小木曽望乃は勇者である?~大満開の章~   作:桃の山

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 アニメの一話にあったアイキャッチ的なのがちょっと好きだったので、今回マネしました。


勇者部の平和な日々 前編

 ある日の勇者部では音楽が鳴り響いていた。

 

「うどんウドンうどんウドン、うどん! うどんウドンうどんウドン、うどん! うどんウドンうどんウドン。う゛ま゛~~い゛♪」

 

「うわー! かっこいい歌だね」

 

「うどんがしみるわ」

 

「私のロックはこんなものかーー! ……ギターは友達」

 

 園子がギターをケースにそっと仕舞う。

 

「変なサプリでも飲んだ?」

 

「よ~しよしよし」

 

「ギターは友達なの~? にぼしが友達の夏凜ちゃんと同じだね~」

 

 望乃がお菓子を頬張りながらそう言う。

 

「何でそれ、事実みたいになってんの?」

 

「青春を取り戻すって、何を始めるかと思ったら……」

 

「いきなりトラックで楽器運んでくるなんてねー」

 

「非常識なのよ」

 

「常識がなんだ! てっぺん、取ってやんよ~!」

 

「いや何の?」

 

 呆れる風、夏凜、樹をよそに、園子は紹介を始める。

 

「ドラム! 犬吠埼風!」

 

「何がどうしてこうなったー!」

 

「キーボード! 犬吠埼樹!」

 

「音楽活動大賛成!」

 

「ベース! にぼっしー!」

 

「誰がにぼっしーよー!」

 

「琵琶! 東郷美森!」

 

「昔、下関の阿弥陀寺に……」

 

「バンドなのよね?」

 

「で、そっちはなんだっけ?」

 

 風が友奈に聞く。

 

「私、パフォーマー」

 

「ええ! テクノバンドには不可欠ね!」

 

「今、自分が何持ってるか言ってみ?」

 

「このバンド、テクノだったんですね!」

 

「情報を鵜呑みにするのはやめなさい、樹」

 

「そしてそして、ギター! 私、乃木園子ア~ンド小木曽望乃!」

 

「このお菓子、おいしいよ~」

 

「会話に交ざりなさい。ていうか、何でギターだけ二人なのよ」

 

「双子ギターっていいなって思ったんよ~」

 

「私と園子ちゃんだと、双子ギターじゃなくて同一人物ギターになるけどね~」

 

「同一人物ギターって何?」

 

「ちなみにコギーはパフォーマーも兼任してるよ~」

 

「いやだから、バンドでパフォーマーって何?」

 

「例えば~、コギーとゆーゆ、ちょっと来て~」

 

 望乃と友奈がハテナを浮かべながら園子の元に行く。

 

「これを二人に付けて、みんなに向かって一言」

 

 園子に猫耳を付けられた望乃と友奈は、互いの顔を一度見合わせてから勇者部の方を向いた。

 

「にゃああ」

 

 二人は手を猫の手にしながらそう言った。

 

「どうどう? にぼっしー?」

 

「べ、別に、ときめいてなんかいないから!」

 

 そう言う夏凜は顔を真っ赤にしていた。

 

「わかりやすっ!」

 

 一方、東郷は友奈の猫耳姿を全力でカメラに収めていた。

 

「てっぺん取ってやんよ~!」

 

「だから何の!」

 

 

 このゆ!

 

 

 その後、勇者部はカラオケに訪れていた。友奈と樹が歌っているのを、望乃は料理を食べながら見ていた。

 

「望乃あんた、さっきもいっぱい食べてなかった?」

 

「ん~? まだまだいけるよ~」

 

「あ、そう。で、何で急にカラオケなの?」

 

「解散ライブなんよ~」

 

「早っ!」

 

「解散もまた、青春の一ページなんよ」

 

「乃木の青春って何ページあんのよ」

 

「私たちは、普通の女の子に……戻ります!」

 

「感動よ。友奈ちゃん、樹ちゃん」

 

「そう、普通の女の子に戻るんよ……」

 

「勇者部バンドの解散は音楽性の違いが生んだ悲劇ね。深いわ、そのっち」

 

「そう、それなんよー! わっしー、わかってるわ~」

 

「待って、そもそも始まってもいないから」

 

「私、戻ったら普通の女の子じゃなくなっちゃうよ~」

 

「そういう意味で言ってないから気にしなくていいのよ」

 

「ほら、次は夏凜ちゃんの番だよ」

 

 友奈が夏凜にマイクを差し出す。

 

「もう、しょうがないわね。ほら、あんたも来なさい。望乃」

 

「私は食べてるからいいよ~」

 

「望乃、ずっと食べてばっかじゃない」

 

「風ちゃんに言われたくないよ~」

 

「何をー!」

 

「どっちもどっちよ!」

 

 夏凜は仕方なく一人で歌い始める。夏凜が歌っている内に樹も入ってきて、二人で一緒に歌っていた。

 

「なんか夏凜って変わったわよねー。ハリネズミみたいな子だったのに」

 

 風が樹と楽しそうに歌う夏凜の姿を見ながらそう言った。

 

「人は変わるんですね」

 

「良い方にね。みんなだってそう」

 

「夏凜ちゃんが変われたのは、勇者部のみんなのおかげだよ」

 

「そうねー」

 

「終わってみれば、普通の女子中学生の毎日が待っていましたね」

 

「日常系なんよ~」

 

「私、普通の女子中学生って初めてだからちゃんと女子中学生らしくできてるかな~」

 

「大丈夫だよ、望乃ちゃん」

 

「望乃はずっと精霊だったから分からないかもしれないけど、女子中学生にらしさなんてないのよ。こんな風に毎日平和に楽しむのが、女子中学生なのよ」

 

「そ~なんだ~」

 

 樹と夏凜が歌い終わり、勇者部は盛り上がる。

 

「楽し~。次何しよ~」

 

 

 このゆ!

 

 

 勇者部は依頼でサバゲーで対決をしていた。その最中、樹が相手の捕虜になってしまう。捕虜となった樹は捕虜収容所でもらったお菓子を食べていた。

 

「樹、お姉ちゃんが助けるからね!」

 

「風先輩、一旦下がりましょう」

 

「タッチすれば助けられるんでしょ?」

 

「その前に全員やられちゃいますよ!」

 

「私が行くよ」

 

 そう言いながら現れたのは、上下ジャージとゴーグルという姿で参加していた望乃だった。

 

「望乃ちゃん、でも……」

 

「大丈夫だよ。任せて~」

 

「ちょっと、望乃!」

 

 望乃は二人の制止を聞かず飛び出していく。

 

「心配しなくてもいいわ」

 

 そこに夏凜が合流する。

 

「こういう時の望乃は頼りになるのよ」

 

 夏凜の自信満々な態度に、友奈と風は望乃が飛び出した方向を見る。

 飛び出した望乃は手に持つ小型銃を構えもせずに走っていた。そこに相手が銃を放つ。望乃は銃の弾をさらりと避けた。

 

「え? 避けた!?」

 

 相手は連続で撃つが、望乃はその全てを避けて相手の目の前まで来る。そして相手の銃を掴んで、自分の銃を突きつける。

 

「撃たれたくなかったら、条件を飲んでくれないかな~」

 

「じょ、条件?」

 

「条件っていうのはね――」

 

 条件の内容を聞いた相手はコクリと頷いた。望乃はその相手から離れ、樹の元にゆっくり歩いていく。

 

「ほら言ったでしょ? 普段はのほほんとしてるけど、望乃の身体能力はこの私よりも上なんだから」

 

「私らも知ってるけど?」

 

「さすが望乃ちゃんだね!」

 

 しかし樹の元に着いた望乃は、なぜか隣に座った。

 

「捕まっちゃった~」

 

「何で!?」

 

「あの流れで捕まるのはおかしいでしょ!」

 

 樹がハテナを浮かべている隣で、望乃は樹が食べていたお菓子と同じ物を食べ始めた。

 

「これ食べたかったんだよね~」

 

「それが目的か!」

 

「望乃ちゃんも捕まっちゃうなんて、どうしましょう」

 

「望乃は自分から捕まったけどね」

 

「望乃の尻拭いは私がやるわ。樹と望乃を助けに行くわよ」

 

「援護! 援護!」

 

 友奈が夏凜を追いかけたところに、相手の弾が友奈の被るヘルメットに当たる。

 

「ヒットー!」

 

 それを遠くから見ていた東郷が激昂する。

 

「友奈ちゃん……。絶対に許さない。天魔外道共! てめえらの血は何色だーーーー!」

 

 それから東郷は一人で相手を圧倒し、サバゲーは勇者部の勝利で終わった。

 

「友奈ちゃん、仇は取ったわ」

 

「いや生きてるから」

 

「生きてるよー!」

 

「やりすぎ」

 

 勇者部は何度も勝利し、相手に強いと評された。

 

「いいか! よく聞け!」

 

 東郷が相手チームの前でそう言い放つ。

 

「お前たちは捕虜だ。生きて祖国に帰りたくば、私の命令を聞け! 返事はハイのみだ!」

 

「はい!」

 

「お前たちは豚だ!」

 

「は~い!」

 

「そこ! 何だその返事は! って望乃ちゃん? なぜ?」

 

「だってね~、この人たちが美森ちゃんの捕虜なんだったら、この人たちの捕虜になった私と樹ちゃんも美森ちゃんの捕虜になるってことだよね~?」

 

「え?」

 

 急に自分の名前を出された樹が驚きの声を上げる。

 

「ほら、樹ちゃん。私たち美森ちゃんの捕虜だから、美森ちゃんの言うことを聞かないと!」

 

「ゲーム! ゲームですから!」

 

 

 このゆ!(続きます)




 略称は勇者であるシリーズの略し方で『小木曽望乃は勇者である?』を略した、『このゆ』です。
 この略称は一期の時から考えていましたが、使う機会がなかったので放置していました。
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