一真SIDE
この家に帰ってくると父さんと会わないといけないのが憂鬱だったりするんだよな
「失礼します」
道場にはあぐらで待っていた父さんが目を瞑っていた
「よく帰ってきた、東京での武偵活動はどうだ?」
「おかげさまで良好です」
「そうか、お前にも早く『防人』を名乗って貰いたいからな。だが家に縛られなくてもいい、好きに生きろ」
「はい、ではそろそろ私を呼んだ訳をお聞きしたいです」
そう、俺は今日ここに呼ばれたのであって、亜瑠達に兄さんを紹介するのはついでだ
「まぁそう焦るな、今は組み手をしよう」
ウチの家系は組み手が大好きらしい
「嫌です」
「はぁ、そうやって何でもかんでも拒否するな」
ため息混じりに言うが、聞き流した
「仕方ない、本題に入るか」
「はい」
「我が家の家系は本来超能力は電気のはずだがお前は水だ」
「だから落ちこぼれと呼ばれたんですよね」
「だが我が家の家系は兄弟の1人の超能力を水に変えるのだ」
「は?」
理解出来ない、ステルスを変える?そんなことが可能なのか?
「お前は道真様の血を兄と同じく最も色濃く受け継いだにも関わらず超能力を変更せざるをえなかった」
「話が読めませんが?」
「ここまでは前置きだ本来の目的は今から話す」
「はあ」
「時斗は道真様の超能力を色濃く受け継いだ、だがその濃さ故に子を成せないのだ」
「兄さんには子供が出来ない?それは夏希さんも知っておられるのですか」
「ああ、夏希さんには知らせてあるし島津の人間も承知しておる。知らぬのは時斗だけだ」
そんなこと早く言わないと余計に兄さんにショックを与えるんじゃ?
「だが次男のお前は子が成せる。この意味が分かるか?」
菅原家には変な決まりがある
一つ、子を成すときは男子を二人以上女子を一人産むこと
二つ、男子は18迄に『防人』を名乗ること、名乗らぬ者又は名乗る価値のない者は菅原から出ていくこと
三つ、一を満たすために出来るだけ妾を持つこと
四つ、長男の正妻は島津の人間であること
五つ、次男には『紫紫』を継がすこと
以上だ、ちなみに『紫紫』の意味は長男にのみ教えられるため俺は知らず、俺は叔父さんから受け継いだことになる。
「…私に子を成せと?」
「ああ、出来るだけ早くな。今日連れてきた女はそういう理由ではないのか?」
いや、その話今はじめて聞きましたし、あいつらはあいつらで出来てるから
「秋月と共に二度も世界を旅したであろう、その旅は妻探しの旅でもあるのだぞ」
「秋月……申し訳ありません、二度目の旅の記憶は途切れておりイラクまでしか覚えて………いや、たしか他にも、うぐっ『ドーバー海峡』?…ダメだ」
「無理するな。用事はそれだけだ。次男には自由の権利がある、つらいならどこへでも行け。そして帰ってこい」
「はい」
これが父さんなりの優しさなんだろう
痛む頭を抑えながらアル達の下へ向かった