褪せた夢中の千年桜   作:rippsan

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気付けば一年が経っていたと言う。
 失踪はしていませんしする予定もありません。
お待ちいただいていた方が居りましたら大変長らくお待たせいたしました。今後も筆は遅いながら書き進めて行こうと思っておりますので、何卒お待ち下さいませ。
 朝日FS編も残り一本。次なるレースは「皐月賞」編となります。そちらもどうぞよろしくお願いします。


夢の蕾が芽吹く時

 年の瀬が迫った阪神レース場。身を切るような北風に迎えられて降り立った兵庫の地では、私の目標であり初めてのG1レース「朝日FS」が出走の時を待っていた。

 カーテンに遮られた更衣室のスペースで、真新しい勝負服に袖を通す。真正面の鏡に映った私の姿を目にして、自然と背筋が伸びる。

 

「ついに、来たんだ」

 

 鏡の前で幾つかのポーズを取れば、桜色の袖が風に舞う花弁のようにひらりひらりと揺れる。イメージした通りの出来映えに思わず笑みが浮かぶ。

 

「頑張るぞ。チヨノ・オー」

 

 小さく発破の掛け声を上げ、更衣室を出る。

 遠くで聞こえる人々ざわめきはメイクデビューのそれとは大きく異なり、迫力に圧されながら控え室に向かうこととなる。

 

 

 控え室で迎える出走前のプレッシャー。ターフに近付く程に観客席の熱はリアルに伝わり、時増し程に増えていく人のざわめきが今では歓声と相違ないくらいにまで膨れ上がっている。

 

「うう、これがG1レース」

「やっぱり違うでしょ。自分の出走するレースとなると」

 

 後ろの壁でバインダーを眺めるトレーナーさんが資料を捲りながらそう口にする。

 その態度はいつも通りに落ち着いていて、場に呑まれない態度が私の緊張感を和らげてくれている。

 

「はい。ミスリルさんのレース観戦もしましたし、マルゼンさんのレース映像も沢山見てきました。でもこの雰囲気はどちらとも違って....」

「応援する立場じゃないからね。君自身がレースの主役であり、ターフを駆ける戦士の一人だ。受けるプレッシャーも、背負う期待も、抱く思いだって一味も二味も違うはずだ」

「そうですね。凄く重いです」

「押し潰されたら駄目だよ。深呼吸して、それに負けない意思を持って」

「はい!では、トレーナーさんもご一緒に」

「ん、了解」

 

彼の掛け声に合わせ、二人で深呼吸をする。体に溜まったずんと重い空気が吐き出され、代わりに会場のビリビリとした空気が全身に行き渡り力が籠る。

 化粧台の前に置いた携帯電話が通知音鳴らす。

手に取って画面を見れば、同室のウマ娘「メジロアルダン」からのLANEのメッセージ通知だった。

 

「あ....」

「どうかした?」

「いえ、アルダンさん。今日はお休みなんだそうで」

「メジロアルダン?出走予定は無い筈だけど、観戦のこと?」

「はい....以前見学に来るかも知れないと仰っていたんですが、お医者様から止められたらしく」

「ふむ....」

「アルダンさんは凄いんですよ!才能も素質もあって....でも体が弱くて....」

「....ふむ」

「....こうして走れるウマ娘も....走れないウマ娘も居るんですよね」

「まあ、体の問題ばかりは逆らえない事だよ。誰もそうなりたくて産まれるワケじゃないし、そうしたくて産んだワケでもない。その舞台で走るしかないんだ」

「....」

 

 仕方のない事だよと口にするトレーナーさん。

その表情は苦虫を噛み潰した様に歪んで、言葉にも幾らか憂いが見える。

 

「だからこそ。私は頑張らないと!私含めて、皆さん伸び盛り。力を高める秘訣は競争にあり!つまり『静電気避けの手袋』です!」

「....うん」

 

険しかった彼の表情がへにゃりと別の形に歪む。

頭上に疑問符が浮かんで見えるような不思議な顔だった。

 

「さて、ミーティングも終わったし、先にパドックに向かう?不安ならもう少し話そうか?」

「いえ、出発しましょう。いつまでも緊張しっぱなしでもいけません。これはマルゼンさんの勝利したレース。その走りに負けないくらいの思いで走らないとですから。それに私は『絶対に夢を譲らないウマ娘』ですので」

「....」

「あ、実力や才能は他の皆さんの方があるかもしれませんけどね」

「夢を思う強さでは負けないと」

 

トレーナーさんが苦笑する。

 

「君にしか無い物を誇れば良いよ。誰もが持っている才能を他と比べて落ち込むくらいなら、これだけは負けないって才能を力にすれば良い『夢を譲らない』謙遜家な君が自信を持って俺にそう言えるなら、それは君だけの才能だよ」

「っ!」

「走る力だけがウマ娘の才能じゃない。心構え一つにしたって、ここ一番で走りを支える追い風になる。君が誇れる物は、君だけの才能だからね」

 

 バインダーを置いて、彼が私の前までやってくる。

 

「大丈夫。君は誰にも負けない。頑張って来て」

 

 疲れのたまったような心配になってしまうほど不恰好な表情で彼が笑う。

 私以上に自信に満ちた笑顔と声で送られる声援に、心に暖かい灯が灯る。

 

「はい!行ってきます!」

 

「それじゃ、俺は一旦」

「あ、あの!トレーナーさん!」

「ん?何かあった?」

「その、レース前に気合いをと思いまして。トレーナーさんと一緒なら力を分けて貰えるかなと」

「ふむ。よしやろう。どんな事をするの?」

「ありがとうございます!それでは私が先にお手本を見せますので、次はトレーナーさんと一緒に」

「了解。ご教示下さい。先生」

「えへへ。はい!では!」

 

 『先生』

 

 彼に呼ばれるとむず痒いが、とても良い響きだ。

 思わず笑みが溢れる。

 

「ファイ・オーッ!チヨノ・オーッ!です!」

「っふ!」

「トレーナーさん!?」

 

 

 トレーナーさんが吹き出す。

 何かおかしな事でも言ったかと考えるが、すぐに彼が笑いを堪えているのだと分かりムッとする。

 

「ど、どうして笑うんですか!」

「いや、ごめんごめん。君らしいなって」

「もう....コホン。気を取り直して、行きますよ。トレーナーさん」

「ああ。やろう」

 

 伸ばした手を重ね、二人で陣を組む。

 

「ファイ・オーッ!チヨノ・オーッ!」

 

 掛け声に合わせて腕を振り上げる。

 心のスイッチがパチリと動く。準備はバッチリだ。

 トレーナーさんと共に控え室を出て、パドックへの道に向かう。

 

「しっかりアピールして来て。このレースでファンを味方にしよう」

「はい!」

 

 光に溢れる外の景色を振り返り、脚を踏み出す。

 

              ●

 

『四番人気。五番。サクラチヨノオー。六月に飾ったデビュー戦から半年。G1レースの大舞台には初の出走です』

『仕上がりは好調。パドックでも期待を集めるウマ娘です。レース人生初の大舞台で、ライバルに劣らない走りを見せてほしいですね」

 

 ライバルのウマ娘は私と違い、ここまでにレース実績を積み重ねてきた子もいる。実戦経験の豊富さと、レースで得たファンの数。

 私にとっては先輩となるウマ娘も多く出走しており、肩を並べて走る相手が同じ立場であったメイクデビューと大きく異なるレースなのだと実感する。

 実況と解説の放送を受けながら新緑に彩られたターフに脚を踏み出せば、観客席からは割れんばかりの歓声が上がる。

 背に叩き付けられるような数多の声に心が震える。

 ゲート前の広場では同じくレースに出走するライバル達がスタートに向けて準備を進めていた。

 幾人かと会話を交わすうち、アナウンスによりゲートインの指示がある。

 ゲートに脚を踏み入れて思うのは、その閉塞感。普段の広々したトレーニング空間とは異なる圧迫感に緊張で身体が強張る。

 

「....」

 

 メイクデビューの時とは大違いの雰囲気。静けさが風に更なる冷たさを乗せているかのようだ。

 ぶるると身震いを一つして頬を叩き、気圧されそうになる意識を前へと向ける。

 

「よし、行くぞ!」

 

 進行方向を真っ直ぐに見つめ、開始の合図を待つ。 

 号砲と開門の音が重なる。踏み出す脚の感覚は好調。出遅れもなく幕を開けたレースは間も無くして押し流すかのような勢いを伴う観客の声に迎えられる。

 勢いに圧され一瞬ペースが乱れるが、息を入れ直し踏み込みのリズムを整える。

 横目に周囲の様子を見れば、他にも動きに動揺の色を浮かばせる幾人かのウマ娘の姿が見える。

 私の脚質は先行策に向く。常に前方に位置付けて走る性質上、後方に控えるウマ娘がどのような走りをしているのかは分からない。

 前方を走るウマ娘は三人。逃げの策を執るジュエルカルサイトさんとノーティカルツールさん。その姿を隠すように私の少し前を進むライムシュシュさんだ。

 

『先頭は十六番ジュエルカルサイト。二番手には十七番ノーティカルツール。一バ身離れて十四番ライムシュシュ。先頭集団に喰らい付き、先行集団をリードする形で前線を走ります』

『周りを囲まれないよう前線に付く意図でしょう。パワー面で不安があるライムシュシュには適切な作戦ですね』

 

 続く実況に耳を傾ける。

 位置は六番手。隣を走る二人のウマ娘。ナーイリズムさんとクラースナヤさんは僅かに私の先を行き、互いを牽制し合うように駆ける。

 他のウマ娘からのマークもなく、私の動きを阻まれるような事もない。スタート早々にちょっとしたハプニングは起きたものの建て直しにも成功している。

 このまま自分のペースを取り戻せられたのなら勝機は充分にある。

 

『ここで第1コーナーに差し掛かります。先頭集団は変わらず、後続の先行集団が前へと出ていき、前方での争いが熾烈化しています。後方集団行動は控えたまま、一番ウィストクラフトが一人前に出ています。掛かっているのでしょうか』

 

 進む集団を真似て先頭を走る二人に向かい距離を上げ、終盤のスパートに向けて備える。

 各々の脚が一定の速度に落ち着いた緩やかな時間。形成された集団は定石通りと言った様子で、実況の声は後方を走るウィストクラフトさんの掛かりを案じる言葉を残している。

 コーナーの終わりが近付く。

 

 

「分かっているとは思うけど、向かうレースはG1。相手はその舞台に相応しい才能。或いは実力を持ったウマ娘達だ。上位人気を勝ち取る子ともなれば、トレーニングは勿論、踏んできた場数も違う。単純な競り合いで勝つのは難しいと思う。そこで、君の強みを活かそう」

「私の強み。ですか?」

「根気強さと辛抱強さだよ。ここまでひた向きに仲間と励んできた君の心の強さを活かす」

 

 テーブルに置かれた阪神レース場の図に蓋を被ったペン先を添えるトレーナーさん。コースをなぞり、第四コーナーの終盤でそれをコツンと鳴らす。

 

「トレーニングでは出来ていることも、実際のレースでは勝つために気持ちが逸ることもよく分かる。他のウマ娘もそれは同じ筈だ。だから君はそこ。気持ちの強さで彼女達の前に出るんだ」

 

 軽快な音を鳴らし、浅く袈裟状に切られた桃色の頭が顔を出す。

 

「序盤は周りのウマ娘の後ろに付くように意識して向かい風を避ける。スパートで力を発揮するためにも消耗は抑えて走るのがベスト。コーナーの体重移動の感覚だけを間違えないように。最後の上り坂が勝負どころだからね」 

「なるほど。メンタルトレーニングが多かったのはそのためですね」

「正解。ライバルの動きに影響されないようにね」

「ふむふむ」

 

 

 仕掛けるのは第四コーナー終盤の少し前。

 一度目のコーナーを終え現在地はゲートから見て向こう正面。トレーナーさんや鏑木トレーナーさん。止り木の皆さんの待つスタンド席は遥か遠くに見える。

 

「早いな....」

 

 本来、ジュニア級の王道レース距離は「ホープフルステークス」の2000m。私の目指す「日本ダービー」の距離は2400m。対してこの朝日FSは1600mとどちらと比べても距離の短いレースだ。

 意識して走っていた距離と異なるレースは、疲労感とライバルの動きにも多少の違和感を感じる。まだまだ走れるなどと油断をしていてはあっという間にレースが決着してしまう事になるだろう。

 

『第四コーナー前。先行集団が動いていきます。五番サクラチヨノオー。まだ脚を貯めている様子。十一番グランシャマールが前に出て順位は逆転。現在七番手。二バ身離れて後方集団戦闘は八番マリフィクス。十八番アクアフィヨルドと共に前との距離を詰めていく。十二番マリタイムシッパーは出遅れてしまったか。』

『両者後方に沈んでしまいましたが、ここから巻き返すことが出来るでしょうか。今後の展開に注目です」

 

 800m。

 レースは半分を過ぎ、第四コーナーの終わりが近付く。

 

『さあ第四コーナーも終盤。仁川のコースはここから上り坂がウマ娘達を待ち受けます!』

『ここが勝負どころです。坂路に負けず、最後まで力溢れる走りを見せて欲しいですね』

 

 抑え付けてきた枷を外す。かしゃりと音を立てて落ちるそれを頭の内側で感じる。

 負けられない。負けたくない。

 解かれた感情が爆ぜるように拡散し、脳の内側で木霊するように幾度も響いては本能を刺激する。

 

「絶対に....負けない」

 

 このレースはマルゼンさんの勝利したレース。同じ舞台で走るのなら。いつか追い抜きたいと思うのなら。ここで負ける事は出来ない。 

 必ず勝つ。マルゼンさんと同じように。

 追い付くんだ。その背中に。

 踏み込んだ脚に力を込める。膝を曲げ、バネのように身体を縮める。

 滾る熱は薪に、弾ける火の中に飛び込むそれは瞬く間に全身へと伝播して行く。

 

「っぁあああ!」

 

 踏み抜く。地を壊すような一足を合図に、続く脚を釘の如く叩き付ける。食い込む程に芝を踏み、跡を残す勢いで蹴り上げる。

 

『サクラチヨノオー。上がっていく!グランシャマールを抜き返し再び六番手へ、まだ脚は止まらないぞ。最終直線で逆転劇を見せてくれるのか!?』

 

 実況の声が熱を帯び、つられるように観客席のボルテージも跳ね上がる。

 歓声の中に聞こえる私を呼ぶ声。スタートの時にこそ驚いてしまったが、今は私を後押ししてくれる心強い追い風だ。

 

『最終直線に入りました!サクラチヨノオー、先行集団の先頭立ちました。尚も前へと進み、先頭集団に狙いを定めます!ジュエルカルサイト。ノーティカルツールは依然先頭争いを続けている状況。二人が逃げ切るのか、サクラチヨノオーが二人を抜き去り勝利を手にするのか!見逃せない展開です!』

『中盤で順位を譲ったのは体力温存の為の作戦だったようですね。このまま一着を掴み取ることは出来るでしょうか』

 

 作戦通り。体力の余裕も充分だ。進む程に霞み、過ぎていく景色に成長を感じながら駆ける。迫る背が大きくなる程身体は熱く滾り、頭を巡る「勝ちたい」と言う感情が膨れ上がる。

 風避けを失った身体は真正面から向かい風を切り裂いて行く。

 ノーティカルツールさんを追い抜き、ジュエルカルサイトさんの真後ろにまで迫る。

 ゴールまで100m。

 

『サクラチヨノオー!今ゴールイン!最終直線での見事な逆転劇を魅せて華々しい勝利を飾ってくれました!一着は五番サクラチヨノオーです!』

 

 ゴール板を駆け抜け、息を整えながら減速する。大歓声の上がる観客席に向き直り、手を振って見せればその声はより大きく張り上げられ、耳の痛くなる声に勝利の実感が沸き上がる。

 ウィナーズサークルに誘導され、改めて観客席の前に立つ。割れんばかりの歓声は、形を持って私を包み込むかのような感覚すら抱く。

 

「皆さん。応援ありがとうございました!」

 

 感謝の言葉に歓声の声が再び高まる。

 ミスリルさんがしていたようなファンサービスの作法も分からず、最後に一礼をするだけの簡単なものになってしまった。

 

「おーいチヨちゃーん!」

「お疲れ様チヨちゃん!」

「凄いレースだったよ!」

 

 観客席の前を離れて直ぐに、止り木の皆先輩方が手を振りながらやってくる。

 

「皆さんも応援ありがとうございます。レース前の激励、力になりました!」

「大事な仲間だもん。当然だよ!」

「次のレースも頑張ってね!」

「私達も負けてられないよ。ね」

「うん!復帰目指して頑張らないとね」

 

 私の手を取って喜び合い、互いに復帰を誓い合う先輩方。私も恩を返すことが出来るように頑張らなければと意識を引き締める。

 

「素晴らしいレースだったよチヨノオー君。クラシックレースさながらの戦い。私も魅入ってしまう程だった」

「ありがとうございます。鏑木トレーナーさん!あれ、トレーナーさんはいらっしゃらないんですか?」

「ああ、早速記者に捕まっていたよ。流石に過去の経歴が付きまとうか。動きの早い記者相手には舌を巻くよ」

「そ、そうなんですね」

 

 彼は彼で苦労しているようだ。この場で祝福してもらいたいとも思うが、彼なら遅れてでも必ず褒めてくれるだろうと今は飲み込む。

 

「それにしても想像以上の盛況だ。URAファイナルズの発表もあるだろうが、今世代のスターへの注目はひとしおだろうね」

「そうですね。期待に応えられるようにしないと」

「そうしてくれたまえ。櫻庭君は勿論。我々止り木も全力で君の道を応援させてもらうからね」

「はい。ありがとうございます!」

「それはそうと次はウイニンライブだ。まずはレースの汗を流しておいで。着替えもしっかり用意しておくからね」

「はい。チヨノオー、行ってきます」

「楽しみにしてるねー!」

「ライブもファイトだよ!」

 

 先輩方と鏑木トレーナーさんに見送られ、ウイニンライブに向けての準備へと向かう。

 ダンスレッスンはしっかりこなして来た。振付けもチヨノートに書き込んで予習も充分だ。こちらもメイクデビューに比べて一段と規模の大きい物になるだろうが、ウマ娘の輝く舞台はレースだけではない。

 ウイニンライブでも自身の活躍で、多くの観客を魅了する。それもまた私達ウマ娘の使命であり、レースの世界に生きるウマ娘であれば、それは勝者たる栄誉を抱くに相応しい姿を人々に示し、同時に感謝の思いを伝える場だ。

 ステージに立つウマ娘に憧れ、その舞台を目的にレースの世界へと足を踏み入れるウマ娘達もいるのだという。

 彼女達に恥じないライブを。一着に届かず苦汁を舐めたライバルが誇れるライブを演じなければならないと、その思いを胸に刻んでバ道を歩く。

 マルゼンさんと同じ舞台で走る。私が誓った夢への道。その大きな一歩が、このレースで実った。

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