World Trigger NOCTURNE   作:鏡狼 嵐星

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大・遅・刻。
まぁ、研究の立ち上げと就活と並列はムリポ。
就活が終わったわけじゃないんですが、第一志望の最終面接が終わったんで、一話勢いで仕上げました。
次回の予定は未定なんですけど、頑張りまっす。

忘れてる方も多いと思いますので、補足。
チーム1 太刀川、小南、鳥丸、木崎、村上、二宮、泉、東
チーム2 忍田、生駒、水上、当真
チーム3 弓場、米屋、三輪、奈良坂
チーム4 風間、影浦、菊地原、絵馬
オペレーターは各チームに所属していた方々。


対、混沌王

荒れ地に大量のエスクードが展開されており、擬似的な街が広がっている。迅が事前に大量に展開されたものだが、潜伏などに最低限必要なものは揃っていると言える。

 

「迅さん、これ全部一人でやったわけ?やばすぎるでしょ」

 

「いや、むしろ足りないぐらいだな。高所がもう少し欲しい」

 

「そりゃ、狙撃手はもっとほしいわなー。見たところでかいのが十個前後くらいか?」

 

チーム1のメンバー、出水・東・太刀川がエスクードだらけの景色の感想を言い合う。実際、東は人修羅の評価を今までにないほどの敵だと認識しており、高所・隠れる場所はいくらでも欲しかった。

 

「千佳、ピンチになったらちゃんと逃げるのよ。遊真はしっかり守りなさいね!」

 

「わかりました」

 

「まかせてよ、こなみ先輩。オサムに言われてるからな」

 

チーム1にはサポートメンバーとして、雨取と空閑が派遣されていた。その理由はトリオンの補給要因であり、戦闘をすることはない。ボーダー側の敗因予想として、真っ先に挙がったのが、トリオン差によるジリ貧。そこで各チームにトリオンが多い隊員が逐次派遣されることになった。空閑は雨取を守ることを三雲に任され、雨取の次の補給要因としても、ここに立っている。

 

「予定ポイントに到着。準備開始だ」

 

木崎が敵を見据えて準備を始める。この戦闘エリアの真ん中。片足を伸ばし、もう片方は曲げて座り込む全身入れ墨の男。ただ、戦いが始まるその時を待つように、静かだった。

 

「……実物見ると、ヤバさがわかるな。そこにいるだけで、背筋が冷えるのは初体験だ」

 

「しっかりしてくださいよ、太刀川さん。俺たちと先輩で切り合うんですから」

 

「いや、むしろ燃えるね」

 

烏丸の言葉を太刀川は嬉しく感じる。久方ぶりの共闘。恐ろしいほど強力な敵。これ以上ないほどに、彼は楽しみにしていた。

 

【全チームとサポートチーム、配置準備かんりょ~。いつでも出れるよ~】

 

人修羅を十字型に挟むような形で、全チームの配置が終わる。ボーダー側がトリガーを起動し、狙撃手組が移動を始める。人修羅がゆっくりと立ち上がり、腕を突き出し、声を上げる。

 

「ハァッ!」

 

小さな落雷とともに、周りに展開したのは、特徴的な黒い尾を持つ真っ白な犬、ファンキーな顔の黒い人形、人の3倍はあろう巨人。全員が背中合わせのような状態で展開される。それが戦闘開始の合図だった。

 

チーム1側から大量の通常弾(アステロイド)が発射される。それを見てから、人修羅は体を一瞬そらし、頭を振り抜く。

 

『鬼神楽』

 

出水や二宮の通常弾(アステロイド)を簡単に撃ち落とし、正面から迫る玉狛第一と太刀川に迫る。だが、彼らはすでに散開しており、誰ひとり当たらなかった。

 

【改めて、データ観測してみたけど、千佳ちゃんのシールドでも破られかねない威力だね、これ。被弾=死ぬよー】

 

宇佐美が、苦笑いしながら言うが、現場にいる人間は受けきれるつもりなど毛頭なかった。

 

【だろうな。現状は回避最優先、遠距離武器で削れ。ただ、大技は使うな。太刀川は好きなタイミングで旋空弧月を撃っていいぞ】

 

【【【了解】】】

 

東が言い終わるやいなや、太刀川が二刀流の旋空弧月を放つ。人修羅は左手からトリオンの光を迸らせ、ちょうど旋空弧月が重なる点へ振るう。巨大な音と共に、旋空弧月が弾かれる。

 

【まじか。ほぼノーモーションからのはずなのに、見てから反応されたぜ】

 

他方面では、生駒の旋空弧月が巨人に向けて放たれるが、巨人はそれをハンマーで叩き、そらしながら、その勢いを活かし、当麻の射撃をハンマーで受ける。弓場の近距離射撃を、黒い人形はその短い手足から想像できないスピードで撃ち落としながら、足元から氷状の攻撃を撃ち、米屋を引かせる。白い犬は影浦のマンティスを尻尾でいなしつつ、炎を吐き、風間たちを牽制していた。

 

【攻めきれないわね。向こうは3分間守りに徹するって言ってるけど、それって私達に自分たちのトリガーを見せる気なわけ?】

 

【十中八九、その通りだろう。そもそも、俺たちが20人いると言っても、トリガー性能とトリオン量でまず負けている以上、直接対決で勝ち目は限りなく低い。それに、向こうの目的は勝つことじゃない。俺たちに同盟を結ぶだけの価値があるかどうか見定める立場にある。今は俺たちの情報収集能力と分析能力を試しているんだろう】

 

【うひー、たまったもんじゃないな。このメンバーで動かすこともできないのかよ。で、トリガー解析の方はどうよ?】

 

【解析班から連絡よ。炎や氷のようなものは、トリオンに対して現実と同じような性能をしているみたいね。あと、人修羅たちの手足は、ラービットより遥かに硬い装甲で覆われてる。まともなダメージを与えるには胴体か首元あたりしか狙い目がないわ】

 

【……これをかいくぐって、胴体に一発となると、俺のガイストと木崎さんのフルアームズでどうにか隙を作るぐらいですかね?】

 

【いや、それを使うのは最終手段だ。今の人修羅たちを掻い潜るには足りないだろう。現状は、とにかく攻撃して、トリガーを使わせるしかない】

 

小南の意見は、東によって肯定される。出水の疑問には、人見が反応し、その詳細を語る。その絶望的な差に烏丸が呻くが、東はあくまでも、今は倒せないとした。各チームも似たような状況にあり、とにかく人修羅たちのトリガーを調べるため、代わる代わる攻めていく。

 

 

 

 

 

「なんだ、こいつら。全然強くないホー。ちゃっちゃと片付けちまえばいいホー」

 

「ヨワイ。ソノキニナレバ、スグオワル」

 

「全くだ」

 

ジャアクフロストが嘆く。ケルベロスもトールも、全く張り合いがなかった。あの世界での戦闘を繰り広げてきた彼らにとって、ただ実力を確かめ合うこの戦いはぬるま湯に等しい。

 

「……あと少し待て。守りが終われば好きにしろ」

 

仲魔の意見を聞きながら、人修羅はただ命令する。

人修羅は、シンはただ、知りたいだけだった。彼らにどれだけの強さがあるのか。意地があるのか。本当に守りたいものがあるのか。

恩師は帰りたいだけだった。意志だけはあったが、強さがなかった。

悪魔には強さがあっても、意志がなかった。

かつての友は自らの望むものを欲した。強さと意地が彼らにはあった。だが、シンの強さに勝てなかった。戦いを始めた男も同様だった。

最後に残った、人修羅を生み出したあの存在は、その完成を見届け、消えた。

 

恩師は死んだ。かつての友は殺した。あの世界は滅ぼした。

 

地球へと戻ってきた今の人修羅に残るのは、仲魔を守ることと恩師の言葉だけだった。

 

『私にはできなかったけれど、あなたの意志で進めると思う……。あなたの望む場所へ……』

 

シンは、もう自身が望む場所(地球)へ着いた。ならば、次の望む場所はどこなのだろう。

 

ボーダーは次の望む場所、足り得るのか?

 

彼らはシンの仲魔、足り得るのか?

 

「……さて,守りは終わりだ。暴れてこい」

 

悩むことはない、示せないならばそこまで。できないならば、どこかの果てを目指すのもいいだろう。仲魔の望むまま、世界を蹂躙するのもいいだろう。混沌の限りを尽くすのも、秩序を作るのも自由だ。

 

(さぁ、行こう)

 

人修羅は、誰にもその言葉を発することなく、敵を見据えた。

 

 

 

 

 

【……3分経過!】

 

氷身の言葉と同時に人修羅が巨大な『雄叫び』を上げる。聴覚はあれど、それによって行動が制限されることのないトリオン体であるはずの隊員たちは、その恐怖にわずかだが身を固めてしまう。それを見逃さず、人修羅とその仲魔は散開し、各戦闘チームと直に向き合う。人修羅は玉狛第一と太刀川の間を抜け、二宮・出水・村上のもとへと向かう。

 

【っち、鋼!】

 

二宮と出水の前に村上が立ち、後ろの二人は通常弾(アステロイド)追尾弾(ハウンド)を展開する。まず追尾弾(ハウンド)が人修羅に襲いかかるが、人修羅が両手を広げると半球のような壁が出現し、それに激突する。すると、追尾弾(ハウンド)が一瞬跳ね返るものの、拡散する。

 

【想像した通り、追尾弾(ハウンド)の性質上、反射してもこちらまで戻ってこないか】

 

村上の間近まで、人修羅が迫る。人修羅はそのまま拳を構えて、殴りかかるが、鋼はそれを盾で受け流しにかかる。攻撃を受ける前からスラスターを蒸すが、受けた直後、受け流せる威力ではないと判断し、盾を手放し離脱。それを見越した人修羅は口から息を吸い込み、盾ごと巻き込む形で業火を拭き放つ。

 

炸裂弾(メテオラ)っ!】

 

後ろから小南が炸裂弾(メテオラ)を放ち、木崎も銃で通常弾(アステロイド)を打つ。人修羅は後ろを振り向かず、白く光る球体を投げる。

 

『メギドラ』

 

球体は小南の炸裂弾(メテオラ)に触れ、炸裂する。二宮と出水が交差する形で通常弾(アステロイド)を放つが、人修羅は宙返りのように回転し、稲妻をまとった足で蹴り上げ、消滅させる。宙に浮いた直後に飛んできた太刀川の旋空弧月を、風を纏う左手で受け止め、烏丸の変化弾(バイパー)を、冷気が充満する右手で打ち下ろす。

人修羅が四肢を使い切った刹那、狙撃音が響き渡り、ちょうど人修羅の首元に光が伸びる。やったかと期待するチーム1のメンバーとオペレーター。

 

【……ダメか】

 

ふわりと着地した人修羅の口元には光る弾が咥えられており、彼はそのまま噛み抜く。バチッと大きな音共に弾丸が砕け散る。

 

【【……うっそぉ】】

 

国近と出水が思わず、言葉に漏らす。他のメンバーも似たようなものであり、次の手をどうするのか悩んでいた。まだ、小南の双月、木崎のフルアームズ、烏丸のガイストが残っているとは言え、それがあればできるかと言われば、ノーである。

 

 

 

 

ボーダー内、嵐山隊用隊室。三雲は、緊急時の防衛班である嵐山隊と、ここで戦闘を見ていた。

 

「……あれを凌げるのか」

 

嵐山の一言は妥当である。驚くべきことは、人修羅がシールドらしきものを使ったのは、反射のような形状のもの、わずか1回。いくら素手で履けるといっても、あの猛攻で一切、被弾していない。

 

「いやいやいやいや、あれ無被弾!?」

 

「これは、どうしようもないのでは?」

 

佐鳥と時枝の意見は最もであり、木虎も綾辻も言葉を失っている。東から気づいたことを連絡してほしいと合ったが、あれだけの連携をものともしない人修羅に何が有効であるのかなんて考えられなかった。

 

(……怪物だ。僕たちがどうにかできる相手じゃない)

 

三雲もその一人だった。自分では想像できないほどの凄まじい連携。万全の状態であろうが、今では到底見ることのできない領域の戦い。

 

(いや、それで諦めてどうする!烏丸先輩も行ってたじゃないか!考えることが僕の役目だ!)

 

必死に頭を働かせる。今までで語られた情報、見てきたものをかき集める。人修羅が出した条件の中で、なにか穴はないのか。策を見つけられないのか。弱いからこそわかる何かを考え出す。

 

(……!!)

 

一つ、あった。東の説明の中に一発逆転の要素が。しかし、それは諸刃の剣でもある。

 

「嵐山さんっ!宇佐美さんに繋げませんか!?」

 




冬島さんは解析班。
天羽は使い所がわからないので、一旦放置。(いたら戦いに出ちゃいそう)

あと、感想くださーい。

この作品における人修羅の過去に関して(さらわれた後から地球に戻ってくるまで)

  • 設定として早めに上げる
  • 次以降の話でストーリーに組み込む
  • どっちでもいいぞ
  • 早く次を上げるんだ、あくしろよ
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