言うなれば、これは唯の殺し合い。
掛けるものもなく、叶えるものもなく、全てはあなたの望むままに。
聖杯は解体された。
冬木で行われた5回に渡る聖杯戦争は完全に終結した。エルメロイと遠坂により、アインツベルン製の大聖杯は完全に消滅した。
しかし、万能の願望機たる聖杯はまだ存在していた。
今現在も各地で微少な聖杯を巡り、聖杯戦争が開催されているように、あなたの手元にも1つの聖杯があった。
アインツベルン製ほど出力はない。万能の願望機としては機能しない。が、七騎を召喚して殺し合いをする程度はある。
故にこれは聖杯戦争に非ず、聖杯大戦にも非ず、聖杯探索でもない。
言うなれば、これは唯の殺し合い。掛けるものもなく、叶えるものもなく、全てはあなたの望むままに。
「詠唱、並列稼動。召喚座標、指定。
──素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。
降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。
閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。
繰り返すつどに五度。
ただ、満たされる刻を破却する
───
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ
誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者、
我は常世総ての悪を敷く者。
汝三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ──」
あなたが使役しているホムンクルスによる代行詠唱。これにより、この地に七騎のサーヴァントが現界する。
「サーヴァント、セイバー。
サーヴァント、アーチャー。
サーヴァント、ランサー。
サーヴァント、ライダー。
サーヴァント、バーサーカー。
サーヴァント、アヴェンジャー。
サーヴァント、エンダー。
召喚完了。令呪を持って全サーヴァントに命ずる。
『勝利せよ。』
重ねて命ずる。
『敵サーヴァントを打ち破り、勝利せよ。』
重ねて命ずる。
『どんな手段を取ってでも、勝利せよ。』
ホムンクルスの腕にあった令呪は全て効力を失う。制限のない戦い。聖杯に叶える望みがあろうとなかろうと、ここから先は殺し合うしかない。
あなたは、役目を終えたホムンクルスを処理し、観測に移る。
舞台は整った。
これは唯の検証。
それだけの、聖杯戦争。