緋弾のアリア 守護者とFランク武偵   作:暇人鶯

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厨二病入ります(笑)


第76話 纏い竜鱗

構えた銃から銃弾が発射されるまで数十分の時間を要した。

それほどに龍には隙がなく、また、彼の瞬発力は脅威だった

 

そんな時に撃った弾かれて当然の銃弾。勿論、次への布石だった。

 

 

「その程度ッスか?」

「十五分間動かずに溜める必要があったが…幸い川が近くて良かった」

「何を、…まさか!?」

 

地面に出来た僅かな影。

曇りという天気のせいで、龍は空に出来つつある巨大な水の塊に気付けなかった…それは一真から目を離せなかったのも理由のひとつであった

 

下唇を噛む龍を見て超能力を解放する

 

 

「『水塊爆落球』!!」

 

「うあぁぁぁぁ!!」

 

 

落ち行く直径十メートルは下らない水塊。

それに刀を向けて、大声で叫んだ。

 

 

ドオォォォォォォォン!!!!!!!!

 

 

巨大な水塊は龍を飲み込み、地面に触れると巨大な爆発音と共に、爆風が来た。

俺はそれを水の壁を使って防いだ。

 

 

何分か経ち、水煙が晴れた。

 

 

「はぁはぁはぁ。こんな程度じゃ負けないッスよ」

 

そこには、更地になった土地の真ん中に刀を抜いた龍が立っていた。

 

 

「マジかよ…」

 

 

思わず口から漏れた言葉、龍はその隙を見逃さなかった

 

爆発的な瞬発力で目前2メートル程まで近づき、刀を振り抜いた

俺は体を後ろに反らして避ける、避けきれなかった刃が頬を掠める

 

 

「真剣!?……後戻りできねぇぞ龍!」

「優那を置いて後戻りなんかする気は無いッスよ!!」

 

そのまま、掌底で腹を狙ってくる。

その速さは過去に見た中でも段違いに速い

 

「『水盾』」

 

腹に小さい水の盾を出す。固さだけなら鉄をも凌ぐ。

 

 

だが、龍の掌底は水の盾を弾け飛ばせた。

そして盾と密着していた俺にも衝撃が伝わった。

 

 

「ぐはっ!?」

「吹っ飛べぇ!!」

 

掌底で怯んだ隙を狙われ、蹴りが振り抜かれた

 

「ぐあぁっ!?」

 

 

数メートルか吹き飛んだ後に木にぶつかって止まった。

 

「ぐぅ……『水球』」

「苦し紛れの一撃なんざ入らないッスよ!!」

「『乱水球』」

 

最初に飛ばした大きな水球は斬られ、その後に飛ばした複数の水球もことごとく斬られて水に還った。

 

「今のアンタには動揺が見て取れるッスよ?」

 

黙れよ、犯罪者

D.Eに実弾を籠めて構えた。

 

「公務執行妨害罪も追加だ。もう死刑でも構わないか?」

 

ダン!!

 

銃声と共に放たれた銃弾は龍の刀の鍔を正確に撃ち抜き、破壊した

 

「ちっ。相変わらずの腕前に感服するッスよ。

でも違う、アンタは手を狙ったのに鍔に銃弾が当たったんスよ?

覚悟が足らないんじゃ無いッスか?」

「覚悟なら決まっている。お前を半殺しで武偵局につき出す」

「半端ッスねぇ…

やるなら最後までやれよ!!!!その半端な覚悟で戦うんじゃねぇ!!。アンタのその半端な覚悟のせいで千紗が死んだんッスよ!!

やるなら武偵法なんて無視しろ!!じゃなきゃ俺はアンタを許せねぇ!!」

 

半端な覚悟で千紗が死んだ。

分かっている、分かっているのに震える。

 

「千紗…」

 

俺は外したヘッドフォンの片方に手を重ねる。

淡い光を放っている紫水晶が入っている。

 

「千紗…俺は一生後悔し続ける。多分それは誰かに恋をしようと変わらない。向き合う強さを俺は持っていない、でもいつか向き合う。それを待っていてないか?」

 

それに応えるように紫の光が強くなる。

 

「そうッスよ。それでやっとアンタに言いたいことが言える」

 

龍は鍔が壊れた刀を捨て、もう一本の刀を取り出す。

 

「話すことなんて無い、犯罪者。断罪してやる

『水鋭刃』」

 

細い水の刃が地面から龍を切り刻もうと飛び出す。

 

キンキン!!

 

甲高い音を出しながら、それを防ぐ龍

 

「俺に刃は通じないッスよ。それに断罪されるべきなのはアンタッスよ!!!!」

 

水の刃を旋回しながら全てを切り裂いた。

 

「アンタは優那の側に居なきゃいけなかったのに、一番必要なのはアンタだったのに……なのにアンタは逃げた。千紗から目を背けた、優那を見捨てたッス。そして都合の良いときに秋月とあたかも向き合っている様に見せつけて……」

「分かった様な口をきくな!!

俺だって向き合おうと思った。でも、優那を助けるのは俺じゃない。俺じゃ出来ない。

龍なら、優那を好きで優那に好かれていたお前に任せたんだよ!!」

 

「結局……

結局逃げじゃないッスかぁ!!!!なんで優那にはアンタが必要だったかも知らないんスか!」

「……」

 

知るかよ。

知ってたなら優那を助けていた

 

「優那にはアンタの血が通ってるんスよ」

「な!?嘘を言うな!!」

「優那にはアンタの血が4分の1流れている」

 

嘘だ。

 

そんなの、まるで優那が俺の孫みたいじゃないか。

 

「今は理由だとかはどうでもいいッスよ。なんで優那にアンタが必要か、そんなもん寂しい時に身内にいて欲しいに決まってるッスよ。本能的に安心出来る場をアンタは与えなかった」

「…気付いていたら、そうしたさ…」

「そうッスか。なら優那は俺が守るッスよ。臆病者は一生逃げていればいい」

 

 

龍の表情から怒りすらも消えた。

 

次の瞬間、龍は目の前に居た

 

「なっ!?…ぐふっ!!」

 

龍の右腕が鳩尾に突き刺さる。

 

ガン!!、ドカッ!!、バキッ!!

 

頬、胸、頭、に痛みが走り意識が朦朧とする。

 

「負け…るかよぉ!!」

 

ナイフを振り回すが、片手で制される

 

「まるで児戯ッス」

 

バキッ!!

 

ナイフを持っていた腕に激痛が走る

先程の攻撃よりも重い。

 

「峰打ちか…」

 

胸元を掴まれ、意識が朦朧とし動けない。

でも、ここで負けたなら

 

それこそ、優那に向き合えない。

誓ったよな。任務が終わったら向き合うと

 

 

「『爆水球』」

 

俺と龍の間に爆発を起こして、強引に引き離す

 

「ぐ…案外無茶するんスね」

「80%解除、ステルス強化。

『水竜参ノ型 纏い竜鱗』」

 

 

拳銃が小さな水の竜となる。

 

ダン!

 

「只の銃弾ッスか?……な!?」

 

龍は銃弾を弾けなかった。

銃弾は刀をへし折り、後ろの木にぶつかり木が爆ぜる

 

「竜の鱗はあらゆる攻撃を弾くほどの硬さを持っている」

 

「なるほど……なら、『刻静寂』ッスね」

 

 

そう言って刀を全て捨てて『刻静寂』を構えた。

 

 

そこからは消耗戦だった。

さすが島津家が誇る名刀だけあって切れ味は素晴らしかった。

しかし、一真も自らが持つ最も燃費が良い水竜技と呼ばれる強力な技を使っていた。

 

龍が近寄れば、一真は龍に牽制として鱗を撃つ。

 

お互い膠着状態を解除する方法はなく、打破出来ずに日が沈み、日が登った

 

「はぁはぁ、何時間経ったんスか?」

「はぁはぁはぁ、知るかよ」

 

 

そして、戦いが始まって20時間。

 

龍の握力低下と発汗により『刻静寂』が滑り落ちた。

同時に一真のステルスも尽きた。

 

「終わりだ龍。『爆ぜろ竜鱗』!!」

 

爆発させる為に残している分以外は。

 

その一言で、折れた木が爆発した。

それを皮切りに幾百もの爆発が龍の周りで巻き起こった。

 

ドドドドドォォォ!!!!!!!!

 

 

「……」

「終わったか」

 

煙が晴れた。

そこには倒れた龍と刀の鞘だけがあり、『刻静寂』は俺の足元に落ちていた。

 

 

 

「兄様!!龍!!」

 

突如、大きな声がした。

その方向を見ると優那がいた

 

「優那!!迎えに来たぞ!!」

 

片手を挙げて呼ぶ。

優那はクレーターの様にへこんだこの窪地に何度か躓きながら俺の方を駆けてきた。

 

そして、俺の横を抜けて龍に駆け寄った

 

「龍!!、龍!!。嫌だよ、起きて!もう…お姉ちゃんみたいには…イヤ!!」

 

なんで?、なんで龍なんだよ!?

 

「…うぐ…泣き顔でも、表情の第一歩、ッスね。優那」

 

 

よろよろと、鞘を杖に膝だちになる

 

「りゅ、う…」

「安心するッス…まだ、戦うッス。…俺は欲望に忠実だから言うッス。優那!勝ったら結婚しよう」

「無理よ、兄様はつよいから…」

「へへ、果報は寝て待てッス」

 

龍が優那の首筋に手刀を当て、気絶させた。

 

俺は、龍に勝てても。

本当の意味で勝つことは出来ない。

どうすりゃいい?

こんなとき…千紗なら笑えたか?

アイツは死ぬときまで笑っていた。

 

「来るッスよ、一真。まだ勝負は終わってないッス」

 

笑えない。

お前がこんなことしなきゃ…

優那だって笑えたはずなのに…

 

「ふざけんなよ…龍!!。お前のせいで!!」

 

 

足元の『刻静寂』を掴み、龍に向かって走った

 

 

「うらあぁぁぁぁぁ!!」

 

未だに体の動きが鈍い龍は、素人丸出しの荒い太刀筋でも躱せずに鞘で防ぐしか無かった。

 

だが国宝級の名刀、鞘ごと龍を斬った

 

 

 

 




とある事情で来週の投稿は出来ません。
再来週から週一ペースに戻ります。
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