アークナイツ トロフィー「雪ウサギは春に遊ぶ」取得RTA   作:春雨シオン

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 マリア・二アールが復刻したので初投稿です。ムリおじ、予想以上にお労しいキャラですねえ。ゲル掘っとけと散々言われたから渋々掘ってるけど使い道がいまいち思い浮かばない世界だ。


Part16 ドクター救出作戦

 ようやく原作に追いつきましたRTA、第16部はーじまーるよー!

 

 前回、改めてドクター救出作戦に名乗りを上げた我々ですが、今は具体的な段取り等の確認のため、一緒に行動する行動予備隊の面々とミーティングルームに来ています。内訳は行動予備隊A1、A2とA4、それとなぜかジェシカ姉貴です。ジェシカ姉貴、村八分でもされたん?わかりやすく言うと星2の方々とメランサ姉貴たちのチームとフェン姉貴たちのチームです。A4の方とは一度模擬戦をした仲ですので、ある程度は面識があります。まあこの作戦以降、ほとんど関わる機会はないと思われるので特筆すべきようなことはないです。(あ、ない。)ミーティングの内容も、作戦内容を黙って聞いてるだけですし。

 

 では我々の作戦内容をご説明いたしましょう。といっても、やることなんてほとんどありません。詰所で待機しておいて、もし何かあったら指示に臨機応変に従う。ただそれだけです。簡単な任務だから行動予備隊にも任せられると判断したんでしょうねえ。もろちん、見どころさんのためにもドクター救出の部隊に加わりたかったのですが、まだCEOからの信頼が足りていないからね、しょうがないね。

 

 じゃあ独断行動してはどうかという話ですが、待機命令一つ満足にこなせない狂犬を使ってくれる組織なんてそうそうありません。下手に介入して被害が拡大したらもうリカバリー不可ですし。Ace等の犠牲こそあるものの、上手くいくんだからほっときゃいいんですよ。(人間の屑)

 

 しかしこちらの任務も楽勝というわけにはいきません。というのも、なぜかW姉貴に絡まれるからですね。彼女は1章のストーリー終盤で行動予備隊に絡んだのち、撤退してドクターたちの方に絡みに行きます。この際アドナキエル君が爆殺されたというのが鉄板ネタですね。もろちん、彼も負傷しただけで済みましたが。

 

 つまり私のするべきことは、W姉貴の相手をしながらさりげなくドクターとのファーストコンタクトを済ませることです!W姉貴を上手くあしらうことが出来れば、CEOからの評価も自ずと上がることでしょう!

 

 お、ちょうどよくミーティングも終わったようです!さっさと部屋に引っ込んで刀の手入れでもしますかねえ。

 

 

 

 

「あ、サクラさん!あの、えっと、この後お時間ありませんか?よ、よかったら、食堂に来ていただきたいんです!A4の皆さんもお礼がしたいそうなので…!」

 

 あれ、メランサ姉貴です。引っ込み思案と聞いていましたが、結構積極的ですね。まあ特に断る理由もないので行きましょうねー!

 

「お、なーにメランサちゃん。いつの間にか随分積極的になってんねー。あたしもついてっていい?」

「も、もちろんです!ウタゲさんにもお世話になりましたから…。」

「サンキュー。そんじゃま、決起集会がてらどんちゃん騒ぎしちゃおっかなー。なーんて。」

 

 そんな下らない話をしながら食堂へ到着。ここは多くの人が利用するからか、ここにくれば大体の状況がわかりますねえ。前回は何かどんよりというか重苦しい雰囲気でしたが、今回はなんかピリピリというか、緊張感に包まれています。それだけこの作戦が重要なんですね。

 

「さー食べよ食べよ!たっぷり食べて、作戦に向けてパワーつけないとねー!」

 

 まあそんな雰囲気を全く意に介さない人もいるわけですが…。まあ、あまり緊張しすぎるのも良くないので、適度なリラックスをもたらしてくれるウタゲ姉貴はありがたい存在です。

 

「いいぞーもっとやれー。サクラほら、あたしの肉あげる。あたし太りたくないからさー。」

 

 そして何でこの人はナチュラルにここにいるんですかね…?いつの間にかごく自然に合流してたんですが…。しかもあっさりなじんでるあたり、陽の波動を感じる。何か結果はわかりきってる気もしますが、一応聞いてみますか。あのーなんでここにいるんですかね…?

 

「え?そんなん義人なんだからあったりまえじゃーん。そろそろサクラも慣れとかないと不便じゃねー?」

 

 知ってた。びっくりするくらい想定通りなんですけど。いつの間にかアンブリエル姉貴の行動原理のなかに義人が追加されたようです。困るよあんまり依存されると!現に今も両サイドをがっつり囲まれてるし!

 

「にしてもさー、作戦部も頭が固いよねー。ブリさんは狙撃チームだからって違うとこで待機なんでしょ?」

「まじそれなー!あたしが珍しく任務にやる気出してんだからちょっとくらい融通利かせてくれてもいいのにね。そもそもあたしのやってたのはサボる学生の見張りくらいなんだから、そんな大したことできねーっての。あたし一人くらいサボらせてくれてもいいのにねー。」

 

「ま、まあまあアンブリエルさん。あなたの狙撃の腕は結構有名になってるんですから。俺も勝手に尊敬してますし…。」

「つってもさー。義人だよ?あんたならわかるっしょアドナキエル。同じサンクタなんだしさー。」

「あ、あはは…。ノーコメントでお願いします。」

 

 そんなこんな会話をしていたらいつの間にかお開きです。あーもうめちゃくちゃだよ。せっかく作戦に備えて色々話を通しておこうと思ったのに台無しになりました!

 

 部屋に引っ込んだ後、ウタゲ姉貴と刀をあのポンポンで手入れしておきます。実は刀には油が塗ってあり、さび付くのを防いでいるのですが、古くなってくると、逆にこの油がさび付きの原因になります。そこでポンポンの出番です。このポンポンには打ち粉という砥石の粉末がまぶしてあり、これをつけた後に布で刀の油をふき取ります。その後に改めて油を塗っておくわけですね。

 

 イチローも道具の手入れをする時間で自分を見つめなおしていたといいますし、私も集中力を高めておきましょう。この刀、羅刹はサクラの実家、本田家の忘れ形見です。オリジムシをたっぷり斬ってるので丁寧に手入れしておきましょう。

 

「ねーサクラー。明後日、作戦でしょ?明日何かやるべきこととかあったっけ?」

 

 うんにゃ、特にはなかったはずです。ですがほとんどの人は道具の点検や精神統一を行い準備するものですし、我々もそうするべきでしょう。なんで明日は部屋にこもってることになりそうですねえ。

 

「…そっか。あんた、気合入ってんだねー。じゃ、あたしも邪魔しちゃ悪いしそろそろ寝ますか。おやすみー。」

 

 私の方も任務までやるべきこともないのでサクッと早送り。作戦開始の段階で等速にし…ました。

 

 はい、というわけでA2、A4の詰所に到着です。我々はここで撤収時まで待機。何事もなければ何もしなくて済むというごく簡単なものです。

 

 ですがここは悪名高いウルサス。すべての感染者を救うというお題目で暴力をふるうレユニオンと感染者いじめに定評のあるウルサス。何も起こらないはずもなく…。

 

「緊急連絡!!ドクター救出部隊が謎の武装集団と接触!」

「!!」

 

 一瞬で緊張が走る詰所。こうしてみると行動予備隊と言えど侮れませんね。

 

「A2は武装集団と交戦しているB5の援護にあたれ!その他のものは撤退の援護のため、備えておくように!」

「了解。さあて仕事だぜ。ヤトウ、爺さん、準備できたか?」

「当然だ。皆、ここは任せたぞ。」

 

 ベテランのA2が戦闘要員として援護に向かいました。我々は変わらずここで待機…ですが、もちろんいつでも臨戦態勢です!私はどうするのかというと、待機!勇気ある待機!というよりW姉貴と会うまで暇なんですよねえ。だからといって他のオペレーターに話しかけたりしたら、緊張感のない奴と思われてしまうかもしれないので自重します。はやくW姉貴、こないかなあ。

 

「武装集団はレユニオンを自称し、民間人に危害を加えている模様!ドクター救出部隊が交戦、現在撤退中!」

 

「民間人に!?そ、それにレユニオンって一体!?」

「落ち着いて、ビーグル!私たちの任務を思い出して。」

 

 時折流れる連絡に浮足立つ面々。私は全部知ってるから落ち着いていられますが、なかなか恐ろしい状況ですよね。ドクター救出の方もうまくいくのはわかってるので安心安心。

 

「進捗報告!ドクター救出作戦は第三段階に移行!各員、撤退の準備をせよ!」

 

「お、お仕事ってこと?んじゃまー、気張っていきますか。」

 

 セリフとは裏腹に気の抜けた声だなあ。他のオペレーターたちは緊張に顔をこわばらせているというのに。そんなところも彼女のいいところなんですけどね。

 

「こちらドクター救出部隊!!オペレーターサクラ、ウタゲ、両名は指定された座標に向かえ!我々の援護を求む!」

 

 はいはい定期連絡定期連絡…ってえ?もしかして我々、呼ばれた?

 

「あれ、ちょっと違う任務になったらしいね。めんどいけど、行きますかー。」

 

 いやいやいや!ちょっと待ってくださいよぉ!え、いきなりチャート崩壊!?せっかくのW姉貴対策があーもうめちゃくちゃだよ。と、とにかく呼ばれたからにはいかざるを得ません。これが企業戦士の辛さか…ムリおじの気持ちが痛いほどよくわかりますね。

 

 とりあえず指定された場所まで急ぎ移動!そしてこの時間で、現状の把握に努めましょう!最悪なのは今ドクター救出部隊がどういう状況なのか全くわからないところです!まあ全くわからないはちょっと盛りましたが、やることが結構変わってくるのでもっとしっかり伝えてほしいところ。というか新人も新人のオペレーターを早々に働かせるんじゃないよ!(矛盾)

 

 !! 何か空に伸びる帯のようなものを発見!これは信号弾じゃな?ということはあそこにドクターたちがおり、現在の状況はメフィスト戦!把握してしまえば怖いものはありません!ちょっとした連絡を入れておけば準備OK!よし、じゃあぶち込んでやるぜ!

 

「おっすー。じゃあやっちゃおうかサクラ!」

 

――――ドクター救出作戦、第三段階。

 

 一刻も早く撤退することを求められるこの段階において最も厄介なもの。それは当然、足止めを図る敵である。その力がこちらを遥かに上回っていればなおさらだ。ロドスの小隊は、まさしくその状況に直面していた。

 

「アハハハハハ!ほらほら、もっと頑張りなよ!情けないなあ!」

「クッ、あのガキ、言わせておけば…!」

 

 悔しそうに唇をゆがめるドーベルマンだったが、それで戦況が覆るわけではない。物量、力量、すべてにおいて彼の操る狂人たちが上回っていることは明白だった。

 

「どうすれば…!何か、何かもう一押しがあれば…!」

「アーミヤ、持ちこたえろ!耐えていれば、必ず彼らが…!!」

 

「キミたちには希望なんてもったいない!ここで無様に朽ち果てればいいのさ!」

 

 絶望。誰の心にも、その2文字が踊ったとき、それは訪れた。

 

 突如現れた閃光、加えて轟音。すれ違いざまに敵兵の首を落とし、返り血を浴びるよりも速く駆け抜ける。敵の群れを割き、そこに現れたのはたった二つの影。落雷の光を感じてから少し後に音が聞こえるように、その場にいた者たちは目の前の存在を理解するのに時間を要した。彼らの違いはたった一つ。理解した後に訪れる感情が、歓喜であるか困惑であるかだ。

 

「オペレーター、サクラ。ここに推参!アーミヤCEO、助けに来たぞ!」

「あたしも到着っと。そんで?ここからはどうすればいいのかな。」

 

「! サクラさん、ウタゲさん!突破口を開きます!Aceさんの指揮下に入ってください!」

「了解した!二人とも、俺たちであそこに突破口を開くぞ!」

「了解!あっちの奴らを斬ればいいんだな!」

 

 困惑は飛び散る仲間の血と共に、次第に恐怖に変わっていった。飛び回る二つの影により、次々にレユニオン達が倒れ伏す。何故だ。今の今まで、我々の優勢だったのに。戦場で何も考えない者は長生きできないが、あれこれと考えすぎる者はそれよりさらに早死にする。重要なのはただ一つ、目の前の敵を殺すことだ。レユニオンの中で最も早くそれに気づいたのは、指揮官である少年だった。

 

「ファウスト!あの目障りな女を殺せ!」

「了解。」

 

 不可視の狙撃手に処刑を命じる。それだけでカタがつくはずだった。だが、直後に響き渡った銃声は彼の砲撃のものではない。これは、ラテラーノの銃のものだ。天使によってもたらされる、絶対的な福音だ。

 

「まったくサクラも無茶苦茶言うよねー。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。あとで叱られんのあたしなんだけどー?」

 

 義人の頼みだからしょうがないけどさ、というつぶやきは、幾度となく響く銃声にかき消された。

 

「メフィスト。敵に勘づかれた。俺のアーツは問題なく働いているから、理由はわからない。だがここにいればいずれ撃たれる。支援は不可能と判断し、すぐに移動する。」

 

「…は?」

「悪いが、狙撃は防がせてもらった。言っておくが、気に病む必要はないぞ。私もただ、自分の中の予感に従ったまでだからな。」

 

「いや本当に、ただの思いつきなんだ。頭の中で声がして、あのビルを撃たせろとうるさかったんでね。単なる偶然かもしれないが、そうなるとこの戦い、どうやらツキはこっちにあるらしい。」

 

「何だって?お前、お前は何を言っているんだ?クソ!何もかもわかったような顔をするな!何で死なないんだ!何で僕の思った通りに動かない!」

 

「アーミヤ!敵に乱れが生じた、今がチャンスだ!」

「はい!皆さん、一点集中突破です!すべての力をあそこに集中させてください!」

「了解!!」

 

 たった二人の剣士によって、その場の状況は一変していた。それまで冷酷にして完璧な指揮をしていた少年は彼女の言葉によって一転して狂乱の中にあり、指揮系統を失った兵士たちは触角をもがれた虫のようにうろたえるばかりだった。そこに正しく連携のとれたロドスの小隊が攻城槌のように突っ込めばどうなるのか、結果は明らかだった。

 

「やりました!敵の包囲を突破!!」

「まだだ、足を止めるな!完全に振り切るまで、絶対に速度を落とすな!」

「通信です!二アールさん!?こちらに接近中で、あと1分後に合流予定とのこと!」

 

「や、やった…!ありがとうございます!サクラさん!ウタゲさん!」

 

 この苦難ばかりの戦場で、ロドスに一筋の光が差し込んだ。駆け抜ける雷霆が雲を引き裂き、そこに太陽が顔をだしたかのようだった。

 

 だがそんな陽だまりの中でも、鬼教官と恐れられる彼女の顔は厳しかった。

 

「いや、まだだ…。見ろ!!」

 

 引き裂かれた空が、真っ赤に染まる。それは傷口から血が流れだしたようであり、根源的な忌避感を抱かせるには十分なものだった。

 

「あれは…天災か!?まずい、いそいで退避しろ!!」

「アーミヤ!!こっちだ!」

「二アールさん!ドクター、早くこっちへ!」

 

 杞憂、という言葉を知っているだろうか?炎国が、炎国として存在していなかったころ。かつてばらばらのたくさんの国から成っていたころ、杞という国があった。そこに住むとある人が、ひょっとしたら空が落ちてきて、すべてを崩壊させてしまうのではないか、と心配したという話から生まれた言葉であり、あれこれと無用な心配をすること、という意味がある。だが、今の我々の状況を鑑みれば、彼の心配は決して馬鹿馬鹿しいものではないことがわかるはずだ。文字通り、落ちてくる。空に瞬く星々が、敵意をもって降ってくるかのように。

 

「重装オペレーターは私と共に術師を守れ!がれきの下で息をひそめるんだ!」

「サクラ、こっち来て!あたしの下に入って!そしたら少しはマシになるはずだから!」

「馬鹿いうな!みんなで生き延びるんだ!私は大丈夫だから、お前はそこにいろ!」

 

「あ、あぁっ!」

「危ない!」

 

 彼女は、何でもない一人だった。ただの一人の医療オペレーターであり、どこにでもいる一人。率直に言ってしまえば、例え死んだとしても歴史のほんの1ページにも残らない女性だ。彼女が落石に押しつぶされれば悲しむ者は数多くあれど、人類の損失は無に等しい。ただ単に、その日の死亡者数に一を足せばよいだけの事。

 

 だがそれを助けに飛び出した人物は違う。真っ黒なバイザーと深くかぶったフードで素顔を隠した彼は、間違いなくこれから歴史を変える人物であった。そんな彼が、何でもない者のために命を投げうとうとしている。この上なく愚かで、この上なく尊い出来事だった。その事件は、彼の――ドクターの死を以て完成するはずだった。

 

 しかしかの雷霆は、それをよしとしなかった。

 

 とっさにがれきの下に飛び込み、その勢いのまま二人を抱えて

 

「…危なかったな。大丈夫か?えっと…ドクター?」

「…君が、助けてくれたのか?あの落石の間に、飛び込んで?確か、名前は…。」

 

 そこで、ようやく彼女は微笑んだ。普段となんら、変わらない顔で。

 

「サクラだ。これからよろしく頼む。ドクター。」

 

 




 新しくライターの案件を受けたので少しばかり投稿が遅れるかもしれません。そのためキリのいいところで止めておきましたが、書きたくなったら案件をほっぽり出して書くかもしれないので結局は作者の気分次第ですね。あほくさ。

 もちろんそんなに大きく期間を空けることは無いので、もうしばらくお待ちください!

次回作、どっちがいいんすか?

  • 強面トレーナー、TSする。
  • パワプロRTA北雪高校モテモテチャート
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