転生狼のテラ生活   作:ゆっくり妹紅

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就活はクソゲーだも!!

という訳で最終回です。



最終回・零式:変態に翻弄されるオオカミ

 

──ゲームのアークナイツにおいて『プロファイル』というものがある。これはどういったものか簡単に言ってしまえば、そのキャラの設定みたいなもので色々な情報が記載されている。まあ、キャラの過去だったり、出身地の情勢や設定などが書かれているという認識で間違ってないだろう。

そして、その中で1番最初の方に目につくのが『能力測定』のところだ。これは【物理強度】【戦場機動】【生理的耐性】【戦術立案】【戦闘技術】【アーツ適性】の計6つを評価したものであり、評価段階は下から『欠落』『普通』『標準』『優秀』『卓越』と5段階になっている。まあ、これは『優秀』と『卓越』が多ければ多いほどいいと思ってくれて大丈夫だろう。

 

さて、ここまで話してきた中で各項目での【卓越】というのはトップクラスみたいなものでその保有者は少ない(【アーツ適正】は操作できるオペレーターだと10人以上いた気がするが)。つまり、そいつらはその手に関してはロドスの中ではスペシャリストであり特に【戦術立案】や【戦闘技術】に関しては学べることが多かったりする。

 

まあここまで(約460文字分)ダラダラと説明してきたが、俺が言いたいことは1つ。

 

「あっはははは!楽しいね、ルーク!」

 

ラップランド、ガチで強すぎる。

 

 

 

 

*****

 

 

 

事の発端は俺が競合騎士時代に装備を融通してくれた分家から送られてきた2つの『仕掛け武器』と手紙だった。手紙の内容は要約すると『新しい武器作ったのに誰も試験運用に付き合ってくれません(ぴえん)。だからテストに付き合って下さいお願いします』というものだ。

 

本音を言わせてもらえば断りたかった。というのもこの分家の一族、『仕掛け武器』を作成するのはもちろんのこと、既存のものを改良をしたり新しいものを発明したりするのが大好きな変態しかいないのだ。まあ、それのおかげで金が足りなくなった所を俺は利用してとある契約を結び装備を提供してもらったんだが……如何せんこいつらのチョイスというか、センスはヤバすぎる。

個人的に一番それはないだろと思ったのは、折りたたみ式の棒に大型の曲剣を連結させることで大型の鎌になるというやつだ。はっきり言って慣れるまで時間かかったし、慣れてもめちゃくちゃ扱いづらかった。

ただ、やばさで一番凄かったのは大型の鉈を蛇腹剣のように内部にワイヤーを付けたやつだろうか。あれに関しては本当に殺意マシマシの『仕掛け武器』で一番嫌いだったな……もう二度と使いたくない。

 

話が逸れたが、こんな風にまともな物をを作ってくれないヤベー奴らだったがアイツらのおかげで俺はカジミェーシュから抜け出せたし、本家のドロドロした権力争いも終わらせることも出来たし、リスクがありすぎたし頼んでいないにも関わらず、今俺が使っているあの剣を俺専用に加工や微調整をした上で渡してくれたりと恩がありすぎる。なので、俺は送られてきた武器の試験運用をドーベルマン教官達から許可を貰ってから訓練室に行き、ほかのオペレーターたちの邪魔にならないように端っこで武器のテストをしていたところ、ラップランドが来てしまったのだ。……そう来てしまったのだ。

 

「一人でやるよりボクと二人でやった方がいいと思うよ」

 

頼んでもない上に1番相手にしたらだめなやつからそんなことを言われ、俺は面倒事になる前に断ろうとしたのだがその直後に双刀を振り下ろして来たので慌てて応戦してしまい、結果ラップランドのスイッチを入れてしまい先程から模擬戦という形で戦っているのだが。

 

「ほらほら、もうちょっとペースあげないとだめだよ?」

 

「うっせえわ!こちらとら慣れてねえ武器なんだよ!」

 

ラップランドの連撃を送られてきた『仕掛け武器』の一つである、日本刀と短刀で防いでいく。この武器の本来の形状は日本刀の柄の後ろに短刀をくっつけていたものなのだが、アーツを一定量未満流して柄を引っ張れば別れるという『仕掛け武器』だ。

今ラップランドと打ち合えているのは武器がまだ扱い慣れている日本刀だからというのが大きい。もし、これが刀剣類じゃなかったら今頃俺はラップランドの前に無様な姿を晒していただろう。

 

「いい加減、離れろ!!」

 

「おっと」

 

だが、このままずっとラップランドの距離で戦い続けるのは悪手だ。僅かな隙をついて無理やり蹴りを繰り出して防御させると同時に地面を思いっきり蹴って後ろに跳び距離を取る。

余裕そうな顔で距離を詰めないラップランドにムカついたところで本来の目的を思い出す。

今回の模擬戦の目的はあくまでも送られてきた『仕掛け武器』の試験運用だ。俺が頼んで付き合ってもらっている模擬戦でもなければ、ラップランドの地雷を踏み抜いてサンドバッグのパターンでもない。

全く、なんであいつはこんな風に分かりづらい気遣いしかできないんだろうか。まあ、ここは大船に乗った気分でなおかつ実践に近い意識で試験運用をやっていこう。

気持ちを切り替えたところで俺は刀を連結させて左腰に下げている鞘に納刀し、右腰に提げていた変わった形の曲剣を抜いてアーツを流し込んで仕掛けを作動させる。すると、曲剣が変形し弓の形になり、これにはラップランドも驚いたのか目を丸くしていた。

 

「矢筒を持ってるからまさかとは思わなかったけど、それが弓に変形するとは思わなかったよ。面白い武器だねぇ」

 

「ああ、同感だよ……それじゃあ始めるぞ」

 

ラップランドが頷いたと同時に腰に付けていた矢筒から矢をとって弓に番える。正直な話、弓はあんまり得意ではない。少しでも手札を増やすために練習はしたものの、結局二流止まりの腕前なのに加えて遠距離攻撃手段に関してはアーツによる斬撃波で解決して以来弓に関してはあまり力を入れてなかった。

 

だが、本気でやらなければこいつを作ったであろうエミリにも、相手をして貰っているラップランドにも失礼だ。

弓にアーツを流し込み弦を引く。

 

「最低15秒はあいつの距離にしないのを目標だな」

 

そう独り呟くと共にラップランドに向けて矢を放つ。

 

1射目は軽く横にずれる程度で躱される。だが1射目が躱されるのは予想以内、すぐに矢を番えて2射目を射る体勢に入り、再度アーツを込めて放つ、と同時に3射目をラップランドが避けるであろう位置に向けて射る。2射目は囮、本命の三射目で足を一瞬でも止められればと考えて放った矢は。

 

「流石だね。お礼にこれ返してあげるよ!」

 

「は!?」

 

ラップランドの手にしっかりと握られとてつもないスピードでこちらに投げ返された。いや、そうはならんやろ!今、現にそうなってるけども!

避けて射撃を続けるか考えるもその間に距離を詰められて斬られる可能性が高い。アーツを流して弓を曲剣に戻しつつ矢を躱して来るであろうラップランドの攻撃に備えようとして。

 

「そんな悠長でいいのかな?」

 

「くっ!?」

 

気がつけばラップランドが目の前におり、反射的に曲剣を横にしたと同時にとてつもない衝撃が曲剣を持っている手に伝わると同時に蹴りが繰り出される。

 

「ごはっ!?」

 

モロにお腹に蹴りがはいりその衝撃で肺から空気が出るような感覚と、胃から胃液などが口へ逆流してくるような嘔吐感に襲われるも何とか堪えつつ、追撃をさせないためにも曲剣を横に振って蹴られた勢いを利用して後ろに転がって距離をとる。

 

「あそこで反撃をしてくるとは思わなかったよ、手癖が悪いねぇ」

 

「先生が良かったからな、自然と覚えちまったんだよ!」

 

せめてものの抵抗として再度剣を弓にして矢を放つ。が、予想通りと言うべきかあっさりと刀で弾かれてしまい、接近を許してしまった。

 

「ぐっ!」

 

一撃目を何とか躱して弓を剣に戻し反撃しようとしたところで、見抜かれていたのか俺が振りかぶった剣は呆気なく手から弾き飛ばされてしまい、抵抗らしい抵抗をする前にラップランドに体当たりをされて耐えきれず地面に転がる。

 

「はい、チェックメイト」

 

そして急いで起き上がろうとした直後にラップランドがお腹の上に跨り、俺の首筋の近くに刀を突き立てた。うん、やっぱり今回もダメだったよ。

まあ、普段の使い慣れている装備でもコテンパンにされてるわけだから仕方ないことではある。だからといって悔しいという思いが無くなる訳では無いけども。あと……

 

「なあ、ラップランド」

 

「ん?何だい、ルーク」

 

「なんで、毎回俺の上に跨った上で首筋にそれ突き立てるの?」

 

そう、俺はこいつとの模擬戦に負ける度に地面に無様に転がされた挙句跨がれる。しかも、ちょっと動かしたら首に刃が当たるぐらいの近さに刀が突き立てられる傍迷惑なオマケ付き。

正直、いつその刀が本当に首に刺さるか怖くてたまらない。その上、いくら中身が残念とはいえ見た目だけは美人なこいつに跨がれると……とてつもなく悔しいがいつも恍惚な表情で見下ろしてくるのもあってドキドキしてしまう。

 

まあ、そんなわけで精神衛生上良くないのでやめて欲しいのだが。

 

「え、やだよ」

 

「即答かよ。てか早くどいてくれ」

 

「え、やだよ。抵抗できないルークをこうやって見下ろしてるの好きなんだから」

 

「お前マジでふざけんなよ」

 

こんなところ、こんな時に自分はSだってことを暴露するなよ。いや、何となく気づいてはいたけどさ……まさか、そんな理由で毎回押し倒されて跨がれていたなんて。

 

「頼むからどいてくれ。この後あの2つの武器の使い勝手とかまとめないと──」

 

「ところでさ、エミリって誰だい?」

 

──あ、終わった。

何故あいつの名前を知っているのか、何故そんなドスの効いた声を出しているのか、色々問いつめたいもののそんなことを聞けば見た目だけは可愛い死神に殺されるのは確定だ。

 

そのため俺に出来ることはただ正直に答えることしか出来ない。

そう思い、ティラノサウルスに抵抗するトリケラトプスのようにまっすぐ答える。

 

「えーと、幼馴染……みたいなものですかね……?」

 

「……模擬戦、もうちょっとやろうか」

 

抵抗する前に首元を噛み付かれたトリケラトプスの気分が何となくわかった気がした。

 

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

「えーと、ルーク大丈夫?」

 

「怪我はほぼないって意味では大丈夫ですが、精神的にはボロボロです」

 

「ねえ、ルーク。実際のところエミリって人とはどうな……うわ、露骨に嫌そうな顔するね」

 

「俺、それが原因でボコボコにされたんですけど?」

 

「でもさ、気になるじゃん?ここは俺のためと思って話してよー」

 

「……実際のところ、恩人ですかね」

 

「恩人?」

 

「ええ、俺がカジミェーシュにいたころは本当に世話になりましたからね。エミリ達がいなかったら俺はここにいないと言っても過言じゃないです」

 

「ほほぅ……ということは恋とかそっちに繋がったり?」

 

「それはないです(断言)」

 

「えぇ……なんでさ」

 

「確かに見た目はいいですよ、お世辞抜きで美人だと思いますしスタイルもバランスいいです。武器さえ関わらなければお淑やかな人です」

 

「それなら……」

 

「ただ、武器が関わるとさっきあげた長所が吹き飛ぶくらいの変態になるんですよ……正直武器と関わってる時のアイツとは話したくないです、というか顔も出来るだけ見たくないです」

 

「……ルークがそこまで言うなんてよっぽどなんだね」

 

「……なんで、俺の周りの女性は美人なのに一癖二癖ある変人ばっかりなんでしょうk」

 

「後ろだよ、ルーク」

 

「!!?」

 

ルークは死んだ。いくら真実や本当のことでも実際に口に出してはいけないことが多々ある。

特に女性関連のことは言ってはならないということをルークは知らなかった。

 

『口は災いの元』

 

ルークはこのことわざの意味を嫌という程身体に教えこまれたが、これが活かせられるかはまた別の話である。

 




もうすぐクランタ娘第2期(二アールイベ)が始まりますね。前衛二アールさんたちを当てる準備は出来ましたか?
私は出来ている(約70連分)

キャラ紹介

ルーク:毎回分からされてる転生者。そろそろ本当に死にそう。

ラップランド:めんどくさ可愛いラップランド概念を広めたい。

エミリ:ルークの『仕掛け武器』を作った本人。武器さえ関わらなければお淑やかな美人。武器が関わったら変態。この人の名前の由来というか、どのキャラを文字ったのか分かった人いたら凄いと思います(小並感)ヒント:アークナイツのキャラではない。

ドクター:ルークのことは面白いけど色々と残念なオペレーターだとは思ってる。

感想や批評お待ちしております。

貴方が想像するラップランドは……

  • 愛が激重なヤンデレ系
  • 愛は重いけど甘々系
  • 愛は重いけど可愛い子犬系
  • 愛は重いけどカッコイイスパダリ系
  • 愛が激重インフェルノですぐ嫉妬する系
  • 普通にやべーやつ
  • 可愛い(脳死)
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