頭の中では断片的に物語があるのですが、文面化するのに手間取っている現状で御座いますが、優しい目で見て下さると幸いです。
それでは本編どうぞ。
「これが妾の本来の姿じゃ・・・ほぉ?幾人かは気絶すると思うておうたが、中々肝が据わっておるようじゃな」
何処からともなく扇子を取り出し口元を隠しふふ、と笑みを零すグレドーラ。そしてパチン、と扇子を畳み本題へ移る。
「さて、では本題へ参ろうか。ジルクニフ殿を此処へ招いた理由、それは・・・ジルクニフよ、妾と同盟を組まぬか?」
グレドーラの言葉に頭が追い付かないジルクニフ。
―・・・同盟?従属ではなく、か?―
「くく、愉快な顔をするではないか。妾が従属を要求するとでも思っておったか?」
「・・・正直に言おう、その通りだ。絶対的強者、圧倒的優位の立場の貴女が何故同盟を?」
―至極当然の疑問ね。でも、私は―
「逆に問う。『絶対的強者』『圧倒的優位』の者は、必ず支配せねばいかぬのか?」
「何・・・?」
ジルクニフは何を言っているんだ、と言いたげな表情をしていた。
「確かにお主の言いたい事は理解する。じゃが妾は他種族を支配する事に興味は無い。妾が望むもの・・・それは、《子供の幸福》。その一点につきる」
「子供の、幸福・・・?」
「その通り。そもそもこのメガコロニーは妾の魔力で広さを変えられるから土地欲も無く、資源に困っている訳でも無い。まぁ、他国の料理や菓子。民芸品にはそそられる物があるがな」
整った顎に手を添え隠す事無く晒すグレドーラに驚きを隠せないジルクニフ。
「・・・つまり、メガコロニーが害されなければ何処にも干渉するつもりは無い、と?では我がバハルス帝国に干渉したのは?」
「先話した通り料理や菓子、民芸品。その他諸々の情報収集じゃ。まぁ、それ故に厄介な事になってしまったがな」
「なるほど、その言葉を信じるとしよう。では何故同盟を?貴女程の強者であれば、同盟など必要ないだろう。しかも同盟相手が貴女達に比べて非力な人間を」
―ふふ、良いね良いね。初めの緊張感が無くなって遠慮が無くなってきた―
「そうじゃのぉ。幾つか理由はあるが、妾は『支配』に興味は無いが『共存』にはとても興味がある。現状メガコロニー内で他種族と共存していると言えばしておるが、大きな争いが無いのは皆妾の子供だからじゃ。故に妾の干渉外の者と手を取ってみたいのじゃ・・・まぁ、お主からしたら夢物語に聞こえるかもしれぬがな」
「他種族との共存・・・それが貴女の望みなのですか?」
「現状は、な?少しずつではあるが計画も進めておる。
グレドーラは話終えると左手を左前方へ向け魔法を唱える。いきなり魔法を唱えた事により護衛のバジウッド達がジルクニフの前へ出て武器を構える。
―前もって伝えておいたのよね、転移門が現れたら入ってくるようにって―
門から最初に現れたのは・・・クーデリカとウレイリカ、続いてフォーサイト4人。双子はグレドーラを見つけると笑顔になり足元へ駆け寄る。
「「お母さ〜ん!」」
「・・・来たよ、母様」
「っ!?アルシェ!」
「陛下、来ましたよ・・・って、ゲ!鮮血帝じゃねぇか!?」
「貴様らは、フォーサイト!」
グレドーラの脚にくっ付き頭をあげる双子。元師匠を目視するも落ち着きグレドーラの元へと歩み寄るアルシェ。転移門が現れたら入ってくれ、としか言われてなかったから、入った先に鮮血帝が居て驚きを隠せなかったヘッケラン。そしてフォーサイト登場にこちらも驚きを隠せないジルクニフ。
「ふふ、来たか。よしよし」
グレドーラは屈むと双子の頭を優しく撫で、撫でられた双子は嬉しそうに撫でられる。
「陛下はこの通り、人間の娘を既に養女として迎え入れ愛情を注いでおります。無論私達もこの子達を可愛い妹として接しております」
グレドーラの隣に控えている白い花を纏う女性がジルクニフへ笑顔で説明をする。
「それに、これだけではない。アルシェ、自己紹介を」
「はい、母様」
グレドーラの声がけによりアルシェは魔力を解放し『今のアルシェの姿』を帝国へ晒す。蜘蛛人としての自分を。
「
軽く腕を広げながら自己紹介をするアルシェ。そしてアルシェを見て1歩、また1歩と歩みを始めるフールーダ。
「アルシェ、そ、その力を・・・是非私にも・・・!」
3歩目を踏んだ瞬間、足元に銃弾が着弾し衝撃が発生する。その攻撃に「ヒッ」と怯み尻もちをつく。天井を見上げると、一部が歪んでおり、そこから撃ってきたもの分かる。そしてそこからゆっくりと少女が現れ降りてくる。
「誰の許可を得て私達の妹に近付いておりますの?そして、その気色の悪い視線をやめて下さらない?」
アルシェの後ろに降り立ち、ぎゅっと優しく抱き締めながらフールーダへ圧をかけるナイトメア。
「こ、これは失礼した。爺は魔法の事になると我を忘れてしまうのだ」
「ふふ、構わぬよ。どうやら知り合いのようじゃしな?知り合いの者がいきなり蜘蛛人になっておったら取り乱しもしよう」
何も知らぬ様に語るグレドーラに、こうなる事を分かっていただろうにと苦虫を噛み潰したような表情になるジルクニフ。
「アルシェのこの姿は、アルシェ自身が望んだ事じゃ。母として、女王として、娘の意思を尊重し力を与えた。フォーサイトは現状のまま、妾の子らと鍛錬を行なっておる」
双子の頭を撫でながらフォーサイトへ手を向け説明を行なう。
「ジルクニフよ、これを見てもまだ妾の望む『共存』に疑いを持つか?」
ジルクニフはグレドーラの問いに対し、改めてフォーサイトの面々を見る。
―確かに、彼等が洗脳されているとは思えない。むしろ生き生きとしているようにさえ見える・・・仮に同盟を断ったとしても恐らく我々の記憶を消す程度にだとは思うが、断るのはグレドーラ殿達に恐怖しか感じない低俗のする事―
「いや、疑いは晴れた。清々しい程に」
グレドーラから見たジルクニフは、何やら吹っ切れた様な顔に見えた。
「そうかそうか。それは良かった・・・して、返答は如何に?」
「貴殿の提案、喜んで受けさせてもらおう」
「ふふ、それは何よりじゃ。これからよろしく頼むぞ、ジルクニフよ」
グレドーラはジルクニフの元へ歩みながら人の姿に戻り手を差し伸べる。そして、その手を取るジルクニフ。
「こちらこそ、末永く頼みたい」
こうして、バハルス帝国とメガコロニーによる同盟が成立した。
「今日は同盟成立した良い日じゃ、メガコロニーで宴を開こうではないか」
「折角の申し出だが、全てメガコロニー側に負担させる訳には・・・」
握手をし終え、グレドーラが宴を提案するもジルクニフは帝国側が何もしないという事に引目を感じていた。それに対しグレドーラは笑顔で対応する。
「気にせずとも良い、妾がしたいだけじゃ」
くく、と扇子を取り出し口元を隠しながら微笑むグレドーラ。
「宴は明日行なう。セシリア、ジルクニフ達を客人用の館へ案内せよ」
「畏まりましたわ、陛下。それでは皆様、私について来て下さい」
セシリアは
「ふぅ・・・子供達よ、各階層から呼び寄せてすまなかったの。これにて解散じゃ。先程話した通り明日は宴じゃ、楽しみにしておれ」
グレドーラの言葉と共に守護者達は自分の階層へ戻って行った。そして残ったグレドーラ、フォーサイト、双子、牡丹姉妹、ナイトメア。
「それはそうとアルシェ、あの老いぼれはどういう関係でしたのよ?」
まだ抱きついていたナイトメアはアルシェの頬をツンツンしながら問い掛ける。
「あぅ。私が学院に通っていた時の師匠です、ナイトメア姉様」
「なるほど。それで此処に来た時少し動揺していたのね?」
今度はトゥーレが反対の頬を優しく撫でる。そして少し頬を染めるアルシェ。
「か、母様から
「まぁ、元師匠に加え皇帝までいたし。動揺は仕方ないと言えるね。それとアルシェ、私達に・・・というか、そろそろ敬語禁止。もう私達は姉妹、家族なんだから」
マルティナが正面から顎クイをし、アルシェにトドメを刺した。
「ま、マルティナ姉様・・・っ///」
美女、美形、イケメン美女に囲まれたアルシェは顔をお湯が沸くのではないかと思う程真っ赤に染まっていた。
「あんた達にはまだ早いから見ちゃダメよ」
双子の目を手で隠すイミーナに、どう声をかけて良いか分からないヘッケランとロバーデイク。
「全く、元気なことじゃ」
仲の良い子供達を玉座に座りながら眺め笑みを零すグレドーラだった。
同盟成立。
細かなことは追々記していくつもりです。
それではまた次回お会いしましょう。