やはり俺の恋のリベンジは間違ってはいない。リメイク   作:龍造寺

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雫編7話です。


15ー7話ー友と後輩と恋人と。

ーー奉仕部教室内。

 

平塚先生はそれだけを言うと、スタスタと帰って行った。

 

残された八幡と雪乃。雪乃は、八幡に気にも掛けずに黙々と本を読んでいる。

 

八幡は、小さくため息を吐いて、時間を見る。

 

すると下校時刻の最終のチャイムがなり、雪乃はそそくさに帰り支度を済ませて、挨拶も無しに教室から去っていく。

 

「挨拶も無しかよ」

 

八幡は、大きなため息を吐いて、帰り支度をしてから教室から出た。

 

完全下校時刻が近づいてきているから、校内に生徒はほとんど残っていない。

 

シーンと静まり返っている校内を歩いていく八幡。

 

「ったく…面倒な事に巻き込まれたぜ」

 

平塚先生の高校生活を振り返ってという作文から始まった、奉仕部事件。

 

平塚先生に呼び出され、文句を言われ、放課後にとある教室に連れていかれて、雪乃と出会う。

 

その雪乃は、綾音と容姿が似ていたから驚く八幡だったが、似ていたのは容姿だけで、性格は全く似てなかった。

 

八幡曰く、胸も綾音とは全然違う。綾音は、巨乳とは言わないが、同級生の中では大きかった、と。それでも中学生の時の話で、今は雫しか見てない。

 

雪乃は、罵詈雑言を八幡に浴びせていたが、八幡も応戦したが、膠着状態になり、再び平塚先生がやって来た。

 

何しにやって来たのかと八幡は思ったが、平塚先生の口から出た言葉は、

 

困ってる人を何人救えるかというものだった。それも雪乃と対決する勝負と来た。

 

平塚先生は、付け加えて逃げ出したら進級不可、留年にするとか言ってきた。

 

ため息ばかりを吐きながら自転車置き場までやって来た八幡は、自分の自転車にまたがると自宅へ帰ろうとすると、2人の男子生徒達に声掛けられる。1人はチャラチャラした茶髪で肩にヘッドフォンをつけていて、もう1人金髪で強面な感じな男子生徒である。

 

「オッス、八幡!今帰りか?」

 

「八幡センパイ!お久しぶりです!」

 

「陽介に完二か、久しぶりだな。完二は総武を受けてたのか…それに陽介、お前千葉を離れるんじゃなかったのか?」

 

「一度は離れたさ。でもお前の事が心配で戻って来たんだよ」

 

「オレは、八幡センパイについていく事を決めてますので」

 

花村陽介、八幡の雅史以外の親友であり、親がとあるショッピングモールの副支店長であり色々あったが、八幡と出会い考え方を変えた。とある先輩に告白するが、フラレた。フラレた陽介が泣き出した時、八幡は自分の胸を貸している。陽介は借りだと思っており、八幡に借りを返そうとしている。高2の春、父親が総武支店長になるのをきっかけに、総武高校へ編入した。

 

巽完二、高1年生。巽染め物屋の息子。地元では不良だと言われているが、実は不良ではなく母親孝行な息子である。ただ見た目が不良っぽいからすぐに不良達やグレーな連中もやって来ていた。

 

とある時、完二はグレーな連中に呼び出され、1人リンチされていた時、八幡が救いに来てくれた。それから八幡を兄貴分と慕うようになった。

 

陽介、完二も八幡と綾音が恋人同士になった時も、祝福している。特に完二は自分の事のように、泣いて喜んだのだ。そしてこれは前には言っていないが、雫と付き合うことになったことを報告した時も自分のことのように喜んだ。

 

あの八幡と綾音の模擬結婚式の際、陽乃以外にも完二は商店街、陽介はショッピングモールを説得、協力を取り付けた裏話がある。

 

「陽介、完二……」

 

「な、なんだ、八幡、泣くほど嬉しかったのか!?」

 

「八幡センパイ、オレの胸ならいくらでも貸しまっスよ!」

 

「泣いてないし…借りねーよ」

 

八幡は、内心泣きたかったかもしれない。雪乃の罵詈雑言、平塚先生の無茶苦茶な要求…犯罪者でもないのに更正などと言われたこと。

 

だが泣きたかった気持ちをぐぅっと堪えた。

 

ここで泣いたら、陽介達に雅史達報告する可能性がある。そんなことになれば、雅史達海浜総合高校が総武高校に乗り込んで来かねない。というか雫が真っ先に乗り込んで来かねない。それだけはなんとしてでも防がねばと。

 

それだけではない、海浜総合高校には、八幡のファン、慕う人間達が集まっている。

 

それは八幡も知っているから、堪えたのだ。陽介が八幡の顔を見ながら

 

「八幡、平塚先生の居残り授業を受けてたのか?」

 

「誰から聞いた?」

 

「聞いたというか、見かけた。お前が平塚先生に連れて行かれるのをな」

 

「見てたのかよ……授業ならまだ良かったがな」

 

「授業ならって、な、何をやったんだよ、八幡!?」

 

「そ、そっスよ…先輩…」

 

「説教…」

 

それを聞いた陽介と完二は、ポカンとしている。

 

「マジで説教?」

 

「マジで説教。平塚先生の授業の内容に…まあ、ケンカを売ったみたいになっちまった…」

 

「先輩、先輩ってそんなキャラでした?」

 

「まあ、そんなキャラじゃないが…」

 

陽介は、聞くか聞かないか迷っていたがとりあえず聞いてみることにした。

 

「なあ、八幡?」

 

「なんだ、陽介?」

 

「総武ってお前に辛口だな」

 

「そうっスね。それはオレも気になってました」

 

「総武高校がちゃんとした俺の評価だ」

 

「そうか?総武中ではあのイケメンの雅史や光輝よりもお前の方が女子に人気あっただろ?」

 

「総武中の女子の目が、俺をイケメンフィルターで見てたんだよ」

 

「センパイ!センパイは、漢の中の漢でス!あの時、オレの事を身体張って救ってくれたじゃないっスか!」

 

「だな。俺なんかあんなこと真似できねーよ。八幡、お前は男も惚れさせるヤツなんだからよ!もっと自身を持てよ!」

 

「お前達…」

 

八幡は、陽介や完二が励ましてくれたおかけで、雪乃、平塚先生から言われた事を忘れることが出来た。

 

そんな感じを話していると、八幡のスマホが着信が鳴る。

 

「うん?八幡のスマホ鳴ってないか?」

 

「……ああ!」

 

着信の相手は、雫からである。彼女の着信だけ、BGMを変えているのだ。すぐに電話に出る。

 

「……もしもし、雫…」

 

「ねえ、まだなの?」

 

「もう、終わってるから…もう向かうだけだよ。やっぱり怒ってる?」

 

「怒ってないわよ。ただ現国の教師に呼び出されたことを心配してただけ。それとふざけた作文ってやつもちゃんと書き直したの?」

 

「もちろんだよ。ちゃんと書き直すことにしたから。というかまだ待ってる?」

 

「そうね。まだ待ってるわね」

 

「わかった、今すぐ行く」

 

「うん、わかった」

 

八幡は雫との会話を終えると、スマホをポケットにしまうと陽介と完二に

 

「悪い、陽介、完二、雫と待ち合わせしてるから、行くわ」

 

「八幡、八重樫とそういう関係になったのか?」

 

「まあ…な。綾音の死に苦しんでいた時に雫に勇気をもらったんだ…それでな」

 

「八幡先輩、幸せになってもらいたいっス!」

 

「ありがとな、完二」

 

八幡は、陽介、完二に挨拶してから自転車に乗って雫の元へ向かった。

 

 

八幡は、雫の元へたどり着く頃には、空の色は茜色から漆黒の空に変わっていた。

 

 

「すまない、遅くなった」

 

「ふざけた作文を書いたせいでね」

 

「うっ…すまない、雫……それを言われると何も言えない…」

 

「…まあいいわ。2人でいる時間は何よりも大切だし、夜空と町の明かりの中を歩けるしね」

 

「そうだな」

 

デートする時間は失ったが、2人で夜空の中を帰れるだけでも嬉しかった雫であり八幡であった。もし自転通学ではなかったら、腕でも組んで帰りたかった雫でもあった。




5月最初の投稿です。

雫編も留美の話で終わりです。次の選択肢から次に見たいヒロインか選んでください。

  • 1ー雪柳綾香
  • 2ー吹寄制理
  • 3ー一色いろは
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