爆発で身体が吹き飛んだ。
幸い、爆発した直後に身体をステルスによる水で覆ったおかげで身体は無事だが、足は軽い火傷と右足は爆発の衝撃で吹き飛んだ石つぶてが当たり、激痛が走っている
そしていつの間にか、コンクリートで出来た壁を突き破り、地面に伏していた。
「はぁはぁ、ステルスが遅れたら不味かったか。」
だが状況は最悪。
右足は思うように動かず、遠山とも引き離された挙げ句にナイフも全て落としてしまった。
「あれぇ、まだ気を失って無かったんだ。
もう一方は外に投げ出されたから一応倒したことにはなるっぽいけど。
しつこい男は嫌われるよ?くふふっ」
「金髪女。男同士の真剣勝負に水差すなんて野暮だとか考えなかったのか?」
「はいはーい、武偵になるのに綺麗も汚いもないと思いまーす。それに私は金髪女じゃなくて理子りんって可愛い名前があるんだからねっ!!
あ!!今のツンデレっぽいよね!!」
「五月蝿いな。本当の殺し合いもしたことがない奴が、ほざくなぁ!!」
弾を込めてあったデザート・イーグルを金髪女の四肢狙い撃つ
だが、金髪女は臆することなく身体を横にして必要最低限の2発だけナイフの腹で受けて弾いた。
「あーあ、理子りん飽きちゃった。…本当の地獄を知らないくせに」
「なんつった?」
「ううん、ただ理子はまだしなきゃいけないことがあるから。バイバーイ」
「てめっ!?待てよ!!」
引き留めようと声を出したが、先程の爆弾で開けた穴から下の階に降りていった。
「いや、どちらにしろこの足じゃ勝てなかったか…」
まぁいいか、この闘いをカメラで見ていたならBはいってくれるだろう。
「とりあえず…休憩だな」
近くの壁に寄りかかり、夏希さんに教えてもらった製薬術で自作した薬を両足に塗った
「いつつ。火傷とか怪我なら効果はあるけど、皮下の怪我となると効果が下がるな」
青アザになっているふくらはぎに薬を入念に塗りながら呟く。
するとビル全体にマリアの声が響いた
『現在遅刻していた武偵が先程ビル内に入りました、1分後に戦闘が解禁されます』
「試験に遅刻か。どんな理由にせよ武偵校側からしたらイメージ最悪だな」
薬を塗り終わり銃に弾を込めて、ナイフを回収して再び腰を下ろした
「出てこいよ遅刻武偵。ワクワクとかして寝れなかったか?」
「そのアダ名やめて!!ってかちゃんと寝たから!。その証拠に、このナイフ術をみてみろ!!」
「そこトラップあんぞ」
「…………………へ?」
遅刻武偵の足元の床がすっぽぬけた。
「ちょっ!?、嘘だぁぁぁぁぁ!!!!」
落とし穴トラップに引っ掛かった遅刻武偵は大声を上げて落ちていった。
「さらにイメージ悪化だな」
そう呟いた
亜瑠SIDE
やってしまった。
ほんの昨日まで元傭兵の師匠との訓練をしていたから、今日の試験は頑張ってC、うまくいったらBになってエリート武偵道を爆走するはずだったのに…
「遅刻しちゃったよ!、くそぅ。ワクワクして寝れなかったとか…」
遠足前日の小学生か!
と、ツッコミたい
本気で自転車を漕ぐこと15分。
なんとか試験会場に着いた
「遅刻ですよ、志摩武偵」
「す、すいません!!」
銀髪の美人な試験官はやれやれといった感じで、溜め息を吐いた
「まぁ高校生ですから、ワクワクして寝れなかったとかは無いでしょうし。何か理由は有ったにしろ、武偵は時間厳守です。貴方1人遅れただけで待ち伏せや潜入が気付かれたりするんですよ」
「あは、あはは」
すいません、ワクワクしてました、寝ていませんでした。
「とりあえず減点です。志摩武偵、今から3分で準備してビルに入ってください。入って後に1分後スタートします」
「あ、はい」
なんか出来る大人って雰囲気の人だなぁ。
あの口喧嘩してる二人の試験官と違って。
「せやさかいに車輌科なんか試験官ならへん言うたやろ!!」
「おめぇ、木下の運転テクナメんなよ!!」
「これ強襲科の試験やからな!!」
こんなのが試験官なんだ…
「はぁ、お二方。いい加減にしてください。夏希さんに連絡しますよ」
「ちょっマリアさん!!じょーだんじゃないっすかぁ!!」
「よ、呼べるもんなら呼んで見ぃや!!」
足震えてますよ、お二人さん。
そんな二人を横目に見ながら、ビルに入った。
とりあえず準備だけでも整えなきゃ…となると、あえて皆が行かなそうな屋上でも『ドオォォン!!!!』うぇぇ!!
ちょまって、怖っ!? 爆発音怖っ!?
なんか揺れてるよ!? つかなんかミシミシいってません!?
「ありゃりゃ〜ちょっとやり過ぎちゃったかな?」
びびって身体を屈めていると、天井の穴から金髪の女の子が飛び降りてきた。穴って!?倒壊しちゃうじゃん!?
「ん?おほ〜これは遅刻クンじゃないかね?ふむふむ。ショタっ子かぁ〜」
「誰がチビだよ!!っていうか君も大差ないじゃん!!」
「まぁいいや、まだ1分経ってないし。助かったね、くふっ」
女の子はそう言って、別の部屋に向かった。
「嵐みたいな子だったなぁ。まぁ僕もよく言われるけどさ」
でも、戦ったら確実に負けてた気がする。
なんか、可愛かったし…
頭に残る雑念を振り払い、再び屋上を目指した。
屋上に着いた時、誰かがいることに気付いた。
まさか!?読まれてる!?
いや。あの足のこと考えると、負傷してここまで逃げてきたか何かだろう。
ならチャンス!どちらにしろあの足なら満足にゃ動けないはずだ!
「出てこいよ遅刻武偵。ワクワクでもして寝れなかったか?」
何ここの武偵校。エスパーばっか!?
「そのアダ名やめて!!ってかちゃんと寝たから!。その証拠に、このナイフ術をみてみろ!!」
懐からナイフを取り出して突っ込む。
「そこトラップあんぞ」
「……………………へ?」
そういや地面…無くね?
「ちょっ!?、嘘だぁぁぁぁぁ!!!!」
足元が抜けて、そのまま結構下まで落ちていった。
「ぐふぅ…」
身体が地面に叩きつけられて身体が軋む。
師匠との訓練でも叩きつけられることが何度もあったおかげで、無意識に受け身はとっていた。
「トラップ、えげつないよ…」
そう呟いた次の瞬間、周りからあり得ない音がなった。
先程からなっていたミシミシが明らかに倒壊寸前の建物からなるバキバキという音に変わっていた。
「あれ?ヤバくね?」
次の瞬間。
廃ビルは崩れ去った。
と、同時に僕の意識も無くなっていた。
SIDEOUT
あのチビ武偵が落ちていってから、明らかにビル全体の音が変わった。
まるでビルの重要な鉄骨だけが消えたように…
「不味いな。3分も持たないぞ。マリア!!3分以内にビル内から全員避難させろ!!崩れる!!」
声の限り叫ぶ。
すぐに窓からマリアが入ってきた。
「蘭豹には1階と2階を私は屋上と最上階、時斗様はその他を直ぐに回収します。先に降りれますか?」
「ああ、だがこの部屋には誰にもいない。屋上にも居なかったろ?」
「そうですね、では直ぐに出ましょうか」
二人で屋上から飛び降りると、マリアは小さなパラシュートを出して俺共々ゆっくり着地した
廃ビルが崩れたのはその2分後だった。
しかし、隠れていた試験官たちの活躍で全員が怪我すらなく脱出出来た。
「待ってください!1人足りません!」
「何言ってるんだマリア。ここにはスタートと同じ試験官を含む34人の全員がいるじゃんか」
スタートと同じ…だって!?
「ちょっと待てトキ兄。たしか1人だけ遅刻して来たはずだぞ!!」
「そうです。確か志摩武偵がまだ…」
「チッ。試験官と受験者全員で倒壊したビルを探せ!!」
兄さんの大声が試験会場全体に響いた。
「くそ。頭から完全に抜けていた」
「ウチもや、完全に忘れとった」
兄さんや蘭豹さんの他にも何人も志摩の事は忘れていたみたいだった。
「きゅ!」
助けに行こうと、座り込んでいた俺の所にアズキが来た
「どうしたアズキ?」
「きゅっきゅー」
「ついていけばいいのか?」
「きゅぅ」
頷くように頭を振ると、倒壊した廃ビルで妙にへこんでいた場所まで走っていった。
それに付いていき、瓦礫を幾つかどけると物置程の空間に志摩が体育座りで座っていた。
「ふぅ…見つけたぞ」
「うぅ、こんなトラップ無いよ!酷すぎるよ!」
「いや、事故だからな」
「ええぇ!!!!」
試験会場となった廃ビルが倒壊したことにより試験自体は中止となったものの、至るところに仕掛けてあったカメラにより試験は有効となり、俺はBランクを得た。
これから、AO入試を受けるためバタバタします。
一応は週一をキープしますが、遅れるかもしれません。