ダンジョンに勇者がいるのは間違っているだろうか   作:サンバガラス

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遅くなりました。


第13話 ベルとリリルカ

〜次の日〜

 

「さて今日も張り切って行こうか!」

 

「そ、そうですね・・・」

 

ベルは元気よく言って、リリは少し元気が無かった。そして今回はダンジョン7階層〜9階層を回っていた。その途中

 

「何だあれ?」

 

蜘蛛と蝶々の羽を合体した様なモンスターを見つけた。

 

「あれはパープル・モスですね」

 

「へーえ・・・」

 

ベルはパープル・モスを倒していると急に気分が悪くなっていった。

 

「き、気分が悪くなって来た」

 

「ベル様!!パープル・モスには毒があるのです!!早く戻って「キアリー」解毒しない・・・はっ?」

 

「毒があったのか・・・気を付けないとな・・・」

 

「あ、あのベル様。毒に侵されていましたよね?」

 

「うん。でも治した」

 

「・・・・」

 

リリは考えるのを辞めた。最初はギラで倒そうとしたが、ドロップアイテムであるパープル・モスの翅まで燃えてしまうので、ドルマで倒していた。その後もパープル・モスを倒しては毒に侵されて、治しの繰り返しをしていた。今回の稼ぎは27万ヴァリスになった。

 

〜次の日〜

 

「今日はリリはお休みだし、何をしようかな?師匠はダンジョンの中に居るし、・・・お腹空いたからご飯食べるか・・・」

 

ベルは豊穣の女主人に行った。

 

「シルさん。こんにちは」

 

「ベルさん!!今日はお休みなんですか?」

 

「やる事が無くって。今日のオススメをください」

 

「かしこまりました!!」

 

食事が終わった後の事だった。

 

「そう言えば、ベルさんは普段休みの日は何をやっているのですか?」

 

「休みの日か・・・特に無いですね。・・・シルさんは?」

 

「私は読書ですね」

 

「読書か・・・ホームにある本は全部見たしなぁ・・・」

 

「でしたら。これをどうぞ」

 

そう言うとシルが一冊の本を渡した。

 

「『ゴブリンでも分かる現代魔法』?何ですかこれ?」

 

「お客様の忘れ物なんですけど・・・取りに来る様子もない様なので良かったら借しますよ」

 

「・・・まあ、借ります」

 

ベルは謎の本を手に入れた。

 

 

その後、街中をプラプラしていると

 

「おい待て!!」

 

男に呼び止められた。

 

「何ですか?」

 

「見つけたぞ!!クソガキ!!」

 

「・・・誰ですか?」

 

「・・・まさか忘れたとは言わねえよなぁ!!」

 

「・・・ああ!!あの時僕が殴った人か!!」

 

ベルは思い出した。

 

「それは後でケジメを付けるとして、お前はあの小娘と連んでいるのか?」

 

「リリの事ですか?そうですけど・・・」

 

「そうだ。となると何も知らないって訳じゃねえよなぁ?」

 

「?」

 

ベルは疑問に思っていた。確かにリリは瞳の奥に闇を抱えているけど優し子だと認識している。

 

「惚けんな、お前俺に協力しろ。一緒にあいつを嵌めるぞ」

 

「は?」

 

「オイオイ。そんな顔すんなって、お前もあいつの溜め込んだ金を狙ってんだろ。冒険者どうし、協力して役立たずの荷物持ちから、たんまり巻き上げようぜ!!」

 

それに対してベルは断った。

 

「断る。貴様みたいなゲスに協力する義理などない」

 

「何だと!!このクソガキ!!!」

 

男は剣を抜こうとしたが、

 

「メダパニ」

 

既にベルが呪文を掛けていた。

 

「そんな呪文なんか効くかぁ!!!」

 

と言って男はパンイチになって、ベルのいた真逆の方向へ走って行った。

 

「・・・帰るか」

 

ベルは家に帰った。

 

〜次の日〜

 

「おはよう!!リリ」

 

「おはようございます。ベル様!!」

 

2人はダンジョンへ向かった。

 

「ベル様、聞きましたか?昨日の夕方、パンイチになった男が『あのクソガキ!!殺してやる!!』と言いながら街中を走っているのを」

 

「エエエ。ナニソレコワイ」

 

「間違えなく、変態ですね」

 

「ソウダネ」

 

そんな会話をしながら今日は10階層に行く事となった。

 

〜10階層〜

 

「霧が出ているね」

 

「10階層からはダンジョンギミックがありますからね」

 

そう言って歩いていると霧の中に赤色の目が見えた。

 

「ベル様!!」

 

「分かってる」

 

『ブモォォォォ!!』

 

緑色の大きなモンスター、オークが現れた。オークは木を抜いて棍棒にした。所謂、天然の武器屋である。

 

「大きいモンスターだ。剣を使うか」

 

ベルは剣を抜いてオークに近づいた。オークは棍棒で攻撃したがベルはそれを避け、オークの首を斬った。

 

「ベル様!!次来ます!!」

 

次のオークが来たが、

 

「メラ!!」

 

『ブモォォ!?』

 

オークはメラを受けて魔石になった。

 

「リリ大丈夫?・・・リリ?リリ!!」

 

ベルはリリに声を掛けたが、返事が返って来なかった。

 

「何処に行った!?」

 

その時だった。何かがベルの近くに何かが投げられた。

 

「これは血肉?モンスターを誘き寄せアイテム?」

 

「ベル様」

 

「リリ!?」

 

気付くとリリは9階層に続く階段の近くにいた。

 

「ごめんなさいベル様。さよならです」

 

そう言ってリリは階段を登った。

 

「・・・人が良すぎますよベル様。【響く十二時のお告げ】【シンダー・エラ】」

 

リリがそう言うと犬人の特徴である犬の耳が消えた。

 

「・・・これで良いんです。ベル様が悪いんです。ベル様が冒険者なんですから。リリの嫌いな冒険者なんですから・・・」

 

そう言ってリリは走った。そして8階層に着いた時だった。リリは何か引っ掛かり転んだ。

 

「大当たりじゃねえか。オラッ!!」

 

「ガッハァ!!」

 

リリを転ばせたのはベルに2回も返り討ちにされた男だった。

 

「散々舐めてやがってこのクソ小人族がぁ!!!」

 

「ガッハァ!!」

 

リリは男から顔や体を蹴られた。

 

「そろそろあのクソガキを捨てる頃だと思ったぜ。この階層でお前が使える道はそう多く無え。4人で手分けした甲斐があったぜ!!」

 

そう言ってリリからアイテムを奪った。

 

「ハハハァ!!良いもん持ってんじゃあねえか!!しかも魔剣までもよぉ!!」

 

「派手にやってますのう旦那!!」

 

道から男が3人やって来た。

 

「おう、早かったなぁ。見ろよ魔剣もっていやがったぜ!」

 

「それは良かったですなぁ。・・・なぁ旦那。一つお願いがあるんですがぁ」

 

「あん?何だ?」

 

「そいつの物全部俺達にくれませんかねぇ!!」

 

そう言って瀕死のキラーアントを投げた。

 

「知ってますよな旦那。瀕死のキラーアントは特殊なフェロモンにより仲間が集まる。冒険者の常識ですよ」

 

3人の男は笑っていた。そしてキラーアントが集まって来ていた。

 

「て、てめえラァ!!」

 

「旦那。俺達とやり合っている間に奴らの餌食になりたくないでしょう?」

 

「く、クソガァ!!」

 

男は逃げたが、

 

「アァァァァァ!!?」

 

逃げた先にはキラーアントがいて男は殺された。

 

「よお、アーデ。大変な事になったなぁ、同じファミリアの仲間だろ、助けてやるからアイテム全部寄越せ。渡さなかったらどうなるか、分かるよなぁ」

 

「わ、わかりました!わかりましたから・・・」

 

そう言ってリリは男達に鍵を渡した。

 

「ありがとなぁ。最後に囮になってくれ」

 

「そんなぁ!?約束が違うじゃあないですか!?」

 

「サポーターなんぞと約束する冒険者が何処にいる?お前はもう用済みなんだよ!!最後に俺達の役に立ってくれ!!」

 

リリはキラーアントの群れに投げ飛ばされた。リリは投げ飛ばされながら思った。

 

(これだから冒険者は、・・・でもそうですよね。これはあのお人好しのベル様を騙した報い・・・でも最後にベル様に謝りたかったなぁ・・・さよならですベル様・・・)

 

リリが死を覚悟したその時だった。

 

「ライデイン!!!!」

 

『『『『『『キリリィィィ!!!!??』』』』』』

 

「「「!?」」」

 

「・・・え?」

 

キラーアントの群れは電撃を受け、倒れた。男達3人は驚き、リリは誰かにお姫様抱っこされていた。

 

「大丈夫、リリ?」

 

そうベルがリリを助けた。

 

「べ、ベル様?」

 

「無事では・・・無かったね。ホイミ!!」

 

ベルはリリを回復させた。

 

「・・・どうしてですか・・・」

 

「ん?」

 

「・・・どうしてですか!?何でリリを助けたのですか!?」

 

リリは泣きながら言った。

 

「何でベル様はリリを見捨て無かったんですか!?ご自分が騙されている事に気付いて無いんですか!?リリがベル様を驚かせようと嵌めた事と思っているんですか!?」

 

「・・・」

 

「ベル様何なんですか!?馬鹿なんですか!?間抜けなんですか!?」

 

「・・・」

 

ベルは黙って聞いていた。

 

「リリは汚い小人族です!!お金欲しさに何度も人のアイテムを盗みました!!陰でベル様の悪口を言っていました!!」

 

「・・・」

 

「分かりましたか!?リリは悪い奴です!!盗人です!!ベル様に嘘ばかり付く最低な小人族です!!・・・それでも、それでもリリを助けるんですか!!」

 

「助ける!!」

 

「どうして!?」

 

「リリだから!!仲間だから!!そして放っておけなかったから!!」

 

「!!」

 

リリは驚いていた。

 

「リリは優しい子だ。何か事情があって裏切った事ぐらい何となく分かる。だから助けた!!それ以上でも!!それ以下でもない!!」

 

「べ、ベル様!!」

 

リリはベルに抱き、そして泣いた。

 

「ごめんなさいベル様!!ごめんなさいベル様!!」

 

「よしよし。もう大丈夫だよ」

 

ベルはリリの頭を撫でていた。

 

「さてと。・・・おい貴様ら!!」

 

「「「!?」」」

 

ベルはリリを床に下ろして男達3人を睨んだ。

 

「よくもまあ、僕の可愛いサポーターをやってくれたな。死ぬ覚悟は出来てんだろうな!!」

 

「う、うるせぇ!!お、お前らやっちまうぞ!!」

 

「「お、おう!!」

 

「遅えよ!爆裂拳!!!」

 

「「「ギャァァァ!!!??」」」

 

ベルは爆裂拳で男達3人の顔面と体を殴り、両足を折った。

 

「痛ぇよ!!痛ぇよ!!」

 

「ウバァ!ウバァ!ウバァ!」

 

「足が!足が!足がぁぁ!!」

 

男達3人は痛みで泣いていた。それに対してベルが言った。

 

「こんな所にいたら、モンスターに襲われてしまいますよ。助けて欲しいですか?」

 

「た、助けて!!お願いダァ旦那様!!」

 

「じゃあ君達の身につけている物とアイテムを全部貰っても良い?」

 

「ぜ、全部やるのでお願いします!!」

 

ベルは男達3人をパンイチにした。ベルは男達3人の服を集め、そして

 

「メラ!!」

 

「「「!?」」」

 

燃やした。アイテムはリリにあげた。

 

「はいリリ。どうぞ」

 

「あ、ありがとうございます」

 

「どう、致しまして。・・・さてと、ヒューィィィ!!」

 

ベルは口笛を吹いた。するとキラーアントが集まって来た。

 

「帰ろうかリリ」

 

ベルはリリを担いで帰ろうとした。

 

「お、おい!!話が違えじゃあねえか!!!俺達を騙したのか!?」

 

「あん?」

 

「ヒィィィィ!!!」

 

ベルは睨んだ。

 

「リリを痛めつけた冒険者を誰が信じますか?それにリリにした事をそのまましてるだけじゃないですか」

 

「そ、そんなぁ!!??く、来るなぁ!!来るなぁ!!来るなぁ!!!!!」

 

ベルは男達3人を無視して帰った。その日男達3人の悲鳴が聞こえた。

 

 

 

 

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