凌辱エロゲの純愛トゥルーエンドのアフター風な、ヤンデレと泥沼な同棲ラブコメ   作:和鳳ハジメ

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がぶがぶ/7 お義父さん!?

 

 

「外堀がうまって行く気分はどうかね? 婿殿……」

 

「そんなに簡単に婿認定しないで頂けますか理事長っ!?」

 

 理事長室に入って早々、吉久を待ち受けていたのはげっそりとしたロマンスグレーのイケオジだった。

 彼こそが初雪の父であり、私立アングレカム学園の理事長である一乗寺吹雪である。

 

「君の気持ちは理解しない事もない、ああ、何せアイツは母親そっくりだからな…………。私の時も、逃げられずに……ううっ、思い出したくもない!!」

 

「聞きたくなかった、そんな情報……っ!? というか父親として! 理事長として! 娘が在学中に男子生徒と同棲とか良いんですかっ!?」

 

「ふむ、それを娘をコマした君に言う資格があるのかね?? あの様子だと深いところまで行ったのだろう?」

 

「父親として複雑な気持ちになるとか、こんな貧乏人に結婚は断じて許さない、とか無いんですか??」

 

 吉久の問いかけに、吹雪は深いため息を吐き出すと。

 

「…………君にも責任があるんだぞ婿殿」

 

「具体的には、というか婿殿止めて頂けます?」

 

「私に妻激似の子が在籍してる男の娘風俗を紹介したのは誰だったか?」

 

「それはバレるのが悪いんじゃないです??」

 

「ほう? ではちょっとした予算の使い込みの証拠の書類をアイツが握っていたのは? それも君だろう」

 

「僕だという証拠はあるので?」

 

「無いな、だが理事長として、一条寺の元当主としての勘がそう言っている。――竹清吉久、君は油断ならない男である、と」

 

「過分な評価ですね」

 

「そうかな、私の予想通りなら陵辱エロゲーや陵辱系官能小説の主人公と同じぐらい行動的で絶倫の持ち主だと思うのだが」

 

「理事長ってエロゲーとかするんです??」

 

「そこは義父さんと呼べぇい!! 初雪は任せたぞ!! 私はもう面倒な色恋沙汰には関わらんからな!!」

 

「そこは止めてくださいよ理事長っ!? というか恋愛にトラウマ持ってるんですかっ!?」

 

 初雪を止めたい吉久に、初雪に制圧されてしまった吹雪。

 当然、話は平行線である。

 

「諦めろ婿殿、君は特待生を維持出来るほど優秀……というか、初雪を学年トップにする為に本来ならばトップの所をわざと空欄にして点数を調整している可能性がある、と報告が上がっているぞ」

 

「う、うぐっ、あはははははっ、そんなの気のせいですって、そんなの出来たらマンガの主人公になれますよ!!」

 

「他にも娘の為に、色々と陰から尽くしてくれているらしいじゃないか。――まぁ、色々と怪しい所があるし娘に無体を働いた可能性も捨てきれないが」

 

 そこだ、そこを突けば彼とて父親として交際を止めるはず。

 吉久は形振り構わない勢いで、身を乗り出し。

 

「そうです、僕は――初雪さんに無理矢理関係を強要しました、本来は警察に突き出される筈の人間なんです、どうか、どうか初雪さんを説得して頂けませんか!!」

 

「それが嘘であれ真実であれ、娘が初めて言い出した我が儘にして、その実力を示す切っ掛けとなったのだ。――私は文句は言わんよ、命が惜しい」

 

 顔を青くする一条寺吹雪、初雪は父親に何をしたのだろうか。

 思わず血の気が引いた吉久であったが、怯んではいられない。

 このロマンスグレーのイケメンの他に、彼女を止められる人物など居ないのだ。

 

「そこは父親として娘の過ちを正し、市民の義務として犯罪者を警察に通報したりするべきでしょう!!」

 

「君は何を望んでいるのかね? 親の欲目ではあるが、申し分のない娘だ、何処に出しても恥ずかしくない良く出来た娘だ。アイツが君と結婚して幸せになると言うなら何の問題がある」

 

「僕が気持ちよく罪悪感に浸れて、かつ初雪さんを説得出来るように断固として反対して欲しいんですが??」

 

「やはり吉久君、君は中々に屑だな? うむ、黴が生えて腐りきって弱小化し親戚も居らずこの学園だけが頼みの綱で没落しそうな我が家門であるが、君ならば初雪と一緒になんとかなるだろう」

 

「どうしてそうなるんだよおおおおおおおおおおおっ!? 畜生っ!! 僕の様に汚らわしい人物は初雪さんと一緒に居ちゃいけないってのに!! 何故、何故僕は彼女を怪物にしてしまったんだ!! 汚したくないけど汚したいだけだったのに!!」

 

 盛大に嘆く娘婿(確定)に、吹雪は可愛そうな者を見る目で告げた。

 

「一条寺は代々、外面だけは良い家系でな。そこに良くも悪くも情熱的すぎる母親の性質を受け継いでしまったんだろう…………。懐かしいなぁ、脅迫されて逆レイプされ、挙げ句に子供が出来たと。……だが私も頑なで愚かだったのだな、喪ってから愛していた事に気づくとは…………」

 

 悲しい顔で思い出に耽る理事長に、吉久も思わず涙腺が緩む。

 と同時に頭の冷静な部分が、似たような事を彼女にしてしまったのでは? と告げる。

 冷や汗をかく彼に、吹雪は続けた。 

 

「私はな、今でもあの子の母を忘れられないのだ。だから君が男の娘の風俗をそれとなく進めたとき、お気にのあの男の娘を見たとき、衝撃が走ったのだ……、私はまだ、思い出に浸れるのだと」

 

「そこはもう少し、娘に目をやってどうぞ??」

 

「娘を見ると、辛いのだ。今でもな……どうしてもあの子の母の姿がちらつく、喪失感が襲ってくるのだ。…………だから、初雪には悪いことをしたと思っている、今更、父親面なんて出来んよ」

 

「…………だからって、僕に任せるんですか」

 

「そうだ、君がどの様な手段で、あの子とどんな関係になったか知らないが。過程はともあれ、初雪の心を埋めてくれたのだ。――せめて、幸せになってくれると祈っている」

 

 そう語る吹雪に、吉久は鋭く切り込んだ。

 

「娘に家の権力を奪われた割に平気そうですね、風俗通いを止めてる気配が無い……その胸ポケットからチラ見してる紙、あの男の娘の風俗店のサービス券ですよね、しかも最近の」

 

「家の実権と、君との交際を認めれば。後は仕事をしてれば自由にして良いと言ってきてな、悪く思うな、私は娘婿より――男の娘風俗を優先する!!」

 

「このクソ親がっ!! けど僕が勧めた以上、責められないっ!! どうして僕は初雪さんを脅迫する為に理事長へ風俗を勧めてしまったんだ!!」

 

 膝から崩れ落ちて悔いる吉久に、一条寺吹雪は頼もしそうに見つめた。

 

(この状況で父親である私に直談判、そして私や教頭のみならず、数々の教師や生徒と親交があるコミュニケーション能力。更に犯罪もやむ無しで欲しいものを確実に手に入れる行動力……)

 

 挙げるべきは、それだけではない。

 

(犯罪の尻尾を掴ませないのも評価するべき点だ。うむ、彼は確保するべきだな、弱点は我が娘だが……主導権は娘にあるようだし何の問題もない)

 

 家の事を考えれば、下手に政略結婚を企むよりよっぽど良縁だ。

 

「――さ、そろそろホームルームが始まる時間だ。教室に戻りなさい婿殿」

 

「くっ、絶対に後悔しますからね義父さん!! もし僕がお腹を刺されたら犯人は初雪さんなんで絶対に通報しないでくださいよ!!」

 

「なんでそんなにドロドロの関係築いているんだ婿殿??」

 

 頭を抱えて出て行った少年を、吹雪はあの頃を思い出すと複雑な思いで見送って。

 

「…………――――ふむ、お祝いとして防刃ベストでも送るべきかな? それとも週間マンガ雑誌、いや分厚い月刊雑誌を定期購読の方が……しかし、初雪には彼を憎んでいる気配なんて……うむ、分からん」

 

 等と呟いていたのは、吉久は知る由もなく。

 差し当たっての問題は、階段の踊り場ではち合わせた初雪に壁ドンされている事であり。

 

「ねぇ吉久君? 教室から消えたと思えば……いったい、何処に行っていらしたのです?」

 

「ああ、ちょっとヤボ用があってね。初雪さんに言わずに出て行ったのは悪いと思ってるよ」

 

「嘘つき、ちっとも悪いと思っていないでしょう。それに――見ましたよ? 理事長室から出てきたでしょう」

 

「そうかい? 前を通りがかっただけさ」

 

「………………中の会話を盗聴していた、と言っても? ご覧になりますか? 最新の技術は素晴らしいですね、音声を認識して自動で文字に起こしスマホに送れる様になるなんて、ええ、録音もしてありますよ? 嗚呼、動画の方がお好みですか?」

 

「ねぇ初雪さん? 君さぁ、僕よりヤバそうな事してない??」

 

「ッ!! 貴方という人はいつもいつもッ!!」

 

 表面上は余裕を崩さず、冷静に言葉を返す吉久。

 その姿に、初雪は唇を噛む。

 

(どうして、どうしてそうなんです? 父の所に行って、何を話していたかなんて盗聴しなくたって分かりますッ!!)

 

 そして実際に、盗聴をしていたからこそ余計に腹立たしい。

 目の前の愛しい男は、昨日誓ってなお初雪から離れようと画策している。

 ありもしない幻想を、憧れを拗らせ、彼女を一人にしようとしている。

 

(もう、――貴方という温もり無しでは生きられないと言うのにッ!!)

 

 もし今の状況が、普通の恋愛の結果なら初雪は憤りを覚えなかっただろう。

 だが違う、吉久という男は己を卑劣な手段で抵抗を許さず、身も心も犯したのだ、尊厳を全て壊されるような陵辱を行ったのだ。

 決して、断じて、魂にかけても。

 

「――――許しません、吉久君、私は貴方を許しません」

 

「いいよそれで、僕は君に許されようとなんて思っていない」

 

「~~~~ッ!! その態度が気にくわないと言っているのですッ!! 許しを請いなさいッ、何もかも許してくれと土下座しなさい!! そしたら私はッ、私は……ッ!!」

 

「許すって? でもそれは嘘だ、僕の気持ちに、そして何より君の気持ちに嘘を付くコトになる」

 

「貴方に私の何が分かるのですかッ!!」

 

「分かるよ、少なくとも僕を憎んでいるって。初雪さんはさ、勘違いしてるんだよ。憎みすぎて僕を愛してるって錯覚してるんだ」

 

「~~~~~~ぁ!! 竹清吉久ッ!!」

 

 次の瞬間、吉久の腹部に鈍い衝撃が走る。

 思わず体を折り曲げたその時、頭や背中にも痛みが起こった。

 

 

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