俺得なハリポタ×鬼滅の刃。他に見た事がなかったので自給自足。
「ハリー・ポッターが今年入学らしいですね」
「へぇ・・・え?」
外から聞こえる汽笛の音にゆっくりと息をついた。汽車の音なんていつ以来だろう。
私は今からホグワーツ魔法学校に入学する。
入学に至るまでの流れはまあ色々あったが、割愛する。正直今の思考では説明が出来ない。途中で出会った方々がとても親切な人で助かった。
なんて。
数秒前までは穏やかで前向きに思っていた。
いわゆるマグルとして生きてきた私はさっきまで何も思い出していなかったので、9・3/4番線とやらがどこにいけばあるのか分からずに居た。
英語は出来るようにしてから来ているが、目まぐるしく動く海外の人々に圧倒され、「9・3/4番線はどこですか?」なんて、こんな奇天烈なことを聞く勇気が持てずに9と10番線の間をウロチョロとしていたのだ。
大きな荷物を持った日本人が一人でうろついていればイヤでも色んな方の目に付き、危うく駅長室へ連れていかれるところではあった。きっと自分と同類で魔法なんて知らない駅長さん達にホグワーツに行きたいです、なんて言えなかっただろう。
ホグワーツという学校も不親切だ。もっとわかりやすく標識を出して欲しい。東京駅や大阪駅の方がまだ優しいぞ。新宿はちょっと分からん。あれもかなり不親切。
令和になる頃にはマシになるだろう。そうだったはず。
まあ、そんな駅長室に連れ去られるところだったわたしを助けてくれたのが同じ日本人の彼女たちだった。
今なら自己紹介されていなくても分かる。蝶姉妹じゃねえか。
なんやかんや口八丁にしどろもどろな私を駅長たちから引き離してくれた上に案内まで。感謝しかなかった。この人たちの役に立てるようになろうと秒で思った。
さっきの私グッジョブ。
最推しが目の前で生きて笑っている事実に泣きたくなったが、いきなり泣き出すとか変人でしかないので外の駅が動きだした光景を見ていた。後戻りできない、泣きたい。
汽車の一室、私、蝶姉妹、アオイ、カナヲに加え恋柱様がいる。
蝶姉妹に連れて来られた私を見て、彼女は大層驚かれていた。
そんな彼女たちを見ても思い出さなかったのに、ハリー・ポッターの名前を出されて思い出すとか、最低じゃないですかね?
前世も前々世もちゃんと思い出して、前世で神様とワニ先生にキレまくって、結局鬼舞辻無惨に殺された事実に顔を青ざめさせた(殺される際に蛇柱様と恋柱様の盾になれたはずだから後悔はない)。そしてハリポタだと気が付いてさらに血の気が引いた。
窓ガラス越しに私の顔を見た恋柱様が自分の手からお菓子を私に渡してくるとかこれはギルティでない?
「もしかして乗り物酔いが酷いの?」
「あら、向こうに着くのは夕方だし、困ったわね」
「美味しいものを食べれば問題ないわ!ほら、このお菓子も美味しいのよ?」
「いえ、あの、ほんと、お気になさらずに」
「もしかして睡眠不足です?なら肩を貸しますよ」
「いや、ホント、気にしないでください」
「敬語じゃなくていいですよ?」
体調が悪いわけではないので気にしないで欲しいと笑って言った。
そして室内を見渡す。
隣にいるしのぶ様。
向かいにいる恋柱様。
斜め前にはアオイ。
その隣にはカナエ様。
の向かいにカナヲ。
女の子しかいない。いや、私の中身も女の子なんだが。
いかんせん側が前世と同じく男である。男として生きているので気まずいしかない。そんな中、やはり私よりも小さく小柄なしのぶ様の肩を借りて眠るだと?
無理ぃ・・・。
蛇柱様はどこだ!!
私の想い虚しく、蛇柱様方は全然現れない。
え、まさかイナイの?嘘でしょう?来世を約束したんじゃなかった?
もうちょっとそこら辺覚えてないけど、最後に大泣きしながら萌えた覚えがある(ちくしょうワニ先生!良い作品だけど、難易度高すぎぃ!)。
こんなにも女性陣が揃っているというのに?
え、三度目の人生で推しカプの応援が出来ないの??
今度こそお二人の祝言を見る気満々なんだが?日本でやればハリポタ関係ないし!
既に自己紹介は済ませているので、彼女たちの年齢も分かっている。
まさか、一つ年下だったカナヲと同い年になるとは。
なんだ、同期組は全員一緒ってか?それに巻き込まれた?
「唯月もだけど、みんなどこに入るかしら?」
「アオイちゃんはどこがいいか希望はある?」
「特にはないですね。あの三人組と一緒でなければどこでも」
「問題児ですからね。炭治郎君は本人がってわけではないですけど」
「ふふ、カナヲは炭治郎君と同じところかしら?」
「・・・しのぶ姉さんと同じレイブンクローがいい」
「!」
「きゃー!姉妹愛の勝利ね!」
炭治郎たちも今年入学なんだ・・・。
ってか、しのぶ様はレイブンクローなんだ。スリザリンかと思ってた。
(自分を毒薬に作り替えて敵に食わせる方法を取るところとか手段を選ばない感じがスリザリン向き。でもよく考えれば彼女は秀才だ。いや、努力の天才と言ってもいい。そういう意味ではレイブンクローは当然で、むしろ一番彼女が穏やかに過ごせる場所かもしれない。よくぞやってくれた、組み分け帽子、素晴らしい采配、感謝します)
ってか、蝶姉妹が尊い。目の前で急な公式の供給過多に私の心がついていかないんだけどな!!!
「唯月は?」
「私ですか?私はハッフルパフですかね」
「なら私たちと一緒ね!」
「え?」
「大歓迎よ~。カナヲはしのぶのところに行っちゃうって言うし」
「お二人はグリフィンドールではないのですか?」
「カナエさんと私はハッフルパフなの!」
おい、組み分け帽子。最高かよ!!!
確かにグリフィンドールよりもそっちの方があってる!ああ、素晴らしい!!
しかも原作でも実際にも存在しなかったカナエ様と恋柱様の絡みとか新しい可能性をありがとうございます!
表情は微笑みのまま脳内を爆発させる。
寮に関しては私自身の適性を考えたのとこの学校で一番穏やか過ごせるのはどこかを考えた結果ハッフルパフというだけなのだが、お二人がいらっしゃるなら最高だな。
グリフィンドールだけは何があっても嫌だ。それと同じくらいスリザリンも嫌だ。うちはマグルなので止めて欲しい。差別主義とまでは言わないけど、子供のやることでもご免だ。
貴族同士のやり取りなんて興味もないし、純血とかに誇りもない。イギリス魔法使いがそういった価値観を持って過ごしているからその子供たちもそうなってしまうのは仕方ない。
「そう言えば、貴方は覚えているの?」
「何をでしょう?あ、魔法なら無理ですよ。うちは普通の家庭でしたから」
「・・・そうなんですか。ではこれから勉強に困ったら私を頼っても良いですよ。これでも学年トップですから」
「胡蝶さんは聡明なんですね」
「胡蝶は三人ですから名前でいいですよ。私たちも唯月と呼んでいるのですから」
明らかに違う意図の質問だったろうがちゃんと誤魔化されてくれて良かった。
ここに炭治郎が居たらまた誤魔化すのが面倒だったに違いない(彼曰く、私の匂いは読み取りづらいそうだったから、嘘なのか本当なのか判断できないと言っていた。善逸も同じ。きっと神様がくれた転生特典に違いない。私は騙されやすいが、人を騙すなんて芸当が出来る訳ないもの)。
しのぶ様は私の話に乗って魔法のことに切り替えた。
また一つ尊いお話が入手できたので心のフォルダにデータ保存した。
学年トップとか優秀過ぎ。
最高。
名前呼び許されたのはギルティ?
許される前から心の中で呼んでるから仕方ないね。
「では、しのぶさん。勉強に困ったらぜひお願いします」
「はい、お願いされました」
微笑む女神が素敵です。推しが今日も笑顔で生きているっ!!
なんて素晴らしい日だ!
やはりホグワーツの生活は気になるのか、今年入学するカナヲとアオイは三人に対して質問が始まった。
もちろん私も少しばかり混じらせてもらった。
私が気になるのは食事。イギリスの食事は酷いと聞く。美味しいご飯を食べたければ朝食を三食にしなさいと言われる。というか、両親に言われた。
私が生まれて少しした頃に亡くなった叔母さんがイギリスへ留学していた時期があったそうな。それで家族みんなで遊びに行った時に思い知ったらしい。
なので、私もホグワーツの食事はどうなのか、とても気になっている。まあ、恋柱様の舌が満足しているのなら問題はないだろう。彼女はとてもグルメだもの。
・・・驚いた。炎柱様と恋柱様の二人が抗議活動として、ホグワーツの屋敷僕妖精たちに日本食や様々な国の食事を教えたなんて知らなかった。
炎柱様は料理できない人でしたね。そりゃ二人揃わないと無理だわ。
カナエ様方は参加されなかったそうで。水柱様が鮭大根をねだったくらいと。なんだ、柱は全員いるのか?流石神。もっと笑える世界にしましょう。
なぜそこそこの難易度な世界なんですか。みんな日本人なのになんでこっちいるんだよ。
幸せな世界はどこ・・・?
書いてみたけど収拾がつかなくなること間違いなし。
二年目まで簡単には書いてるが飛ばし飛ばしで書いているので割とちゃんと書いていた導入だけ供養。