オーバーロード ~百害女王~   作:ジェイ・デスサイズ

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どうも、ジェイで御座います。
皆様、大変長らくお待たせ致しました・・・暫く投稿できなかったにも関わらず、感想を送って下さり誠にありがとうございます!きちんと読ませて頂いております。
繋げるのにかなり時間がかかりましたが、何とか形にすることができました。

そして今日は『劇場版オーバーロード 聖王国編』公開日!無論観てきました!とても面白かったですし「あ、オバロっぽい」と感じるところもあり良い作品だったと思います。

前置きが長くなりました、それでは本編をお楽しみ下さい。


第17話 百害女王と鮮血帝3

「これより、我が『メガコロニー』と『バハルス帝国』の同盟を記念し、宴を始める。皆の者、存分に楽しむが良い!」

 

 翌日の夜、予定通りメガコロニーで同盟記念の宴が開催された。

 バハルス帝国の王宮地下にメガコロニーへ繋ぐ転移門を配置し、兵達を招き入れている。無論、第三者等へ話そうとした瞬間メガコロニーに関する記憶を呪縛(ロック)し、一時的に忘れさせる。そして呪縛が発動したらマシニングのシステムが反応、マシニング部隊からフィアーへ連絡が届く仕組みだ。

 

 フィアーが高らかに宣言する中、隣の席に座っているジルクニフは笑みを見せているが内面は動揺していた。

 

 ―グレドーラ殿の話が本当なら、今後爺に相談するのは控えた方が良いか・・・信じ難い事ではあるが―

 

 時間が昼へと遡る。

 

「グレドーラ殿、話というのは?」

 

 フィアーはトゥーレにジルクニフを政務室へ連れて来るよう命じ、案内されたジルクニフは恐怖等を多少は抱えつつ彼女が自分を此処に連れてきた理由を尋ねる。アルシェも居りグレドーラの隣に座っている。

 

「妾は回りくどいのは好かぬ故、単刀直入に申す。・・・あの老いぼれ、遅かれ早かれ裏切るぞ」

 

 グレドーラの言葉に驚きを隠せないジルクニフとアルシェ。

 

「そ、それはどういう?」

 

「申したままの意味じゃ。子達の報告で妾と同等の力を持った輩を確認したらしくての?もしその存在があの老いぼれに接触、または老いぼれ側が見つけ出すか・・・そうなった場合、現状老いぼれを拒否している妾達より、そちらへ寝返る方が老いぼれにとって都合が良い」

 

 グレドーラの説明に、あの時の映像が脳裏に浮かんだアルシェは納得した表情をしていたが・・・。

 

「で、ではグレドーラ殿達が拒否しなければ済む話なのではないか?」

 

 そう簡単に納得できないジルクニフ。

 

「・・・情報は武器じゃ、いくら同盟を結んだとは言え提供しすぎるのはこちらが下であると子らに思われかねぬ。それに拒否しなかったとしても、『アレ』と会ってしまえばすぐ掌を返す・・・結果としてその未来が分かる故、無駄な事に時間を消費したくない」

 

「では、爺が私を・・・国を裏切る未来はグレドーラ殿でも変えられないと?」

 

「こればかりは、な。妾は特化型魔力系魔法者だが、彼奴は『全て』だ。一部条件指定を除けば彼奴以上の魔力系魔法者は居らぬだろう」

 

 呆れ顔をし、紅茶を眺めながら述べるグレドーラ。そして最も信頼している者が遅かれ早かれ裏切ると言う現実に苦渋の顔を浮かべるジルクニフ。

 

「故に、妾は昨夜老いぼれに魔法を掛けた。『メガコロニー』に関することを新たな第三者へ話そうとした瞬間、関する記憶を消去するものをな・・・限定的な発動条件に記憶の消去じゃ、妾もかなりの精神と魔力を使用した」

 

 その時の疲れを思い出し、ソファへ深く座るグレドーラ。それに対しそんな事も出来るのか、と空いた口が塞がらないジルクニフに。流石母様っ、と尊敬の眼差しを送るアルシェ。

 

「これがお主を呼んだ理由じゃ。宴前だというのにすまぬな」

 

「いや・・・むしろその未来を事前に教えてくれた事感謝する。今後は通常通り、しかし重要な事は内密に進行していこうと考えている」

 

「うむ、それが賢明じゃな。では、館へ転移させる。宴を楽しみにしておれ」

 

 グレドーラは腕を前へ向けジルクニフへ転移の魔法をかける、そして素直に魔法を受け入れ転移していくジルクニフ。それを見守るアルシェ。

 

「そういえば母様。特化型って言ってたけど、何に特化しているの?」

 

「まだ話してなかったな?妾は状態異常系に特化しておる。毒や麻痺、火傷といったものをな」

 

 グレドーラは軽く掌を上に向けると掌から禍々しい紫色をした毒が宙に浮き出した。

 

「わっ、凄い色の毒・・・私も使えるようになるのかな?」

 

「そればかりはお主の努力次第、としか言えぬな」

 

 優しく微笑み頭を撫でるグレドーラと、頑張る事を改めて決意し素直に撫でられるアルシェだった。

 

 ーそして、時間は現在へと戻るー

 

 フォーサイトや双子は階層守護者達と会った時のドレスやスーツを着ており、今回はグレドーラもドレスアップしていた。

 上品なミモレ丈レースドレス。ハイウェストが足を長く、スタイルをより良く見せている。

 様々な種族の子達が母へ声をかけ、母は愛しそうに笑顔で手を振り受け答える。その中で黄色を主にしたドレスを纏った少女をジルクニフは捉えた。

 

「ん?あの黄色の少女・・・確か『金紫(きんし)』のラルカではないか!グレドーラ殿、まさか・・・」

 

「くく、お見事。あの子には冒険者として振る舞い、情報収集を任せておる子じゃ。第8階層守護者、名をアトラル・カ。あの子も今は人に擬態しておる」

 

「・・・もう何処にメガコロニーの者が居ても驚かない自信がつきましたよ、グレドーラ殿」

 

「安心せい、バハルス帝国に行く様に命じたのはあの子だけじゃ。他へ行くとしても必ず妾に話を通すように言い聞かせておる故な」

 

 子供に注がせて貰ったグラスを揺らし、香りを楽しみながら伝えるグレドーラ。

 

「だから今は何も考えず、この瞬間を楽しむが良い。この宴も『今』しか楽しめぬのだから」

 

 ジルクニフへ優しく微笑みながら言葉を紡ぐグレドーラに、その通りだなと納得し手に持つ酒を呑むジルクニフ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お主らが『リ・エスティーゼ王国』へ情報収集行なう、じゃと?」

 

 宴が終わった数日後、玉座で報告書を読んでいるとフォーサイトから話があるとの事で、報告書を一旦置き話を聞くと1つの提案だった。

 

「あぁ。バハルス帝国の方が落ち着いたら次の国の情報収集だろ?だったら俺達が行ってきた方が良いと思ってさ。此処の所属ってったって何か任されてる訳でもないし、ならできることはこれくらいかとね」

 

「ふむ・・・、確かに一理ある話ではあるな。では、クーデリカとウレイリカの2人も連れて行ってくれぬか?そろそろ勉強の息抜きが必要な頃合いのはずじゃ」

 

 ー優しいタマユラの勉強だとしても、必ず得手不得手は出てくるだろうし、すぐ理解出来るものでもないものねー

 

「では陛下、何処まで誰を護衛を付けていかれますか?」

 

 隣に立っているセシリアがメンバーリストのスクロールを出しフィアーへ問いかける。

 

「リ・エスティーゼ王国に1番寄っている森まででよかろう、護衛にはザミエールモンを付けるとしよう。まぁ、フォーサイトも鍛錬を積み、そこらの人間には負けないと思うが・・・とはいえ、お主等。慢心するでないぞ?」

 

 フィアーの念押しに4人は頷き答える。

 

「では、フォーサイトに『リ・エスティーゼ王国』での情報収集を命じる。期待しておるぞ」

 

 グレドーラは4人へ優しく微笑み任を与える・・・グレドーラは知らなかった。というより、知る余地がなかった。この出来事から段々と『ナザリック』との距離が縮まって行くという事を・・・。

 小さな蝶の羽ばたきが、いずれ竜巻を起こすかのように。




「数日後、この街にフォーサイトとその妹2人が来る。今は力を付けている様だが、妹さえ人質に取れば何も抵抗できないはずだ。この路地に来るように私が術式を組んでおこうではないか」

「ほぉ、あのフォーサイトが。コッコドールに情報を流せば良い金にはなるとは思うが、何故俺に情報を流した?『八本指』の俺に会えるんだ、コッコドールにだって会えるだろう」

「ふふふ、私はこう見えて多忙の身でね。それと理由だが、フォーサイトには借りがあるものでね?私が手を出すより、悲惨な目に遭ってほしいのだよ」

 情報提供の男は黒いフードを身を包んでいたが、疑問を投げた男には不気味に笑っている様に見えた。

「なるほどな。まぁ、有難く利用させてもらうさ」

 そう言い終えると男は闇の中に消えていき、フードの男は転移にてその場を去った。

「さて・・・少しずつではあるが舞台は整ってきたか。存分に楽しんでくれたまえ、フォーサイト」

 リ・エスティーゼ王国の上空で王国を見下ろしながら呟く男・・・その男はすでにフードを外しており、その姿はフード男の原型を留めて居なかった。
 そこにいたのは、3mはあるであろう巨躯に漆黒の鎧。右手には大型のツインランスを持った人物が宙に浮いていた。
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