やはり俺の恋のリベンジは間違ってはいない。リメイク   作:龍造寺

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雫編9話です。


17ー9話ー悪夢とお姉さん。

ーー月城健也とその父親が逮捕されるまで、道程は長かった。

 

逮捕された当初、月城健也が実名で報道されることは無かった。

 

未成年であるため、少年Aと報道された。だが、地元では実名報道が無くても噂話で広がっていった。

 

疑惑だらけの月城父も逮捕される。月城親子が逮捕されて、いもずる式にもみ消した犯罪が出てきたのである。

 

健也は、綾音以外にも多数の女の子に手を出していたようだ。

 

月城父は、所属政党から除名され、市議会で辞職勧告決議案が全会一致で採択され、議員を辞職する道しかなかった。雪ノ下議員と高梨議員(七海父)が共闘し月城議員を追い詰めた。

 

逮捕された健也は、取り調べでもおかしなことばかりを話すため、弁護士から精神鑑定を受けるように依頼される。

 

精神鑑定で精神に異常があると判断され、千葉の少年刑務所から、京都の医療少年院に移送される。

 

しかし、後に月城は八幡達の前に現れる。八幡を殺すために。京都がポイントか。

 

月城夫妻は離婚し、健也の母と妹は、母親の実家(宮城県仙台市)に帰って行った。母親は、被害者遺族に慰謝料を払う事を申し出た。被害者遺族は、妻と健也の妹からは、慰謝料は取らないと。そう決めていた。被害者遺族の弁護団は団長は葉山父だった。

 

悪いのは、月城父と健也であると。彼らから慰謝料をもらうとした。被害者遺族は、あの妻と健也の妹は、同じく被害者だと。

 

健也父は、亭主関白で妻に暴力を奮っていたようだ。息子の健也は、母親ではなく父親に味方していたようだ。

 

 

全てが終わった後、お姉さんに八幡と綾音はお礼を言った。

 

【お姉さん、ありがとうございます】

 

【良いよ、お礼なんて】

 

【お姉さん、貴女は俺達の命の恩人です。本当にありがとうございました】

 

八幡と綾音は、頭を深く下げた。2人共にお姉さんに感謝しているのだ。

 

【まだ俺達、お姉さんにお礼出来るほどの立場にありません。いつか、将来、必ずお姉さんにお礼をいたします。必ず立派になって必ず】

 

【ふふっ、キミ、言うね。お姉さん、生意気なこと言うヤツは嫌いだぞ】

 

【生意気で構いません。受けた恩は、必ず返すのが礼儀だと、母さんから教わりましたから】

 

【受けた恩は必ず返すか…ふふっ、いつかお姉さんが困った時、2人に頼もうかな】

 

【「はい!必ず受けた恩は返します!」】

 

八幡と綾音は、同時にそう言った。するとお姉さんが

 

【ふふっ、本当に妬けちゃうぐらい羨ましいな~流石、恋人同士ってことかな】

 

【こ、恋人同士じゃないですよ!】

 

【え、ええ、私達、幼なじみってだけですよ】

 

【八幡君、綾音さんをほっといたら、他の男に取られるぞ!】

 

【なっ!?】

 

【綾音さん、八幡君みたいな男の子は他にいないよ。ここまで尽くしてくれる男の子は見たことないかな。八幡君がフリーだったら、お姉さんが取っちゃうぞ?】

 

【さ、させませんよ】

 

【なんてね、綾音さん、冗談よ。だってお姉さんが入る隙なんて無いもの。おっと時間が来たわね。それじゃお姉さんは、帰るけど、2人共、お幸せに~】

 

そう言って去っていくお姉さんに八幡は最後に

 

【お姉さん、お名前は?】

 

【そう言えば、お姉さん名乗って無かったな~名前は、ユキノシタハルノ、ユキノシタハルノよ】

 

【ユキノシタハルノ】

 

八幡は、机でアゴを強打した。どうやら思い出しの途中で眠っていたようだ。しかしアゴをさすりながら雪乃を見ると、蔑んだ目で八幡を見ている。

 

 

「比企谷君、人が話してる時に寝るなんて、最低ね」

 

「わ、悪い」

 

「謝ってすんだら警察は入らないわ」

 

八幡は、過去の夢を見るなんて久しぶりだから、ちょっとは驚いたが何であの夢を見たのだろうと考えた。

 

八幡はあのお姉さんはどうしてるのだろうと考えた。

 

自分達が高校2年生になってるから、おそらく大学生かなと思った。

 

お姉さんの名前は、彼女が言ったとおりになら

 

【ユキノシタハルノ】

 

【ユキノシタ、雪ノ下?】

 

【まさかな】

 

八幡は、心の中で呟きながら、目の前の雪乃を見る。あんな優しいハルノさんが、こんな冷血女の一族ではないと無いと思った。ただ苗字が一緒なだけだと考えた。

 

「何?貴方に見つめられると、とても気持ち悪いのだけど?やめてもらえる?」

 

綾音とも雫とも違うし、ハルノとも違うとため息を吐く。

 

「私の事が好きなの?ちょっとごめんなさい、貴方とは付き合えないわ」

 

雪乃は別段意外そうな顔もせずに、平素と変わらない冷たい表情で言う。

 

雪乃が綾音の容姿と似ているから、余計に腹が立つ。もし雪乃が綾音に似てなければ、腹は立たないだろうしなんせ今は雫という彼女もいる。雪乃なんか八幡に眼中にない。

 

「雪ノ下、お前は異常だ。俺が何故、お前に告白しなきゃならないんだ?」

 

「違うのかしら?貴方からは、私に対する欲望のオーラが見えるから」

 

「んなわけがあるか!」

 

「そうかしら?」

 

八幡と雪乃はしばらく押し問答を繰り返したが、2人共に落ち着きを取り戻し

 

「一応聞くけど、雪ノ下、お前友達いるのか?」

 

「そうね、まずどこからどこまでか友達なのか定義してもらって良いかしら?」

 

「友達の定義?そんなのは、苦楽を共に過ごし乗り越えた友達…本気でモノを言える友とか…」

 

「ふーん、貴方こそ友達はいるのかしら?」

 

「いるわ!最高の友がな」

 

八幡の脳裏に雅史、光輝、緑子、七海、香織、折本、陽介、完二の顔が浮かんだ。苦楽を共に乗り越えた友。そして最高の妻だった綾音の顔、今の彼女の雫が脳裏に浮かぶ。

 

「妄想や幻想のお友達かしら?だとしたら気持ち悪いわよ!」

 

「お前は、どうしてもぼっちにしたいようだな?」

 

「そうね、貴方みたいな人に、友達がいる方がおかしいし」

 

「お前と一緒にするな」

 

八幡は雪乃にそう言った。すると雪乃がまた語りだした。

 

八幡に対して人に好かれたことが無いだろうと言ってきた。

 

「はぁ?何で俺が人に好かれた事が無い?バカを言うなよ?中学時代は、モテモテだったぞ?」

 

八幡のこの発言は、雪乃の表情が一瞬、フリーズしそして笑いだした。

 

「クスクス…面白い冗談を言うわね、比企谷君」

 

「……お前、信じてないだろ?」

 

「信じられるはず無いでしょ。もしそれが本当だとしたら、奉仕部に連れて来られるはずがないでしょ?」

 

雪乃は、八幡に親友や女子に気に入られてるならば、この奉仕部に来ることはないと言ってきた。

 

八幡は、本気を出さないことにしている。本気を出して、再び騒がれたくないのだ。静かに高校生活を暮らしていければ、それで良いのだから。

 

中学時代に一生分と言っても良いぐらいにいろんなことを経験をした。楽しいことも、最愛な彼女であった綾音を喪ったこと。

 

その後灰色な世界に八幡はなったが、そんな灰色の世界に光を射し込んでくれた今カノの雫。雫も親友の綾音を喪って悲しいはずなのに八幡を包み込んだのだ。

 

目の前の雪乃に、大切な人を喪った悲しみがわからないだろうと、言ってやりたい気持ちになったが、八幡はやめた。言っても仕方がない。

 

一方の雪乃は、八幡の事を気にする事もなく自身の自慢話ばかりを続けた。

 

自分は、可愛かったから、色んな男子に告白された。

 

それが原因で女子の敵を作りまくった。

 

それでいじめられるようになった。

 

八幡は、当たり前だなと思った。何故なら綾音とは真逆の立ち位置なのだから。

 

雪乃が女子達に嫌われてるのに対し綾音は女子にも人気があった。

 

綾音も男子にも人気があったし告白もされていた。でも全部断っていた。

 

八幡は、雪乃の育って環境を聞いて、自分達がいかに恵まれた環境にいたのを痛感する。だからと言って、罵詈雑言を言っていいわけがないのだから。

 

雪乃も綾音達と出会っていたのなら、こんなのにならなかったのかもしれない。

 

八幡自身も綾音もお節介な人間だから、必ず…

 

雪乃は自慢話が終わると、窓の外を見てたが、八幡の方を向く。

 

「でも、それも仕方がないと思うわ。人はみな完璧ではないわ。弱くて、心が醜くて、すぐに嫉妬し蹴落とそうする。不思議なことに優れた人間ほど生きづらいのよ、この世界は。そんなのおかしいじゃない。だから変えるのよ、人ごと、この世界を」

 

「……考えが斜め上に行き過ぎだろ!」

 

「そうかしら?」

 

八幡はふと綾音が言っていた事を思い出した。

 

【私は、恵まれてると思うんだ】

 

【恵まれてる?どうしてそう思うんだ?】

 

【私、ほら小学生の頃、美少女とか男子達に人気があったでしょ?】

 

【あったな】

 

【それで女子にいじめられてたでしょ?私が泣いていた時、八幡と雅史が怒ったでしょ】

 

【…そんなこともあったな】

 

【八幡のあの言葉、今でも覚えてる。綾音が美少女だからって、僻むなよ。悔しかったら、お前達も美少女と呼ばれるように努力しろよ。あ、努力だけでは、なれないか。綾音は、内面も美少女だからな、って】

 

【は、恥ずかしいな。ガキの頃のセリフは】

 

【……私は、私みたいにいじめられてる人達を救いたい。八幡が私を救ってくれたように、だから間違ったこの世界を変えるために…そんな職業に就きたいかな】

 

【凄いな…綾音は。俺なんか将来のことなんてまだ】

 

 

綾音も世界を変えたいと言っていた。弱者を守るために…。

 

【俺は、どうしたいのか?平塚先生の言うとおりに灰色生活を続けるのか。それとも、綾音の意思を…志を継ぐべきなのか…。まだわからない…俺が何がしたいのか…】

 

八幡が悩んでいるときに、綾音の声が聞こえる。

 

【八幡、悩んで良いんだよ。焦る必要はないのだから。ゆっくり歩んで行けば必ず…】

 

 

「綾音!」

 

八幡が突然声を発したので、雪乃はビックリしている。

 

「何?私がしゃべってるのに?」

 

「いや、なんでもない」

 

「まあ、貴方にわかってもらう必要はないけれど」

 

「お前の考え方を賛同するわけじゃない。ただ…」

 

「だから、貴方に賛同されなくても構わないのだけど」

 

「お、おい!」

 

八幡は、ほんの少し前に出た。雪乃のあのセリフで進めたのは、癪だか。

 

綾音の意思を継ぐかどうかは、雫とともに歩みを進めてから決めることにしたのだった。

雫編も留美の話で終わりです。次の選択肢から次に見たいヒロインか選んでください。

  • 1ー雪柳綾香
  • 2ー吹寄制理
  • 3ー一色いろは
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