チート能力を駆使して転生人生謳歌します!   作:八重歯

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番外編 彼らのその後

 

 

 

世界を変えて15年ほど。

当初ほど大きな混乱も無くなり、新しくマグル界と魔法界の間で作られた平和条約も、わりと守られている。

 

小さな反乱はすぐに騎士達が止めに行き、大きな戦火や混乱が起こる前に火種を消していく。

方舟の騎士は、ぶっちゃけもうその数を把握できない程いる。一応、能力テストや面接、学校での試験の結果が良くないと騎士にはなれないとはいえ、イギリスだけの組織ではない。イギリス以外は各国にいる上級騎士が取り纏め、俺とヴォルが抜き打ちでチェックしに行ってる。

 

 

独自組織だった方舟の騎士は、その力を一時的に提供する、という形で一部魔法省に席を置いている。まぁ、つまり、闇祓いは方舟の騎士に名を変えた。

 

 

勿論、闇祓いはまだ存在する。ムーディとかいるし。

だが、一般的に市民を守り、良からぬ企みを防ぎ、治安を維持する者を指す職業は方舟の騎士だ。

 

 

魔法界だけではなく、マグル界にも方舟の騎士は存在する。こっちは…まぁ、自衛隊や軍隊、はたまた宗教団体のようなもの、と言ってもいいだろう。

魔法族の騎士だけがマグルを見張るのも、なんか上下関係が生まれそうで嫌だったし、マグル界はマグルがある程度は収めるべきだ。

 

 

まぁ、何が言いたいかというと。

方舟の騎士はそんな超絶人気職業であり、世界的な憧れの職業になったと言う事だ。

さらに、かなり給料や職場環境もいい。危険がある仕事な事は確かだけど。

 

 

そして、俺が把握しているだけでかなりの親世代キャラが方舟の騎士になりたいと名乗りを上げた。

 

 

ジェームズ・ポッター、シリウス・ブラック、ピーター・ペティグリュー、リーマス・ルーピン、レギュラス・ブラック、セブルス・スネイプ、ルシウス・マルフォイ、バーテミウス・クラウチ・ジュニア……。

 

 

有名親世代キャラは大体俺のツレ(部下)になる。

 

…いやいや!

いやいや!ジェームズとシリウスはわかるわ、なんとなくそれっぽいもん。その他何人か記念受験か?いいのか??ってか、裏切らない?ねえ??

 

 

「…どうすっかなぁ…」

「新しい就職希望者?…良いんじゃない?能力的には有能なんでしょ」

「そうだけどさぁ…」

 

 

俺は方舟の騎士団本部にある最も厳重に守護されている無駄に広い一室で、今期の就職希望者選抜リストを掴みながら唸る。

朗読魔法がかかったリストはこのイギリス騎士代表のベインの声でつらつらと楽しそうに名前を読み上げ続けた。

ヴォルは気軽に言うけど、やっぱ悩むぞこれ。…い、いや別世界の事は考えるな俺、うん、彼らを信じなきゃ…俺の呪いもかかってるはずだし…!

 

 

「あー…本業で働きたいのはジェームズとシリウスとジュニアだけか…あとは兼業ねぇ…」

「兼業は兎も角、本業は…まぁ、ノアのテストに合格できるかどうかじゃない?」

「まぁなぁ…」

 

 

方舟の騎士は、他の職業と兼業する事が可能だ。聖マンゴでヒーラーをしている方舟の騎士や、教師をしている方舟の騎士もいる。

普段はそれぞれメインの仕事をし、俺か上級騎士の呼び出しや命令に従い時々騎士として働く。マグル界でいう、町の消防団みたいなもんかな。

まぁ、誰でも入れるわけじゃ無いけど。ある程度のテストと学校の成績が必要だ。

 

 

 

勿論騎士じゃないのに騎士を名乗って悪さをする人がいないように、騎士には騎士の証拠に…右手の甲に方舟の紋章が入れられる。

 

いや、だって…銀のリング配ってたら盗難被害が凄かったから、仕方がない。闇の印みたいに痛みは無いし、普段は見えなくなってるし!

それに、ちょっとした守護魔法付きだから悪いものではない。

 

 

兼業騎士と本業騎士の差は、まあ給料だったり、仕事の危険度だったり、世間的なステータスだったり。世間的にステータスがあるのは勿論、本業の方舟の騎士だ。

 

そして、世界各国にいる本業騎士希望者は、最終選抜後、俺のテストを受けなければならない。

 

 

「…まぁ兼業の方はベインに最終面接してもらって…後の3人はテストしてから考えよ…」

 

 

俺はリストの朗読を取り消し、ため息をついた。

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

「さて…名前は?俺から見て右から言ってもらおうか」

「バ…バーテミウス・クラウチ・ジュニア」

「シリウス・ブラック」

「ジェームズ・ポッター」

「うんうん、形式的な事だから、そんな名前言うだけで緊張しなくていーよ」

 

 

イギリス騎士団本部のとある試験会場。

俺の前には三脚の椅子があり、その椅子にそれぞれバーテミウスとシリウスとジェームズが座っている。

だだっ広いこの部屋は最終試験をするためだけの場所だ。余計な物は何も無い質素な部屋──だと思う、見た事ないけど、見えないし。

 

 

「さて、君たち3人はこの最終試験に残った優秀な魔法使いだ。…あ、ちょっとまって、ひとつだけ試験に関係ないこと聞いて良い?」

「はい」

「何でしょうか」

「なんでも聞いてください!」

 

 

元気がいいのはジェームズだな。後の2人は緊張してるなこれ。いやー…3人が見たかった!!

 

 

「ジェームズは知ってるからいいんだけどさ、シリウスとバーテミウスは結婚してんの?恋人とかいる?」

「は。…えっと、…恋人は、居ますが…?」

「私は…妻と、一人娘が居ます」

 

 

シリウスお前恋人いるのかよ!良かったな!幸せになれよ!

バーテミウスは結婚してるのか、いや、良かった。うん。

 

 

「あ。ベインに聞いてるかもしれないですけど、今度家族が増えます!男の子です!」

「ええ!?まじで?ハリーはお兄ちゃんになるのか?」

「はい!あ、また遊びに来てくださいね!」

「まじで?絶対行くわ」

 

 

シリウスとバーテミウスがなんか狼狽してる気配を感じる。多分俺とジェームズがなんか親しい事に驚いているんだろう。

 

いやー…それにしても、本当に世界は変わってる。

シリウスに恋人がいて、バーテミウス・クラウチ・ジュニアは死喰い人にならずヴォルデモートの熱烈な部下になってない、なんか家族もいるらしいし。

そして、ハリーには弟が出来る。

 

後5年後、呪いを解いた後…まじで世界を見たいな。うん。

 

 

 

「ジェームズ、お前…陛下(Majesty)と知り合いってマジだったのかよ…」

「嘘だと思ってたの?」

「そりゃあ…」

 

 

こそこそとシリウスとジェームズが話している。陛下って、そんな畏まらなくても…まあ世間的に俺をそう呼ぶ人が多いけど、まだ慣れないな。ゾグラフ陛下とか、ノア陛下とか、ノア様だとか。…ま、ノア様は学生時代から言われてたから違和感ないけど。

 

 

「よし、緊張は解れたかな?じゃあ最終試験を始めようか」

 

 

俺がぱんと手を叩けば、ぴりっとした緊張が彼らの間で走ったのがわかる。

どんな試験なのか気になってるだろうが、試験内容はいたって簡単なものだ。

 

 

「3人同時でいいから、俺を攻撃しろ。俺を捕縛できたら終わり。制限時間は10分」

「ゾ、ゾグラフ陛下に、ですか?」

「ああ、大丈夫。俺って最強だから。あ、そうそう俺は()()()()()()()()()()1()0()0()%()()()()()──じゃあ、開始」

 

 

バーテミウスは動揺してたけど、お構いなしに俺は指を鳴らし彼らの椅子を消滅させる。

真っ先に攻撃を仕掛けたのはどうやらジェームズのようだ、すぐに手で弾いたが、連続して切り裂き魔法や拘束魔法が飛ぶ。

うーん、ジェームズはやっぱ俺の呪いかかってないな。通常ならバーテミウスやシリウスみたいに躊躇うんだけど。

 

少ししてバーテミウスとシリウスも攻撃魔法を仕掛けてきたけれど、どれも威力が弱い。正常に呪いがかかってるな。

…ってか、ジェームズは俺が盲目だって知ってるのにまじで躊躇ねぇな。

 

 

「もっと本気で良いんだぜー?」

 

 

目が見えなくとも、魔力の流れはわかるから特に問題なく防御する。

シリウスからの魔法を避けてふわりと空に飛べば、バーテミウスからの爆破魔法が飛ぶ。

うーん、単純!予想の範囲を出ない!まぁ、実践慣れしてない人はこんなもんかな。

意外とつまらないな、一度ミネルバ達とこの模擬戦をやった時は、ミネルバだけが俺を捕縛したなぁ。まぁ──裏技ともいえるけど。

 

 

シリウスとバーテミウスは連続で幾つかの攻撃魔法を繰り出してるけど、強い防壁を張れば簡単に防げてしまう。

 

さて、そろそろ10分かな。

 

いやー俺のヒントに、ジェームズは気付くかなって思ってたけど。

 

…そういや、ジェームズはさっきから大人しいな。

 

 

「──ノアさん捕まえた!」

「──お」

 

 

がしり、と後ろから抱きしめられ、ジェームズの嬉しそうな声が聞こえる。

 

 

「捕まっちゃった」

 

 

肩を竦めればジェームズはすぐに俺を離した。

 

 

「はい、試験終了。お疲れ様ジェームズ、シリウス、バーテミウス」

 

 

パチンと指を鳴らし先ほどのように椅子を三脚出す。

シリウスとバーテミウスはぽかんとしてそうだな。俺があっさりなんの魔法も使わず捕らえられたのが信じられないんだろう。

 

 

 

「何故…捕まったんですか…?」

「んー?」

 

 

シリウスは納得がいかないのか、ちょっと声が硬い。なんの魔法も使わずに普通に捕まった俺に不服があるのかもしれないなぁ。

 

 

「言っただろ?俺は魔力を見るし、魔法は100%効かないって。つまり、魔法を使わずに俺を捕縛する方法を、お前達は考えなければならなかったんだよ」

「魔法を使わず…?ですが、俺──私たちは、魔法使いです」

 

 

バーテミウスも低い声で言い返す。

ま、尤もな反論だな。

 

 

「俺の騎士になるのなら、魔法が使えない場に行くこともあるからな。マグル界の要人との会合とかは特に、互いに武器を持たず会うことが暗黙の了解となっている。そんな中その要人を暗殺しようとする者が居たとして、俺の騎士は魔法を使わずに無力化する力が求められる。自分の手と、身体だけでな。まぁ、さっきのジェームズみたいに魔法を使わず素手で捕縛する選択肢を…シリウスとバーテミウスは考えるべきだったな。…以上!反省会終わり!結果は後日郵送する!」

 

 

納得がいったのか、いってないのか、3人は「失礼します」とだけ言って退場した。

ジェームズはウキウキと退場したけど、シリウスとバーテミウスは沈んだ声だったな、…まぁ、結果は不合格だと思ってるんだろう。

 

 

俺はぐっと伸びをして、俺の部屋に姿現しで戻る。

 

 

書類を整理していたらしいカサカサという紙の音と、「お疲れ様」というヴォルの声が聞こえた。

手探りで椅子を探して座り、足を投げ出す。

 

 

「どうだった?」

「んー。ジェームズは騎士にしてもいいな。あいつ呪い効いてないし、まぁ…監視の意味も含めて。あの試験で初めてクリア出来た記念すべき1人目だ!シリウスとバーテミウスは…魔力はそこそこ高いけど、呪いのせいで俺に本気は出せてなかったし、試験の意味にも気付かなかったしなぁ…どうするかな」

「クリアしたの?…本当に?」

 

 

ヴォルが手を止め、怪訝な声を上げた。

あの試験は俺を捕縛すれば合格というわけではない。勿論試験の意味に気づいて魔法を使わず俺を捕縛するのが1番良いが、魔法使いにそれはなかなか難しい。彼らは息をするように魔法を使う事が癖になってるからなぁ。

 

試験の本質は、個人の魔力量と、俺の呪いが正常に効いているか──つまり、どこぞの組織の内通者ではないかを判断する試験だ。

 

 

「ああ、呪いも効いてないし、何より俺が盲目だって知ってたから」

「…ふーん……」

「シリウスもバーテミウスも、別に騎士になれる素質は十分あるけど……ま、後で考えるか」

 

 

それよりも、幸せになっている彼らのことが知れて本当によかった。

この分だと結婚してなかった原作キャラにも、子どもとかいる可能性があるな。親世代はちょうど25歳ぐらいだろうし、適齢期だろう。…うわーめちゃくちゃ気になる、気になりすぎる。特にセブルスとか…リリー一筋なのかなぁ…それとも別の人と恋に落ちてるんだろうか…。

ブラック家はシリウスもレギュラスも死んで血族が途切れるはずだったけど、この分だと普通に続きそうだし、ハリーには弟が出来るし。

 

 

「そういえば、ヴォルは…血を残さないのか?スリザリン家系ってヴォルが最後だろ?」

「まぁ、…そうだね。…一応、考えてるさ」

「へえ?そうか。なら良いけど。結婚式には呼べよ?友人代表のスピーチは任せろ!」

 

 

スリザリンの血に固執していたヴォルだ。きっと自分の子を持ちたいだろうし、血を残さないという結論は無いはずだ。

原作のヴォルは…あー呪いの子でまさかの娘ができるとかそんな情報をちらりと聞いたことがあったが、解釈違いです。ってかあの禿頭蛇面状態で性機能が備わってる事に驚いたわ。

今のヴォルなら、まぁ家庭を持つこともあり得るだろう。ぶっちゃけ想像は出来ないけど。

 

 

「いいなぁ、俺も自分の子とか欲しかったし、子育てしてみたかったけど。…もう諦めたわ」

「…へぇ」

 

 

ヴォルはあんまり興味がないのか、生返事をしながら再び書類を整理し始めた。

 

 

結局、悩んだがジェームズとシリウスとバーテミウスを正式に方舟の騎士に入団させる事にした。

まぁ…彼らの今後が気になるから近くで見たいっていう理由が大きいが、流石にこれは誰にも言えないな。

ベインからも、セブルス達が兼業として方舟の騎士を名乗ることになったと聞いた。

 

お、親世代キャラ集めて同窓会してみたい…!

 

 






平和な世界線の彼らなら、普通に恋人とか家族がいてもおかしくなさそうだな、と思います。
そして間違いなくハリーには兄弟が出来てただろうな、とも。

因みにミネルバがノアを捕縛出来たのは、アニメーガスになれるからです。

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