ありふれた異世界で剣を振るう   作:オルフェイス

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四話です。


亜人、豹変のハウリア

 森人族の長老に連れられ、俺達はフェアベルゲンに向かうことになった。

 

 道中も魔物が出てきはしたが、殆ど先制攻撃で全滅するので大した手間でもなかった。強くはないが面倒、といった感じだ。

 

 だいたい一時間ほど歩いたくらいだろうか、突如【ハルツィナ樹海】を覆っていた霧が晴れ、一本の道が現れた。

 晴れた、というよりは退いた、というのが正しいのだろう。一本の道だけ霧に覆われていない様は、まるで霧のトンネルを通っているかのようだった。

 

 よくよく見てみれば道の端に拳大ほどの結晶が地面に半分埋め込まれ、そこを境目に霧が入らないようにしているらしい。

 なるほど、確かにこれを使えば【ハルツィナ樹海】での生活に困ることはないのだろう。

 直感だが、魔物相手にも多少の効果は見込めるようだ。無論、あくまで多少だが。

 

 さらに進むと、眼前に巨大な門が見えてきた。両開きの大扉が十メートルほどはあり、天然の樹で作られた防壁は三十メートルはあるだろうか。まさしく亜人の国の防壁に相応しいと言えた。

 

 防壁の上には見張りの亜人族もいるが、特に何か言ってくる様子はない。まぁ驚いた様子でこちらを警戒してはいるが、長老もいるので何も言わないのだろう。

 

 門が開かれ先に進むと、フェアベルゲンという国がよくわかる光景が目に写った。

 一言で言えば、自然と調和した街、だろうか。あまりの美しさにフェアベルゲンに初めて来た俺達は何も言えなくなった。

 

 思わず足を止めそうになるが、場合によっては後で沢山見ることになるのだから、見るのは後回しだ。立ち止まったユエと南雲の肩を叩き、そのまま進むよう促した。

 

 

 そうしてフェアベルゲンの中を進み、俺達は長老の用意した場所で詳しい話をすることになった。

 

 

「……なるほど、試練に神代魔法、それに神の盤上か……」

 

「神云々はともかく、俺達には神代魔法が必要だ。だから大樹に行きたい」

 

 

 長老にオスカー・オルクスの隠れ家で得た情報を話せば、多少驚きはしたが理解と納得をしてくれた。

 そして俺達をここまで容易く通してくれた理由も判明した。

 

 曰く口伝で『樹海の地に七大迷宮を示す紋章を持つ者が現れたらそれがどのような者であれ敵対しないこと、そして、その者を気に入ったのなら望む場所に連れて行くこと』と伝えられていたらしい。

 俺達は資格を持っていた。だからあんなに簡単にフェアベルゲンにまで通してくれた。そういうことだろう。

 

 俺達が要求するのは、深部にある大樹へ進むことへの許可。なくても無理矢理に押し通るつもりではあるが、許可を貰えるのならそれで構わない。そしてフェアベルゲンでの滞在は、別になくてもいいというのが本音だった。

 

 確かに綺麗ではあった。美しいのだろう。だが、ここは俺達もそうだが……何よりハウリアには厳しい場所だ。下手なことを考える輩がいないとも限らない。

 

 

「色々と考えた結果、フェアベルゲンへの滞在はしなくてもいい、という結論になった」

 

「私としては滞在してくれても構わないのだが……確かに、他の者が黙ってはいないだろうな」

 

 

 長老は納得した様子で頷いている。敵対しないというのであればそれでいいのだが、もし敵対しようものなら俺達……というかユエと南雲は手加減しないだろう。

 俺の場合は、手加減するかしないかの問題ではなく、手加減できないので論外なのだが。

 

 そうこうして話していると、下が騒がしくなってきた。

 俺達がいるのは最上階にあたり、ハウリアたちとシアは下に待機させていた。多分話の内容についていけないだろうから。

 

 急いで階下まで向かえば、そこでは大柄な熊の亜人族や虎の亜人族、狐の亜人族、背中から羽を生やした亜人族、小さく毛むくじゃらのドワーフらしき亜人族が、剣呑な眼差しでハウリア族を睨みつけていた。

 

 恐らく、面子からしてアルフレリック以外の他の長老だろう。改めてハウリアたちを見れば、殴られでもしたのかシアとカムの頬が腫れている。

 

 ……いや、なるほど。話し合うつもりはないわけか。不倶戴天の敵である人間。そして同じく不倶戴天の敵である魔物と同じ体質を持つ輩は、例え同じ亜人族であれ生存を許してはいけない、と。

 

 ……少し待つか。俺が何もしなくても、あちらから仕掛けてくる。そう直感が囁いていた。

 

 降りてきた俺達に怒りを必死に抑え込みながらも話しかけてきたのは、熊の亜人だった。

 

 

「アルフレリック……貴様、どういうつもりだ。なぜ人間を招き入れた? こいつら兎人族もだ。忌み子にこの地を踏ませるなど……返答によっては、長老会議にて貴様に処分を下すことになるぞ」

 

「なに、口伝に従ったまでだ。お前達も各種族の長老の座にあるのだ。事情は理解できるはずだが?」

 

「何が口伝だ! そんなもの眉唾物ではないか! フェアベルゲン建国以来一度も実行されたことなどないではないか!」

 

「だから、今回が最初になるのだろう。それだけのことだ。お前達も長老なら口伝には従え。それが掟だ。我ら長老の座にあるものが掟を軽視してどうする」

 

「なら、こんな人間族の小僧が資格者だとでも言うのか!」

 

「そうだ。わかっているだろう、あの殺気は、常人では決して放つことのできないものだ。戦えば死ぬと、わかっているはずだ」

 

「っ……!」

 

 

 ギリギリと歯を噛みしめる熊の亜人。他の長老も見てみれば、中には恐怖から身体を震わせる者もいた。まぁそれ以上に敵愾心を持つ者の方が多いのだが。

 

 どのくらい届いたのかは知らないが、本気を出していないあの程度でこのざまだ。やはり奈落を基準に調整するのはやめておいたほうがいいか。

 

 

「おい、小僧! 俺と決闘しろ!」

 

「いいぞ。じゃあ今からやろう」

 

「は?」

 

 

 熊の亜人が呆けた声をあげる中、俺は躊躇いもなく刀を振り抜いた。

 

 

「まっ」

 

 

 待ってくれ、とアルフレリックが言いかけたようだが、その言葉を言い終わる前にやることは済ませておいた。

 

 といってもまぁ、殺したわけではない。刀を振り抜き、そのまま〝剣閃領域〟を発動。細かく小さな斬撃を無数に発生させて熊の亜人にギリギリ当たらないようにしただけだ。

 

 で、それでどうなるかというと。

 

 

「なっ……」

 

 

 細切れになった服が地面に落ちる。残ったのは下着を残して半裸となった熊の亜人と、着ていた服の残骸のみ。

 

 まぁ、こうなる。

 

 

「今は当てなかったが、次は斬る。少なくともお前が動くより早くな」

 

「きっ、貴様ぁ!」

 

「よせ、ジン。お前では彼には勝てないことはわかっただろう。彼が本気なら、お前は既に殺されている」

 

「ぐっ」

 

 

 どうやら今の一連の流れを『視認できないほどの高速の斬撃を行った』と見たらしいアルフレリックが、熊の亜人……ジンと言った男を諭していた。

 

 本当は〝剣閃領域〟で見えない斬撃を発生させただけなのだが、俺自身〝剣閃領域〟を使わなくても似たようなことは出来るので黙っておこう。

 

 ジンと呼ばれた亜人が何もできなかったためか、長老たちは黙り込んでいる。そこに、俺は問を投げかけた。

 

 

「それじゃあ、あんたらはどうする。俺達を資格者として認めるか、認めないか────そして敵対するのか。選べ」

 

 

 

 

 

 

 ▼▽▼▽▼▽

 

 

 

 

 

 

「無事何事もなく済んだな」

 

「え、あ、は、はい……?」

 

「何事もなかったかなぁ、あれ」

 

「……ん」

 

 

 しばらく続いた『話し合い』の結果、ハウリア族及びシアを俺達の身内として見逃す代わりに、フェアベルゲンの立ち入りは禁止となった。

 そこはどうだっていいので、置いておく。

 ただ、長老たちがシアとハウリア族を全員処刑するつもりだったのは許せなかったので、久々に全力で〝殺刃気〟を使ってしまった。

 

 幸いにも外にまで影響は及ぼさないように調整できたが、代わりに長老全員が気絶することになったので時間が掛かってしまった。

 改めて『話し合い』をしたらハウリア全員見逃すことを許してくれたので、こちらとしては助かる限りである。

 

 

「み、見逃すというか……あれ、完全に脅してましたよね……?」

 

「いいんだよ。往生際の悪い彼らのせいなんだから」

 

「ん。さっさと認めてれば、怖い思いはせずに済んだ」

 

「ユエさんとハジメさんが怖い!」

 

 

 シアが兎耳をブワッと膨らませて怖がっているが、戦闘もなく人死にもなかったのだから、何事もなかった、でいいのだ。俺はそう思ってる。

 

 

「というか、ハウリア全員助かったのに喜ばないのか?」

 

「あ、はい。その……急展開過ぎて、色々ついていけなかったというか……」

 

「まぁ、そうかもな。だけどフェアベルゲンには入れなくなったし、シアだけじゃなくて他のハウリアも鍛えたほうが良さそうだ」

 

「あの、それって……?」

 

 

 シアは不安そうに兎耳をこちらに向けてくる。なぜか他のハウリアも一緒に。

 当然ながら、足手まといを連れての旅は出来ない。どこかしらで置いていくことになる。

 

 ので、予定にはなかったがハウリア族強化計画を開始したいと思います。

 

 

「そ、それは……我々にとってもありがたいことではあります。ですが……」

 

「自分達が本当に強くなれるのか、か?」

 

「……はい、そのとおりです」

 

 

 カムが一族を代表して言ったが、他のハウリアたちも不安を隠しきれていない。

 シアはもう既に覚悟を決めているのか目線は揺らいでいないが、他の奴等にまで同じものを要求するのは酷だろう。

 

 だが、やらなくてはならない。

 

 

「出来るかどうかは、この際捨て置け。今のお前たちに必要なのはやる意志だ」

 

「意志、ですか?」

 

「あぁ。このままいけば、お前たちは死ぬ。ずっとお前たちのことを守ってやれるほど俺達は暇じゃない。案内が終わればそこでさようなら、だ。だから、お前たちは鍛えて強くなるしか道はないんだよ。そうじゃなきゃ、人間であれ、魔物であれ……なんなら亜人族でもいい。何かしらに殺されるだけだ」

 

「…………」

 

 

 言葉にしてみればひどい現実だ。カム含めた他のハウリアも押し黙り、末路を想像したのか泣き出しそうになる者もいた。

 しかし、全て事実だ。ハウリアは弱い、故に淘汰される他ない。強くなる以外には。

 

 

「大樹の霧が晴れるまでには、あと十日は掛かる。その間に、最低限生き残れるだけの力は身に着けさせる。何か質問はあるか?」

 

「……ありません。それ以外に方法がないというのであれば、宜しく頼みます、紅郎殿」

 

「よし、じゃあ早速やるか。まずは魔物を殺すところから始めるぞ」

 

 

 こうして、大樹に行けるまでの十日間でハウリア族を強くする突貫訓練が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……のだが。

 

 開始一日にして、問題が発生した。

 

 それは、ハウリアは殺しに関しては非常に面倒臭い、ということである。

 

 ハウリア族は真面目に魔物を殺しているし、教えた通りのことはやっている。南雲が作ってくれた謹製の武器で魔物をちゃんと殺せている。それはいい。問題ない。

 シアは、まずは魔力操作からやらなくてはならないのでユエが教えている。その合間合間に戦闘方法を教えるのが俺の仕事だ。

 

 で、問題のハウリアだが……一々魔物を殺す度に面倒臭いのだ。

 

 例えば。

 

「ああ、どうか罪深い私を許してくれぇ~」

 

 とか。

 

「ごめんなさいっ! ごめんなさいっ! それでも私はやるしかないのぉ!」

 

 とか。

 

「ふっ、これが刃を向けた私への罰というわけか……当然の結果だな……」

 

 とか……それはもう、面倒くさい。正直見てるこっちが恥ずかしくなってくるレベルで。

 

 今は魔物を……命を奪い殺すことに慣れさせることが必要なので、今は見逃している。

 が、ハウリアは花やら虫やらの命も気にしている。具体的に言うと見掛けたらうっかり潰してしまわないようにしている。

 

 俺は、それを悪いとは言わない。けど、流石に度が過ぎてる。これでは本当に生き残れるのかこっちが不安になる。シアの方は順調なんだが……

 

 

「いや、まじでどうしよう。予想以上に面倒なんだけど」

 

「……紅郎、ハウリア貸してくれない?」

 

「貸すって……いやいいけど。何するんだ?」

 

「んーん、ちょっと心を叩いて壊すだけだから、安心していいよ。紅郎はユエとシアを見ててあげて」

 

「叩……あ、うん、頼めるか?」

 

「任せて」

 

 

 という会話もあり、俺はシアの方に集中して鍛え上げることになった。

 

 この時点で嫌な予感はしていた。南雲の笑顔が怖かったし、ハウリアに何を施す気なのだろうとは思った。

 

 けど、ハウリアは性根からどうにかしないと駄目だと理解していたので、任せることにしたのだ。

 

 

 まさか十日後にあんなことになるなんて、思いもよらなかったのである─────

 

 

 

 

 

 

 

 

「パワータイプにするとは言ったが、兎人族としての隠密性も活かせ! 奇襲、強襲、不意打ち、出来ることはなんでもしろ。お前の身体能力なら、一度でも直撃を食らわせれば大抵それで終わるんだからな」

 

「は、はい!」

 

「反応速度も上げろ。状況に応じて強化する部位の比率を変えろ。足なら足に集中させ、腕なら腕に、身体全体なら満遍なく、だ。相手が自分よりも速ければ目を強化するのも一つの手だ」

 

「はい!」

 

「自前の武器だけに拘るな。必要とあれば敵から奪え。環境から武器を作り出せ。そして追い込まれようと、どのような状況であれ活路はある。諦めない心を持て」

 

「はい……!」

 

「敵を倒すのに躊躇はするな。躊躇すれば、お前だけでなくお前の家族も殺される。その『もしも』を考え、行動しろ」

 

「っ、はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「でぇやぁああ!!」

 

 

 森の中。十日目の朝。

 

 俺は今、ユエとシアの戦いを見ていた。

 

 魔力操作はユエから習い、それが終われば俺からの鍛錬にシフトチェンジ。戦うときの心構えと使えるものはなんでも使え、という考えを教えた。

 

 シアはパワータイプで、俺はスピードタイプ。タイプこそ違えど実力差は歴然なので、決して本気は出さずに実戦形式での鍛錬を行った。

 

 そのおかげか、シアは自慢のウサミミによる音での状況把握と兎人族としての隠密性、そして身体能力を活かした『パワーアサシン』と化した。もちろん、直接戦闘の方法も鍛えてある。というかそっちのほうが得意そう。

 

 で、十日に及ぶ鍛錬訓練特訓も終わり、最後の難関であるユエとの戦いに出たわけだが……

 

 

「やぁぁぁぁ!」

 

 

 予想以上に奮闘した。

 

 ある程度ユエの戦闘スタイルを教えたためか、シアは決して動きを止めず的を絞らせない。生える木々を盾代りに使いながら走り回り、ユエの魔法を回避している。

 

 一瞬でもシアを見逃せば、死角からの強襲がユエを襲う。最も何度かやってユエもパターンを覚えて対応されて以降は、死角を取れても攻めたりはしなくなったが。

 

 格上との戦闘で大事なのは、どれだけ自分が消耗せず相手を削れるか。そしてどれだけ自分の土俵で戦えるか。これに尽きる。

 だからユエとの戦闘で真正面からは戦わないように教えたし、同じような戦法をシア自身がやられる側になって体験させた。

 

 されて嫌なことをすれば、自ずと削れる。シアの戦い方は、そのようなものだった。

 

 ……まぁ、これはあくまでユエが本気を出さないことを前提とした戦術なのだが。

 

 結局最後は、誘い込まれたシアが魔法で頭だけ残して凍らされてゲームセットだった。

 もっと経験を積んでいれば、アレが罠だとわかったのだろうが……だが、上出来だろう。

 

 

「シアの勝ち、だな」

 

「えっ!? 本当ですか!? やったぁ~! あっでも寒いので早く魔法解いてくださいユエさん……」

 

「…………すごく不満」

 

 

 私、納得してません! とでも言わんばかりに不満を露わにしている。しかしながら、勝負の内容としては『傷をつけたらシアの勝ち』と決めているので、これはもう決定事項である。

 何せ、頬に傷がついている。今は自動再生で消えているが、確かに傷はあった。俺は見ましたよ、ちゃんと。

 

 なので、シアの勝ちである。

 

 

「うぅ……寒かったですぅ」

 

「よく頑張った。流石だな」

 

「はい! 紅郎さんが鍛えてくれたおかげで勝てました!」

 

「……紅郎、シアが厭らしかった」

 

「私が厭らしい女みたいな発言やめてくださいよ!?」

 

 

 厭らしい、とは言うが、こうでもしなければシアはユエに勝てない可能性が高かった。もちろん身体能力を存分に活かした戦い方でも勝ちは拾えたかもしれないが……勝率は高くしたほうがいい。

 

 なにせシアが戦っていたのは、俺の信じる魔法最強の吸血姫なのだから。

 

 

「……じゃあ、仕方ない」

 

「惚気ですか?」

 

「そんなつもりはない。事実だ」

 

「惚気ですね〜」

 

 

 ニヨニヨとこちらを見てくるシアに、お仕置きの意味も込めてアイアンクロー。南雲には及ばないが、俺の筋力も相当なものなので痛いことだろう。

 

 

「痛い痛い痛いですぅ! ユ、ユエさんへるぷ! へるぷみー!」

 

「……ふふ」

 

「紅郎さんにやられてデレデレしてるぅ!」

 

 

 わーぎゃーうるさいので、アイアンクローをやめて放り出す。

 

 頭を抑えながらクラクラと揺れるシア。しかしそれなりに本気を出したのに痛いと言うだけで済んでいるのだから、かなりの耐久力だ。

 

 

「こっちは終わったし、そろそろ南雲のところに行くぞ」

 

「あ、はい! みんな元気にしてるといいんですけど……」

 

「……ん」

 

 

 シアの試練も済んだところなので、そろそろ南雲のいるあたりまで進むことになった。

 

 ただ……うん、なんだろうな。何か致命的な間違いをしてしまったような気がするのだ。

 やらせてはいけない人物に、やらせてはいけないことをさせてしまったような……そんな感じのが。

 

 

「……いや、まさかな」

 

 

 まさか南雲がそんなわけないだろう。

 

 ……と、南雲のいる場所に戻るまでは、そう思えた。

 

 しかし、現実は非情である。

 

 

「「「「「お久しぶりです! ビックボス!」」」」」

 

「おい誰がビックボスだこら」

 

 

 目前には、温厚さな雰囲気を醸し出していたハウリアはおらず、いるのはギラギラとした目を持つ別の何かであった。

 申し訳程度に兎耳があるが、全然殺意を隠そうともしていない。

 

 

 ……いや、何があったんだ、マジで。

 

 

 




ちなみに前話に文字を隠していたのですが、気付いた方はどのくらいいたかな?
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