ルドルフは大阪杯を圧勝した。
右手のパーに左手で指を一本加えるポーズが画になること。
これで史上最多の六冠となり、いよいよ史実越えが現実味。
当の本人はいたって冷静、かつ意欲的なので、
間違いなく史実を超えてくれると思う。
一方で心配なのがシービー先輩だ。
大阪杯には先輩も出走していたが、終始後方のまま、
まったくいいところなく敗れてしまった。
デビュー以来、初の大敗である。
遠征から帰ってきた先輩は、いつもと変わらない様子で
飄々としていたけど、心中はどうだろうか。
あの通りの掴みどころのない人だから、外からじゃ全くわからん。
史実を踏まえると、衰えということもあるかもしれない。
とりあえず次の天皇賞にも出るみたいだが、どうなることやら。
俺としては、一喜一憂する結果となる大阪杯だった。
さあさあ、新年度ですよ、新年度。
それでは毎年恒例(?)の、新入生ちゃんチェックから参りましょうか。
ダイナガリバー、ダイナコスモス、メジロラモーヌ、ニッポーテイオー、
フェートノーザン、メジロデュレン、ダイナアクトレス、フレッシュボイス……
はい、初代牝馬三冠馬来ました。
ちらっと見たけど、ものすごい美人さん。さすがアルダンの姉。
いや逆か。ラモーヌの妹だからの姉妹揃っての美少女か。
マイル、中距離、長距離、ティアラ路線、ダートに至るまでスキがない、
多士済々の世代キタコレ。
デビューを来年にして正解だったね。
この世代を相手にして勝てるイメージが全然湧かないもの。
皐月賞を目前に控えたある日。
「トレーニング中にすまない。
ファミーユリアンさん、ちょっと話をいいだろうか」
トレーニングの合間に、そんな声がかけられてビックリ。
まさかスカウトかと思って、驚愕しつつ目を向けたら、またびっくり。
「シリウスのトレーナーさん?」
「よかった、覚えててもらえたか」
「そりゃ忘れませんよ」
そこにいたのは、シリウスのトレーナーさんだった。
一応言っておくと、チームシリウスの、ではなく、
シリウスシンボリのトレーナーさん、という意味だからね。
あんなことがあって、忘れるというほうが不可能というもの。
彼はホッとしたように笑みを浮かべている。
……どことなく疲れているように見えるのは間違いじゃないと思う。
頭の白いものもなんだか増えたような……
「またあいつが何かしましたか?」
「いや、そうじゃないんだ。まあ、無関係というわけでもないんだが」
真っ先に浮かんだのは、シリウスがまた何かやらかしたという可能性。
幸い違ったようだが、申し訳なさそうに苦笑している様子からすると、
厄介事ということに違いはないらしい。
まったく、やれやれだぜ。
「わかりました、お話を伺いましょう」
「すまない、助かるよ」
となれば、話は早いほうがいい。
トレーナー室で、ということになり、移動する。
お父様と約束してしまった手前、問題が表面化する前に収めなければ。
というか、あいつもあいつだ。
この前のことがあって、その舌の根もまだ乾かないうちに、どういうことだってばよ?
厳しいお説教食らったんじゃないのかね?
あのあと、数日は目に見えて沈んでいたから、堪えてないことはないはずなんだがなあ。
「何か飲むかい? トレーニング中だっただろう?
水分補給を怠ってはいけないよ。ポ〇リでいいかな?」
「恐縮です、いただきます」
彼のトレーナー室へと移動し、スポーツドリンクを出してもらった。
一口二口と手を付けてから、本題に入りましょうか。
「それで、何のお話です?」
「来週の皐月賞なんだが、シリウスも出走予定だ」
「はい」
シリウスはあの後、わざわざ阪神に遠征してまで
トライアルの若葉ステークスを使い、勝利している。
何が何でもクラシックを獲るという、あいつなりの意気込みだったのかもしれない。
これで今年のクラシックは、スプリングステークスを制したミホシンザン、
同2着でジュニアチャンピオンのスクラムダイナ、
弥生賞バのスダホークと合わせ4強と見積もられている。
で、何が問題なんですかね?
「回避させようと思うんだ」
「えっ」
その一言に、思わず声が漏れてしまった。
回避? なぜ?
「やはりそういう反応になるね」
「えっと、理由を聞いてもいいですか?」
「疲労、というか、それから来る脚部不安だな」
「脚部不安……」
思い出した。史実のシリウスシンボリも、皐月賞は回避してたっけ。
転厩騒動のせいだとか、疲労だとか云われてたけど、
こっちのシリウスも運命には逆らえないといった感じなのか。
「本人にはそのことは?」
「もちろん伝えたよ。だが、あの通りの子だからね。
即、突っぱねられた」
「でしょうね」
ああ、その光景が目に浮かぶようだ。
勢いで言ったにせよ、トレーナー変更を思いとどまってまで
勝利を欲したクラシックだ。出る気は満々だろう。
拒否する返事をしただけでも、儲けものという気がする。
この前までのあいつなら、無言で立ち去るか、
前回の騒動みたいにキレ散らかして、実力行使に出ていたかもしれない。
そういう意味では、わずかばかりでも成長したのかな。
……なるほどね。
リアンわかっちゃった!(我ながらキモい
「で、私に説得してほしいと?」
「ああ。お願いできないだろうか」
「わかりました」
「……私が言うのもなんだが、よいのかね?
少なくとも、二つ返事で即答してもらえるようなことではないと思うんだが」
俺が速攻で承諾すると、心底意外だったのか、
彼は困惑するというより、訝しむ様子を見せる。
「トレーナーのあなたがそこまで言うからには、ひどい状態なんですよね?」
「そうだね。日常生活に支障が出るほどじゃないが、
このまま放置すれば深刻になる可能性が高いと思っている」
「故障に繋がるかもしれませんね?」
「ああ、それは間違いない」
「となれば、私も黙ってはいられません」
「申し訳ない」
「いえ、構いませんよ」
この前の騒動の時点で俺のことを知っていたトレーナーさんだ。
俺の故障歴を知らないはずはない。
詳しく言わなくても、俺の意図を察してくれたことに感謝。
余計なことを言わずに、一言謝るだけだったことにも大感謝。
シリウスと衝突したっていうから、厳しい人なのかと思ってたけど、
普通にウマ娘思いの優しいトレーナーさんじゃないか。
この前は半ば手切れを勧めてしまったが、
それが最善なのかわからなくなってきた。
ともかく、俺のやることはただひとつ。
「では、さっそく行ってきます」
「ああ、助かる。お願いするよ」
そう言って、トレーナー室を後にした。
あんにゃろう、気持ちはわからないでもないが、
おまえみたいな我がまま娘の面倒を見てくれてるトレーナーさんを、
これ以上困らせるんじゃないよ。
脚部不安を発症しているのは紛れもない事実。
史実では最後は骨折しての引退だったっけ?
やっぱり丈夫ではないんかなあ。
それに、いま実際に目の前で故障しそうだというときに、
故障の辛さを何より知る身としては、放置などできようはずもなく。
さーて、あのじゃじゃ馬はどこかな?
「やっと見つけた」
あちこちを散々探し回った挙句、やつの姿を発見したのは、
もう日没近くになってからだった。
なんてことはない、校舎の屋上にシリウスはいた。
「リアンか。どうした?」
「どうした、じゃないよ」
シリウスは屋上の柵にもたれかかり、沈もうとしている夕陽を見ていた。
俺の声に気付いて反応するものの、振り返りはしない。
逆光でまぶしい中を、その背中に近づいていく。
「またトレーナーさんを困らせてるんだって?」
「……っち、あの野郎、告げ口しやがったな」
俺がすぐ後ろまで来ても、シリウスは体勢を変えることはなく、
幾分かの間の後、盛大に舌打ちを漏らした。
「おまえも皐月に出るなって言うのか?」
「うん」
「……少しは否定しやがれ」
俺がやってきた理由を察したか、質問にあっけなく頷いてやると、
逆に毒気を抜かれたようで、驚くくらいに拍子抜けする声が返ってきた。
本人的にも、やはり悔しさはあるようだな。
認めたくない、でも認めなくてはならない。
こういうときは、本人の話を聞いて受け止めてやって、
不平不満をできるだけ吐き出させてやることが重要だと思う。
孤児院でガキンチョの相手をしているうちに学んできたことだ。
要は、感情で納得できない部分を排除してやるために、
その感情をなくしてやる、和らげてやればいい。
あるいは、改めてダメだっていうことを悟らせてやる。
これができれば1番だが、なかなかに難しい。
特に、精神的に幼いとなれば、なおさらである。
「隣いいかい?」
「好きにしろ」
「じゃあお言葉に甘えて」
「……」
許可をもらって、シリウスの隣に立って、並んで柵にもたれかかる。
夕陽がきれいだ。
「……」
「……」
「………」
「………」
しばらくお互いに無言だった。
3分、5分。
「何が不満?」
意を決して、俺のほうから切り出す。
「トレーナーさんにわかるくらいだから、
自分でもわかってるんでしょ?」
「……そんなことはない。私は走れる」
強情な奴だ。あくまで認めないか。
では別方面から行こう。
「わかった。じゃあ皐月に出るとしよう。
そこで100%の力を発揮できるっていう自信はあるかな?」
「……」
「あるなら出走すればいいよ。
でも、ほんのわずかでも不安があるというなら、やめたほうがいいと思う。
自分を騙すことになるし、なによりレースを見に来てくれるお客さんや、
中継を見てくれる全国のファンの皆さんに失礼だと思わない?」
ファンに失礼だというのは本当にそう。
万全の状態じゃないのに出走するのは、ファンに対しても、
レースそのものに対しても冒涜する行為じゃないか。
リアル競馬は動物が相手だから、仕方のない部分が大いにあって、
ある程度はファンのほうもわかっているだろう。
しかしウマ娘レースは違う。
言葉が通じないというわけでもなく、自分の意思があるのだから、
力を発揮できないことがわかるのなら、回避するのが自然じゃないか。
ギャンブルではないにせよ、投票してくれるファンがいるんだから。
「おまえはそれでいいのか?」
「え?」
「生涯でたった1度の舞台だぞ。それを、ファンだのなんだの、
他人のことを考えて、そんなことでいいのか?」
「ファンあってのレースだよ。軽視しちゃダメ」
「そうじゃねえっ!」
ここでシリウスが激昂した。
やべえ言葉選び間違えたと思わないでもないが、
焦っても何にもならない。努めて冷静に、だ。
「一生に1度きりのレースだぞ。そんなくだらない理由で諦められるか!」
「くだらなくはないよ。仮に走って1着になれたとしても、
その後に影響するというなら、重要なことでしょ」
「その後、だと? 故障でもするってのか?」
「それも、競争生命に関わる、ってなったら?」
「………」
さすがに怒っていても、引退を迫られるほどの故障と聞けば、
聞く耳を持たないというわけでもないようだ。
「故障しないかもしれねえだろ」
「うん、しないかもね。でも、それは誰にもわからない。
ここで問題です。そんな予期せぬ故障に2度も見舞われた不幸なウマ娘がいます。
2回目は入院手術するほどの大怪我でした。それは誰でしょうか?」
「おまえ……」
「正解! 私です」
「………」
真面目に言って茶化せるようなことではないが、だからこそ、
シリウスにもわかってもらいたい。故障の恐ろしさを。
「……違う、そういう意味で言ったんじゃない。
おまえ、何が言いたい?」
「幸い私は復帰できて走れているけど、次もそうだとは限らない。
もちろんもう故障するつもりなんてないけど、それは誰にだって当てはまるでしょ。
故障したくて走ってる子なんて絶対にいないさ」
「……」
「故障しても休めばいいって考えてるなら、安直を通り越して愚か者だよ。
復帰できても、元通りになる保証なんてないんだからさ」
「そんな風に考えちゃいねえよ。だが……」
「一か八か? いや、そんな大博打に出るような場面じゃないと思うよ」
「……」
話をしているうちにだいぶ勘気も収まってきたようだな。
もう一押しっていうところか。
「私が事故ったときに、率先して駆けつけてくれたあんたなら、
故障することのリスクの大きさ、わかってくれるよね?」
「わかるが……おまえ、それ、誰から聞いた?」
「え? あ、あー……誰だったかな……」
目に見えて、シリウスの目の色が変わった。
やばい。今度は明確に地雷を踏み抜いてしまったようだ。
「誰ってこともなく、噂ってくらいだったかも……」
「……そうかよ」
もちろんルドルフから聞いたってことは内緒にしておく。
あいつの名前を出したが最後、絶対収拾つかなくなる。
シリウスにとっては、俺には触れられてほしくないことなんだろうな。
もしくは、黒歴史的な?
目撃者は多数いるはずだから、無理はないはず。
でも苦し紛れのウソだってことに違いはないから、
どれだけ納得してもらえたのかはわからないが、それ以上の追及を受けることはなかった。
「ともかくっ! 百歩譲ってダービーならありかもね。
他のすべてをかなぐり捨ててでも勝ちに行くかもしれない」
「……」
「そのダービーも控えてるんだし、ここは自重するのが賢明じゃないかな?
この悔しさをダービーにぶつけてやればいいよ」
「………」
露骨な話題逸らしに、シリウスからは大いに睨まれてしまったが、
この勢いで突っ走るしかない。
現実のダービー馬がダービーを勝てない、
ましてや出られないなんてことになったら、歴史の修正力(謎)が出てくるぞ。
「わかった、皐月はやめる」
「うんうん、それがいいよ。ここで無理して身体壊すのが1番ダメ。
わかってもらえてお姉さんうれしいよ」
「はっ、そのナリで何がお姉さんだ。寝言は寝て言え」
俺の下手な説得が功を奏して、シリウスは頷いてくれた。
それが第一なので、失礼な言動にも、忌々しい上からの頭ぐりぐり攻撃にも、
今は目をつむろうじゃないか(逆に偉そう)
……痛い。つむじを押すのはやめい。
「だが、私だけ譲歩するってんじゃ、割に合わないよなあ?」
「……ぇ」
何かを企むかのようにニヤリと微笑むシリウス。
いや、譲歩って、おまえの身体が悪いせいなんだから、そういう問題じゃ――
「リアン、おまえも何か形を示せ。じゃないと納得できねえな」
「えー……」
なんでそういう結論に……
おまえはいっつもそうだよなあ。無茶を言いやがるぜ。
調子が戻って何よりだが、こっちはもっと鳴りを潜めていて欲しかったな。
「……はぁ。何がお望みで?」
「さすがリアン。話が早くて助かるぜ」
しかし、せっかく説得に成功したのに、
ここで一蹴して臍を曲げ、意見を変えられるのも困る。
結局はこういう展開になるのか。つくづく巻き込まれ体質の俺よ。
俺が頷いたことで、得意満面の笑みになるシリウスである。
「皐月は諦めるが、ダービーには必ず勝つ。
だからそうなったら、私の言うことをひとつ聞いてもらう。いいな?」
「……無茶なことは言わないでよ?」
「さてどうかな。くくく」
「………」
この悪い笑顔。
ルックスも最高だから、悪役令嬢役とか似合いそうだ。
それはともかくとして……
無茶なこと言いやがったら、お父様に言いつけるからな!
本当に勘弁しておくれ。
説得に成功したことをトレーナーさんに告げると、盛大に感謝された。
さすがに無報酬というわけにもいかないってなって、今度、
食事を奢ってもらえることになったけど、それで釣り合っているかと言われると……
それに、担当でもない子と一緒に食事に行ったなんてことが公になったら、
それはそれで問題になりそうな気がしないでもない。
購買でデザートか何かくらいに済ませておいたほうがいいな。
ダービー後
トレーナー室
「ほらよっ」
「うわっ」
シリウスから呼び出され、無造作に投げてよこされた一品。
何を隠そう、正真正銘の、
「危な……受け取り損ねたらどうするの!」
「はん、そんな形だけのものなんざどうでもいい。
なんならおまえにくれてやるさ」
「はあっ?」
レース界にいるものなら誰もが憧れ、1度は手にすることを夢見る
大変貴重なものだというのに、落として壊しでもしたらどうするんだ!
……そう。
シリウスは見事史実通りに、ダービーを勝って見せた。
皐月賞を制したミホシンザンが、これも史実通りに怪我で回避したこともあり、
1番人気に推されたシリウスは、田んぼ状態のぐちゃぐちゃバ場をものともせずに、
泥だらけの真っ黒になりつつも勝利。右手を上げて咆哮した。
有言実行と言えば聞こえはいいが、要はこいつの我がままが発端である。
なんか素直に祝福する気にはなれなかった。
何はともあれ……これがダービーのトロフィーかあ。
綺麗だし、でっかいなあ。重いなあ。
日本ウマ娘レース界の歴史が、これに詰まっていると言っても過言じゃない。
そんなものが今、俺の手にある。
実際の重量以上の思いを感じるのは、気のせいではないはずだ。
「………」
改めてそう考えると、震えてしまうね。
実際このとき、腕と膝が笑っていたかもしれない。
「これで文句はねえよな?」
「ないね」
実際に勝たれちゃ、文句のつけようがない。
トレーナーさんもホクホク顔で、うんうんと頷いている。
「それよりリアン、約束、忘れてないよな?」
「あー……」
「期待して待っていろ。はっはっは!」
「………」
盛大なドヤ顔を浮かべて、高笑いしつつ去っていったシリウス。
俺は呆然と見送ることしかできない。
「約束?」
「あー、いえ、たいしたことではないですよ。
……お気になさらないでください」
「とてもそうは見えないが……」
トレーナーさんに苦笑されてしまった。
交換条件を課されてしまっているのですよ。
本当、たいしたことでないといいね……
「ファミーユリアンさん、前回といい今回といい、大変世話になった。
おかげで私も念願のダービートレーナーになれた。
言葉にできないくらい感謝しているよ。ありがとう」
「そんな、頭を上げてください。
あなたとシリウスの実力があってこその偉業です。私のしたことなんて
些細なことに過ぎません。遅くなりましたが、おめでとうございます」
「本当にありがとうっ……!」
握手を求められ、何度も頭を下げられて。
なんなら賞金を……なんて話になりかけたので、全力でお断りした。
浮かれてるなあ。
まあダービー勝てたら辞めてもいいなんて、本気で言う人がいる世界だ。
無理もないことなのかもしれない。
でも魅力的ではあるけど、お金に困っているわけじゃないし、
自分で稼がないと意味ないからね。
まったくシービー先輩といい、このトレーナーさんといい、
俺のことを何だと思ってるんだ。ぷんぷんですよ。
「というか、これ、どうしましょう?」
「……どうしようね」
シリウスから押し付けられたトロフィー。
これの処理のほうが今は問題だ。
重ねてシリウスにメッセを送ってみても、「おまえにやる」の一点張り。
取り付く島もないとは、こういうことか。
まさか俺が持って帰るわけにもいかないし、
進退窮まったので、とりあえずトレーナーさんに押し付け返し、
当面はトレーナー室に飾られることになった。
まったくもう、なんでこんなことでまで悩まねばならんのだ。
やっぱりあいつが絡むとロクなことにはならない。
改めてそう実感したこの2ヶ月だった。
メール着信
スーちゃん
『浮気者゚(゚´ω`゚)゚。ピー』
『私を捨てるのね?』
……なんでやねん。
今回の『ファミーユリアンちゃんについて語るスレ』のコーナー
:ファンクラブのブログに、リアンちゃんのメッセージが!
:わざわざ紙に書いてくれたのか
:ウェブ上の文章だけでもいいだろうに、律儀だねえ
:性格出てるね。もちろん良いほうに
:リアンちゃん、字すっごいきれい
:最後のサイン、297番さんの会員証のやつと一緒だ
ちょっと感動した
:俺いまそっち見られないから、だれかこっちに書いてくれない?
:はいよ
ファンの皆様へ
お世話になっております。
さて、私のデビューにつきまして、この場を借りてご報告申し上げます。
トレーニングの状況、本格化の具合など、総合的に検討いたしました結果、
本年度のデビューは諦め、来年度でのデビューを目指し、
今後のトレーニングに励んでいく所存でございます。
私のデビューを待ち望んでいただいている皆様方には大変申し訳ありませんが、
もうしばらくのご辛抱をお願いいたします。
**年4月 FamilleLien
:㌧クス。来年かあ
:状態良くないんかなあ。心配だ
:どっちかというと本格化を待ってるんじゃないかな?
:しかし丁寧な文章だよね
誰かも言ってたけど字もきれいだし、中学生とは思えんわ
:まったくだよ
辛抱って、自分が1番もどかしいだろうにさあ
:本当リアンちゃん良い子だわ
:俺はいつまででも待つよ
:わいも
引き続きシリウス回。
グダグダな説得ですが、自分でも何を言ってるのかわからなかった(汗)
さすがにシリウストレーナーの虫が良すぎる気がしないでもない…
そこはご都合主義ということでお願いします。
今更ですが、彼女がパドックで見せてくれる舞、結構好きです。
回し蹴りネタだろというのを見て噴いた。
ルドルフの天皇賞は次回にて。
仮にリアンが海外遠征する場合、初戦は何が良いですか?
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ドバイワールドカップ
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ドバイシーマクラシック
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ガネー賞(仏)
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クイーンエリザベス2世カップ(香港)
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アメリカ遠征