

「人修羅側は、人修羅以外に3体の仲魔を使用でき、他の仲魔と交代できない。ボーダー側がブラックトリガーを使用しない限り、人修羅はブラックトリガーを使用しない。最初の3分の間、人修羅とその仲魔は守備に徹する。人修羅側の勝利条件は戦闘員の全滅のみ。他にも多少あるが、提示された条件の中で、こちら側に不利なものはブラックトリガーに関するものと迅のサイドエフェクトの使用禁止ぐらいだ。これは人修羅が提示した条件だし、ボーダーにとって、これ以上の条件はないだろう」

 

次々に羅列される、ボーダー側が有利としか思えない条件の数々。たしかにブラックトリガーを使えなくなるのは痛いが、未知である人修羅のブラックトリガーを使用させない事実も大きい。致命的なものといえば、迅のサイドエフェクトを使用できないくらいだった。

 

「先にいうが、人修羅側の都合で、今回の実戦は訓練室を使えない。故に街の一部区画をサイレンで住民を避難させた後で使用する。今回の大規模侵攻で、天羽が色々吹き飛ばしてしまった地域を使うから、周りの被害は気にしなくていい。障害物として、エスクードを貼ることは人修羅に了解を取っている。肝心のメンバーだが、俺と忍田本部長で、戦闘能力・戦略・チームワークをメインに選ばせてもらった」

 

モニターに20名の名前が羅列される。

 

チーム1 太刀川、小南、鳥丸、木崎、村上、二宮、出水、東

チーム2 忍田、生駒、水上、当真

チーム3 弓場、米屋、三輪、奈良坂

チーム4 風間、影浦、菊地原、絵馬

 

「チーム1には人修羅を抑え込んでもらうため、ボーダーの最強戦力とそれを活かす構成を選んだ。残りのチームは前2人、サポート1人、スナイパー1人という構成にした。相性を含め、考えて組んだが、交代したい場合は相談の上、俺か忍田本部長に申し出てくれ。オペレーターだが、人数制限がないので、出せるだけ出してほしい。が、多すぎるのも良くない。連携ができることを確認して、オペレーター側で最適な人数を組んでくれ」

 

選ばれたのはボーダーの中でも選りすぐりのメンバーたち。むしろ、このメンバーたちを使った総力戦をしなければならない、と東と忍田本部長が判断したわけであり、人修羅の異常性が改めて、知らされたわけになる。

 

「僕も質問いいかな」

 

王子が手を挙げる。東は気にせず言ってくれと手を挙げずに質問してくれていいと促す。

 

「今回の招集が、僕たちを含めて、関係ないメンバーが多い理由は?」

 

「人修羅に関して、わからないことも多い。残ったメンバーから、現地及び作戦室での戦闘補助をするチームを作る。さらに余ったメンバーとここにいないものたちから、防衛担当を割り振る。そして、残りのメンバーには、モニターを通して、実際の戦闘を見てもらう。なんでもいいから、気づいたことを戦闘補助チームに連絡してもらい、それを情報の一つとして使わせてもらう。まぁ、B級以上を呼んだ理由は以上だな」

 

なるほどと、いつもの笑顔を崩すことなく、王子は質問を終える。次に手を挙げる者はいなかった。

 

「次の質問はなさそうだな。戦闘補助だが、指定するメンバー以外は立候補したいものだけで構成する。何人いてもやる仕事はあるから誰が来ても歓迎する。では、各チームは集合、残りは解散して、チーム部屋に移動してほしい」

 

 

 

 

 

 

チーム1はその場に残り、巨大なモニターを前に、座りたい場所に座っていた。

 

「さて、さっき言った通り、俺たちの主な役割は人修羅を抑え込むことだ。できるなら、一撃加えたいが、俺の見解だとそう簡単には当てられないだろうな」

 

「東さんの言うことを疑うわけではないですが、射手である出水と俺がいれば、一撃当てること自体は容易いと思います。それができないと判断する理由はなんですか?」

 

「それは俺も疑問に思ってた。とんでもないトリガーとか、あったんすか?」

 

二宮と出水の疑問は至極当たり前の疑問だろう。倒すことや重傷を与えることが難しくても、一撃を与える程度であれば、出水と二宮の技術があれば難しくない。それは東も感じていることだった。

 

「お前たちの技術を疑ってるわけ無いだろ。だが、人修羅の仲魔に、二足歩行の象のようなやつがいてな。そいつが、アフトクラトルの強化トリガーの弾を真正面から弾き飛ばす、いや正確には反射というべきか。傷付くことなく、遠距離攻撃を無効化した上、相手に攻撃を跳ね返した。この力を、トリガーとして人修羅が持っている場合、ただ遠距離攻撃だけすればいいとはいえない」

 

へぇー、と出水が感心する中、二宮はそのトリガーを使われた場合の反射の仕様や威力、自分が持つ弾がどういう動きをするかなどの構想を練り始めていた。東はそれを察し、話を人修羅の戦闘能力の方へと移す。

 

「ここにいるメンバーで、実際に人修羅の戦闘を見たのは俺と小南くらいか。俺が直に見た攻撃は一度だけ。巨大な爪のようなものを生成する攻撃で、アフトクラトルのトリガーごと使用者を貫いていた。あくまで個人の意見だが、リーチはないが、火力はえげつないだろうな。小南はどうだ?」

 

「あたしが見たのは、新型をとんでもない太さのレーザーで貫いて、落ちてきた残骸を複数のメテオラみたいなやつで撃ち落とした光景よ。レーザーは額から、弾は足から出てたわ。トリガーは全身に仕込まれてると思っていいわよ。その新型は加古さんのメテオラで傷一つないほど硬かったから、威力はゲキヤバね。千佳の倍近いトリオンは伊達じゃないわ」

 

ラービットの装甲を破っている時点でとんでもないことは理解していたが、それを改めて全員が認識した。

 

「聞けば聞くほどとんでもない相手ですが、どう戦いますか?」

 

「俺のアイデアは太刀川と玉狛第一にスタメンを張ってもらい、四方から狙ってもらう。出水と二宮は両攻撃をメインに人修羅の動きを制限し、村上は二人の防御に徹してもらう。俺は遠距離から隙を狙うが、無理だと判断する間は全体の指揮をする形になるな」

 

「妥当ですね」

 

作戦の概要の相談が行われている途中、国近、宇佐美、氷見、人見の4人が現れる。

 

「割り振り、決まったよ~。やっぱり、同じチームがいるところにいたほうがいいって話になったから、よろしく~」

 

国近のゆるい声とともに、オペレーターを含めた作戦会議は再度始まる。

 

 

 

 

生駒隊の隊室。いつもの生駒隊のメンバーに加えて、忍田本部長と沢村、冬島隊がいる。ソファに対面するように、生駒と水上は座っており、水上は頭を抱えていた。

 

「絶対場違いですわ。そもそもなんで俺なんですか。戦力として、イコさんが選ばれるのはわかりますが、射手なら、加古さんとか那須さんのほうがいいですやん。なんで俺なんですか」

 

「単純に生駒との相性もあるが、私が君の作戦力を買った。我々は人修羅とその仲魔3体を相手にしなければならない。最初、彼らは4人のチームとして動いていたが、我々の要請で、各個撃破の体制を取ってもらった。つまり、人修羅側の戦闘スタイルはチーム戦がメインで、個人戦もできるわけだ。我々のスタイルに非常に近い。ランク戦の戦術も使える可能性は十分にある」

 

「作戦に関しては納得しますけど、メンバーが変なのは間違いないでしょ。忍田本部長は話題の人修羅の相手に行くべきやないですか。うちの最強戦力ですやん」

 

「それ、断ったの東さんだぜ? 人修羅はともかく、その仲魔は勝利条件に関係ないし、邪魔してくるだろうから、それを止めうる戦力ってことでな。麻痺してるかもしれないが、ブラックトリガー並のトリオンと自由意志を持つトリオン兵だ。いくら本部長といえども、過剰戦力とは言えないだろ」

 

ケラケラ笑う当真に、複雑そうな水上。そんな会話を尻目に、沢村は細井、真木の二人にチームとしての動きをどうするのか、連携をどうしていくのかを共有していた。

 

「一つ聞きたいんやけどええ?」

 

「どうした、生駒。不明確なことは今のうちに片付けておくべきだ。遠慮なく聞いてくれ」

 

生駒が人修羅の仲魔の一覧を真剣な眼差しで見ながら、続ける。

 

「もし、この妖精みたいなちっちゃい女の子来たら、斬れんと思うんやけど、大丈夫やろか?」

 

「……確かに、大きさそのものが小さい上、瞬間移動に似たトリガーを使えると聞いている。無理に不利な相手と戦う必要もない。他の部隊に連絡をしておこう」

 

((((違います、忍田本部長。この人、女の子を斬りたくないだけです))))

 

その時、生駒隊の全員の心の中が一致した。

 

 

 

 

 

 

三輪隊の隊室。三輪隊と弓場隊の両方が集まっていた。

 

「俺の隊がメインに組まれているので、全体の指揮は俺が取る形になりますが、いいでしょうか?」

 

「問題ねェ。米屋とともに、挟み込む形で前衛(フロント)を張ればいいんだなァ?」

 

「陽介を敵の正面に置きます。弓場さんは陽介のことは気にしなくていいので、全力で仕留めに言ってください」

 

「おい、それはひどくねえか? 流石に弓場さんの攻撃は、見てから避けられないぜ?」

 

三輪の遠慮のなさに、米屋は苦笑い。威力と速度を求めた弓場の弾は、反応して避けられるスピードではない。

 

「射線は引くわ。それなら大丈夫でしょ?奈良坂くんの射撃と変わらないわ」

 

「いや、数、数。まぁ、頑張るけどさー」

 

軽い会話に見えるが、三輪の雰囲気がどうにも少し暗い。弓場はその空気を感じ取っていたが、自分にはどうしようもできないと、藤丸に視線を移す。彼女もまた、いつもと雰囲気が違った。

 

「藤丸。不満があるならでなくていいんだぞ?」

 

「不満じゃねーよ。ただ、あの人修羅って男、どっかで見たような気がすんだよ。どこだったかな……」

 

「えっ!? ののさん、あったことあるんスか!?」

 

帯島の反応をきっかけに、三輪隊も外岡も似たような反応を見せたが、弓場だけは表情を帰ることなく、続けた。

 

「それはすぐ思い出せそうかァ?」

 

「う~ん、無理だな。思い出せない」

 

「なら、それは置いとけ。今はこの戦いに勝つことが大事だ」

 

「そうだな。よし、サポートは任せとけ!」

 

あっさり済ませてしまった二人に、月見と米屋は笑い出し、他のメンバーは呆れてしまった。三輪の雰囲気が少し和らいだことを弓場は見逃さなかった。

 

 

 

 

風間隊隊室。影浦と風間が対面する形で、立っており、ソファには三上、仁礼が座っている。少々、剣呑な空気になっており、絵馬と菊地原は我関せず、歌川と北添はハラハラしていた。

 

「風間ぁ、おれはお前のアシストなんかしないからな。勝手にやる」

 

「お前はそのほうが実力を出せそうだ。問題ない」

 

「ちょっと、カゲさ。相手はめちゃくちゃ強いんだよ? 協力したほうがいいって、絶対」

 

協力するはずの影浦から、真逆の提案をされたが、それを了承する風間。北添がこの雰囲気をどうにかしようと口を出すが、影浦の態度は変わらない。

 

「関係ねえ。この組分けをしたのが東さんなら、こうなることも想定済みだろ。ヒカリ、お前はゆずのことをメインでサポートしろ」

 

「あたしはそれでもいいけど、三上さんの指示は聞くからな?」

 

「けっ、勝手にしろ」

 

影浦はそのまま隊室を出ていってしまう。北添が頭を下げるが、風間は必要ないと断りを入れる。

 

「さっきの言葉は本音だ。影浦は縛らない方が強いだろう」

 

「風間さんがそれでいいならいいんですけど……」

 

「絵馬、三上から指示が行く可能性はあるが、基本的に自由に動け」

 

絵馬は視線だけ風間に向けた後、うなずく。

 

「さて、作戦を練る。北添、仁礼。お前たちも知恵をかせ」

 

 

 

 

三門市で荒れ地になった地域がある。そこに大量のエスクードが展開されており、射撃訓練場のような形式に早変わりしていた。

 

「これだけ出すと、流石にきついな」

 

迅が自身のトリオン体にヒビを出しながら、伸びをする。

 

「……」

 

人修羅はその様子を見ながら、ただそこに座り、空を見上げていた。

 

「瞬殺にはならないから安心してくれ」

 

「……未来予知をするまでもない、か?」

 

「もちろん。俺はみんなを信じているからな」

 

人修羅の憂いを察し、迅が言葉をかける。人修羅もまた、迅の持つ確信に似た何かを感じ取り、その憂いが必要のないものだと考え直した。

 

「力があるなら、何も問題ない。俺の仲魔もそれを見たいだけだ」

 




そろそろダダ甘ラブコメみたいな話を書きたい。描写ヘッタクソだけど。

この作品における人修羅の過去に関して(さらわれた後から地球に戻ってくるまで)

  • 設定として早めに上げる
  • 次以降の話でストーリーに組み込む
  • どっちでもいいぞ
  • 早く次を上げるんだ、あくしろよ
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