ダンジョンに勇者がいるのは間違っているだろうか   作:サンバガラス

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第33話 勇者と【戦争遊戯】②

ヴェルフ達が外で戦っている時、ベルとリュウは城の中を走っていた。

 

「敵大将はこの先の上だ。任せるぞベル!!」

 

「分かりました。師匠!」

 

一方アポロン・ファミリアの幹部であるダフネは焦っていた。

 

「も、もうすぐ奴らがここまでやって来ています!!」

 

「くっ!!速すぎる!!だが何としてでもこの空中廊下を渡らせる訳には行かないわ!!魔道士は詠唱準備!!弓使いは前に!!ウチの合図で発射!!」

 

そしてリュウ達がやって来たのが見え、ダフネは合図を出した。

 

「放て!!」

 

矢と炎がリュウ達に当たり、煙が上った。

 

「やったか?」

 

だが、煙の中からベルが飛び出した。ベルはダフネ達を飛び越して、敵大将の元に向かった。ダフネ達は追い掛けようとしたがリュウに止められた。

 

「オイオイ。俺を無視かよ」

 

『『『!!』』』

 

「偶には弟子に美味しい所を譲らないといけないからな」

 

リュウはそう言って剣を抜き、ダフネ達に向けた。

 

「一ついいか、ダフネ」

 

「・・・何よ」

 

「さっきからオタクらのエルフ達が俺に殺気を向けて来てるけど何故だ?」

 

そうアポロン・ファミリアのエルフ達がリュウを殺す気満々の目で見ていたのであった。エルフ達は前に出た。

 

「リュウ・ホリイ!!!貴様は犯してはならない罪を背負った!!」

 

「何だ?お前らの団員を倒した事か?」

 

「まさか無自覚だとは恥を知れ!!」

 

「じゃあ何なんだよ」

 

リュウがそう言った。

 

「貴様の罪は王族のハイエルフであるリヴェリア様を誑かしたことダァァァァ!!!」

 

「・・・ハァ!?」

 

予想外の事にリュウは驚いていた。

 

「・・・えっ。それだけ?・・・と言うか俺、別に誑かして無いけど」 

 

「何を言う!!8日前、リヴェリア様と一緒にデートをしていたな!!」

 

「あ、うんしたけど」

 

「その時我々エルフは見たのだ!!リヴェリア様が恋をした乙女の様な顔を!!」

 

「嘘だろ!!それだけで怒ってんのか!?」

 

余りのくだらなさにリュウは驚いていた。

 

「それだけでは無い!!この前の神の宴の時にリヴェリア様と踊っていたな!!何と羨ましゲフンゲフン!!汚らしい手でリヴェリア様に触れやがって!!」

 

「唯の嫉妬じゃねえか!!」

 

「そして貴様はリヴェリア様が居るのに他のエルフとデートをしたな!!これは完全なる浮気だ!!」

 

「(それはリューの事だ!?)浮気も何も、リヴェリアさんとも付き合っても無いがな!!あと俺の事を誤解させる様な言い方は辞めろ!!」

 

「ここまで言ってやったのに罪を認めないとはな!!」

 

「罪も何も犯してないって!!ってかこれ後でリヴェリアさんとリューに殺されかけるパターンじゃねぇか!!お前らぶっ飛ばしてやる!!」

 

リュウは怒りを力に変え、ダフネ達を短時間で倒した。そして豊穣の女店主とロキ・ファミリアのホームにいたエルフが怒りのオーラを出していたのは言うまでも無い。その頃、アポロン・ファミリアの団長であるヒュアキントスはイラついていた。

 

「何故敵のファミリアの1人も倒せて無いのだ!!なんたる醜態!!これではアポロン様に顔向け出来ん!!」

 

「団長様!!団長様!!お願いです。ここから逃げてください!!」

 

「だが奴が単身で攻め込んだ所で敵では無い」

 

「お願いですから速く逃げキャァ!!」

 

カサンドラはヒュアキントスに忠告したが無視して、押し倒された。

 

「ここに入って来た所を一気に叩け!!だが殺すなよ!!止めは私が刺す!!」

 

その時だった。扉が豪快に開いた。

 

『『『!?』』』

 

ヒュアキントス達が扉を見るとそこにベルがいた。

 

「な、何をしているさっさと倒せ!!」

 

「ライデイン!!!」

 

『『『グワァァァァァァ!!!!』』』

 

ヒュアキントスとカサンドラ以外の団員は全滅した。

 

「ば、馬鹿な!?」

 

「ああ、勇者の一撃が全てを終わらせてしまう・・・」

 

ヒュアキントスは驚き、カサンドラは顔が真っ青になっていた。

 

「・・・さあかかって来い、ホモ野郎。格の違いってのを見せてやる」

 

「ふ、巫山戯るなよ!!あの時逃げる事しか出来なかった貧弱な兎にやられる私では無い!!」

 

ベルの挑発によりヒュアキントスは剣を抜いて、ベルを攻撃したが軽々と避けられ、

 

「ふん!!」

 

「ガッハァ!!!」

 

ヒュアキントスは腹を殴られ、膝跨いた。

 

「どうしたそんな物か!!」

 

「グッハァァァ!!!」

 

今度は顔面に蹴りを入れた。

 

「楽に倒れられると思うなよ」

 

その時だった。

 

「やぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「!?」

 

ベルはカサンドラにタックルされた。その隙にヒュアキントスは詠唱した。

 

「【我が名は愛、光の寵児!!我が太陽にこの身を捧ぐ!!放つ火輪の一投。来たれ北西の風!!アロ・セフュロス!!】」

 

ヒュアキントスの魔法である光の輪っかがベルを襲った。

 

「!!」

 

「【火華】!!」

 

爆発した。辺りに煙が上がった。

 

「や、や、やったぞ!!!!」

 

だがベルは無傷であった。

 

「な、何!?」

 

「・・・大丈夫ですかカサンドラさん?」

 

「え、えっとありがとうございます」

 

ベルはカサンドラを庇っていた。そしてベルはヒュアキントスに怒りを覚えた。

 

「貴様、自分の仲間ごとやろうとしたな!!」

 

「ヒ、ヒィィィィ!!!」

 

ヒュアキントスは既に心が折れていた。ベルは剣を天に掲げる。そして剣に雷が落ちた。

 

「これで終わりだ!!」

 

「く、来るなァァァ!!!!」

 

ヒュアキントスはがむしゃらにベルに突っ込んだが無駄だった。

 

「これぞ勇者の一撃!!ギガスラッシュ!!!」

 

「グッバァァァァァ!!!!」

 

ヒュアキントスはベルのギガスラッシュを受け倒れた。

 

「僕達の勝ちだァァァァァ!!!!」

 

ベルがそう叫んだ。一方その頃オラリオでは盛り上がっていた。イブリが言っていた。

 

『戦闘終了!!!!まさに大番狂わせ!!!【戦争遊戯】の勝者は誰1人として脱落せず、余裕たっぷりのヘスティア・ファミリアだ!!!!!!』

 

『『『ウオオオオオオ!!!!!』』』

 

観客は最高潮に盛り上がっていた。場面は変わりバベルの塔の上でも神々が盛り上がっていた。

 

『凄かった!!!!』

 

『ヘスティア・ファミリア全員強かったなぁ!!!』

 

『最後のベル・クラネルの技ギガスラッシュ。カッコ良かった!!!』

 

『ロトの勇者。【九魔姫】が居ながら他のエルフと浮気!!面白いネタが増えたな』

 

盛り上がっている神々と別にアポロンは汗を滝の様に流していた。

 

「そ・・・そんな・・・・」

 

「ア〜ポ〜ロ〜ン〜?」

 

ヘスティアが悪い笑顔になっていた。

 

「ま、待ってくれ!!た、唯の出来心だ!!君の眷属が可愛かったからつい・・・」

 

「ダ・マ・レ!!負けたら何でも要求は呑むと約束したなぁ?」

 

「うう!!」

 

その時だった。神の鏡からリュウの声が聞こえて来た。

 

『ヘスティア!!要求はちょっと待っといてくれぇ!!!』

 

「リュウ君?」

 

『おおっと、何やら【ロトの勇者】が何か発言したぞ!!』

 

イブリがそう言った。

 

『リリ、ヴェルフ、命ちゃん先に帰っていてくれ。俺とベルはちょっと邪悪の根源の所に向かうから』

 

『分かりました』

 

『気を付けろよ』

 

『承知しました』

 

『行きましょう師匠!!』

 

『おうよ!!ルーラ!!』

 

アポロンの城からリュウとベルが消えた。

 

『な、何と【リトルルーキー】と【ロトの勇者】が消えた!!一体何処にってな、なんだあれはぁぁぁ!!!??」

 

イブリが突然大声を上げて驚いていた。するとバベルの塔の下でもザワザワと声が聞こえて来た。

 

「何や?下の方がさわがしいな?」

 

ロキがそう言った時だった。風が吹き始めた。

 

「な、何なのこの風は!?」

 

ヘファイストスが驚いている。1人の神が後ろに指を刺した。

 

「おいあれを見ろ!!」

 

神々が後ろを振り向くと、そこには1匹の約7mの黄金のドラゴンが飛んで来ていたのだ。そしてドラゴンはバベルの塔の上に止まった。

 

『グオオオオオオオ!!!』

 

「モ、モンスターだと!?」

 

驚いているとその後ろから声が聞こえて来た。

 

「「ア〜ポ〜ロ〜ン〜く〜ん〜!!遊びましょぉぉぉ!!!」」

 

ドラゴンの後ろからリュウとベルが出て来た。

 

「ベル君にリュウ君じゃ無いか!?な、何だいそのドラゴンは!?」

 

「こいつは俺の仲間であるグレイトドラゴンのシーザーだ」

 

ヘスティアの質問にリュウは答えた。そしてリュウとベルはアポロンの方を向いた。アポロンは扉から逃げようとしたが、

 

「シーザー!!」

 

扉の前にシーザーが移動して雄叫びを上げた。

 

『グオオオオオオオ!!!』

 

「ヒ、ヒィィィィ!!!」

 

アポロンはすっかり腰が抜けてしまった。そしてリュウとベルが近づいた。

 

「ヘスティア。負けた方はどんな要求も呑むんだったよなぁ?」

 

「そ、そうだよ」

 

ヘスティアはそう答えた。そしてリュウはアポロンに言った。

 

「貴様に対する要求は2つ!!1つは貴様の領土、ホーム、全財産没収だ!!」

 

「くっ!!」

 

「そしてもう1つは貴様を天界に送ってやる事だ」

 

「・・・・は?」

 

アポロンは何を言われたか分からない顔になったが、段々と恐怖の顔になった。

 

「「バイキルト」」

 

「ま、待ってくれ!!か、考え直してくれ!!」

 

アポロンは命乞いを始めたが2人は拳を構えていた。すると2人の拳は光り輝いていた。

 

「や、やめてくれぇぇぇぇ!!!」

 

「「神だからって調子乗りやがってぇ!!!天界に帰ってやり直してきやがれぇぇぇ!!」」

 

2人はアポロンの顎にWアッパーを決めた。

 

「「会心必中!!!!!!」」

 

「ビッギャァァァァァァァ!!!!!!」

 

アポロンは顎が粉砕しながらバベルの塔の上段を突き抜けた。そしてアポロンは光の柱に包まれていった。

 

「師匠あれって」

 

「神が天界に送還された奴だな」

 

2人真顔でそう言っていた。他の神々はその2人に恐怖を感じた。

 

「でもスッキリしましたね!!」

 

「そうだな、スゲーッ爽やかな気分だぜ!!新しいパンツを履いたばかりの正月元旦の朝の様によ!!」

 

「何ですかそれ?」

 

「「ハハハハハハハハハハ!!!」」

 

リュウとベルは高らかに笑っていた。こうしてアポロン・ファミリアとの【戦争遊戯】は閉幕したのだった。

 

 

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