やはり俺の恋のリベンジは間違ってはいない。リメイク 作:龍造寺
ーー奉仕部の教室。
下校時刻のチャイムがなり、雪乃は読んでいた本を鞄にしまうと、八幡の方を見て
「それじゃあ、比企谷君」
それだけ言うと、教室から出ていく。八幡はため息を吐きながら、夕陽を見ながら
「はぁ~無視された初日よりもマシになったか」
八幡も帰る身支度をしてから、教室から出た。
相変わらず、特別棟の方は静まり返っている。
「さっさと帰るとするか」
自転車に乗ってそそくさに帰る。
自宅まで帰って来た八幡は、綾音の家の方を見る。するとそこには綾音の妹の綾香がいた。彼女は洗濯物を取り込んでる最中だった。実はこれまでも見かけた時は、彼女に声を掛けたが、無視されていた。彼女も綾音を喪って、八幡の事を嫌ってるのではないかとも思っていた。
彼女の名前は、雪柳綾香、綾音の1つ下の妹。小さい頃は、綾音と一緒に遊んでいたが、高学年になると、八幡の妹の小町と遊ぶ事が多くなった。それでも綾香は、姉である綾音が大好きで、八幡の事もお兄ちゃんと言って慕っていた。
綾音が倒れた後も八幡が来れない時は、必ず看病に来ていた。八幡と付き合うと知った時も心から喜んだ。
だけど、綾香の心の中で何かが生まれたのも同時だった。
そして綾音を喪って悲しむ八幡の姿を見て、自分が何とかしなくてはと思った。
自分が八幡を支えるんだと。
中学3年になってからは、八幡とほとんど会話せずに、勉強やスポーツに勤しんだ。自分にカツを入れるため、あえて八幡を無視していたのだ。
そして八幡がいる総武高校へと。八幡には内緒で。
そんな綾香に障害なのは、八重樫雫だろう。
雫は、今や八幡の彼女になっているのだから。綾香自身も負い目を感じてる部分もある。八幡が本当に苦しい時、支えてあげることが出来なかった自分自身がいるからだ。
八幡は、上から下へ綾香を見る。彼女は、今年で高校1年生である。綾香の容姿は、黒髪でセミロングで、身体も随分と成長している。当然胸だって成長していて、もしかすると綾音よりも大きくなっている。八幡は、戸惑いながらも
「綾香、久しぶりだな、元気にしてたか?綾音の葬式以来、あまり見なかったからな。それにそれから綾香に無視されてたし」
「八幡お兄ちゃん、お久しぶりです。それと今までごめんなさい」
綾香は、八幡に対して深々と頭を下げた。
「綾香…そうか、もう嫌われたかと思った」
「ううん、八幡お兄ちゃんを嫌ったりしないよ。私、総武高校に入ったよ」
「そうか。今さらだけど、おめでとうな」
「ありがとう」
「でも、お前って海浜総合高校に行ったんじゃ?」
「違うよ、私は八幡お兄ちゃんを追って…シズクサンナンカヨリワタシガ…」
小さな声でそんなことを言った。
「うん?なんだ、綾香?」
「な、なんでもない」
綾香は顔を赤くして、家の方へ入っていく。そんな彼女を見ていて
「綾香、元気になって良かった」
そう言ってから自分の家に入ったのだった。
だが八幡の知らぬところでは、彼女の雫にとっては、ライバルが増える結果ともなってしまった。
八幡は、寝る前にチャットを確認する。すると雅史からのチャットだった。
【八幡、話があるんだが、今良いかな?】
【別に構わないが?】
【八幡、綾香ちゃんと話したんだな?】
【うん?何で知ってんだ?】
【まあ、綾香ちゃんから色々と相談受けていたからな。八幡が綾香ちゃんの事を嫌ってるかもって】
【嫌ってるわけない。むしろ俺が綾香から無視されてたし…】
【それには、色々と原因があるのだが、綾香ちゃん、まあ、ちゃんとお前と話せて良かった、俺も安心したよ】
【まさか、総武高校に来てるとは思わなかったけど。綾音が行きたかった海浜に行くとばかりに】
【八幡…彼女は……。おっとこれ以上は綾香ちゃんに失礼か。色男は大変だな、雫が可哀想だ~】
【雫が可哀想?綾香の件でなんで雫が?】
【彼女の立場からすれば、綾香ちゃんは強敵だな。何だって前恋人の綾音の妹だからな。万が一、そっちに転ぶ可能性もある】
【転ぶ可能性って…俺が綾香に?】
【恋人であっても雫は違う学校で、綾香ちゃんは、お前と同じ学校。これ以上は、言わずともわかるよな?】
【ああ、言わずともわかったよ…俺は雫以外好きにはならない。それに綾香は、小町と同じで妹としか見れない】
【それは…綾香ちゃんが可哀想だな。まあとにかく、これからの高校生活頑張って行こうぜ】
八幡は、雅史に励まされた。雪乃のあのセリフと雅史の言葉に少し心が動かされたのだ。
雅史とのチャットを終えて、八幡は棚に置いてある綾音の写真を見る。
その写真は、綾音だけが写っているものである。もちろん写真を撮ったのは、八幡である。綾音が優しい表情で写っているのだ。
「本来なら、雫がいるのに前恋人の写真を飾るのはおかしいけど」
もちろん雫の写真もあり、自分の勉強机に置かれてある。
八幡は、とある歌を歌い出した。
今は、悲しい時、苦しい時に歌っているのだ。己を奮い立たせている。以前は、不安な綾音のために歌っていたのだ。ギターも陽介に習って覚えて、人に聴かせられるまで上手くなった。
全て綾音のために頑張って来た八幡。綾音の死後は、雫のために再び頑張っていこうと決意した。
今までに葛藤が無かったわけではない。綾音が死に自分だけが幸せになっていいものかと悩み続けたこともある。そんな時、一緒に考え支えてくれたのが雫であった。
暗闇の中に1人でいたとしても雫という光に照らされ前へ進める道を歩む事ができた。
そんな歌声を聞いて、小町は安心し、綾香は改めて決意をするのであった。
運命も少しずつ動いていく。それが幸せなのか、不幸に動いていくのかは、誰にもわからない。
それは、運命のサイコロさえもわからない。
雪ノ下雪乃は、千葉村を訪れた辺りから八幡に対しての考え方が変わっていきます。
雫編も留美の話で終わりです。次の選択肢から次に見たいヒロインか選んでください。
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1ー雪柳綾香
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2ー吹寄制理
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3ー一色いろは