有情のヒーローアカデミア(ただし本人はヒーローにあらず)   作:激流を制するは静水

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今回はサクッといきます。
……というのも自ら次回のハードル上げてしまったからなんですが。
それから、某漫画からちょっとした技(?)を使用します。あれなら北斗キャラがヒロアカ世界にいなくても大丈夫だよね!ってことで。
前回も書いたように魔法とかの類ではないのでご安心下さい。いや、ある意味魔法っぽいけど。


第十四話 受難終わらず!迫る雄英体育祭!!

 治療が成功し、経過観察が必要とはいえ以前とは比べ物にならないほど体調が改善されたオールマイトと共に、トキは雄英へと通勤していた。通勤と言っても長時間の治療後に気絶してしまい日を跨いでしまったため、トキの家からだ。万が一を想定して必要な物を事前に持ってきていたことが功を奏したらしい。

 

 校舎のすぐ近くのため、焦る必要はないし時間に余裕もある。そういうわけで、トキはオールマイトから雄英体育祭について聞かされていた。

 

 

「なるほど……全国に大々的に報じられるほどの行事、雄英体育祭。良くも悪くも活躍すれば目立ちますね。しかし、先日の事があったばかりでは安全面で懐疑的になるのでは?」

 

「そこは私も危惧してるんだけどね。どうやら警備人数を何倍にもすることで、安全面を強化すると共に雄英の防備は万全だとアピールする狙いもあるらしい」

 

「確かにそうすることで先日のヴィランによる強襲は、相手が並外れたヴィランだと間接的に知らせる事にもなり、プロヒーローたちの危機意識を高めることにも繋がる……と。相変わらず根津校長は抜け目がない」

 

 

 さすがだ、と根津校長に感服するトキ。なお、根津校長は一足先にリカバリーガールを担いで通勤済み。「校長だからいち早く通勤しなければならないのさ!」と言い、高笑いしつつ爆走していった。

 

 

「ところでトキくん、頼み事ばかりで申し訳ないが、もう一つお願いしてもいいだろうか?」

 

「あまり過度な期待をされては困りますが、わたしに出来ることであれば」

 

「ありがとう……!トキくんも知っての通り、私は人に教えるというのが苦手でね……緑谷少年に満足のいく指導をしてやれなかった。だから事情を知っているトキくんも彼を見てやってほしいんだ」

 

 

 オールマイトの頼みは出久の指導をしてほしいということ。トキ個人としては見てやりたい気持ちは十分にあるが、さすがに一教師である自分が一生徒の指導に力を入れ過ぎるのはマズいし、不公平だろう。そこでトキは考えた。

 

 

「出久の成長に貢献することは構わないのですが、やはり雄英の教師として一人に付きっきりという訳にはいかないでしょう」

 

「まあ、公平性に欠いてしまうからね……」

 

「ですから、わたしが希望者を募って何かしら実践するという、見学会のようなものを開く形にしましょう。どちらかといえば見取り稽古という方が正しい。そこから学んだ事をどう活かすか、そこは各々の見せ所です」

 

「そうか……!緑谷少年は観察力に長けている。何よりトキくんの動きは剛柔を兼ねていて参考にしやすい上、拳法は最もワン・フォー・オールに応用がきく!」

 

 

 大多数の希望者を募ってやるのであれば贔屓などと言われることもなく、ついでにアドバイスなどを付け加えた後は個人個人で磨かせてやれば、違いも出てきて全体的なレベルアップにもなるだろう。

 

 

「実は先日、生徒が何かの漫画で見たという『リアルシャドー』というものを教えてくれたのです。何でも、並外れた集中力と想像力によって実在しないようなものと戦えるとか」

 

「リアルシャドー……確か、簡単に言うと超真面目なシャドーボクシングだっけ?」

 

「その認識で構わないかと。わたしはそのリアルシャドーを試してみようと思っています。そして、わたしの仮想対戦相手ですが――」

 

 

 その後に続いた言葉にオールマイトは息を呑み、自分も立ち会っていいかと聞くと、トキは快く承諾。

 

 何故ならば、トキが告げた相手は――

 

 

 

 

 

 『世紀末覇者拳王』ラオウ。

 

 

 

 

 

 ――トキが目指した、実の兄だからだ。

 

 

☆★☆★☆★☆

 

 

 襲撃を受けた1年A組だが、無事全員がクラスに揃うことが出来た。教室ではやはりというべきか、オールマイトが苦戦した悪夢を圧倒的強さで倒したトキの話題で持ちきりである。

 

 

「いやマジで半端なかったんだよ!あの超デケー化け物の攻撃何発も受けたのに平然と立ち上がってさあ!!」

 

「緑谷くん、蛙水くん、本当なのか!?」

 

「ケロ、本当よ飯田ちゃん。相澤先生やオールマイトも見てたから間違いないわ」

 

「最後の技もすごかった……!なんでも呼吸法で極限まで溜めたパワーによって全ての肋骨を内側にへし折るとか……」

 

「それも凄まじいが、『闘神の化身(インドラ・リバース)』……正しくトキ先生に相応しい二つ名」

 

 

 最後の常闇の台詞は少し本人の嗜好が入っている気がするが、概ねトキが解放した真の実力を驚愕と称賛を表す意見ばかり。例外は爆豪と轟、初めての戦闘訓練授業にてトキに敗北した二人だ。

 

 

(なんでオールマイトが苦戦するようなバケモノを無個性が倒せんだ……!ありえねえんだよクソが!!)

 

(あの時の訓練でも本気じゃなかったのは分かっていたが、こんなに差があったのか……このままじゃアイツを否定することなんて出来ねえ。どうにかあの強さの一部でも手に入れないと……!)

 

 

 そう二人が考えていると、噂の人物が例の如く担任を担いで入室してきた。何というか、わずか数日にして見慣れてしまった光景である。

 

 

「「「相澤先生復帰早えぇぇぇ!?」」」

 

「まあ、トキのおかげで応急処置も早かったからな。とりあえず席つけお前ら」

 

「とはいえ、相澤先生も安静しておくに越したことはありません。ですので、こちらの椅子に座って下さい」

 

「すまん」

 

 

 教壇にトキが持ってきた椅子を設置し、そこに相澤を下ろすトキの姿はもはやヘルパーにしか見えなかったことを記しておこう。ちなみに、相変わらず大声を出したプレゼント・マイクだが、職員室にてトキに『小声になってしまう秘孔』を突かれてしまい、強制的に静かにさせられた。大声は傷に響くのだ。

 

 

「さて……ヴィランとの戦いを終えて一安心と言ったところだろうが――」

 

「すでに新たなる戦いの時は近づいている!」

 

 

 ヴィランとの戦いでその実力を見せた二人の言葉に緊張が走るA組一同であったが――

 

 

「「――"雄英体育祭"が迫っている!」」

 

「「「クソガッポイ(※『学校っぽい』の略)のきたぁぁぁぁぁ!!!」」」

 

 

 恐怖は一転、テンション爆上がり。除籍を賭けた個性把握テストに始まり、先日のヴィラン襲撃と様々な『Plus Ultra』に遭遇してきたA組にとって、学校らしい行事はこの雄英体育祭が初めて。

 

 しかし、トキ同様に開催に関して不安を持つ者もいる。トキと悪夢の戦いを間近で見た峰田だ。そんな彼の不安を解消するように、相澤とトキから説明が行われる。

 

 

「――逆だ。開催することで雄英の防備が盤石であることを示すつもりだ」

 

「わたしも峰田と同じ意見だったのだが、オールマイト先生からも警備人数を何倍にもするということを知らされ、今朝方の職員会議で各プロヒーローに警備の依頼を出すことも伝えられた。一部のプロヒーローからは既に承諾の返事を受けているらしい。例を挙げるなら『エッジショット』『リューキュウ』といった者たちだ」

 

「エッジショットにリューキュウ!?」

 

「ビルボードチャートでも上位に位置するトップヒーローじゃねーか!」

 

「それだけ雄英側も本気ってことだ。その他一般の警備人数も去年の五倍……何より最大の"チャンス"を無くさせるわけにはいかん」

 

 

 個性が発現したことで従来のオリンピックが縮小・形骸化し、それに代わり日本が誇るビッグイベントとなった雄英体育祭。報道陣やプロヒーローも大勢見学に来るし、トップヒーローも当然来訪する。前述の二名も見学を兼ねているため、生徒たちにとっては自身をアピールする絶好の場なのだ。

 

 そう、雄英に入学した以上、この雄英体育祭の結果次第で将来が決まると言っても過言ではない。

 

 

「年に一度、最大で三回きりのチャンス――時間は有限。焦れよ、お前ら。それから、そんなお前らにトキからありがたい話がある。聞き逃すと後悔するぞ……トキ」

 

「はい。三日後、体育館にてわたしが『リアルシャドー』による仮想模擬戦を実演する。わたしの動きが皆の参考になればと思うが、見学は任意だ。開催時刻は放課後、人数が誰一人来なくともわたしは行う気でいる」

 

「もう校長に許可は取ってあるそうだ。誰一人、と言うが俺やオールマイトさんは見学する気でいるからな」

 

 

 二人の言葉とオールマイトの参加に教室内は一気にざわめく。その中において出久は悩む事なく参加を決めていた。ここでトキが一言付け加える。

 

 

「そうだ、わたしの仮想模擬戦見学において持ってきてほしいものが一つだけある」

 

「え!?金取るんスか!?」

 

「そんなわけ無いだろうが。最後までトキの話を聞け」

 

 

 上鳴が声を上げたが相澤が呆れたように諌める。苦笑しつつトキが告げた持ってきてほしいもの、それは予想外のものであった。

 

 

「わたしが持ってきてほしいもの……それは集中力だ。それも決して途切れることのない――せめて、仮想模擬戦中だけでも切らせないだけの集中力を」

 

「しゅ……集中力、ですか?」

 

「『リアルシャドー』に必要なものは並外れた集中力と想像力……だが、後者は実際にやる者のみが持っていればいい。しかし、見る者にも集中力は必要だ。なにせ相手は仮想……わたしの想像の相手なのだから、見学する側も相応の集中力が無ければ、ただわたしが動いているだけにしか見えないだろう。それでは半分程度にしか役には立たぬ」

 

 

 実際、眼前に存在せぬ相手と行うそれは、やる気の無い者が見たところでろくな知識にもならない。やる側も、見る側も本気だからこそ何かを掴めるのだ。

 

 ここで、出久が誰もが最も知りたいだろう質問をした。

 

 

「トキ先生!リアルシャドー……仮想模擬戦ってことは相手がいるわけですよね?一体誰と……」

 

「わたしが仮想模擬戦で戦う相手……それはわたしが目指した実の兄、世紀末覇者拳王――ラオウだ」

 

「「「!!」」」

 

 

 実の兄、というだけでも相当な衝撃だが、世紀末覇者拳王の部分やラオウという名前でも驚いているA組生徒一同。

 

 

「世紀末覇者拳王……!」

 

「おい常闇大丈夫か?やけに震えてるけど」

 

「つーかトキ先生は柔らかい名前だなーって思ったのにいきなりラオウとか、明らかにラスボスみてーな名前出てきたんだけど!?二つ名含めて絶対ヤベーだろその人!!」

 

「ちなみに愛馬もいてな。名を黒王号という」

 

「駄目だ俺絶対勝てねー自身がある」

 

「馬に?」

 

「ちげーよ!……あれ、どうしてだろ?ガチで馬にも負けそうな気がしてきたわ」

 

 

 事実、黒王号は普通の馬どころか並の拳法家すら簡単にぶっ飛ばせるくらい強いのだ。そう思うのも仕方がない。それからラオウ以外にもトキにはカイオウというさらに上の兄や、サヤカという妹もいるのだが今回は割愛。

 

 

「わたしが言ったように集中力を持ってきたならば我が兄ラオウの姿を見ることも出来よう。もう一度言うが見学は任意、持ってくるものは集中力だ」

 

 

 講師がトキでオールマイトが参加、そして相手はよくトキが口にしていた兄・ラオウ……それだけの条件が揃って参加しないA組の生徒たちではない。

 

 ある者は純粋な興味から、ある者は雄英体育祭へ向けてトキの技術を一部でも己の血肉とするために――理由は異なれど三日後に行われるトキの仮想模擬戦に、誰もが期待を膨らませるのだった。

 

 


 

 

 世紀末覇者拳王!

 

 トキもケンシロウも目指した偉大な長兄に、今のトキの拳は届くのか!?

 

 

 次回!有情のヒーローアカデミア!

 

 『仮想模擬戦!その目に映せ覇者の剛拳!!』

 

 

「想像するのだ……野心無き、優しさと力強さを兼ね備えた姿を――真の拳王としてのラオウ()の姿を……!」




答えはグラップラー刃牙からリアルシャドーでした。
いや、相手ラオウのリアルシャドーってかなりヤバい気がしますけどね。心血愁とか突かれたらいくらイメージでも現実に直結して死にそうなんですが。
とはいえ逆に弱くても駄目だし、トキ兄さんが会ったことあるの限られてるしで相手選びに困る。

……あ、霞拳志郎やシュケンの記憶も継承してるんだしヤサカとかって手もあったのか……。

もし、他にも北斗キャラを出すとしたら

  • ケンシロウ
  • ジャギ
  • ラオウ
  • レイ
  • シュウ
  • サウザー
  • ハート様
  • アミバ
  • むしろトキ兄さんを強化しよう
  • ……霞拳志郎(蒼天の拳)
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