投稿して1日で読んでくれる方が多く、お気に入りもしてくれる方がいてくれました。ありがとうございます!
オーバーロードを見直し、自分の好きなクランと重ね、色々考えていた為思ったより早く投稿できました。
感想もお待ちしております。
目を閉じて終わりを待つ私はある違和感を覚えた。
いくら待ってもログアウト時に感じる一瞬の浮遊感を感じないのだ。
-ログアウトされない?運営のミスか、デマ情報だったのかな・・・まぁ、後者なら嬉しいけどね。とりあえず、お知らせが来てないか確認しないと―
私が確認の為に、そう。“いつもの“様にコンソールを操作しようとした・・・しかし、コンソールは現れず私の指は空を切る。
-コンソールが出ない?というか、私のこの手・・・げ、現実と変らない!?-
その真実に気付いた瞬間、全身に恐怖が包む。これではまるで大昔の小説みたいではないか・・・まさか、このユグドラシルはデスゲームと化してしまったのか。伸ばしていた右手開いては閉じて感触を確め、顔に手を宛て、表情筋の動きを確める。
-手だけじゃなく、顔も・・・そ、そんなバカな!?-
大昔の小説によればデスゲームはボスを倒さなければゲームから解放されない。そしてユグドラシルでボスといえば異形種であり、その中でも適任なのは上位に位置する私のようなプレイヤーだ。いくらデバフ特化の私でも大勢のプレイヤーを相手にするのは不可能だ。
「陛下っ!いかがなさいましたか!陛下っ!」
私が最悪の状態の可能性ばかり考えていると、外部からの大声によって現実に引き戻された。
「だ、ダークフェイス・・・?」
「その通りですっ!女王陛下によって最初に生み出された存在であり、メガコロニー最強の戦士で御座います!」
私に声をかけてきたのは“NPC“であるダークフェイス。
-・・・え?ダークフェイスが動いて、私と言葉を交わしている?-
まるで“生きている“かの様に。視線をダークフェイスから少しズラすと私が造り上げた子達が不安そうな顔をして私を見つめている。今の状況を色々確認したいけど、今は此処の子達を落ち着かせないと。
-《女帝のオーラⅠ》-
《女帝のオーラ》、このスキルは調べた限りでは私しか獲得していないスキル。獲得するには私と同じ存在になるしかない・・・しかし、女性が好んで蟲族を選ぶとは考えにくく使い手が私しか居ないのも頷ける。このオーラは、味方には安心感を与え、不安定な精神状態を解除する、敵には畏怖・恐怖・絶望などを与える。そして私はできるだけ優しく、泣きそうな赤ん坊をあやすように言った。
「妾は大丈夫だ、心配をかけたな。妾の愛おしい子供達よ」
優しく微笑むと、ダークフェイスや私を心配していた子達から安堵の表情が伺える。それを確認し、私は立ち上がり眼を閉じる。
-スキルの発動には問題はない、という事は私が本来の姿になるには―
以前は浮かび上がるアイコンをクリックすれば良かった。だけど、今はそんなもの存在しない。ということは、思い浮かぶ方法は1つしかない。
-イメージする事-
すると、私の身体に変化があった。眼を開け確認すると、自身の身体を淡い緑色の光に包まれており視界の高さが先程より1.5倍程高くなった。下半身は2本の足ではなく、先端が赤く、白い鋭利な8本の脚。腰と呼ぶ部分は、蜘蛛の頭胸部と腹部が合わさった様な姿をしている。色は主に赤く、鋭利な部分は白や鮮やかな緑で構成されている。そしてその中心部分から女性特有の華奢な身体が現れる。露出が多少あり、纏っているのは緑と紫で出来たビキニの様な物と、肩近くまで伸びている黒のロングカバー、所々緑のラインが走っており手のひら部分は赤く、緑の爪が5cm程伸びている。頭は額、側頭部をひし形のアーマーを装備しており、額のアーマーは右眼も覆っている。後頭部には緑色の大きな十字の様なものを付けている。髪は鮮やかな緑色、もみ上げはストレート、左右のアーマー下から伸びる髪はクルクルロール。
-そう、これが、この姿こそが本来の私の姿・・・【
「おぉ!とてもお美しいお姿で御座いますっ、陛下!」
ダークフェイスが興奮気味に片腕を上へ上げ、私を褒めちぎる。あれ、オーラ効いてない?
「ダークフェイス、黙っておれ」
「っ!?」
ダークフェイスは両手で口を隠し数メートル後ろへ下がる。すると周りの子達がその様子を見てクスクスと笑みを零す。それを見たダークフェイスがぐぬぬ、と悔しそうにしている。
さてと、私自身も落ち着いてきたし・・・今の状況を調べるとしましょう。
「マルティナ、近う寄れ」
「ハッ!何かな。陛下」
【牡丹の銃士マルティナ】、「壮麗」の花言葉を持つ牡丹をイメージして生まれたバイオロイド。強く美しく、銃士の誇りも忘れない優秀な少女だが、功を焦って突出する所が玉にキズ・・・まぁ、そこが可愛いんだけど。
「トゥーレと、地下の森林広場からグランクワガーモンを連れ門の前へ参れ。周囲の確認をする」
「陛下、それh-「陛下自ら出られるなど!危険で御座いますぞ、陛下!その程度、マシニング部隊に任せr」
「ダークフェイス」
「っ!?」
マルティナの言葉に重ね、先程黙らせたダークフェイスが再び大声で意見する。私はもう一度名を呼び直す、ほんの少し怒りを込めて。するとダークフェイスは再び口に両手を当て、数メートル下がる。
「あ、あはは・・・しかし、陛下。ダークフェイスの言う通りさ。陛下自ら赴かなくても配下の私達が出れば済む話なのでは?」
マルティナはダークフェイスの意見を纏め発言する。確かにその通りだ・・・でも―
「此処が妾達の知る森林なら問題無いが。もし違った場合、そこは未知の世界だ。そんな所を子らに行かせるのは酷な事。故に、妾が周囲の安全を確認してから捜索へ移る。異論は認めん」
ダークフェイスは異論出来ない歯痒さに身を震わせ、マルティナはやれやれと言った表情をし、他の子達は納得した表情をしていた。
「すまぬな、ダークフェイス。お前には別の任を与える。メガコロニーの警戒レベルを最大に、戦う力の無い者達は安全な場所へ。ダークフェイス、頼まれてくれぬか?」
優しく微笑みながら声をかけると
「お任せあれっ、直ちに!」
そう言い終えると、玉座の間から飛んで行った。
「・・・ちょろいのぉ」
「いや陛下、陛下が一番言っちゃダメだと思うよ。とにかく、私の方は了解。数分で門の前へ向かうよ」
「うむ、よろしい。お前達はこのまま玉座の間に待機し、迎撃に備えよ」
他のその場にいる子供達に命令を下し、子供達は頷く。それを見届けた後、ネックレスに軽く念じて大樹の門の前に転移した。
「ここから見る限り、ただの森じゃな。危険な気配も今の所は無いようじゃし」
そう、私・・・いや、私の子供達だとしても現状強敵と思われる気配は何も感じない。森を見ながらそう考えていると門が開いた。そこから出てきたのはグレドーラとしての私より倍以上の大きさを誇るクワガーモン系の最終形態のグランクワガーモン。大きく発達した6本脚、ギラファノコギリクワガタを思わせる鋭利な鋏を持つ。
-見た目はカッコいいとか、怖いとか言われることが多いけど。頭を良く見ると中々可愛い顔をしている・・・と私は思う―
そして、グランクワガーモンの前脚に乗っている紅白のバイオロイド。赤い方がマルティナ、白い方がトゥーレ。この2人は双子で、姉がマルティナ・妹がトゥーレ。トゥーレは姉のマルティナとは真逆の性格で、常に落ち着いて行動するタイプ・・・しかし、姉が傷ついたり無茶をすると泣いてしまう。というギャップがあり、この子も可愛い。
「陛下!待たせたね!現状一番元気のあるグランクワガーモンを連れてきたよ」
「えぇ、最高のパフォーマンスができると思います」
「ほぉ、それは期待できる。では参るぞ、まずは大樹を中心に半径2キロ程行くぞ」
私はグランクワガーモンの頭部に飛び乗り、グランクワガーモンは羽を羽ばたかせ飛行を開始する。しかし、進めど進めど感じていた通り脅威となりえる存在の気配は感じ取れなかった。マルティナとトゥーレも同様に感じていたのか、私の顔を見て首を左右に振る。そして話した2キロ地点に到達し、グランクワガーモンは飛行を止め、地面に着地する。
「ご苦労だったね、グランクワガーモン。ご褒美はハウスに戻ったらね」
マルティナはグランクワガーモンの頭を撫でながら労いの言葉をかける。
「如何なさいますか、陛下。ここまで危険が無いを確認できましたし、戻りますか?」
「それだけでは味気無い、ここいら一帯に妾の糸を張っておく。人間なら助けると体してメガコロニーへ連れて行き情報を引き出せば良い。獣の類なら妾の子達の食料にすれば良い」
私は軽く上に飛び、樹の真ん中辺りの高さで軽く蜘蛛の巣を張りその上に立つ。そしてそこから糸を巡らせ周囲一帯に糸を張る・・・うん、これ位張っておけば何か掛かるでしょう。それにしても、この森もう少し進むと抜けるのね。
「ふむ・・・少し進むと森が抜けるようじゃな。マルティナ、グランクワガーモンと共にここで待機。トゥーレ、共をせよ。
「「了解っ(です)」」
私とトゥーレは森を歩いて行き・・・そして抜けた。そこには草原が広がっており、所々に街道の様なものがあり、大きな街が近くにあった。遠く離れた所にも似たような街が見えた。
「都市、でしょうか。陛下」
「そのようじゃな。しかし、今妾が人型になり行くわけにもいかぬ。一旦戻り、策を練るとしよう」
「畏まりました、陛下」
私とトゥーレはマルティナの所へ戻り、グランクワガーモンに乗り直しメガコロニーへ帰還した。
モモンガさんと合わせるタイミングはちょい先になります。