お互いに5歳ごろです。
両親が強盗に殺され、頼ることができる親族も居なかった俺は入所する孤児院が決まるまで暫く警察の保護施設で過ごし、ロンドンのウール孤児院で暮らすこととなった。
孤児院の応接間に通された俺は、警察官と孤児院の経営者の事務的な話を聞きながら、ソファに座り足をぶらぶらと揺らせる。
うーん、此処ってもしかしてもしかするんじゃね?確かウール孤児院だったよな。
警察官が帰った後、俺は経営者に1人の女性を紹介された。
「ノア、彼女は今日から君の家族であり、母になるコールだ、…コール、ノアにここでの暮らしの説明と…部屋の案内をしなさい」
「はい、わかりました」
経営者は俺ににっこりと微笑みかけ、俺の頭を優しく撫でる。俺も彼を見上げて少し笑えば、満足そうに笑みを深めたあと経営者は直ぐにその場を去った。忙しいのかな?
「…さて、ノア。私のことはコール夫人、またはお母さんと呼びなさい」
「はーい、…コールママ?」
「うっ……ええ、そうです、私があなたの
ママと愛らしく呼べばコールママは胸を抑えよろめいた。それも仕方がないだろう。俺は自分でも驚く程の美形だ、──いや、美形だという言葉では十分ではない!齢五つにして天使かと見間違うほどの完璧な美貌!愛らしさ!鈴の転がる音のような澄んだ声!どこからどうみても完璧である。
ただ、中身は30のおっさんに片足を突っ込んでいる元脛齧りの穀潰し野郎だ。…自分で「ママ?」とか言ったが、正直鳥肌が立つ!!
いかんいかん、慣れないとな。俺はもうただの三十路男性ではない、美しい男の娘である、5歳だ。俺は5歳…俺は5歳…コナンくんになりきるんだ。可愛らしくあれれー?って言えばオールオッケー!
「食事は朝7時、昼12時、夜の6時の3回です。ティータイムは昼の3時。おやつが出ますよ。ノアは…7つになったらスクールに通いましょう。それまではここで歳上の兄弟達に家事のやり方を学んでくださいね?」
「はい、コールママ!」
「なんて愛らし……ごほん。さて、今日は疲れたでしょう。部屋はこっちです…8歳までは2人部屋ですからね。ルームメイトを紹介します」
ついてきてください。とコールママは俺に優しく言う。
素直に頷いて、俺は荷物の入った鞄を持って立ち上がる、とてとてとコールママの隣に並んで手を握り、彼女を見上げた。子どもってこんなもんだろ?多分。いや、知らんけどさ。どこ行くにしても迷子にならないように手を繋ぐんじゃね?
コールママは手を握った瞬間何故か急によろめいたが、ぎりぎり倒れることはなく俺の手を握り返してすぐに歩き出す。
「…トム。開けますよ」
コールママは一つの扉の前で軽くノックをし、返事を待たずに扉を押し開いた。
え?…トム?…いや、まさか…ありふれた名前だけど…。
「トム。今日から新しい家族が増えました。あなたのルームメイトとなります。…さあ、ノア、トムにご挨拶をしなさい?」
ベッドに座って本を読むその少年は。
真っ黒な髪に大きな暗い灰色の瞳。俺には負けるがなかなかに可愛らしい少年だった。
「俺はノア・ゾグラフ。…君は?」
「…トム・マールヴォロ・リドル」
「………へぇーよろしく!」
声は子どもらしく高い。表情が欠落してやや無表情だけど、俺を見て少し驚いたような顔をしていた。間違いなく俺の美貌にびびったんだろうな!
だけどそれも一瞬で、少し嫌そうにその可愛らしい表情を歪める。
「ルームメイト…?…僕、1人部屋がいい」
「トム、ワガママはいけませんよ。空いている部屋はここしかありませんからね…さあノア、荷物の整理をして…2時間後に夕食です、その時に皆を紹介しますからね」
「はーい!」
元気よく手を上げ返事をすれば、コールママは頬を染めて口元を緩め、俺の頭を優しく撫でた後部屋の扉を閉めた。
「なぁ、俺の箪笥ってどっち?」
「…あっち、机はそこ、ベッドはそれ」
「そ、ありがと」
部屋の中にはベッドが2つ壁際にあり、その奥に勉強机、ベッドの手前側──扉近くに洋箪笥があるだけのシンプルな部屋だった。窓は一つあるだけで、ちょっと薄暗い。ま、外が曇りだから仕方ないのかな。電気は通っているが、電球の明かりはどこか頼りない。この時代の電気って、こんなもんなのかな?
俺は鞄を持ち上げベッドに乗せ、数着の服や下着を箪笥に片付ける。あとは細々とした貴重品や、両親と俺が映る写真立て。俺の持ち物はそんなもんだ。
家には他にも色々あったが、正直特に思い入れはない、亡くなった俺の両親を忘れないためにも、写真を一枚だけ持ってきた。
写真立てを机の上に飾って、俺はリドルをじっと見た。
うーん、リドル!可愛い!普通に美ショタ!
「何読んでんの?」
「…寓話」
「ふーん?面白い?」
「別に」
「面白くないの読んでるんだ?」
「僕に構うな」
リドルは俺を睨み、強く伝えた。
…おや?なんか言葉に威圧感があるな、ちりちりと肌に何かが突き刺さるような。もしかしてこれが魔力か?…こんな年齢から魔力の出現してるのかー、凄いことだっけ?
「いいじゃん。同室なんだから仲良くしよーぜ。暇なら俺と話そう!」
「嫌だ」
ばっさり断られてしまった。
リドル少年の心の扉は固く閉ざされているようだ。
「んなつれないこと言うなよ!あと3年は同室だろ?」
「……お前、…男?…女?…どっちだ」
「…どっちだと思う?」
話すのは嫌だと言いつつ、話の主導権が握られるのは癪なのか、リドルは怪訝な顔で俺をじろじろと見る。何だかんだいって、まだまだ沢山のことに本当は興味深々な子どもなんだろう、闇の帝王も今は5歳だしな!
俺はにっこりと笑い「どっちでしょう」と聞けば、リドルは暫し黙ったあと「女に見える。…けど、同室ってことは、男なのか」と小さく呟いた。
「正解!なんならパンツ脱いで見せようか?」
「見せなくていい。…僕は、本を読む。話しかけるな」
「だが断る!」
「……」
リドルは俺を強く睨んだ。また皮膚がピリピリとするが気にせずヴォルの隣に座り、本を覗き込む。読んでいた本はどうやら不思議の国のアリスらしい。おおーなんか可愛いの読んでるじゃん?…いや、5歳なら普通なのか?俺5歳の時何してたかなぁ、──流石にそんなに覚えてねーわ。確か新幹線が大好きでプラレールでゴーゴゴーしてた記憶はぼんやりとあるけど。
「ゾグラフは親に捨てられたの?」
「ノアでいい。…いや、親は両方とも殺された。2週間くらい前に。んで、ここにきた」
「……ふーん」
「リドルは?」
「……」
ちょっとズケズケ聞きすぎたか?いや、でも会話の流れ的には聞くしかないだろ。ってか初対面で何でここに来たのかなんてデリケートな事を聞くなよ、俺だから良いものの、他の子ども絶対嫌がるだろ!…わかってやってんのか!?
「──母親が僕をここで産んで死んだ。…父親は、知らない」
「へー?そっか。んじゃここの暮らしも長いんだ?わからないことがあったら教えてくれよな」
「何で…他の子に頼んで、僕は嫌だ」
「良いじゃん!」
「嫌だ」
「つれない事言うなよー!どうせ暫く同じ部屋だろ?」
俺がリドルの肩に手を回せば、リドルはすぐに振り払いさっと立ち上がると俺を見下ろし強く睨みつける。
「嫌だ!」
するとその怒りに呼応するように、窓がガタガタと揺れ、電球の光が点滅し、ベッドの上に投げ出されていた本がぱらぱらと風もないのに捲れた。
おおー…これが魔法の片鱗か!?
ヴォルは点滅するライトをちらりと見上げ、蔑むような目で俺を見る。
その目は──どうだ怖いだろう、恐ろしいだろう。だから、もう話しかけるな。と言っているようだった。
肩で息をしていたリドルが、長い息を吐き、気持ちを落ち着かせると、自然とその現象は収まる。
まぁ、たしかにポルターガイストっぽくて普通ならちびってるな。だが俺は普通ではない!
「落ち着けって、電気がチカチカしてたぞ」
「……驚かないのか?」
「ああ、だって──」
俺は静かになった本を手に取り表紙を開いた。
すると先ほどの光景と同じように、本は勝手にぱらぱらとページを捲る。
それを見たヴォルの目が、こぼれそうなほど見開かれ口が微かに開いた。
「俺も、不思議な力が使えるから。…他のみんなにはナイショだぜ?」
某魔法少女のように言えば、ヴォルは小さく頷き、はじめて俺の目をちゃんと見た。
「…僕──僕だけだと、思ってた。…ゾグラフ──」
「ノア」
「──ノア、君も…不思議な…特別な力があるんだ」
「ああ、そうだ。──俺に興味出てきただろ?よろしくな」
「……うん、よろしく」
リドルは、なんか嬉しそうに、安心したように目を細めて、初めて少しだけ笑顔を見せた。
激かわショタである!!
アンケートです。参考までによろしくお願いします!
純血主義の場合は、純血の魔法使いのみの社会を作ることが目的です。
魔法族主義の場合は、魔法族のマグルの支配を目的とします。
ヴォルの思想について。
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純血主義100%
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純血主義50% 魔法族主義50%
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魔法族主義100%