ノルース星戦記   作:YUKANE

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先日携帯を変えまして,まだ操作が慣れておらず更新が遅れてしまいました。

本編前に少々悲しい?話をしますが,この作品は私が本気で書きたい作品が出来るまでの繋ぎ作品という立ち位置です。
なのでその作品が出来上がりそうだったら,こっちの作品は更新を行わなくなると思います。

もし更新をしなくなる場合は連絡すると思いますが,もし更新が無くなったら察してください。

·········こんな事を書きましたが,日本国召喚×大日本帝国とか別の日本国召喚ものを書きたいという欲望が出始めてる。もしかしたらそっちの連載を行う可能性もあるかも····

あと名前を変えました。Twitterの名前と同じにしました。


それは希望の声

「本隊が展開している空域から無数の爆発を確認!!」

「!?」

 

メディナ・レト・フォルベリサ准将は通信士の報告に思わず上を向いた。青色に染まった空のその先で無数の爆発が起きているのが,彼女の視線に写った。

 

「まさか········本隊がやられたのか!?」

「一体何が··········まさか奴らが!?」

「心当たりがあるのか!!」

 

参謀のレナドサ・アワン・クレビアノ大佐は心当たりがありそうだと感じたメディナは話しかけた。

 

「私の推測なのですが,遂に地球艦隊が来てしまったのでは!!」

「地球艦隊········だが通信も送らずに全滅するなどありえるのか········」

 

レナドサは推測を交えながら話したが,メディナとしても理由として合致するものだった。地球艦隊が来る可能性は当初から懸念されていたが,遂に来てしまったのかと思わず彼女は舌打ちをした。彼女は周りから見れば冷静を保っている様に見えるが,内心は動揺していた。

 

(一体どんな方法を使ったかは分からないけど、あの様子だと本隊は助かっていないわね······こうなれば逃げに徹するのが得策ね。)

 

彼女は自分でも驚く程に冷静に状況を分析していた。自分達がどうすれば助かる確率が高いのか,少しでも生き残る時間を伸ばすべく頭を全力で稼働させる。

 

僅か数秒の短い時間だったが,彼女にはとても長く感じられた。その結果,彼女はとある選択肢を見つける事が出来た。

 

「通信士!! 全艦に攻撃中止と今すぐ内陸に向かう様に通信しなさい!!」

「は,はい!?」

 

メディナの指示に通信士は困惑した。彼女の指示は今まで行っていた東京(大都市)への攻撃を唐突に中止して,一目散に逃げる事を意味していた。

 

困惑する通信士に対してメディナは,声を強めてもう一回言った。

 

「何してるの!! 今すぐ伝えなさい!!」

「い,良いのですか!?」

「無論だ!! あの様子では,本隊では助かっていません!! ならば我々は何をしてでも情勢を立て直して,反撃の機会を伺うのが最善です!!」

 

レナドサもメディナの考えを察したのか,彼女の意見を補足した。2人の圧に圧されて通信士は全艦にメディナの指示通りの通信をした。

 

僅か数分で東京近郊(大都市)を焼き払っていた緑色のショックカノンは止んだ。彼女らが乗る旗艦「レパグラン」以下メディナ戦隊 14隻は東京(攻撃目標)への攻撃を中断して,内陸へと動き出した。

自衛隊(ここの防衛戦力)は既に壊滅状態にしていた為に反攻を食らうことなく,戦隊は内陸への移動に成功した。

 

メディナ戦隊はそのまま赤石山脈(標高3000mの山々が並ぶ山脈)周辺に辿り着いた。戦隊は高度2700m付近を飛んでいたが,地上探知に優れたレーダーと航路指示AIを使用して安全な航路を航行していた。

 

南アルプスの山々を背景にしながらメディナ戦隊は航行を続ける。

 

「陸地に逃げ込めば流石に地球艦隊も攻撃は出来ませんね。」

「攻撃してしまえば間違いなくこの星の奴らも巻き込んでしまうからね。取り敢えずは凌いだけどこの後どうするか考えないといけないわね。

それと言うのが遅れたけど反撃以外の攻撃は禁止ね。下手にエネルギーや弾を失う訳にはいかないもの。」

 

そう通達するとメディナは艦橋中央の椅子に足を組んで座った。彼女は腕を組んでこの後どうするか思考しだす。

 

(これは一時しのぎに過ぎない。地球艦隊(奴ら)は絶対何か仕込んでいくる。だが一体何をしてくるんだ!?)

 

彼女は思考に没頭するあまり,腕を組んだ事で強調された胸部装甲に一部艦橋要員がチラ見している事にも気づいていなかった。

 

通信士も男であるためにちょくちょくチラ見をしていたが,通信が入った事を伝えるランプが点滅しだした事を見逃さなかった。

 

「メディナ准将!! 地球艦隊から通信です!!」

「っ!? と,取り敢えず繋げなさい!!」

 

思わぬ報告に彼女は没頭していた思考を強制中断して指示を出した。

 

通信士が目の前の機器を操作すると,艦橋内に通信が流れ出す。自動翻訳プログラムを介してミルメリアの言語に変換された通信がメディナらの聴覚へと入ってきた。

 

『·······の諸君。私は地球防衛軍第13艦隊司令官のフェルド・ヴェルズリー大将だ。』

 

ヴェルズリーと言った彼は議会の場で演説するが如く話し出す。

 

『我々は日本国がかつていた星 地球からあなた方の星 ノルースをミルメリアから防衛するべくやってきた。

到着が間に合わず多くの被害を出してしまい,大変申し訳無い。』

 

メディナらからすれば白々しい謝罪だったが,ノルースの人々からすれば理解が追いついていないだろう。

 

『だが安心して頂きたい。我々は先程星の周辺に展開していた艦隊を全滅させた。後は惑星に降下していた艦隊だけなのだが········彼らは我々に恐れをなしたのか内陸へと逃げ込んだ。』

「なっ!?」

 

ヴェルズリーの発言にメディナらは顔をしかめた。一気に爆発寸前になったメディナらにヴェルズリーは爆発のトリガーを引いた。

 

『彼らは今我々に恐れをなして,逃げに徹している。あなた方だって奴らに仕返しをしたいでしょう。

今の奴らなら後ろ盾を失って不安に怯えている真っ最中でしょう。今ならあなた方の攻撃も届いて仕返しが出来るかもしれません。

もしミルメリア艦隊に聞こえているのであれば,ここで言っておこう。君達は戦いで散りたいのだろう? ならば陸地に逃げるという卑怯な手段を使わずに堂々と私達と海上で戦うではないか。君達が堂々と戦い選択肢を取ることを願っているよ。』

 

通信は終わったが,艦橋は静寂に包まれた。静寂を破る様に艦橋内に大きな音が響く。その音が何かに拳を叩きつけた音だという事を艦橋要員全員が理解していた。

 

大きな音を出した当本人のメディナは,膝当てに叩きつけた右拳が赤くなっている事を気に止めなかった。

 

「馬鹿にしやがって·········レナドサ!! 分かっているな!!」

「ええ!! 全艦攻撃用意!! 陸地を出て海上に出ますよ!!」

 

メディナ含め艦橋要員は全員激昂していた。冷静だった理性は地球艦隊に対する怒りで満ちていた。

 

ミルメリア人はどんな冷静な人物でも一度馬鹿にすると,一瞬で激昂しだす事をヴェルズリーは利用した。敢えて挑発するように話したことで彼らを海上へと引きずり出そうと考えた。

 

その思惑は大成功した。冷静さを失った彼らは自ら地球艦隊との戦場へと歩みだした。

 

 

ミリシアル東部最大の観光都市 カン・ブリット。ゴースウィーヴルに次ぐ東部の都市で,周辺のビーチやが国内外問わず観光客を呼び,一大観光地として発展した。

ルーンポリスやカルトアルパスへの高速鉄道も通っている為にゴースウィーヴルに次ぐミリシアル第4の都市として発展していた。

 

そんな都市には住民と同じくらいの人々が押し寄せていた。先日のミルメリア皇帝によるルーンポリス破壊宣言によってルーンポリスとその周辺都市からの大勢の避難民が市内に溢れかえっていた。

 

避難民は住人と同じくらいの数に達し,人々の対処にカン・ブリットに勤務している国家公務員やミリシアル軍人は相殺されていた。

 

それは海岸沿いに建っているカン・ブリット1の高級ホテルとして機能していたシクテッドホテルも同じだった。カン・ブリットで一番人気のホテルだったが,今は周囲のホテル群と共に避難民を受け入れる施設の1つとして機能していた。

 

観光シーズンの来客の何倍もいる避難民をどうにかすべくホテルの従業員らは世話しなく動いていた。少しでも大勢の人を受け入れるべくホテルの部屋を全部使ってでも対処を目指していた。

 

そのシクジット・ホテルの上階にはミリシアルでも上位のレベルに入る豪華さを誇るスイートルームがあった。ここだけは避難民ではなく先進11ヵ国会議に参加していた外交官が泊まっていた。

 

スイートルームだけあって部屋の備品は豪華で,ベットも素晴らしいものだったが,彼らはミルメリアへの恐怖から充分に眠れていなかった。特に直接攻撃目標にされたミリシアル・日本・グラ・バルカス帝国の外交官らは酷いクマをつけていた。

 

酷い疲れが外交官らを苦しめていたが,攻撃開始の日付になると皆が大きな披露宴会場に集まっていた。

彼らの要望でカン・ブリット庁舎の倉庫で予備として眠っていた魔信が室内に,日本国から緊急時の連絡手段として渡された携帯無線機がテーブルに置かれていた。

 

披露宴会場に魔信は異質だったが,これによって彼らは少しでも情報を得ようとした。だが入ってくる情報は魔信・無線共に一方的にやられているという悲痛なものでしか無かった。

 

こんなならば置かなければ良かったと皆が思ってしまったが,その考えはヴェルズリーの演説で一変した。

 

ヴェルズリーが乗艦している「AAA-013 オーシャン」は実質4艦隊分の艦艇が所属している第13艦隊の旗艦であった為に,艦隊指揮能力を高めるべく,各種通信機器を統合した“サフィールS16通信システム”を搭載していた。

 

他の艦よりも強力な通信機器を搭載していた為に,大規模な艦隊を指揮できるが,それ以外にもミルメリア等の全く異なる通信にも介入したり,ジャミングを行う事も出来た。

 

その為にヴェルズリーの演説は無線と魔信の両方で聞く事が出来た。

 

2つの通信機器から流れてくるヴェルズリーの言葉に全員が驚愕したが,特に近藤の衝撃は大きすぎた。

 

「地球···········防衛軍?·········」

 

近藤は衝撃のあまり椅子から落ちていたが,そんなことどうでもよかった。

日本国が異世界に来てから一生見ることすら出来なかった故郷 地球。二度と見ることすら出来ないと言われていたが,その地球からヴェルズリーらはやって来た上にミルメリアによる危機を救うという,とんでもないことをしてくれた。近藤は理解が全く追いついていなかった。

 

近藤以外の全員が困惑していたが,モーリアウルは声を荒らげた。

 

「やはり“空間の占い”は当たっていたのか!!」

 

その言葉をきっかけに次々と喜びの声を上げだした。

 

「信じられん!? まさかこんな奇跡が!!」

「あのミルメリアを破るなんて,地球艦隊はなんて強さだ!!」

「これなら私達を救ってくれるに違いない!!」

 

パンドーラやトルキア・マギカライヒの外交官らは生気を取り戻した。今まで一方的にやられていただけに,ミルメリアを倒せるかもしれない地球艦隊の登場に沸き立った。

 

そんな様子の中でも近藤はつきかけていた生気を復活させていた。彼自身東京がどうなっているのか気が気でなかった上に地球が全ての鍵を握ると言われていた為に余計に神経をすり減らしていた。

 

そんな中で遂にミルメリアを倒せるかもしれない地球連邦という存在が現れたことで,彼は安堵した。

 

「良かった······本当に良かっ········た·····」

 

声を途切れさせながら,近藤は壁越しの遥か先にいる地球艦隊に対して感謝をすると,そのまま床に倒れ込んだ。

 

「え,ちょっと!? え!?」

 

シエリアは突如倒れた近藤に困惑を隠せなかったが,ベリアンが直ぐに駆け寄って,首元に指を当てて脈を確認する。

 

「脈はちゃんとあります。多分寝て··········いますね···」

「ずっと寝れていなかったのだろう。今は休ませとこう。」

 

近藤は今まで恐怖のあまり寝ていなかったのか,ぐっすりと寝ていた。

ベリアンは直ぐに役員を呼んで彼を自分の部屋へと運んでいった。

 

ヴェルズリーの演説は魔信・無線を通じてノルース全土に伝わった。

 

その演説は直接攻撃を受けていたグラ・バルカス帝国やミリシアル・日本国に加え,ムーやエモール・パーパルディア・アルタラス等のいつ攻撃されるか分からない周辺国の人々も沸き立たせた。

 

一方的な虐殺によって絶望が支配していた全ての人々に希望という火が点った瞬間だった。




・カン・ブリット
この都市は公式情報が少ないので,オリジナル要素を付け加えました。
当初は東部方面最大の都市という設定でしたが,wikiで再確認した際にゴースウィーヴルが東部の重要都市だという事に気づいたので急遽変更して,この様な設定になりました。

ゴースウィーヴルはずっと西部の都市だと思っていました。

モデルはニース。もうこれで僕がミリシアルに抱いているモデル国が分かったはず?

あと先日コメントで“戦艦がいるのに宙雷戦隊って名前はおかしいんじゃないか?”と来ていたのですが,みなさんはどう思います。
一応代替案は打撃部隊・機動部隊とかかな~
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