Marvel新作ゲームが出ましたのでまた月間投稿は死ぬものと。
例のごとく気長にお待ちくだされば。orz
常夜灯が照らす部屋。特別な意味があるわけでもないのだが、毎年のように今日この時間だけは自然と夜を更かす習慣がついていた。
学生時代から抜けきらない子供っぽい癖だとは思いつつも、この後の事を考えれば他人も同じなのだからと言い訳をして正当化する。
ぼんやりとテレビ画面を眺め、飛び込んでくる音に耳を傾けていると、司会者を努めるアイドルの声に続いて幾重にも重なった賑やかな人々の声が波になって数字をカウントする。
小さくなっていく数字。カウントごとに指でテーブルを鳴らし、終わり際には声に同調して小さく呟きを洩らしていた。
「ハッピーニューイヤー!」
会場が沸き上がり、きらびやかに輝くライトが画面越しに部屋を照らし出す。狭いリビング全体にまで行き渡る光はチクチクと目を射しては脳を絞め付ける。
避けるように目を剃らして床に目をやれば、携帯電話が通知を鳴らす。
一つ二つとチャットルームの一覧に増えるその内容は、新たな一年の訪れを祝う祝福の言葉に溢れている。
「年越しはこれだよな」
トレーナーもウマ娘も考える事は同じなのだろう。
それまでの一年が終わり、新しい一年がやってくる。節目を楽しむ時間は誰にとっても特別なもので、普段は規則正しい生活をしている者も、この時ばかりは夜を更かして祝い事を満喫するのだろう。
くだけた態度の挨拶が並ぶ一覧の一つ一つに返信をしていると、その中に少しばかり長文の目立つメッセージを見付ける。
「らしい、かな」
サクラチヨノオー。担当ウマ娘の少女から届いた丁寧な調子のメッセージに笑みが溢れる。
トークルームに並ぶ履歴に倣い、彼女の調子に合わせた返信を返し終えれば、次は着信を知らせる通知音が手を震わせる。
「少しは相手の都合とか考えないんですか?」
「起きていると思っていたからね」
「丁度寝ようとしたんですけど。で、初詣の件ですか?ならいつも通りの時間でお願いしますよ」
「分かっているよ。私だけでは混み合う神社を引率出来ない。君の手伝い無しでは迷子が出る」
「そう言えばだが、今年は少しばかりメンバーが増えるから覚えておいてくれよ」
「はあ、サクラチヨノオーですか?あの子にはあの子で友達も居ると思いますけど」
「その友人も含めてだよ。うちのメンバーは手が早いからね。既にアプローチ済みと言うわけさ」
「....レースの話じゃないんですから、そんな神妙に言われても締まらないですよ」
「君は彼女達に懐かれているからそう言えるんだろう。私はそうは思わないんだよ」
「先輩の場合は日頃の行いでしょう。観戦に出る回数を減らせば少しは見直されると思いますけどね」
「それは....難しい相談だね」
「このジャンキーが」
「失礼だな。君の役には立っているだろう」
「どうですかね」
鏑木から初詣の予定を確認し、通話を終え寝室で眠りに就く。
●
吹き付ける風がぴりぴりと頬を擦る。
天気にも恵まれた元旦の朝は暗い部屋で殆どを過ごす身体にはいささか厳しい刺激だ。
コートのポケットに手を押し込んで身を震わせていると、わいわいと聞き覚えのある声が近付いてくる。
縮めた首を声に向ければ、濃紺の色をしたコートに身を包んだ特徴的な姿の集団が俺を見付け、手を振りながら声を上げる。
「櫻庭トレーナー!」
「明けましておめでとうございます」
「おめでとう」
「ああ、おめでとう。皆も元気そうでなによりだよ」
「そんなことないですよ。夜更かししたおかげで眠くて....あ、でもお雑煮はしっかりいただきました!」
「それは良かった」
各々に年明けの過ごし方を語る止り木のチームメイトに応えていると、青い顔をした発起人が遅れて現れる。
「おはよう櫻庭君」
「....二日酔いですか?」
「顔が怖いよ櫻庭君」
「酒の臭いさせた引率係がいますか普通」
「....返す言葉もないよ」
「おおかた去年のベストレースを決めるなんて言いながら飲んでたんでしょうけど、毎年やってるんですから学びませんかね」
「そうですよトレーナー。去年の初詣も櫻庭トレーナーに頼り切りだったじゃないですか!」
「来年はしっかりするんじゃなかった?」
「すまない」
「....水でも飲んで大人しく着いてきて下さい。初詣で倒れられたら笑えないので。それか車で休んでいますか?」
「風にでも当たっていれば気も紛れるだろうから、私も行くよ。トレーナーとして担当ウマ娘を放ってはおけない」
「その意志があってどうしてそうなるのを見越して年越しが出来ないんですかねあんたは」
隣で眉を歪めて微笑むカシワスウィーティに寄り掛かる姿はとても真っ当な指導者とは思えない。
グロッキー状態の鏑木を止り木のメンバーに任せ、彼女たちから聞いたサクラチヨノオーとの合流場所へ向かう。
人混みの間を抜けて歩けば、鳥居の前に紅色の髪をした少女が見える。
コートとマフラーに包まれたその姿は普段の彼女の柔らかさを引き立てて見せている。
「おはよう。サクラチヨノオー」
「あ、トレーナーさん!明けましておめでとうございます!」
「明けましておめでとうございます。櫻庭トレーナーさん」
「う....明けましておめでとう。メジロアルダン」
澄んだ空色の長髪を揺らして丁寧なお辞儀をするのはサクラチヨノオーの友人でありライバルのメジロアルダン。脚の調子が著しく無く、レースと療養生活の繰り返しを続けており、学園でも目にする機会は少ない。
名門『メジロ』のウマ娘の一人であり、担当するトレーナーもそれに相応しく一流の人物だ。
彼女がサクラチヨノオーと同室で特別仲が良い事があってか、トレーナー側に目を付けられているため、複雑な事情で余り得意ではない相手だ。
「チヨノオーさんがチームの皆さんと初詣にいらっしゃるとお誘いいただきまして。私も御一緒してもよろしいでしょうか」
「勿論。皆も喜ぶと思うよ....目を汚す可能性はあるけどね」
「目を?」
「え、ええと、トレーナーさん?」
「先輩がね....」
「鏑木トレーナーさんが?」
「取り敢えず向こうに合流しようか」
二人と新年の抱負について会話を交わしながら来た道を戻る。
本来であれば止り木が全員揃って迎えに行っていたところだろうが、あの状況では叶わない。
「そう言えばヤエノムテキは来ていないみたいだけど」
「はい。早朝のお稽古があるそうで」
「ふむ。日々精進。武道家に休みは無いと」
「はっ。私も負けていられませんね!」
「君は張り切りすぎるくらいなんだからたまには休むのも大切」
「え、えへへ」
「仲がよろしいのですね。チヨノオーさんからお聞きした通りです」
「そうかな。トレーナーとウマ娘の関係ならこれくらいが普通だと思うけど」
「そうなのかもしれませんね。私のトレーナーはお忙しい方ですので、チヨノオーさんとトレーナーさんほどお話をすることもないのです」
サクラチヨノオーとの会話を見ていたメジロアルダンが笑みを溢す。
思い出せば、彼女のトレーナーと言えばトレーナー同士の集まりでも目を合わせれば眉を吊り上げ、親の仇でも見るように睨まれる。
馴れ合いを嫌うのか、それが苦手なのか。詳しい事を聞くことも出来ないが、誰の目から見ても『無愛想』の言葉が浮かぶような人物だろう。
「....まあいかにも愛想無さそうだからね」
「あら、陰口はいけませんよ?」
「し、失礼。他人のトレーナーの事に口出しは御法度だね」
「アルダンさん。良かったですね。トレーナーさんと会えて」
「ええ、とてもお優しい方なのですね」
「二人しても褒めても何も出ないよ。お年玉なんて勘弁してよ?」
「い、いえ。そんなつもりは」
「チヨノオーさん。ご冗談ですよ?」
「そうなんですか?」
二人が親しげに話を始め、それを邪魔するまいと前を向き直った時、止り木のメンバーが此方を探して歩くのが見えた。
「おーい。こっちだよ」
「櫻庭トレーナー!皆、居たよ!」
先頭を歩くウマ娘が後ろに続く仲間に呼び掛け、ぞろぞろとウマ娘の集団が集まる。
「お待たせ、皆」
「はーい。良い子で待ってましたー!」
「じゃ、行こうか....先輩は来てる?」
「遅れて行くってスウィーティ先輩が言ってました」
「了解。皆、俺に付いてきて」
境内に続く階段を登る間、後ろではサクラチヨノオーとメジロアルダンを取り巻く黄色い歓声が響いている。
人の流れに添って進み、広々とした境内でメンバーを集める。
「櫻庭トレーナー!アルちゃん可愛いよ!」
「は?あ、ああ....アルちゃん?」
「アルダン!アルちゃん!」
「....そうだね?」
「髪ツヤツヤだし、肌柔らかいし、足長いしスリムだし!」
「ストップストップ。本人困らせるから」
溌剌としたムードメーカーの彼女を諭し、並んだウマ娘を一人一人確かめる。
止り木の三人組。サクラチヨノオーにメジロアルダン。
スウィーティと鏑木は後から合流するとして、混雑の止んだ合間に本殿へと足を運ぶ。
「結構並んでる。朝早くにした筈なのに....やっぱりトレーナー」
「お汁粉とかもらえないかもよ?」
「もしそうだったら後でもう一回怒りましょう」
「ははは。手厳しいな君たちは」
「来年はならないって言っておいてこれ。一年の始めからそれじゃ私たちだって怒る」
「まあ楽しみにしてたからね」
「早くお参りしておみくじ引こうよおみくじ!今年こそは大吉狙うから!」
元旦からフルスロットルではしゃぐ止り木のメンバーを宥めながら列の進行を待ち、自身の順番がやって来れば、作法通りに参拝を終わらせてその場を離れる。
「よーし自由行動開始!」
「お汁粉貰ってくる」
「では私は櫻庭トレーナー達と散策を」
「み、皆さんお元気ですね」
「うふふ、賑やかで少し羨ましいです」
「じ、じゃ、後で集合しよう。二人はスウィーティを見付けたら手を貸してあげてね」
「はーい!」
「....任せて」
浮かれた様子の反応を見るに、話し半分にこちらの頼みを聞いているようだが、それが彼女達らしい。
大袈裟に手を振ったり親指を立てて去っていく二人を見送り、残った三人に向き直る。
「さて、俺達は....」
「申し訳ありません。櫻庭トレーナーさん。この後メジロ家の新年会がありまして。私はこの辺りで」
「あ!そうでした!ごめんなさいアルダンさん。何だか慌ただしい初詣になってしまって」
「いいえ、とても貴重で楽しい経験でした。また御一緒出来る機会があれば私も是非参加させていただきたいくらいに」
「それなら良かったです」
「櫻庭トレーナーさん。短い時間でしたがお世話になりました。また学園でお会い出来るのを楽しみにしています」
「ああ、気を付けて帰ってね....送った方が良いかな」
「いえ、私であれば心配ありませんので、残りのご予定を楽しんでください」
「そう?じゃ、また学園で」
「はい。失礼いたします」
流れるように美しく一礼をして去っていくメジロアルダン。
身体の話を聞くに一人きりにするのは気が引けるが、本人の意思を妨げるのも不躾だろう。
「では櫻庭トレーナーさん。私達は絵マを書きに行きましょう。チヨノオーさんもクラシックシーズンに向けて一つどうですか?」
「やってみたいです!」
「ですので、櫻庭トレーナーさん。よろしくお願いします」
「なるほどそう言う....強かな子だよ君は」
「そうですか?私は私のしたいことをお願いしただけですが」
「まあ、そう言うことにしておこう。分かった。行こうか」
購入した絵マを二人に手渡し、自分も願いを書いて飾り付ける。
「チヨノオーさんも書き終わりましたか?それでは一緒に飾りに行きましょう」
「はい!」
絵マを手にしたサクラチヨノオーと止り木のウマ娘が仲睦まじそうに言葉を交わしながら奉納場の前へ向かい、自身の目標を記したそれを結ぶ。
「お待たせしました。トレーナーさん!」
「櫻庭トレーナーさんは今年も同じ事を祈っていましたね。変わらないようで安心しました」
「それ以外に願いたい事も無いしね。こんな場所で金が欲しいだ恋人が欲しいだと俗っぽいのは指導者としていかがなものかと思うし」
「なるほど。しかし櫻庭トレーナーさんに限って後者は困らないと思いますよ?」
「....流石に教え子とはタブーだと思うけど?」
「本人の意思によるかと。因みに私は構いま」
「はいはい。大人をからかうのはそこまでに」
「櫻庭トレーナー!やっぱ皆でおみくじ引こう!」
「うわあっ!?」
がしりと腕を掴まれ身体が跳ねる。
後ろを振り向けば、別行動をとっていた二人のウマ娘が立っていた。
「屋台も沢山あった。皆で食べたら良い」
「ね!ね!行こうよ櫻庭トレーナー!」
「分かった。分かったから引っ張らないで」
半ば引き摺られるような形で再び広場の方向へと移動させられる。
サクラチヨノオー達の絵マを見られていないままだが、抵抗も虚しく苦笑する二人の顔に助けを求めるのが精一杯だった。
●
「やったー!大吉!」
「末吉....悪くはない」
「私も末吉ですね....少し残念です」
「チヨちゃんはどう?大吉だよね!?」
「は、はい。私も大吉です」
「やったー!チヨちゃんと一緒だ!」
「これでクラシックレースも成功間違いなし」
「私にも分けて欲しいですね」
大はしゃぎの三人と、気圧され気味に照れ笑いを浮かべるサクラチヨノオーを眺めていると、その視線が俺に向けられる。
「櫻庭トレーナーは!?引いて良かったって思った!?」
「トレーナーは徳を積んでる。きっと結果も良いはず」
「私もそう思いますよ」
「トレーナーさん。どうだったんですか?」
止り木の三人組に押されるまま俺もおみくじを引いていたのだが、こう言った場で流されて
手にした結果は「凶」である。
「....期待を裏切るようで悪いけど、これだよ」
「....ドンマイ」
「うっそだー!もう一回引こうよもう一回。当たるまで引けば大吉だから」
「しかし、それも櫻庭トレーナーの運命と思えば....」
「だ、大丈夫ですよ。トレーナーさん。きっと良いことはありますから」
「心配要らないよ。こう言うのは心の持ち方が大切だから。俺はこの運勢にも負けないよ」
「さっすが櫻庭トレーナー!それでこそ止り木のエース!」
「君のトレーナーが泣くよ?」
「じゃあ私の事も担当してよ!同じチームなんだし良いでしょ?」
「それだと角が立つから我慢してね」
「ケチー」
励ましなのかいつものおねだりなのか分からない反応に苦笑を返す。
「お待たせしました。櫻庭さん。トレーナーも漸く調子が戻ってきたそうです」
「スウィーティ。それは戻ったとは言わないと思うよ」
「私もそう思います。ご本人がそう言っているだけですからね」
「お疲れ様。後は俺が変わるから、君も皆と楽しんでおいで」
「分かりました。では櫻庭さん。お願いしますね?」
未だ青さの抜けない顔で何事かをぼそぼそと伝えようと口を動かす鏑木に肩を貸してどうにか立たせる。
「すまない櫻庭君。しかし私なら」
「離したら倒れますよ。大人しくしててください」
「彼女たちは楽しんでいたかい?」
「ええ、はしゃぎすぎなくらい。迷惑になっていないか心配ですけど」
「....何と答えたら良いのか」
「一先ず反省して皆に謝罪をして下さい」
しおらしくしているのは反省の現れなのだろうが、それもこの酔いが覚めてしまえばお気楽で節度を弁えない彼女に戻るのだ。
「今はスウィーティが世話をしていますから、俺よりもずっと安心出来ると思いますよ。彼女は俺みたく流されたり甘やかしたりはしませんから」
「なら、私はここで落ち着くのを待っていれば良いと」
「どうせ動いたところで頭痛でろくに動けないでしょう。人混みでふらふらと歩かれても迷惑ですよ」
「全く、最悪の元旦だ」
「自業自得ですよ」
「君がしっかりしているのが悪いんだろう」
「酷い責任転嫁ですね先輩。今からでも地方に戻りましょうか?自慢じゃないですけどG1ウマ娘のトレーナーではありますし、引く手は見付かると思いますよ。怠けていた時間で苦い顔はされそうですけど」
「勘弁してくれ、いよいよあの三人に嫌われる」
「それも自業自得でしょうレースジャンキー」
「....全くだ」
●
「ただいま戻りました。櫻庭さん。トレーナーも調子はいかがですか?」
「すっかり静かになったよ。君達もゆっくり楽しめたかい?」
「マネージャーは厳しいからなー。私は櫻庭トレーナーのままが良かった」
「我が儘放題は良くない。私はマネージャーとの方が良い」
「私は皆さんと回れたので楽しかったですよ」
「そうですね。私もチヨノオーさんとの初詣を楽しめたので良かったです」
「後輩達がチヨノオーさんを振り回していないか心配でしたが、楽しんでいただけたなら幸いです」
サクラチヨノオーが止り木にやって来て初めての新年。
スタートからハプニングに見舞われたそれも、終わってみれば良い思い出になっただろう。
「よーし。じゃ、次はマネージャーのあんころ餅をご馳走になろう!」
「今年も準備はしっかりと整っています。遠慮なく食べてくださいね。もっとも、食べ過ぎで体重が増えた。そんなことが無いように気を付けるのも大切ですが」
初詣後にカシワスウィーティ手作りの餅を食べる。これも止り木の恒例行事で、ウマ娘達が楽しみにしているイベントなのだ。
「今年はミスリルさんがいらっしゃらないのは残念ですが、彼女の分まで楽しみましょうね」
「はーい!」
「マネージャーのお菓子は逃げない。だから急がない」
気の抜けた態度のウマ娘が走り出そうとする溌剌としたウマ娘の肩に手を伸ばして引き留める。
「分かってるって。オーバーももうちょっと乗ってくれてもよくない?」
「フォールに付いていったら体力が持たない。私は省エネ派」
「ちぇ。私一人だけじゃ楽しく無いのに」
「ならフォールもはしゃぐ必要無い」
「落ち着いてるの苦手なのはスポットが一番知ってる癖に」
「ふふん。それでトレーニングも飛ばしすぎて寮に帰ってすぐ寝るのも知ってる」
「それ言うな!」
凸凹コンビと言う言葉のよく似合う二人組。
それを微笑みながら見つめる淑やかなウマ娘に目を向ければ、俺の意図を察したのか彼女は静かに首を横に振る。
「見ている方が楽しいでしょう?私はそれで満足なんです」
「まあ、確かにね」
「そうですね....私もあんな友達が居れば良いんですけど」
「あら、いざ持ってみると大変ですよ?チヨノオーさん」
「そ、そうなんですか?」
「フォールさんはいつも元気いっぱいですから振り回されては体力が持ちませんし、スポットさんは独特な世界を持っていますから、時折お話が難しくなります。もっとも、それがお二人の可愛らしいところでもありますが」
「なるほど....人参の味も十色。ですね」
「....十人十色ですね」
「そうだね」
サクラチヨノオーの格言に口元を緩める彼女に同意し、賑やかな言い合いを続ける二人のウマ娘を呼ぶ。
「さあ、会場まで楽をしたい人は集合!遅れたらトレーニングついでのランニングだよ!」
「嘘!?フラクタルずるい!分かっててそこに居たでしょ!」
「ふふふ。どうでしょうね?さて、行きましょうか。チヨノオーさん」
「え?あ、はい!」
チヨノートから顔を上げ、慌てた様子のサクラチヨノオーを連れて歩き出す淑やかなウマ娘と並んで駐車場へと向かう。
その後の新年会も大事無く進み、止り木の元旦は概ね良好な流れで幕を閉じた。
止り木メンバー三人組描写面倒なのでネームドにする予定です。
近く各員描いてヴィジュアル公開出来ればと(当分無い模様)