オーバーロード ~百害女王~   作:ジェイ・デスサイズ

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皆さんの感想や評価が自分の意欲を維持できております。いつも読んで下さりありがとうございます。
先に謝罪を。今回の話、上手く書いているつもりですが此処最近体調不良が続いておりまして、その中で出来た物なので誤字脱字などありましたらよろしくお願いいたします。
それでは本編どうぞ


第6話 新しい家族

 トゥーレさんに案内してもらい、歩いて行くと転移する感覚に襲われ思わず眼を瞑る。少しして眼を開くと森全体が紅葉している森の中だった。森の綺麗な景色に私達は眼を奪われていると、少し先に歩いていたトゥーレさんが私達に気付き戻って来てくれた。

 

「どうしました、4人とも?」

 

「あ、あぁいや。こんな綺麗な森、見た事がなかったからさ」

 

「ふふ、そういう事ね。あぁ、そうだった。自己紹介がまだだったわね。私の名は【牡丹の銃士トゥーレ】、マルティナ姉さんの双子の妹」

 

 軽くお辞儀をしながら自己紹介をするトゥーレさん。私達は慌ててお辞儀をする。私も自己紹介をしようと口を開こうとしたらトゥーレさんの人差し指が当たった。

 

「キミから・・・いや、キミ達はまだいい。お客様に名を名乗るのは当然のこと。貴方達から聞くのは、またの機会に」

 

 そう言いながら優しく微笑むトゥーレさん。背景と相まって綺麗な絵と思う程だった。そして再び綺麗に整えられた道を歩いて行く。すると大きな屋敷が見えてきたんだけど・・・

 

「こ、こんな大きな洋館初めて見た・・・でも、高さが低め?」

 

「この建物は洋館ではなく屋敷と呼ばれるものよ。周りの楓の森に合わせて陛下がお造りになったの。そして、このお屋敷を任されているのがあの子よ」

 

 そう言いながらお屋敷の周囲に咲いている花に水をあげている少女が立っていた。ピンク色の花が添えられた黒く鍔の大きい帽子を被っていて黒のマント・ピンクと白の服・黄色で長いブーツ。腰にはピンクのポーチに金属の見た事の無い武器に大きくて長い針の様な物を装備していた。その少女がこちらに気付くと笑顔でこちらに手を振りながらこちらへやってくる。

 

「お屋敷の御勤めご苦労様ね、リアナ。ご紹介します、この子はリアナ。私と同じ銃士隊の1人よ」

 

「初めまして、私は【蓮の銃士リアナ】と申します。リアナと呼んで下さい、お客様」

 

「「「「よ、よろしくお願いいたします」」」」

 

「それではリアナ、私は自分の階層に戻るからお客様をよろしく」

 

「はい、任せて下さい。トゥーレさん」

 

 そう言い残すとトゥーレさんは自分の階層へ戻っていき、私達はリアナさんの案内のもとお屋敷の中へ入り部屋へ案内してもらった。

 

「それでは、何か御用が御座いましたらこのベルを鳴らしてください。すぐに参りますので」

 

 そしてリアナさんも職場へ戻り、部屋にはフォーサイトだけになった。

 

「・・・で、どうすんだ。アルシェ」

 

「っ・・・」

 

「正直な所、あたしは良いと思うけどね。アルシェには悪いけど、あたしなら縁切ってるわ」

 

「現実を知るのに良いのではないですか?」

 

「俺も同意見だ。少なくとも此処なら不自由な生活はしなくて済むしな」

 

「・・・少し別の部屋で考える」

 

 私はそう言って部屋を後にして、お庭にいたリアナさんに声をかけた。

 

「リアナさん、お願いしたいことが―」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・疲れた」

 

 予想外の出来事に疲れた私は自室のベッドに倒れた。

 

 ―いやだって、異世界なのに元の世界の私と殆ど同じ境遇の・・・しかもまだ学問を学ぶべき歳なのにこんな危険な仕事をして親の借金返済・・・そりゃ保護したくもなるわよっ!―

 

「でも、仮にあの子が受け入れたとしてもそれは断った時が怖いからよね・・・あぁ、ちゃんとそういった事も伝えておくんだった。恐怖による服従は将来的に必ずと言って良いほど爆発して反旗を翻すし」

 

 考えれば考える程マイナスに行ってしまう、私の悪い癖の1つだ。

 

「あぁ~ダメだダメだ。こういう時は本でも読もう」

 

 ベッドから起き上がり身だしなみを整えて図書館へ転移しようとした時にノックが聞こえた。

 

「陛下、お時間よろしいでしょうか」

 

「トゥーレか、如何した」

 

「はい、アルシェ様が陛下にお話しがあるとの事でお連れしました」

 

「そうか。では政務室へ案内せよ、妾も身支度を整えてから向かう」

 

「畏まりました」

 

 ―あの子が私に?決断には早すぎるし・・・自分が犠牲になる代わりに何かの交渉を?―

 

「取り敢えず行けば分かるわね」

 

 私は少しの不安を抱きながら政務室へ向かった、もちろん人間の姿で。部屋には私とアルシェのみ、トゥーレは廊下で控えている。

 

「それでどうした、アルシェよ。先程別れて一刻も過ぎておらぬぞ?それともあの屋敷は人間には不適合だったか?」

 

「い、いえ!そんなことはないですっ、とても居心地良くて落ち着きます。そうではなく・・・お、お尋ねしたい事が」

 

「ほぉ・・・何じゃ?」

 

「な、何故私を娘にすると・・・?ザミエールモン、さんが言ってました。【侵入者を生かし、更には客人へするなど過去になかった事】と」

 

「その事か・・・妾の友の過去と、お主の現状が酷似しておるのだ」

 

 私は立ち上がりアルシェの隣に腰を下ろし、自分の過去を友人と言い換え質問に答える。アルシェは怯える事は無く首を傾げる。

 

「ご友人の過去と、私が・・・?」

 

「うむ。あの時の妾には力が無くてな、とても悲しく悔しかった。お主の過去を見た時に思い出してな、それで思ったのだ・・・護りたい、と。じゃが、これは妾の勝手な想いだ。お主が妾の我が儘を聞く必要は無い。もし断ったとしても、此処についての記憶のみを消して森の出口付近に転移させるつもりじゃ」

 

 私は笑顔で話しかけ、優しく頭を撫でて上げる。気持ち良かったのか、眼を細めて撫でられてくれるアルシェ。

 

 ―うん、可愛い―

 

「妾の娘になるか否か、それはゆっくり考えr―」

 

 そう言い残して立ち上がり部屋を出ようとした際に服の裾を引っ張られた。振り返るともう答えは決めているか、しかし照れくさいのかほんのり頬を染めていた。

 

「あ、えっと・・・私はまだ子供だし、魔法もまだ未熟だし、迷惑ばかりかけてしまうかもしれないけど。グレドーラ様がお母さんになってくれたら、嬉しい、です」

 

「ほ、本当に良いのか?妾が言うのもなんだが妾は蜘蛛人で、歳は取っておるが人型での見た目的には母というより姉に近いぞ?」

 

「もちろん、です」

 

 はにかみながら笑顔で答えるアルシェの顔を見て、力が抜けた私は再びアルシェの隣に座った。

 

「ふふ、そうか・・・では、これからよろしく頼むぞ。妾の愛おしい娘よ」

 

 私はまたアルシェの頭を優しく撫で、アルシェは気持ち良さそうに眼を細め

 

「はい、よろしくお願いします。母様」

 

 笑顔で答えるのだった。

 

「うむ・・・トゥーレ、入れ」

 

 私の指示に従い部屋の中に入るトゥーレ。

 

「トゥーレ、アルシェは今をもって妾の娘となった。明日にでも皆に伝えよ」

 

「承知致しました、陛下・・・という事は、私の【妹】と言っても過言ではないですよね?」

 

「ん?まぁそういう事にもなるな」

 

 私に確認をするとトゥーレはアルシェの前に立ち

 

「はぁ、可愛い。なんて可愛いのでしょう」

 

 トゥーレは豊満な胸の中にアルシェの頭を埋め抱き締める。

 

「とと、トゥーレさん!?」

 

「ふふ、そういえばトゥーレは可愛い物好きだったな。そして自分が妹だから姉というのに憧れを持っていたのであろうな。良かったなトゥーレ、念願の妹じゃな」

 

 トゥーレは心底嬉しそうな表情を浮かべたままアルシェを抱き締め、アルシェは柔らかい胸の感触に顔を真っ赤に染める。

 

「ふふ、では妾は部屋に戻る。トゥーレ、堪能したらちゃんとアルシェを屋敷へ送るのだぞ・・・っと、そうだ。アルシェにはこれを渡しておかなければな」

 

 私は不意に右腕を前に出す。すると黒い靄のようなものが現れ私の腕は靄の中に消えた。その様子を見ていたアルシェは驚いていたが、私はただアイテムを漁っているだけなのだ。

 

 ―私も最初、欲しいアイテム思い浮かべながら何となく腕を前に出したら靄が出たり腕先が消えたりとかなり驚いたな―

 

 私は目当ての物を見つけると靄から腕を引き抜きアルシェの前へ行き、それを手渡す。

 

「これを身に付けておきなさい」

 

 私が渡したのは、私が所持しているメガコロニー内を好きに転移出来るネックレスとネックレスと同じ模様が施されたフィンガーレスグローブ。

 

「母様、これは?」

 

「ネックレスはこのメガコロニー内を自由に転移出来る物だ。そしてそのグローブは念じれば妾の愛おしい子供達がお前の想いに応えて転移してくれる物だ。身の危険を感じた時や、仕事で苦戦している時にでも使うが良い。しかし、使う時は周りの人間には気を付けるのだぞ。下手をすれば奪おうとする輩も現れる可能性がある・・・万が一、そういった状況や命の危険があった場合グローブで母を想え、必ずお前を守る」

 

 頭を優しく撫でながら私の想いを伝えた。それを受け取ったアルシェはトゥーレに抱き締められたままだが、何とか2つを身に付ける。

 

「良く似合っていますよ、アルシェ」

 

 ようやく抱擁を解いたトゥーレは2つの装飾品を身に付けたアルシェを褒める。そして褒められて照れるアルシェ。

 

「では、妾は今度こそ部屋へ戻る。アルシェ、甘えたくなったら妾の所へ来て良いからな」

 

 優しく微笑みながら言うと、今度は頬を赤くするアルシェ。その顔を見て満足した私は部屋へ転移した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんな凄いお宝、私なんかが貰って良いのかな」

 

 私は母様が転移で去った後、受け取った秘宝とも言えるアイテムを見ながら呟く。

 

「もちろんですよ、アルシェ。貴女は今やメガコロニーの宝と言っても過言では無い存在になったのですよ」

 

「わ、私が?」

 

「えぇ、もちろん。メガコロニーの皆、似た様な事を言う筈ですよ」

 

 ふふ、と笑顔で答えてくれるトゥーレさん。

 

「と、トゥーレさん。ダークフェイスさん、も?」

 

「私の事はトゥーレ(ねぇ)や姉様、姉さんと呼んで欲しいわ。それとダークフェイスの事だけど、あれは初めは喚くと思うけど、少し経てば認めると思うわ」

 

 ぽんぽんと、頭を撫でながら説明してくれるトゥーレ姉さん。

 

「じゃあ・・・トゥーレ姉様」

 

「っ!」

 

 笑顔で姉様の名前を呼ぶと母様が居た時と同じ表情をされた。喜んでくれたみたい。

 

「うん、それでお願いしますね。それでは屋敷に戻りますよ、アルシェ」

 

 姉様は私に手を差し出し、その手を取る。そして姉様の導きによって私は屋敷に戻り、仲間達に母様の娘になる事を伝えたが3人は分かってたといった顔をしていた。

 

「問題は、あの親と妹達か」

 

「そうね・・・でも、あの御方なら上手くやってくれるんじゃない?」

 

「えぇ、妹さん達の事も把握した上での提案と言っていましたしね。必ず2人も助けてくれる筈ですよ」

 

「うん・・・母様を信じる」

 

 ―ふふ、今日からはいつもより良く眠れそう―




アルシェが家族に、娘になりましたね。彼女に与えたアイテムがカッコよく使用出来るようにしたいものです。
それでは次回お会いしましょう
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