緋弾のアリア 守護者とFランク武偵   作:暇人鶯

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第9話 武偵病院にて

SIDEキンジ

 

「何故撃たなかった?」

 

病室は沈黙に包まれた、四人部屋には俺と一真しかいない状態だ…だからこそ聞くチャンスだった。何故アリアを助けなかったか

 

そして一真が沈黙を破った

 

 

「撃てるわけないだろ、そうホイホイとできる芸当じゃないだぞ、アレは」

 

それはおかしい。

 

ルノーを破壊したのはアリアが撃たれてからだ、つまり一真はアリアを助けずにルノーの破壊を狙ったと言うことになる

 

「言い方を変える、何故アリアを助けずにルノーの破壊を優先した」

「優先したんじゃない、ルノーの破壊を選択したんだ」

「ということはアリアを見殺しにしてまでミッションを優先したってことか?」

「そうなるな」

 

 

ふざけるな、一朝一夕しか過ごしてないがアリアは仲間だぞ!確かに俺にも非はある、だが一真ならなんとか出来たはずだろ!!

 

 

喉元まで出た台詞を飲み込み冷静を装いながら話を続ける

 

「何故『選択』なんだ?」

「たった2発のゴム弾をアリアを助けるために使えばルノーを壊せない」

 

「それでもアリア助けれたはずだろ」

「助けた後ルノーはどうする?爆弾はどうする?目の前の事だけに集中すればルノーや爆弾によって救えた命も救えなくなる。それともルノーを壊す算段でもつけてたか?」

「……少なくともアリアがいれば状況の打開は出来ただろう」

「予想じゃ命は救えない、他力本願じゃ命を救えない」

 

 

言い返せない。確かに他力本願だし予想で言っているばかりだ

 

「それでも目の前の人を救えない人間が他の人の命なんざ救えない」

「なら教えろよ、俺はどちらを選択すれば良かった?俺はより多くの命を救いたかった、だからルノーの破壊を選択した。命の重さは平等なんだ。お前なら…キンジならどちらを選択した?」

「………」

 

 

俺ならどちらを選択した?アリアか?いや武藤達を見捨てることなんて出来ない。なら武藤達か?それなら俺が一真に対して言ってることと矛盾する。

 

しかし悩んでいる時に一真が静かにだが力強く言った

 

「沈黙じゃ両方を見捨てる事になる。俺だってこれが正解なんざ思っていない、むしろ不正解だと思っている位だ」

「………」

「たがお前は選択すらしていない、タイムアップ、選択肢両方【死】だ。つまりお前じゃ両方とも守れなかった」

 

 

 

SIDE一真

 

これでいい、これで辞めるようじゃあんなに言い返さない

守れない、その言葉で再び病室に沈黙が訪れるが今度はキンジが沈黙を破り胸ぐらを掴んできた

 

 

「ああ!俺じゃ選べない、だからアリアに、お前に正しい選択をしてほしかったんだ!!」

「正しい選択ってなんなんだよっ!!どちらが正解なんだ!!結果的には他力本願じゃねぇか!!」

 

 

ガラガラ

 

口論の途中で亜瑠が見舞いに来てくれたのだろう。この状況をみて目を丸くして驚き直ぐに仲裁に入りキンジはアリアの所に行くとだけ伝え病室を出た

 

 

「…何があったのカズ」

「いや……」

ガラガラ

 

「失礼します」

 

今度はレキが来た、そこまで親しいとは思っていなかったが見舞いにきてくれて、その手には鉢植えを持っていた

 

「レキ、見舞いに鉢植えは良くないな。寝つくと根付くって意味で日本では余りやるもんじゃない。まぁ持ってきてくれた事には感謝する」

「そうですか、分かりました」

 

そう言って鉢植えの花の茎を切り、備え付けの花瓶にさしてくれた

 

「すまないな」

「いえ」

 

ふと亜瑠を見ると頬をほんのり赤くさせていた、まぁ好きな人の前だしな

 

「それでは私はこれで」

「待って、僕送るよ。それじゃカズ安静だよ!」

 

そう言ってアルは帰った

 

「嵐みたいな奴だったな。まぁいつもの事か……さて遼太、気配消すの下手になったか?」

「……」

 

出て来ない遼太に対し少しイラッとした俺はワイヤーアンカーを使い天井の板を1枚剥がした。すると人が落ちてきた

 

どうでもいいが天井に簡単に侵入出来る武偵病院ってどうなんだ?

 

 

「ぬぅ、流石でござるが拙者とあの伊賀者を同じ扱いにしないでほしいでござる」

 

随分古典的な喋り方だが心当たりがないな、ん?そういえばキンジが勘違いで戦妹が出来たとか言ってて古典的とも言ってたな

 

「まぁいいが、俺になんの用があって『ぐぎゅるるる』………」

「すまぬが兵糧を頂けぬか…」

「………悪いが無いな、誰かがお見舞いで果物でも…「先輩、お見舞いに果物買って来ました」……都合良すぎだろ」

 

呆れながら風魔(だったか?)に食べ物が無いと言って帰ってもらおうと思っていると遼太が果物を持ってきた

 

「風魔!?なんでいるんだ」

「服部こそ『ぐぎゅるる』だ!」

 

すまん腹の音で聞こえなかった

 

「とりあえず遼太、その果物風魔にあげてやってくれ」

「いやです!何故風魔なんかに!」

「拙者こそ服部なんぞの施しは受けぬでござる」

「それはこっちの台詞だ風魔!!」

「そもそも服部の施しなら賞味期限の過ぎた物の方がマシでござる!!」

 

なんか喧嘩を始めやがった、伊賀忍者と風魔忍者って仲わるいのか?それにしても病人がいる病室で騒がないで欲しいものだな、なんてゆーか……

 

「うるさい!!!!」

 

「「………すいません(すまぬ)」」

「遼太、果物位あげろ」

「先輩がそこまで言うなら……ほら風魔、とっとと食ってとっとと帰れ」

 

そう言ってリンゴを差し出す遼太だが風魔が受け取らない

 

「服部の施しなど……」

「風魔良いから受けとれ、俺を経由したってことにすれば良いだろ」

「それなら有り難く頂戴するでござる……」

 

そう言って風魔はリンゴとバスケットの中に入れてあった包丁で器用に皮を剥き、幾つかに切ったあとに俺に二切れを渡した

 

「片方を服部に渡して欲しいでござる」

「(めんどくせっ!!スケッ○・ダ○スの生徒会のウサギさんくらいめんどくせっ!!)……ほら遼太」

「ありがとうございます」

「風魔言え」

「幾ら先輩でもそれは出来ません」

 

 

なんかめんどくさくなってきたな、とりあえず風魔には来た理由を聞きたいし遼太には悪いが帰ってもらうか

 

「遼太、悪いが家からナッツの食べ物持って来てくれないか?部屋の鍵は前に渡したろ」

「分かりました、直ぐに行きます」

 

といって窓から出ていった。流石Sランク、四階とか関係無いな

 

「さて風魔、二三聞きたい事があるがまずは何故話を聞いていた?アルがきた時位から居たろ」

「いえ、師匠が菅原殿と口論し始めた時ぐらいでござるよ」

 

ふむ、さすがに口論に必死になりすぎたな

 

「いた理由は師匠が柄にもなく心の底から怒っていて心配になったからでござる」

「そうか。じゃあさ、なんで遼太と仲が悪いんだ?」

「それは…クラスの皆があの顔に騙されてあの伊賀者に好意を寄せてるからでござる、拙者は騙されぬ、ちょっと美形で運動が出来る位で……」

「嫉妬か?」

「違うでござる、そもそも伊賀者と仲良くするなど御先祖様に顔向けが出来ぬ」

「先祖代々仲がわるいのか」

「そうでござる」

 

家柄は大変だな、俺もそうだし神崎も理子もそうだが

 

「最後に一つ」

「なんでござるか?」

 

「キャラ作ってる?」

 

「………これは素でござる!!」

 

 

良かった良かった、てっきり忍者キャラ作ってるのかと思っていた

 

「冗談だ、まぁ用はこれくらいだな」

「そうでござるか、なら拙者はこれで」

「あぁ、」

 

そしてコイツも窓から出ていった。流行ってるのか?

 

そのあとは遼太が魚肉ソーセージを持ってきてくれてナッツが美味しそうに食べていた

 

 

 

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