遊戯王ふんわりしか知らない人があの有名なキースさんに憑依したようです

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マスターデュエル流行ってるの見てつい勢いで書いてしまった(
因みにあるカードの名称が間違っているのはキースがガチで勘違いしてる(作者が長い間してた)からです。同じ勘違いしてた人多いんじゃないかと勝手に思ってる。


王国編・船の上

 

「…………ここまで、長かったなあ」

 

 船の上。手すりに肘をついて海を眺めながらひとりごちる。いや本当に長かった。今までのことをざっと振り返ってみると……

 

 

 まず始めにに言っておくッ!俺は今衝撃の展開をほんのちょっぴりだが体験した。い……いや……体験したというよりは、まったく理解を超えていたのだが……

 

 あ……ありのまま今起こった事を話すぜ!

 

「俺は残業から帰って寝たと思ったらいつの間にかあの有名なバンデット・キースさんに憑依していた」

 

 な……何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何をされたのかわからなかった……頭がどうにかなりそうだった……催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ、断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……

 

 

 ……というか『バンデット』って本名じゃなかったのね。本当は『キース・ハワード』というらしい。バンデット(バンディット)っていうのは盗賊というか山賊?のことなんだとか。あまりにもカードゲームが強くて色々な大会の賞金をかっさらっていくから付いた渾名らしい。なるほどなぁ。

 

 

 この時点でお察しの通り、実は俺は遊戯王、特に原作について殆ど知らない。いや、当時ジャンプで読んでた記憶はあるんだけど、なんか記憶がパンドラと……仮面コンビ?兄弟?のところだけに何故か集中してるんだよね。何故か一番覚えてるのが『ブルーアイズに弱体化の仮面が~!(泣)』っていうあそこ。解せぬ。

 

 

 自分があのキースだと自覚してから俺は悩みに悩んだ。TCGは若干遊んだことはあるが、正直言ってそこまで自信はない。けれど何せあの有名なキースだ。バトルシティ編の前……確か王国編って言うんだっけ?の主要敵キャラとしてがっつり登場していたはずだ。俺がそこに参加しないことで、諸々の登場人物たちの……引いてはこの世界の運命が悪い方に変わってしまう、なんてこともあるかもしれない。だって遊戯王ってあれでしょ?カードゲームのせいで人がバンバン死んだり世界が滅んだりするんでしょ?正直主要キャラに絡まない方が幸せに生きていけそうな気もするけど、世界が滅んだりしたら嫌だしなあ……

 

 

 あれこれ悩みに悩んだあげく、結局原作知識が殆どないんだから何が正しいのか、良い方向に向かうのかわからないししょうがないという結論に落ち着いた。折角ブラック企業務めから勝ち組の人生に生まれ変わったんだ。俺は俺が良いと思う行動をしていくさ!

 

 そう決心したところで、今後の為にまず基本方針を立ててみる。

 

 1.なるべく主人公組には関わっていく

 2.バンデット・キースらしく振る舞う

 

 とりあえずこんなところか。主人公組にはどうせならなるべく関わった方がミーハー(死語)的に俺が嬉しいし、蝶の羽ばたきに関しては、どうせ正解なんてわからないんだから『俺が思うバンデット・キースらしい振る舞い』をすることでよしとする。よくはないんだろうけどとりあえずヨシ!

 

 そこからはあっという間だった。あやふやな知識を総動員してマジック&ウィザーズについて猛勉強。(というかそんな名前だったのかよ。ずっと遊戯王としか呼んでなかったから今生で初めて知ったわ)今まで稼いだ賞金でカードを買い漁り(何の効果もないカードとか久しぶりにリアル?うん、リアルで見た。なんで攻撃力が高いだけのカードがこんなに高いんだ)デッキを組み(うらら……うららはどこですか)友人に布教しつつ対戦して経験を積む。

 

 まだSNSが未発達のこの時代、最も影響力のある宣伝方法はやっぱりテレビ番組だ。テレビ番組に出演する度に遊戯王(面倒なので心の中だけは戻した)について宣伝し、色々な大会に出場し、時には顔を出していく。そんなこんなでいつの間にやら数年が過ぎて――

 

 

 

「こうすればよかったんだ!」

 

 

 俺の横で、王国編にあんまり詳しくない俺でも知ってるシーンが始まっていた。かの有名なとっくにライフが0のお方が遊戯のエグゾディアのカードを海に投げ捨てるあのシーンだ。そしてそのカードを追って飛び出すブルーアイズ・アルティメット・ジョウノウチクン。ここでは確か2枚しか海に落ちたカードを回収できず、遊戯はエグゾディアを失ってしまうことになる。(なんか後でいっぱい出てきた気がするけど)

 

 ……こんなとき、あのバンデット・キースならどうする?勿論、こうするしかねえよなあ!

 

 手すりを飛び越えて海の中へ。なるべく水しぶきを上げないように着水し、しっかりと目線で追っていたカードを探す。この時の為に数年間続けた水泳技術(体力づくりも兼ねて)のかいもあって、なんとか3枚のカードを回収することができた。

 

「くそ……!」

 

 少し離れた場所で城之内くんが悔しがっている。その手にはしっかりと2枚のカードが。

 

「Good job!!」

 

 そう声をかけて手に持った3枚のカードを掲げてやると、一気に顔が綻んだ。うーん、流石遊戯王世界屈指の好漢である。そして上からはでかい舌打ちと浮き輪が。よしよし、ミッションコンプリートだな。城之内と一緒にデッキに戻ると、既にインセクターさんは消えていた。……これ、逃走したら普通に罪になるんじゃねえかなあ。心配している遊戯(光)に近づいて、城之内くんと一緒に回収したエグゾディアを渡してやると、感情が一気に溢れ出したのかカードを抱きしめつつ泣き出してしまった。

 

「ありがとう……!本当に、ありがとう……!」

 

 

「気にするなよボーイ。俺はドゥエリストとしてカードを手荒に扱うやつが許せないだけさ。銃の撃鉄に挟んだり、ショット・ガン・シャッフルで痛めたりとかな!それに、良いお友達をもったな」

 

 それに、あのスーパー人格者のバンデット・キースさんならこうするだろうからな!と心の内で思いながらそう言うと、城之内くんも朗らかに笑う。

 

「アンタもいいやつだな!というか日本語上手いなあ、おっさん」

 

「おおお、おっさんじゃねーし!まだ26だし!」

 

 

 ……最後に変なオチ(いや、俺も正直もっと上だと思ってた)がついたけど、バンデット・キースの戦いはこれからだ!

 

 

 

 




ちなみに、この世界線の彼はトムには負けてません(

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