緋弾のアリア 守護者とFランク武偵   作:暇人鶯

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第72話 模擬戦

転入から3日。

他の生徒が卒業式の準備やら武偵高への入学ランク試験への筆記や、主に強襲科の生徒が実戦を想定した訓練が増える。

すると射撃場などの基本的な場所は生徒が多少減る

 

だからあえて一番遠く不便な第七射撃場まで来たのに…

 

「なんの用だ土州」

 

この女が付いてきやがった…

 

「見学ですわ、ところで何の訓練ですか?」

「特秘の為のトレーニングだ」

「なんの特秘かも分からないのに殊勝な心意気だこと」

「馬鹿にしてんのか?」

どんな特秘かすら教えねぇヤツが……ん、そうだ、コイツも一緒に特秘を受けるのか聞いておこうか

 

「おい、お前は「うけませんわ」……チッ」

 

一々心を読みやがって

イライラする

 

「安心してください。私は特秘は受けませんし、ただクラスメイトと感動する最後を過ごしたいだけですわ」

「俺は嘘を見抜けるぞ」

「あら、それは大変」

 

土州はそういうだけで心臓の拍動はズレず一定の速度で鼓動を続けていた。

嘘が常なのか、本音なのかは見抜けない。

だが恐らく本音だろう。何故ならこんな無愛想で急に転入してきた俺を信用し手助けするなど、百害あって一利なしそのものだ。

だがAランクを手駒にしたいとも考えられる

 

「難しいことは後でよろしいです。それよりも特秘の新しい情報がありますわ」

「新しい情報?教えてくれるのか?」

「いくらなんでもタダで教えて貰おうなんて、虫がよすぎるのではなくて?」

「何がいる?」

「『空都市』についてご存知かしら?」

 

『空都市』千紗のお母さんを殺したサイボーグ男が言っていた幻想郷

 

「そんな眉唾物の話で良ければいつでもしてやるよ」

「交渉成立ですわね」

 

手で口元を隠すように笑う土州。

まだだ、まだ俺にとっては役に立つ知り合い程度。信用には遠い。

 

そして俺は話した。

千紗の家族、司馬のことは伏せた為に曖昧にはなったが、趙樊の事にやたらと食い付いたおかげでバレることは無かった

 

 

 

 

 

「か〜ずく〜ん!!」

「ま、マリア!?」

 

土州と情報交換を済ました後、射撃場を出ると東京武偵高の制服に身を包んだマリアが突進してきた。

つか、早くね?、飛んでね?

というより、なんかデジャヴ

 

危険を感じたのでしゃがむ

 

「きゃっ!……」

 

短い悲鳴が聞こえた後、近くの雑木林から出てきた

 

「うぅ…かずくん、何故避けたの?」

「危険を感じたので…」

「へ〜、かずくんはこんな美女が飛び込んで来たら交わすんだ」

「人間ミサイルの間違いだから」

 

多分、車の速度位は出てた

 

「とりあえず、何の用?一昨日から東京武偵高に用があったんじゃなかったか?」

「ああ、あれね。ちょいと時斗くんに用事。あとかずくんとの戦姉弟契約についてかな?。入学してすぐ契約だよ」

「え?マリアが俺の戦姉になるの?」

「おぉ?不満かぁ?」

 

ガン飛ばせてないし、全然ヤンキーに見えない。

 

「そだ、マリアさ、今から組み手してくんない?どうせ契約するときにもやるんだしさ」

「え?犯るの?アタシまだ処女だよ」

「うん、まずその結論に至った理由を教えて欲しい」

「え?アタシの処女欲しいの?」

「お前の耳はどういう構造だ!!」

「あれ?かずくん耳フェチ?」

「ちげぇし、そっち方面の話をするな!!」

「ちぇっ、つまんないの」

「はぁはぁ。いや、こっち凄いしんどいんだけど?」

「ダメだよかずくん!!そんな荒い息してたら…」

「してたら?」

「欲情しちゃうよ」

「すんな!!!!!!」

 

コイツ、東京行って変態に磨きがかかってやがる

 

「まぁ冗談はここまでとして、明後日ならいいよ」

「明後日か、方式は…エンブレムなのか?」

「うん、強襲科推奨だけど、単純だしね」

「分かった」

「それじゃ、アタシ先帰るよ」

「おう、俺はもうちょっとだけ練習しとくよ」

 

そしてマリアが帰ってから2時間ほど練習し、空が黒く染まりだした頃に帰宅した

 

 

 

 

〜二日後〜

 

北九州武偵中の闘技場を貸し切り、その場に俺とマリアが立っている

 

観客は盛況とは程遠いが、一介の生徒同士の闘いではありえない程。半数近くの席が埋まっていた

 

美人女子高校生とAランク中学生という理由と試験訓練の息抜きが主な理由だろう

 

 

「さて、始めるかマリア」

「う〜ん、罰ゲームとか決めない?その方が気合いが入らない?」

 

どうしてだろう?マリアからの罰ゲームって性的なヤツしか想像出来ない。

 

「い、いいよ。やってやろうじゃんか」

「ふふ、じゃあ勝った方が負けた方に命令一つね」

 

そして懐から非殺傷弾を込めたD.Eを構え、マリアは鎖で繋がれた刃無しの小太刀2本を構えていた。

 

「ステルスはありだよね?」

「その方が盛り上がるだろ?」

「了解」

 

 

俺はマリアのエンブレムを取れば勝利。マリアは制限時間まで取られない、もしくは俺の戦闘不能で勝利

 

 

そしてブーッ!とブザーが鳴った

 

「先手必勝!!」

 

ダン!

 

構えたD.Eから弾丸を放つ。

マリアはステルスを使い銃弾を逸らそうとするが、ゴム製の非殺傷弾なので磁力は関係ない

 

「いたいなぁ」

「忘れてたのか?まさかな」

「わ、忘れるわけないじゃん」

 

ああ、忘れてたんだ…

 

「いいよ、本気だしてあげる」

「今さらかよ」

 

マリアは片方の小太刀を持ち、ヌンチャクのように回す

その速度が早く風切り音が聞こえる

 

大丈夫だ、離れていれば刃無し小太刀なんざ恐くない

 

ダン!

 

もう一発撃つが、今度は弾かれる。

 

「うわっ、そんなのアリかよ」

「あはは、ほら銃弾の無駄だよ」

「いやいや、せっかくだから…『水槍』!!」

 

D.Eを右手に持ち、左手をかざして水の槍を作り伸ばす。その長さ30メートル

 

「早い!?……けど甘い」

 

体をひねって紙一重でかわしたマリアは水の槍を掴む。

 

まさか!?

 

そう思った瞬間、マリアに手に閃光が走り、体に電流が伝わる

 

「ぐっ……相性悪すぎ」

「甘いんだよかずくんは。くらえ。時斗くん直伝『雷球(デイアラ)』!!」

 

マリアが小太刀を腰に差し、両手を構えて雷球を放った

 

「に、兄さんのとサイズ変わらねぇじゃん」

「ダメだよかずくん、〈動くな!!〉」

 

ビリビリと巨大な音圧が身体を硬直させる

 

「うぐ、二重超能力(ダブルステルス)とかチートだろ!?」

 

硬直した身体を動かせず、雷球は直撃した

 

「ぐあぁぁ!!」

 

気を抜けば一瞬で意識が刈り取られる瀬戸際でなんとか意識を保つ

 

「はぁはぁ、なんとか耐えたぜ」

「結構疲れたのに…」

 

マリアの雷球のおかげで大きな歓声が生まれていた

この歓声の中だと、音のステルス弱くなる

 

 

「『水竜弐ノ型 双頭龍』」

 

両手を重ねてマリアにかざすとバレーボール大の水球が現れ、そこから左右一対の水竜が飛び出る

 

「うげっ、もう弐ノ型も修得したの!?」

「そんな事言うなら止めんなよ…」

 

そう、俺が放った双竜は2匹ともに左右に小太刀で受け止めていた

 

「ぐぐっ、さすがに重いぃ」

「押し切れるか?」

「にゃはは、甘いよかずくん!!」

 

マリアは電気を帯びさせた小太刀で双竜を斬り裂いた

 

ある意味で予定通り

 

俺は爆散した双竜に紛れて近づき、胸元のエンブレムをつかみかかる

 

「取った!!」

 

が、体を少しだけ前に動かしたマリアに胸に触れてしまった

っていうか鷲掴み状態

うん、柔らかいなぁ…

 

 

「んぁっ!?かずくん!?」

「ご、ごめん!!今のは偶然手が当たって…」

「すきありぃ!!」

 

マリアの蹴りが鳩尾にジャストミート

 

「がっはぁ……」

 

そのまま3メートルほど吹き飛び、倒れる

 

ああ、せこくね?いや、悪いのは俺だけどさ。

 

そして立ち上がろうと力を入れた瞬間にブザーが鳴った

 

 

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