一真の二歳年上、時斗と同い年
銀髪のハーフ。容姿はジャンヌに酷似しているが、ジャンヌとは目の色が違って茶色をしている。
一真が紫紫色金の継承者だと知る少ない人物であり、それを補佐する役目をしている。
紫巫女が確認されていない紫紫色金は菅原家が管理しているため、この継承者補佐が紫巫女とされている。
一真には好意を抱いていたが、立場を気にして表には出していなかった。
電気と音のステルスを使う超偵で北九州武偵高校に所属しているが、二年間ロンドン武偵校に留学していて、高校二年に戻ってきた。
見た目に似合わず怪力で、学校のトレーニング室で200Kg近いバーベルを上げたことがある。
装備科Bランク
武器
レミントンM870をモデルにした自作銃
(上記の銃をそのまま大きくしたフォルムで6番ゲージまで発射可)
火薬を利用した自作の強力なネイルガン
刃無しの小太刀×2(鎖で柄を繋いでいる)
第71話 秋月 マリア
一真SIDE
〜北九州武偵高付属中学〜
「菅原一真です。強襲科Aランク。よろしくお願いします」
ざわつく教室。
このタイミングの転校でもかなり異質だが、それがAランクだから余計に異常。
それでも龍というAランクがまだ学校に居るだけマシなのだろう
「はい、菅原君は…そうね。会長さんの隣にでも座ってもらいましょう」
「菅原君、元会長の土州(つちす)です。短い間ですがよろしくお願いしますわ」
「ああ、よろしく」
どこか兼岩に似ている元生徒会長。
この人はどうやら別のようだ。あとの大半の奴らは妬み嫉み、分かってはいた。この状態は前まで耐えてこれたのに……1度楽になればここまで辛いとはな
「君、後で時間貰えるかしら?」
「は?」
なんだコイツ
「わたくしはS研と尋問科を履修しています。」
「だからなんだ?」
「クラスの一員には楽しく過ごしてほしいと思いましてね?」
コイツ、心でも読めるのか?
「ほんの少しですわ。今疑問を感じているということぐらいですわね」
「どうせ一ヶ月無いだろう?それに卒業したら上京する」
「まぁ今日1日騙されたと思って待っておきなさい」
「ちっ…今日だけだぞ」
コイツにそんな力は無さげだがな。
「その疑問が変わるのを楽しく待ちますわ」
今日の授業は比較的簡単なものだった。
簡単な教養科目を終え、午後には強襲科の専門履修を受けた。
誤射を防ぐ為の合図や、乱戦中に起きた予測不能の事態を焦らずに対処する方法、ジャムった時にすべき事。
全部習った事はない。
付属中学というだけのことはある。普通の武偵中学よりも履修範囲は広い。
でもつまらない。
全て知っている。
教科書なんて三回読めば十分覚えれた。
他人に教える事もないから、特異な覚え方をする必要もない。
「さ、座って」
放課後になり、机を間に向かい合いように椅子を置き片方に俺が、もう片方に土州が座った。
「まず一つ。あなたは吹っ切れないほどの過去持っているはずですわね?」
ちっ、この際隠し事はほぼバレているって体で話すべきか。
「ああ」
「詳しくは……聞かないでおきますわ。
そして二つ。今何をすべきかが全く分かっていませんわね?」
「その通りだ」
「最後に。貴方が何に縛られてるか教えてください?」
縛られる?
なんの事か検討もつかないな?
「ふむ、分からないパターン…ですか。一番めんどくさく難しいパターンですわね」
「めんどくさくて悪かったな」
「お気になさらず。そうですね…1週間後です」
「唐突になんだよ」
「元はこの話ですが?」
ああ、ペースに乗せられるっていい気しないな
「それで1週間後で何だ?」
「1週間後に貴方に特秘任務(シールドクエスト)がくるはずですわ。それを受けることね、そうすれば最低限貴方のしなければいけないことが見えてくるはずですわよ?」
コイツ…なんで特秘が分かるんだ
いや、馬鹿正直に従ってしまうのはどうかと思うが、今自分に必要なのは目的なのだろう。
「特秘任務。受けるかどうかは1週間掛けて考える。今日はありがとう土州」
「いえ、お力になれたのであれば幸いですわ。お気になさらず」
信用はまだしない。だがこの中学では2番目に信頼出来る。
1番は龍だが、アイツは俺を嫌っているだろうな
「一真様、よろしいですか」
「マリアか、入ってくれていい」
帰宅して自分の部屋で宿題を済まして、本を読んでいると声が聞こえた。
襖をゆっくりと開き入ってきたのは着物を着た秋月マリアだ。
その銀髪と薄い青の着物が合っていて、その……まぁ美人だ
「頼まれていたものです」
そう言って差し出してきたのは青いヘッドホン。
そもそもこのヘッドホンには高性能なノイズキャンセリング効果しか無い。なのにこんなに大きい理由、それは右の中に千紗の結晶が入っているからだ。
「ありがとうマリア」
「いえ、……一真様。私で良ければ相談相手でもなりますよ」
「いい。お前に無茶は言えないし、特に相談することもないから」
「そうですか…失礼します」
「なっ!?」
気をそらすのと小説の続きを読むために机に向かうと、突然背後から抱きついてきた。
「こっからは上下なしね。ただいまかずくん」
優しい声が耳元で聞こえる。
と、同時に体の力が抜けた
「ああ、お帰り。マリア」
「マリ姉ぇでもいいよ?もしくはマリリンでも可」
「……ぷっ、ははっ」
「ちょっ!?なんで笑うの!」
「いや、だって変わってねぇもん」
ちょっとイタズラ好きで弄りやすいけど姉御肌で頼りになる。
そんで無邪気だから、まるで千紗みたいな人だった
「変わんないよ。…かずくんがそう願うなら」
「え?」
「ううん、なんでもないよ」
「そか。あ、そうだ」
「ん?」
マリアに特秘任務について聞いておこうか
「マリアって特秘任務を受けたことある?」
「え?まぁ一回だけ簡単なやつを受けて成功したけど」
「特秘ってどんなの?」
「えーと…言っちゃダメなんだけど、」
普通そうか。
なら、来るべき特秘の為に訓練……つってもなにしようか?
「言ってもいいよ?」
「はい?いいのか?」
「マリ姉大好きって言って抱きついてくれるなら教えてあげるよ?」
「………」
うん、何この状況?
おかしくね?
いや、ある意味役得じゃないか?合法的に抱きつ…いやいや、駄目だ
「でも上手く行ったら押し倒してヤっちゃうことも出来る。よし!!ヤ…」
「らねぇよ!!つか、ステルス使ってまで同じ声出すんじゃねぇよ!!」
「チッ」
舌打ちィ!?何コイツ!?
「ったぐ本当に理性が吹っ切れたらどうしてくれるんだよ」
そう言うと顔を赤らめながら、
「かずくんなら、いいよ?」
「俺がよくねぇ!顔を赤らめるな!帯緩めるな!」
く、くそ…なんでこんなヤツが初恋で…止めよう。千紗を思い出しちまう
「もうそろそろ飯だろ?いくぞ」
部屋にある白の飾り気のない壁掛け時計が7時半を示していた。
「…うん、はい…分かりました」
口調をいつもの従者に戻したマリアを連れて食卓に着いた
そして、いつも通りの会話の少ない食事を終えて風呂に向かった
「はぁ…いろいろあったな」
千紗を失ったのが昔のようだ。
これって千紗の死に向き合えたからか?そうであってほしいな
そんで土州さん。
ただの元生徒会長じゃない気がする。
まぁ心読んだり、元生徒会長ってだけで普通の武偵じゃないんだろうけど。
問題はなんで土州が特秘任務について知っていたか。
アイツはただ心を読むだけだ。それに特秘任務ってのは依頼者、先生、それを受けさせられた武偵。この三者、まぁいずれも複数の場合があるんだが。
ん?とすると土州はすでに任務を任されていて、俺にパートナーを頼むという可能性もあるのか…
いや、初対面を信用するなんてないか。Aランクなら龍を使えばいいしな、比較的社交的だし、ロリコンだが。
「つか、正直わかんねぇな。情報乏しいし。せめてマリアが教えてくれたらよかったんだけどな」
「仕方ないね、いいよ。教えてあげる」
「ああ、マリアか……ってしれっと入ってくんな!!ここ風呂俺全裸!!」
「大丈夫。アタシも全裸だよ」
「なにが大丈夫!?むしろ超危険!」
コイツ、人が考え事をしている時に…つかマジでバスタオル1枚かよ!!
「ととりあえず、でてけよ!!」
「お背中お流ししますよ?」
「いや、無理だから!!でてってお願い」
そう言うとマリアはため息をはいた
うん、吐きたいのこっちなんだけども?
「知りたいんでしょ?特秘任務について」
「……そ、それとこれとは話が別じゃねぇの」
つい弱くなる
「お願い。こういう時しか甘えられない」
マリアは小さな銭湯サイズ位はある風呂に入ってきて背中に抱き付く。
「……いつでも甘えりゃいいじゃん」
「うん、ありがと……それで特秘についてだけど」
「今はいいよ」
「へ?」
言葉を遮る
「お前は今しか甘えられないんだった存分に甘えろよ」
「うん」
その後数分間の感触を必死に色々とバレないように耐え、特秘についての事を教えてもらった。