オーバーロード ~百害女王~   作:ジェイ・デスサイズ

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皆さんこんにちは、ジェイで御座います。
以前何処かの後書きで絶死絶命とジルクニフを幸せゾーンへ入れたいと言っていましたが、今回が絶死絶命の加入になります。



第19話 百害女王と絶死絶命

 翌日。フォーサイトを見送った後、転移門を使い、法国最強が居るであろうフロアへ向かった。転移門を通り終え、周りを見渡す。室内という事しか分かっていなかったが、どうやら壁・床・天井全てが石のブロックで造られた所だった。

 

「此処に『絶死絶命』なる者が居るはずじゃ。さて、何処に居るのやら」

 

「御母様〜?悪巫山戯は程々にして下さいまし、近くにおりますわよ」

 

「この暗闇の中紛れている様だが・・・恐らく、正面に」

 

「巫山戯てなぞおらぬ、子供の手柄を横取りする母親ではないだけじゃ・・・そうじゃ、万が一巡回する兵士が来ると面倒じゃ。念には念を。『静寂(サイレンス)』『幻覚(ハルシネーション)』」

 

 と、親子の会話をしながら後のことを考え2つの魔法を唱える。するとダークフェイスが言っていた通り正面から・・・強い殺気が流れてきた。

 

「貴女達・・・此処で何をしているのかしら?と言うか、どうやって侵入して来たの?」

 

 そこに居たのは10代前半の少女だった。長い髪は片方が白銀、もう片方が漆黒の色をしている。瞳も髪と同じ色をしており、左右で異なっていた。武器は特徴的で、十字槍に似た戦鎌(ウォーサイズ)だ。

 

 ー記憶操作だと朧気だったけど、こんな見た目してたのねー

 

「どうやって、か・・・それは秘密じゃな」

 

「そう・・・まぁ、答えても答えなくても殺すから関係無いけどね」

 

 言い終えると同時に武器を構え一気に距離を詰めてきた。私は防御も、回避もーーー何もしなかった。

 

「『疾風超走破』」

 

 彼女はとある言葉を呟くと更に加速しーーー姿が見えなくなった。そして「さよなら」と言うつまんなそうに呟く少女の声が聞こえた。

 

 ーまぁ、アルシェやフォーサイトなら反応出来ないでしょうけど。私達なら、対応は可能ー

 

 ガキィン、と武器と武器がぶつかり合う甲高い音が石造りの部屋に鳴り響いた。

 

「え・・・?」

 

「キヒヒ、その程度で御母様を仕留められると本気で思っておりましたの?」

 

 ぶつかったのは彼女の戦鎌と、ナイトメアの2丁の銃だ。銃をクロスしガードしてくれた。

 

「ダークフェイスは妾の護衛を、ナイトメアは小娘の相手を頼む」

 

「「畏まりましたわ!(畏まりました!)」」

 

 ダークフェイスは私を肩に乗せその場から離れ、ナイトメアは番外席次の攻撃を弾き返す。

 

「すまぬのぉ、ダークフェイス。お主も戦いたかっただろうに」

 

「いえ、何も問題御座いません!陛下を護るという重大任務を任されているのですから!」

 

「ふふ、そうか。お主の働き、期待しておるぞ・・・さて、あちらはどうなるかの」

 

弾き返され、番外席次は再び武器を構え直す。ナイトメアも2丁の銃を構える。しかし、番外席次は次の攻撃を直ぐには仕掛けようとしなかった・・・。

 

「キヒヒ。久々の戦闘で気分がよろしいので、この武器の力を1つ見せて差し上げますわーーー3秒後に貴女の頭を狙って撃ちますので、交わして下さいまし?」

 

 そう言うと、右手に持つ歩兵銃を相手へ向ける。もしかして、見た事ない武器だから策を練っていたのかも知れない。

 

「自分の手札、明かしちゃって良いの?」

 

「3。明かした所で問題無い、2。ということですわ。1。では、行きますわよ?0」

 

 0。と同時に銃が撃たれ、番外席次は法国最強と言われるだけあり反射神経で銃弾を交わすことができたーーーが、彼女の顔には最初の余裕の表情は無く、驚きと焦りが入り交じっているようだった。

 

「あ、貴女達・・・本当に何者?」

 

「人に名を尋ねるのなら、まずは自分からではありませんの?まぁ、私は人では無いので別に良いですけれど。キヒヒ」

 

 ナイトメアは銃を一旦しまい、スカートの裾を軽く掴み優雅に自己紹介をした。

 

「親愛なるグレドーラ御母様の切り札の1つにして原初を司る者。原初の精霊、名をナイトメアと申しますわ。これから貴女が私の名を覚えていけるかは不明ですが、以後お見知り置きを」

 

「ナイトメア・・・わざわざ私に悪夢を見せにきたの?まぁいいわ。私は漆黒聖典番外席次、絶死絶命」

 

 言い終えると同時に一気に距離を詰め、ナイトメアの首に戦鎌を振り下ろす。

 

「よろしくね。そして、さよなら」

 

 そして、再び銃で防がれる戦鎌。しかも、片手で。片手で防がれた事に驚きを隠せない番外席次。

 

 ー身体能力を上げる魔法なんてしてなかったし、隙も無かった・・・純粋の力勝負で負けてるって事?ー

 

「学びませんわねぇ。少しは攻撃に工夫をしてみては如何ですか?」

 

 ナイトメアは再び弾くと、その勢いのまま身体を捻り番外席次の腹に回し蹴りをお見舞する。ドゴッ!と鈍い音と共に番外席次は壁へ飛ばされ、壁を打ち破り、床に落ちた音が聞こえた。ナイトメアは「キヒヒ」と趣味の良さそうな顔をし後を追いかける。私達も若干距離を置きながら向かう。

 

 ー念の為、見回りに来る兵が居るかもしれないから入口付近に幻覚掛けてたけど、正解だったみたいねー

 

 中へ入ると、先程の石造りの場所とは比べ物にならない程神秘的な場所だった。恐らくさっきの場所は廊下だったのだろう。

 吹っ飛ばされた番外席次は、ナイトメアの蹴りを喰らったにも関わらず立ち上がっていた。伊達に法国最強と呼ばれてないわね。

「・・・『回避』『超回避』『可能性超知覚』『疾風超走破』『即応反射』『痛覚鈍化』『防御超強化』『能力超向上』『流水加速』」

 

 ブツブツと呟きながら武器を構え直す番外席次に、両銃を構えるナイトメア。

 

「『生命の精髄(ライフエッセンス)』・・・先程ので1割程度、でしょうか。まぁ、相手様も能力を上げているようですし?本番はこれからですわーーーおいでなさい、刻々帝(ザフキエル)!」

 

 とある名を呼ぶと、彼女の後ろが時空が歪んだ様に変わり、そこから身の丈の倍は在ろうかという程の巨大な時計が姿を現した。

 

 ー何よ、あれ。あんな魔法やスキル、見たいとないわよー

 

 落ち着きながらも内心動揺する番外席次は、相手が次の手を打つ前に斬る、もしくは後ろの物を破壊する事に決めた。

 あらゆる武技を重ねた番外席次の動きは、正に人類最強と呼ばれるに・・・いや、この状態であれば一時は本当に世界最強と呼ぶに相応しい力だったーーー相手が相手でなければ、の話ではあるが。

 

「【一の弾(アレフ)】」

 

 ナイトメアが唱えると、時計のⅠから黒い靄が湧き出し左手の銃口へ入っていく。全て入るとナイトメアは銃口を向け引き金を引くーーー向けた方向は相手ではなく、自分のこめかみに。

 

 ドォン、と言う音と共に放たれる弾丸

 

 撃ち込まれた反動で仰け反る頭部

 

 いきなり自害した事に動揺を隠せず目を見開く番外席次。

 

 そしてーーー見開いた瞬間に消えるナイトメアの姿

 

「なっ!?何処にーーー」

 

 反射的に周りを確認する為に頭部を右へ向け、その後左へ向ける。左へ向けた瞬間、先程見た右から気配を感じ、悪寒が走る。

 振り向こうとした時には既に遅く、ドォンという音と共に脇腹に強い衝撃が襲いかかり撃たれたことを理解させられる。

 多少仰け反るも様々な武技を使用していた為何とか踏ん張る事が出来た。すぐさま撃たれた所に手を添える・・・すると痛みと共に疑問が湧いてきた。

 

 ー血が、出てない?ー

 

「キヒヒ。私の武器は貫通力はありませんの・・・代わりと言ってはなんですが、相応の衝撃をお送りいたしますわ。そして、突っ立っていて、構いませんの?」

 

 最後のセリフが聞こえた瞬間後方へ跳躍すると、先程居た場所が銃弾の衝撃で壊さていた。

 

「貴女の力はこの程度なのですか?大した事ありませんわねぇ?」

 

 両銃をクルクルと回しながら挑発めいた発言をする。すると番外席次はピクっ、と反応し・・・殺意が溢れてきた。

 

 「私を此処までコケにしたのはアンタが初めてよ。だからとっておきで殺してあげる!The goal of all life is death(あらゆる生ある者の目指すところは死である)!」

 

 ーあのスキルはモモンガが使っていたエクリプスのクラススキル!ー

 

 声には出さなかったが流石の私も驚きはした。何故ならあのスキルは誰もが使える様な簡易なスキルでは無く、とある職を極めなければ習得不可能な物だからだ。

使用した番外席次は勝ちを確信した表情を浮かべていた。

 

「エクリプスのクラススキル・・・貴女では使用不可能と思いますけど、まぁ良いでしょう。それにその様子だと『スキルの詳細』は知らない様に思えますものねぇ?」

 

「あら、知ってるなんて凄いわね?それに詳細なら知ってるわよ。貴女で試してあげるわ」

 

「そうですか。私、蘇生(・・)出来るとはいえ、御母様を悲しませる訳にはいきませんので対応させていただきますわ・・・刻々帝(ザフキエル)一の弾(アレフ)四の弾(ダレット)

 

 再びナイトメアが唱えると、時計のⅠとIVから黒い靄が湧き出し、左右の銃口へ入っていく。左手の銃を再び自分に撃つ、番外席次は同じ手は食わぬように臨戦態勢を取る・・・が、レベルやステータス差が響いており真後ろに現れたのに気付くのが遅れてしまった。そして、番外席次の身体に弾丸が撃ち込まれる。

 番外席次は衝撃が来ると身構えていたが、幾度と待つも衝撃は来なかった。

 

「何時まで身構えてるおつもりですの?」

 

 唐突に目の前に現れたナイトメアに驚きながらもバックステップをし距離を取る。番外席次はその瞬間、驚きもあったが一番頭の中を埋め尽くしたのは疑問だった。

 

 ーもう12秒なんて経った筈なのに、何で目の前のアイツは死んでないの?ー

 

「くく、不思議そうな顔をするではないか小娘。中々愛い表情じゃな」

 

「貴様はThe goal of all life is deathの本当のスキルの効果を理解していないという事だ!後ろを見てみるが良い」

 

 私のからかいにダークフェイスの挑発に苛立ちを現すも言われた通りに後ろを見る番外席次・・・そして、眼を見開いた。

 本来、The goal of all life is deathを使用すると本人の後ろに時計盤が現れるのだが・・・番外席次の後ろには時計盤が無かった。

 

「な、何で!?」

 

「それは、私がThe goal of all life is deathを使う前に時間を戻した(・・・)からですわ」

 

「時間を・・・戻、した?」

 

「キヒヒ、良い表情をされますわねぇ。その通り、私は時間を操る事に特化しているのですよ。如何に貴女が何をしようと・・・時間を操作すれば意味はありませんわ」

 

 とびきり良い笑顔でネタばらしをするナイトメアに、全ての行動が意味を成さないと言う現実を押し付けられた番外席次。

 

 ー私が、負けた?何も出来ずに、手も足も出ずに・・・?それじゃあ、私の今までは、生は、一体何の為にー

 

「おやおや、絶望に染まった御顔をしてますわねぇ。御母様、終わりましたわよ」

 

「うむ、ご苦労じゃったなナイトメア。さて、小娘」

 

 私はダークフェイスの肩から降り番外席次へ歩み始める。番外席次は呆然と私を眺めていた。

 

「お主、妾の元へ来ぬか?」




初のナイトメアの戦闘シーンになりましたが・・・いかがだったでしょうか?何度も狂三の戦闘シーン動画や設定等見ながら頑張らせていただきました。
暫くは絶死絶命・ジルクニフの話に・・・したい予定です。
変更はありえますのでご了承ください。
それでは次回お会いしましょう。
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