ただミルメリアに一方的にやられる展開ですが,ご了承を
それと今回あまりにも文字数が多くなったので,3つに分割します。
今までの回は1つの話に出来る限り内容を詰めて8000字ほどになっていましたが,それだと余りにも時間がかかりすぎるので,
様々な恒星が照らし出す
黒く染まった世界に灰色の船体をした艦艇はよく目立っていたが,蒼色の船体をした第1戦隊旗艦の「AAA-013 オーシャン」と第3戦隊旗艦「CCC-002 アクエリアス」はずば抜けて目立っていた。
そんな「オーシャン」は4艦隊を指揮する為に通信設備を向上させ,索敵装置を増設する等して艦隊指揮能力を向上させていた。
そんな設備が集約される艦橋の大画面ディスプレイには地球の様に青い星へと降下していく緑色の船の姿が写されていた。
「ミルメリア艦隊,降下を開始しました。」
「一歩遅かったか········」
増設された超高性能索敵カメラで撮影された映像にフェルド・ヴェルズリー大将は唸った。
艦隊はあと1回のワープで目的地のノルースへと到着する場所にまで来ていたが,ミルメリア艦隊が降下を開始する方が一足早かった。
「あと数時間遅ければ········」
「歴史にもしもはない。我々は最善を尽くしたが,間に合わなかっただけだ。
だが·······今からでも出来る最善を尽くそう。通信士,アレヴィンに繋いでくれ。」
副官のフレシデント・ヤラヴェー中尉がそう言ったが,ヴェルズリーは冷静に返す。
ヴェルズリーの指示で通信士が目の前のキーボードを操作する。数分ののちにフェイエン・アレヴィン中将の姿が写し出される。
「アレヴィン。状況は分かっているよな。」
『ええ,勿論です。私を読んだということは,もしかして
「その通りだ。
ヴェルズリーの言った
『
「寧ろこう言う時の為にそれはあるのだろう? この場で一番奴らに打撃を与えられるのが君の「アンドロメダⅡ」だ。」
ヴェルズリーの返答にアレヴィンの表情はあきらめに変わる。
『やるしかありませんね。ドック側からどう言われても知りませんよ。
準備とか色々ありますので,失礼します。』
そう言って通信は切られた。それから1分もかからずに,第2戦隊は動き出した。
姉妹艦の中で唯一
「彼らの後に続いてワープするぞ。第3/4戦隊にも伝えておけ。」
第13艦隊はミルメリア艦隊を迎撃すべく,戦闘態勢に突入した。
◇
日本本土から約1000km南南東に位置する小笠原諸島。東京都の一部ではあるものの,非常に離れている為に都心とはかけ離れてた光景が広がっていた。
島には緑が溢れ,海は紺色に染まり,空はサファイアの如き水色に所々白い雲が浮いており,その姿はまるで絵画のようだった。
ビルに囲まれた都心では絶対に見ることの出来ない景色を見るべく,大勢の観光客が国内外問わず来ているの。だがそんな場所に非日常的で,現実味のない物が存在していた。
水色の空と対極的に目立つ緑色と白色で構成された巨大な船は飛行船の如く空を飛んでいた。
船体には煙の出ていない煙突や艦橋らしき構造物,そして巨大な3連装砲がそこかしこについていた。
砲塔こそ島には向けられていないが,島民はその姿だけで混乱に包まれる。島民・観光客問わず混乱に包まれる島を余所目に14隻のミルメリア艦隊は北へと進んでいった。
14隻の艦隊ことメディナ戦隊は機動力に優れつつも,多数の砲塔を持つ駆逐艦や巡洋艦を中心に構成されていたが,中心には唯一平たい甲板を持つ船が展開していた。
戦隊唯一の航空母艦で旗艦でもある「レパグラン」の右側に寄せられた艦橋では1人の女性が眼下の父島と母島を見下ろしていた。
「こんな近いのに意外にも迎撃はないのね。首都の発展具合から推測するに対空兵器は届く位に発展しているはずだから,ここにはそもそも配備していないのかしら。」
戦隊司令官のメディナ・レト・フォルベリサ少将は,こんなに島に近づいているのに,何の抵抗もなく進んでいる事にそう考察した。
事実小笠原諸島に自衛隊基地は眼下の父島には海上自衛隊の基地があり,硫黄島や南鳥島等にも飛行場が存在しているが,配備されているのは主に飛行場の管理員等で,戦闘部隊は愚かミサイルの1つも配備されていなかった為に迎撃は出来ず,出来るのは本土に艦隊の存在を知らせるだけだった。
「司令官。準備運動ついでにこの島を砲撃しますか? こんな島など,我が戦隊なら主砲だけで消滅させることも出来ると思いますが。」
「レナドサ。バカを言わないでもらえる? こんな島に構っているなら,早く
「そうでしたか。これは失礼しました。」
参謀のレナドサ・アワン・クレビアノ大佐が,メディナに進言するが,彼女は直ぐ様却下した。
彼女の反応にレナドサは謝罪したが,彼女は“大丈夫よ”と返した。
「レーダーに航空機及び艦艇の反応多数あり!! 速度からしてジェット機だと思われます!!」
レーダー員の報告を受けて,島を見下ろしていた2人は振り返る。
艦橋上部に設置されているディスプレイには,レーダーが捉えた敵の様子が写し出された。
ミルメリア艦隊は各地の星に侵略を行い,星の文明を攻撃する事が非常に多い。その為にルックダウン能力を強化したレーダーを船底の下部艦橋に備えている。
性能の良いレーダーが捉えたのは,複数の航空隊と2つの艦隊だった。速度・位置・陣形までもがありのままに写し出されていた。
多くの機体と艦艇がレーダー画面に写っている中で
航空隊の背後には
「ジェット機でこっちの戦力を削って艦隊で止めを刺す気ね·····中々楽しませてくれるじゃない。こうじゃないと戦った気がしないわ!
拡散ランチャーを搭載している艦を前に出しなさい!!」
メディナは興奮しつつも冷静に指示を出す。「レパグラン」の両脇に展開していた軽巡洋艦「メラヴィアン」と「ドラメアン」が艦隊前方に進出する。
「敵機ミサイル発射!!」
「っ!?」
2隻の軽巡が艦隊の先頭を追い越したと同時に,
レーダー員の報告にメディナは思わず舌打ちした。
「近すぎる·······これでは拡散ランチャーが使えない!! 各艦主砲や魚雷で迎撃しなさい!!」
「レパグラン」は艦載機を運用する空母ではあるが,航空甲板と船体の間や船底には3連装カノン砲が装備されており,航空母艦らしかなる重武装艦として知られていた。
そんな戦艦と空母の2つを備えた艦の艦橋前に装備された連装カノン砲の仰角が艦橋の指示でミサイルへと向き,緑色のショックカノンを発射した。
続けて航空甲板下の3連装カノン砲からもショックカノンが発射され,接近するミサイル群へと向かう。
周囲の艦も主砲からショックカノンを発射して迎撃しようとする。ショックカノンに誘導能力は存在していない為に
だが30発の
「艦首魚雷発射!!」
艦首の四隅に2門ずつ配置された魚雷発射管から魚雷が発射される。
上述の様にミルメリア艦隊は各地の星に侵略を繰り返している。その為に武装は安価な3連装カノン砲を中心としており,ミサイルや魚雷といった高価な誘導弾の搭載数は全体的に少なかった。だが,メディナは躊躇いもなく発射を指示した。
誘導装置を備えた8発の魚雷は迷うことなく,接近する
他の艦も魚雷や艦橋側面の9連装対空レーザーで
メディナが爆発音がした方を向くと,1隻の駆逐艦の船体から黒煙が激しく上がっていた。
「駆逐艦「レウフェ」被弾!!」
第1砲塔下部に被弾した駆逐艦「レウフェ」は黒煙を上げて速度を落としていた。
「「レウフェ」より通信。『本艦被弾したが,航行に異常無し』との事です!」
「本当に大丈夫なのかしら? 私が敵の司令官だったら真っ先に狙うわよ。万が一の為に艦隊最後尾に下げなさい。」
「レウフェ」の通信は無事を知らせるものだったが,メディナは寧ろ不安になった。戦力を失わずに出来る最善の指示をメディナが出すと同時に,レーダー員が叫んだ。
「敵編隊ミサイル第2射発射!!」
メディナは直ぐ様レーダー画面を向く。
第1波よりも数の多いミサイル群だったが,メディナは落ち着いていた。表情にはうっすらと笑みが見えていた。
「今度は拡散ランチャーがいけるわ!! 拡散ランチャー発射!!」
艦隊先頭に展開する2隻の軽巡の艦橋後部の煙突型の構造物から計16発の弾頭が発射される。発射された弾頭は前方へと広がっていき,一定の距離になると1つ1つが激しく自爆して艦隊前方を覆い尽くす爆発の壁を作り出す。
爆発の壁に突入した
爆発の壁が消えると,144発もの
2回の波状攻撃を駆逐艦1隻の損傷で防いだメディナ戦隊はほぼ無傷と言って良い状態だった。
「敵の波状攻撃は終わったみたいですね。」
「意外に呆気ないわね·······まあ良いわ。反撃開始よ。
意外にも呆気なく終わった事にメディナは残念がったが,未だ脅威度の高い艦隊を対処するべく,冷静に指示を出した。
ミサイル群を迎撃したばかりの軽巡洋艦「メラヴィアン」は駆逐艦「マノ」・「デュレイ」・「アバリサ」を引き連れて大きく左旋回する。
4隻の艦隊が分離した事を確認したメディナは隣に立っているレナドサに話かけた。
「レナドサ。制空権は1飛行隊で奪えるかしら?」
「どうでしょうか? マッハ越えのジェット戦闘機にミサイルですから,被撃墜は避けられません。
万が一も想定して第3飛行隊も投入しましょう。」
「そうね········第1/3飛行隊は対空装備満載で,制空権を取りなさい。第2飛行隊はそのままスプレッドポッドを搭載して残る航空隊を殲滅させましょう。」
メディナの指示で「レパグラン」の格納庫から並列に並んだ2基のエレベーターで艦載機のテレスガーベーターが次々と航空甲板に上がってくる。
垂直尾翼が下を向いた独特の形をして,空気抵抗を出来る限り少なくしたテレスガーベーターには白くて大きな主翼の上下に十数発もの誘導弾を取り付けていた。
航空甲板前の2基の電磁カタパルトに機体が取り付けられる。ブラスト・ディフレクターが展開して,2基のジェットエンジンが出力を増す。
艦橋員の操作よってカタパルトが動作して機体が発艦していく。2機の機体が発艦を終えると,また次の機体がカタパルトへと取り付けられる。
第1飛行隊が先行して発艦し続ける中,格納庫内では第3飛行隊の機体に対空ミサイルを取り付ける作業をロボットと作業員が共同で急ぎ行われていた。
そんな機体の横で待機している第2飛行隊のテレスガーベーターには主翼の下側に機体の半分程の大きさを持つ巨大なスプレッドポッドを2つ取り付けられていた。
ミルメリアによる一方的な
・アンドロメダⅡ
自分としてはアンドロメダⅡはマジでチートです。数話後にその凄さを感じるだろうと思いますが,そのチート能力がどんなものか期待しといてください。
・武装は安価な3連装カノン砲を中心にしており······
これを分かりやすく端的に纏めると,
「高いミサイルや魚雷を星に何発も撃ち込むのはコスパ悪いから,安い主砲沢山積むべ」
という感じ
・拡散ランチャー
まず前提としてミルメリア艦の煙突型の物体は基本的に組み換えを前提としたユニットになっている。
今回の対空用の拡散ランチャー以外にも機雷敷設装置やミサイル発射管・補給物資入れとしても使われている。
それを踏まえた上で拡散ランチャーについてだが,簡単にいえば一定の距離で自爆する小型の弾頭を発射して,爆発の壁を作り,接近するミサイルを誘爆させて阻止する兵器。
モデルは「星廻る方舟」でデバステーター攻撃機を迎撃した爆雷発射機。
・テレスガーベーター
ミルメリアの主力戦闘機。垂直尾翼が下を向いている奇妙な形をしている機体形状をしている。だがその分機体上部の空気抵抗は非常にすっきりしている。
固定武装は機首脇のレーザー砲 2基と機体上部の涙滴型のレーザー砲 1基のみ。涙滴型のレーザー砲は360°回すことができ,敵機攻撃からミサイル迎撃まで使用できる。
大きな主翼は強度が高く,対空ミサイルを十数発搭載可能で,スプレッドポッド等の重い物も搭載できる。
外見としては復活編に登場するコスモパルサーです。スプレッドポッドも重爆撃機仕様をベースにしました。
スプレッドポッドは次話でどんなものか分かると思いますので,お待ちください。