チート能力を駆使して転生人生謳歌します!   作:八重歯

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25 リドルの日記

6年の後半。ホグワーツは至って平和だった。まぁ、裏でマグル生まれが呪われたりしていることが平和だと言えるのかどうかは怪しい所だが。

俺の周りは平和だと言えるだろう。マートルは相変わらず俺のストーカーをして気がつけば視界の端に居たりするし、ミネルバは相変わらず熱心に変身術に取り組みこの前アニメーガスになる為に頑張っているのだと教えてくれた。あれからグリンデルバルドは俺にコンタクトを取ってこない、たまにダンブルドアがいなくなってる所を見ると、もう彼らの戦いも佳境になってるのかもしれない。

 

そういえば、メイソンを早く騎士達と会わせないとなぁ。次の夏休みに皆に収集かけようかな。

 

 

後数週間で夏休み、という時に、俺とヴォルはついにホークラックスの詳細な作り方が書かれた本を見つけ出す事が出来た。

残りのかけたパーツだった呪文を知ったヴォルは暫くずっと上機嫌だったが、一方で何を分霊箱にするか、自分の魂を入れる物に相応しいのかかなり熟慮していた。

 

 

「魂の器になる物は…無機物じゃなくて生き物でも大丈夫なのかな」

「さあ?書いてなかったな、いけんじゃね?」

 

 

確か、ナギニが最後の分霊箱だったし、ハリーもたまたま分霊箱になっていたんだっけ?

ヴォルは暫く目を伏せ考え込んでいたが、じっと俺を真剣な目で見つめた。

……嫌な予感がする。

 

 

「お願いがあるんだけど」

「だが断るっ!」

「まだ何も言ってないでしょ」

「だが、断る断る!!碌なこと考えてねーだろ!どうせ俺を分霊箱にすれば安全安心じゃんとか思ってるだろ!」

「…なんでわかったの?良い案だと思うんだけどなぁ」

「確かに?俺は誰にも負けない魔法使いだけどな?──よく考えてみろよ、俺は不死じゃない、いつか死ぬ。それは、分霊箱の破壊とも言えるだろ。つまりその時ヴォルの魂も消えるんじゃねーの?」

「…そうか…やっぱりノアも不死になるべきだね」

「変な勧誘するなよ…」

 

 

未だに俺への勧誘を諦めないヴォルにはいっそ呆れを通り越して感心すらしてしまう。

…そういや、肉体が寿命で死んでも他の分霊箱が無事なら──魂が無事なら、それは死ではなく…肉体を変えれば生き続けられる、とヴォルは仮定して不死に近くなれると思い込んでるが…本当に合ってるのか?

肉体を手に入れるのも、めんどくさそうだよなぁ。…いや、待てよ?確かリドルの日記はジニーを殺して魔力と魂を吸う事で実体として復活する事を狙っていた。

分霊箱が全部無事なら、本人の魂以外の6人のヴォルが誕生する世界線もあったのか?──何それ怖い。せめて日記のようにイケメンで復活をしてくれ。じゃないと辛い、色々と。

 

 

「一つ目は、もう決まったんだ。…この日記に、魂を入れる。…秘密の部屋について、僕はやりたい事全て出来なかったからね…卒業したら…中々ここには戻ってこれないかも知れない。その時は──」

 

 

それから先は何も言わず、ヴォルは机の上に置いてあった黒い日記の背表紙を撫でた。

ヴォルがスリザリンの継承者だと知っているのは俺だけだ。どうやらヴォルはそれでは満足出来ないらしい。

 

ヴォルは日記を左手で撫でながら、ぽつりと呪文を詠唱した。──え、今?こんな気軽にやっちゃうの?

 

ヴォルの体に赤黒い光が纏わりつく、自室の中はまども開いてないのに風が吹き、俺の髪が美しく靡き、部屋にあった羊皮紙がふわりと舞った。

杖先を自分の胸に向けたヴォルは、詠唱しながらゆっくりと、日記の方へ杖先を移動させた。何か薄水色の発光体がヴォルの胸から溢れ、それに周りの赤黒い光が混ざりとたんに発光体の色は濁った。──あれが魂か。

杖先で日記を指したヴォルが最後の呪文を唱えれば、その発光体は日記に吸い込まれ、日記は一度赤黒い不吉な光を発した。

 

 

「──はぁっ…!」

「おっと!──大丈夫か?」

 

 

ホークラックスを作り終えたのだろう。ヴォルは胸を抑えその場に膝をつく、慌てて駆け寄ってその顔を覗き込んでみれば、やけに顔色は悪い。土気色で今にも倒れそうだったが、目だけが凶悪に赤く光っていた。

 

 

「でき、た…?」

「多分な。──痛いのか?」

「いや、痛くは無い。…ただ、なんていうか…言葉では表せないね。──これが魂を分けることなんだ…」

 

 

本人にしか分からない何かがあるのかもしれない。ヴォルは自分の手のひらをじっと見つめていたが、その手が痙攣するように震えていた事が許せなかったのか、強く握り込んだ。

 

 

「ちょっと座っとけ」

「ん…」

 

 

指を振り部屋の中にふかふかとした肘掛け椅子を出し、ヴォルをそこに座らせる。背凭れに深く身を沈めるヴォルは、長い溜息を吐き、かなり疲れているように見えた。

机の上にある黒い日記は先ほども何も変わらない気がする。ただの何も書かれていない、普通の日記だ。

 

 

「……ねえ、何か書いてみて」

「ん?…おっけー」

 

 

俺は日記を開き、手のひらをくるりと回し羽ペンを出し日記に向かい合った。うーん、何を書こうかな。

 

 

『heyヴォル!今日の天気は?』

 

 

日記に書けば、インクはすっと吸い込まれ暫くしてじわじわと文字が浮かび上がる。

 

 

『わからないよ。その呼び方は──君はノアだね』

「す、すげー!!」

 

 

す、すげぇ…これがマジもんのリドルの日記!グッズで売っていたただのノートとは全く違うぜ!昔はコレクターだったからなぁ…ハリポタのグッズも金が許す限り集めたっけなぁ……。欲しい物が非売品なら、なんとか似てる物を探し出してそれっぽく作ったっけなぁ…!

デスノを履修してる人なら間違いなく黒いノートを買って、修正ペンで表紙にDEATH NOTEって書いたよな…俺も何冊か作ったよ…。

 

 

「…ちゃんと機能してるみたいだね」

「ああ、まじですげぇ…なぁ、これってもう1人のヴォルって事?」

「魂に今までの記憶が情報として含んでるからね」

「うわー…」

 

 

すげぇ。

もう一度呟く。まじで凄い。この日記は忌み嫌われるべき存在で、褒める物では無い。

それはわかっていても、やっぱファンとしてこの実物に出会えた衝撃が強すぎる。欲しい…。

珍しく感激し、興奮してしまった俺を見て、ヴォルは嬉しそうに微笑んでいた。

自分のホークラックスが誉められて嬉しいんだろうな。

 

もう全部日記にしたら良いのに…つか、一つくらい人形とかに入れたら良いじゃん。そうすれば話せるし動けるし最高では…?

 

 

「なぁ、ホークラックスの事書いてる本ってまだ返してないよな?」

「うん、引き出しの1番奥にあるよ…──興味出てきた?」

 

 

ヴォルの机の引き出しを探り黒い本を取り出す。振り向いてニヤリと笑い「ちょっとな」と言えば、ヴォルは俺が頷くとは思わなかったのか驚きに目を見開いた。

 

 

「え、ノア──本当に?」

「えーと、ホークラックスのページは…」

「ちょっと、ねえ、聞いてる?」

「ふんふん、なるほどなるほど…」

 

 

ヴォルの言葉は無視して詳細に書かれたホークラックスのページを読んでいたため、ヴォルは暫くして俺に話しかけるのを諦めちょっと不機嫌になってしまった。

 

 

 

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