星歴2139年9月23日
サンマグノリア共和国
首都リベルテ・エト・エガリテ
共和国工廠本部開発局
銃器開発部擲弾課
端的に言って、僕の上司は爆弾魔だ。
そして今日も勤務時間始まって早々、導火線に火が点けられたらしい。
「レギオンに対抗可能な兵器が開発されるまでの穴埋めとして使う梱包爆薬用起爆装置の開発要請、ですって?」
火を点けたのは共和国軍作戦部の伝令将校で
目の前にいる
気持ちはよく理解できるが、こっち見んな。
そういや、以前は擲弾課に並んで日陰部署だった地雷課は白系種が居なくて廃止、擲弾課への吸収合併がほぼ確定していて、工兵器材部はこの1週間の撤退支援に忙しく余裕が無いんだったか。―――それで
「梱包爆薬なんて非効率極まる兵器の開発なんかするかボケッ!そこで待ってなさい!」
そう
にしても完成したのは半年前なのに、名前が決まったのが今朝ついさっきというのは、まあ用途によってそれらしい名前も違うものかと思うが、にしても無茶がある。
戻って来たリュシェール技術中尉が抱えて来たのは37mmのバケモノ、―――うわ2丁も抱えてるよ。あれ1丁12kgもあるのに。
「レギオンに対抗可能な兵器、これがそうよ!37mm口径重自動小銃!」
机の上にズドンと置かれた鉄塊を見て少尉の口があんぐりだ。そりゃ誰だってそうなる。
重自動小銃ってなんだよ。37mm口径で小銃を名乗るな。
「有効射程500mで装甲貫通能力は80mm、それでいて必要とする火薬量は梱包爆薬比で1発当たり100分の1。良い事?共和国は既に穀倉地と放牧地の多くを喪失していて、今後の食料供給の殆どを合成プラントに頼る事が確定している。そして合成プラントでの食料生産に必要な有機資源は火薬の生産にも必要。ここまで言えばよ~~~く理解できますよね?」
「しょ、食料と火薬とで、有機資源を食い合います」
そう、言ってる事は割とマトモなのだ。
共和国の外周全てを埋め尽くす帝国軍無人兵器に対して梱包爆薬でまともに立ち向かったら、まず食糧危機が訪れる。
だからと言って、食糧生産に支障をきたさない程度の炸薬量にすれば帝国軍無人兵器の装甲は破けないし、配備数を少なくすれば物量に圧し潰される。
だから、如何にして少ない火薬量で対抗するか、というのは間違っていない。
「それで、どうして梱包爆薬用起爆装置の開発要請なんてのが来るのかしら?」
「え、えっと。作戦部はこのような、えー、重自動小銃なるバケモ、いえ、新兵器を把握していなかったために―――」
だからといって目の前の
装甲目標にでも撃ってみれば有用性はすぐ理解できるのだが、どうして携行自動火器にする必要があったのか。まあリュシェール技術中尉の半ば道楽的開発によるものだが、それが対帝国軍無人兵器に対しては恐らく最適解らしいというのは、否定したい事実にも程がある。
ああ神よ、どうして爆弾魔の道楽兵器に現実を最適化してしまったのか。
「じゃあどうぞ持ち帰って、どうぞ。コバ准尉、資料も付けてあげなさい」
「はい中尉。少尉、こちらが資料になります。重自動小銃は重いので運搬にはお気を付け下さい」
おまえはこの
「コバ准尉、ついでにあっちの新型グレネードランチャーも2セット作戦部に持って行って」
打って変わってザマーミロといった顔の少尉、だが残念。
僕が待って行くあの
とはいえ、どうやってこんなゲテモノ兵器を軍に採用させようか、頭蓋が炸薬で充填され尽くした
37mm口径重自動小銃=QLZ-87モドキ
Q.重自動小銃って何よ?
A.共和国制式小銃の元ネタが
原作で白系種の種類が少なかったので勝手に追加しました。
白系種だが、その中のヒエラルキーでは最下層に位置する。
原作11巻をこれから読みます。
→おいカールシュタールおいおまえ前線行ってたのかよおい!
→なので修正します。
→取り急ぎ修正した。当て付けとして前線に戻るカールシュタールに先行量産分を押し付けるぞい。