亜瑠SIDE
あの予言の次の日はアドシアードの準備以外はいつも通りに過ごした。
そして念には念を、とレキさんにGPS付きの弾丸を渡しに行っていた
「レキさん、忙しいのに監視してくれてありがとうね」
「いえ、アリアさんに頼まれてもいますから」
「えーと、もしもの為に発信器を付けた弾があるから。使ってね」
「はい」
「キュー!!」
と帰ろうとしていた途端に胸元からナッツが飛び出してレキに擦りよった。レキもナッツを撫でている
「ねぇレキさん、レキさんって動物に好かれやすかったりする?」
「分かりません、ですが私から動物に対して嫌悪感を抱いたことはありません」
落ち着け僕!!ナッツに嫉妬してどうすんの!
「じゃあそろそろ訓練に戻るよ」
「余り無理すべきでは無いと思います」
「……駄目なんだよ、このまま役立たずなんて」
「…そうですか、」
「うん、それじゃあね」
そうだ、このままじゃ一真を取り返すどころじゃない。なんたってロジの武藤君にすらナイフ格闘で勝てなかったんだ。
だから……
そう思った僕は射撃場に行き、自分の苛立ちに任せて何発も銃弾を撃った。
そして気付くと腕時計の短針は11を指していた。
満足出来なかった僕は教務科に深夜での射撃訓練の許可を貰い、今度はより精度を上げるように撃ち続けた
「よし、精度がかなり上がったしそろそろ帰ろう」
射撃場を出ると空は既に明るくなっていた。
集中を解いたせいで襲ってきた眠気に勝てそうもなく、僕は授業の補充申請を教務科にした後(任務等で授業を受けられなかった生徒の為の制度) 直ぐに家に帰り寝室に入った。その間のナッツの世話はレキさんに任せてあった
「アル、起きなさい!!」
その声と頭に直撃した鉄の棒のせいで目を覚ました
「なにアリア?」
僕が不快そうに返すとアリアは顔を赤らめながら『特濃葛根湯』を買いたいと言ってきた
なるほど、あの寝込んでるキンジのためか
「珍しいねアリアが」
「何よ」
「いや……何でもないです」
「……アイツが風邪引いたのは、私が海に落としたってのもあるし、ほんの少ーしだけ悪いと思っちゃうし…。」
「ふーん、まぁ何にせよ僕は昨日帰らなくて正解みたいだね…」
帰っていたらを想像すると背筋が凍る。
「いいよ、薬なら前も買いに行ったこともあるしね」
「そ、そうよ。早く行きましょ」
まぁアリアがお礼を言わないのはいつもの事だし。
ツンデレもデレが出ないとちょっとキツいから、最後にはありがとうって言ってほしいけどね
そのあと横浜の大和化薬の店で特濃葛根湯を買ったあと、中華街に行ってももまんを買ったりした。
「アリア、良いの?看病しなくて」
「いいわよ、それよりレキに任せてるからって任せすぎるのもレキの負担が大きいから、なるべく大人数で警備したいのよ。」
「そうだね、僕もレキさんに預けたナッツを迎えにいかなきゃ!」
アリアにそう言ってレキさんの部屋に向かった。
実はただ会いたいだけだったりする
「ん?ナッツ?」
「キュー!!」
ナッツがスナイプの棟から出てきた。後ろにはいつも通り無表情のレキさんもいた
「レキさんナッツ預かってくれてありがとね」
「いえ」
「………」
か、会話が続かない…。くそぅ、もっと話題を持っておくべきだった!!
「では私は用事がありますので」
「あ、うんバイバイ」
そう言うと教務科に向かっていった
まさか、あの魔の巣窟に行くのかな?……まさかね
「ほらナッツ、晩御飯買いに行くよ。レキさんと話す時の話題も準備しとかなきゃだし」
その日はまだ気付かなかった。アリアとキンジの亀裂に
〜次の日〜
いつもと同じように行動した。魔剣の出現パターン、戦闘法、相棒である敵の行動の復習。
僕は理子ちゃんと同じ位の情報収集力を持つクレシアさんの協力を得てあらゆる情報を集めた。
魔剣の相棒が一真の可能性が高いのということも……
「はぁ…一真はなんで何もしないんだろう?どう思うナッツ」
「キュ?」
「ううん、なんでもないよ」
それは会えば分かる事だ。洗脳か、自分の意志か…
「ちょっと屋上に行こっか。いい天気だし」
「キュ〜♪」
上機嫌で屋上に向かうと喧嘩をしていた。
これもいつも通りキンジとアリア。
「お前はズレてんだよ!!魔剣なんていねぇ!!」
「……」
ドア越しの喧嘩の声が一瞬だけ止む。僕もキンジの一言に怒鳴りたくなる。
「あんたも……そうなんだ…あたしを先走りの…ホームズ家の欠陥品だって!。魔剣はいないって!!」
「ああ、何度だって言ってやる。魔剣はいない!!お前の願望が勝手に居ると思い込んでるだけだ!」
「キンジのバカ!バカの金メダル!ノーベルどバカ賞!」
どんな賞だろう?そんな事を考えていると扉を開けてアリアが出てきた。
涙を流しながら…
僕は扉の向こうで僕が居たことに驚いていたキンジを睨む
「キンジ、武偵憲章違反だよ」
それだけ言ってアリアの後を追った