やはり俺の恋のリベンジは間違ってはいない。リメイク   作:龍造寺

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雫編11話です。


19ー11話ー由比ヶ浜結衣来訪。

ーー

 

綾香と話してから、毎回毎回と朝の登校時に家に突撃してくるようになった。何故なら八幡と一緒に学校に行くためだ。

 

母さんは、いいじゃないの、と言い

 

父さんは、雪柳さんから頼まれてるから、良いだろと言った。

 

小町にいたっては

 

【綾香は小町の親友だし、お兄ちゃんにとっても妹みたいでしょ】

 

と言ったのだ。

 

【そう簡単にはいかないだろ。綾香は綾音の妹だ。小町と同じでもう1人の妹みたいなものだ。先日も言ったが、恋愛感情なんか抱けるわけがない】

 

八幡はそう思ってるが、当の本人の綾香はそう思ってはいない。すでに恋愛感情が生まれてるのだから。

 

八幡もそんな綾香に気づいてないわけではない。雫がいる以上は、綾香をそんな目で見るわけにはいかないのだ。

 

だから時間をずらして登校したりしているが、綾香に見つかる感じである。

 

疲れて教室の自分の机に座っていたら、吹寄学級委員長が

 

「3限目、4限目の家庭科の時間は、調理実習ですので、家庭科室へ移動してください。ちゃんと班分けやってると思うから、班ごとに分かれ下さい」

 

吹寄から家庭科の事を聞くまで忘れていた八幡。

 

「な、なんだと…」

 

家庭科の調理実習の班決め、総武高校に来てから一番苦痛の時間になっている。ボッチは、人数が足りない班に強制加入させられる。

 

人数の足りない班がたとえ女子の班だとしても強制加入。しかし女子からは相手にされないので、苦痛の時間が伸びただけ。

 

家庭科の調理実習の時間が来るたびに、苦痛の時間という処刑がやって来る。

 

2年になってからの最初の調理実習だが、ボッチなのは、1年時と変わるわけがない。

 

中学時代は、雅史や光輝達と組んですぐに班は決まっていたが。またサボろうと考えた八幡だが、吹寄が近付いてきて

 

「サボったら許さないわよ?」

 

「な、なぁ!?」

 

「家庭科の鶴見先生から言われたの。比企谷君を逃がさないでって」

 

「あの…1人で調理実習をしろと?」

 

「1人で調理実習をするわけないでしょ。班ごとに分かれてやるのよ」

 

「だから、どこの班にも所属していない俺は、1人で調理実習ってことになるだろ?」

 

八幡は、別に1人で調理実習をやっても良いのだ。確かに苦痛で退屈な時間だったかもしれない。それは何もしないで、時間の経過を過ぎるのを待っていただけだ。

 

だが1人で調理実習をした方が他人を気にせずに出来るのである。

 

八幡は料理は得意な方だ。母親と一緒に作っていたからである。

 

綾音と一緒に料理を作りたかったから、覚えたという方が本音かもしれない。それに雫との遠出のデートの時、弁当を作ったこともある。だから調理実習自体は苦ではない。

 

 

吹寄が困った表情をして

 

「貴方、男子のグループに誰も入れてもらえなかったの?」

 

「ああ、誰もボッチは入れてくれないのさ」

 

「あのね、胸を張って言う言葉じゃ無いでしょ?」

 

「別にいいだろ、そんなのこと…」

 

吹寄は頭を抱えながらため息を吐く。そして

 

「仕方がない、比企谷君、貴方は私の班に入りなさい」

 

 

 

そして家庭科の時間になり、調理実習が始まろうとしていた。家庭科室は、ちゃんと綺麗に片付けられて、掃除がちゃんと行き届いている。

 

そんな八幡は、吹寄班にいた。彼は思う。他の女子の班の連中が笑っているのが聞こえる。

 

1つめは、葉山隼人の取り巻きの女子達。

 

2つめは、相模南のグループ。

 

3つめは、相原聖司のグループ(葉山達とは違うリア充グループ)

 

その他諸々のグループがある。

 

吹寄班だって、吹寄以外の女子達だって何か言いたそうにしている。

 

「吹寄さん、やはり俺は場違いじゃ?」

 

「場違いだろうが、貴方をサボらせるわけには、いかないの」

 

「はぁ~、女子の視線が痛いですが?」

 

「我慢しなさい」

 

そして八幡は、吹寄班で片隅で調理実習に加わる。作る物はカレーだった。

 

調理実習の定番料理であろう。ただ吹寄班の女子は、吹寄以外は料理をしたことがないのかって酷かった。だから八幡が、ついつい手を貸してしまう。

 

料理が上手くなりたいと緑子や七海や小町、綾香にせがまれて、教えていたこともある。

 

吹寄班の女子も最初こそ、嫌々聞いてたり、従ってたが、しまいに吹寄班の女子達が自ら聞くようになった。

 

そして出来上がりは、吹寄班が一番良くできたのだった。

 

影の主役は、八幡だと吹寄班の女子はそう思うのだった。吹寄からは感謝されたのだった。

 

午後、現国の授業は油断ならない。平塚先生が八幡ばかりを当ててくる。

 

だが八幡が正解ばかり答えるから、平塚先生として面白くないのだ。

 

だから現国の授業が終わり、八幡に

 

「放課後は、例の場所に行くように」

 

平塚先生は、八幡を睨んでいた。一瞬怯んだが

 

「わかりました、サボりませんし帰りませんよ」

 

八幡も綾香の事があるから、早くは帰れないと思っている。朝同様に綾香が追っかけ来るからである。八幡も誰とも付き合っていないならそれでも別に構わないだろうが、雫と付き合っているので、変な噂を立てられるわけにはいかないのだ。

 

だから嫌々ながらも奉仕部のある特別棟の教室までやって来た。

 

「こんにちは、雪ノ下」

 

「比企谷君、こんにちは」

 

相変わらずの雪乃は、本を読んでいる。八幡は、雫からもらった本を読むことにした。

 

雫が面白いと言っていたから読んで見ると面白いことがわかった。

 

だが、奉仕部はずだが、文芸部のようになっている。

 

八幡は、人助けはどうなったのかとも思ったが、気にせずに本を読むことにした。

 

そんな中、奉仕部の教室の扉がノックされた。

 

「どうぞ、開いてますよ」

 

雪乃は、ページを繰る手を止めて几帳面に栞を挟み込むと、扉に向かって声をかけた。からりと戸が引かれて、ちょこっとだけ隙間が開いた。そこから身を滑り込ませようにして彼女は入ってきた。まるで誰かに見られるのを嫌うのかのような動きだ。

 

肩までのピンク髪に緩くウェーブを当てて、歩くたびにそれが揺れる。探るようにして動く視線は落ち着かず、八幡と目が合うと、ひっと小さく悲鳴を上げた。

 

「な、なんでヒッキーがここにいんのよ!?」

 

「はぁ?ここにいるもなにも、俺はここの部員だからな。つーか、ヒッキーって俺の事か?」

 

八幡は、ヒッキーと言った女子生徒を見る。 彼女は今時の女子高生って感じの方に値する。八幡が良く知ってる雫達とは違うタイプの方だ。

 

スカートの丈が標準より短く、ボタンが3つほど開けられてれたブラウス、覗いた胸元に光るネックレス、ハートのチャイと学校の校則を無視した格好である。

 

八幡は記憶の中から、葉山グループにいるピンクの髪の女子生徒だろうと思う。

 

つまりリア充のグループだと八幡は認識した。

 

「由比ヶ浜だっけ?ま、とにかく座って」

 

八幡は、さっと椅子を出して彼女に座るように促す。

 

「あ、ありがと」

 

結衣は戸惑いながらも、勧められるままに椅子にちょこんと座る。正面に座っている雪乃が目線彼女に合わせた。

 

「由比ヶ浜結衣さんね」

 

「ヒッキーはともかく、あ、あたしの事を知ってるんだ」

 

「お前、良く違うクラスの人間の名前がわかるんだな」

 

「そんなことはないわ、貴方の名前は、私とトップ争いしてなかったなら知らないままだったし」

 

「そうかよ」

 

つまり雪乃は、八幡が自分のライバルでなければ、興味もない存在だと言っているようなものだ。八幡も平塚先生に連れて来られなければ、雪乃に興味もなかっただろう。

 

「アハハ、なんか楽しそうな部活だね」

 

結衣がなんかキラキラした表情で雪乃を見ている。

 

「はぁ~別に愉快な部活ではないのだけど。むしろその勘違いがひどく不愉快だわ」

 

雪乃も冷ややかな視線を送っている。それを受けて結衣は、アワアワ慌てながら両手をブンブンと振る。

 

「あ、いや何て言うか凄く自然だなって思っただけだからっ!ほら、そのー、ヒッキーもクラスにいるときと全然違うし。ちゃんと喋るし…あ、今日の調理実習の時、委員長達と喋ってた…」

 

「まあ、吹寄達のグループに当てられたからな。喋らないわけにはいかないだろ」

 

「そう言えば、由比ヶ浜さんもF組だったわね」

 

「お前、いつも葉山達のグループにいるよな」

 

「まあ、そうだけど、ヒッキーに文句言われる筋合いはないし」

 

「そうだな。同じクラスで話すこともないしな」

 

「そんなんだから、ヒッキー、クラスに友達いないんじゃないの?なんか気持ち悪いし」

 

「気持ち悪くてごめんな。顔面はこんなんだから悪かったな。お前らのグループからすれば、俺みたいなのは汚物なんだろうがな」

 

八幡は、言いたいことを言ってしまった。結衣はちょっと落ち込んだ感じで

 

「あ、あたしはそこまで言ってないし」

 

「お前達みたいな女子は、表で味方のふりして、影で笑って貶しているだろ?」

 

「な、なんでそんなこと…そんなことやってないし」

 

「嘘はつかない方がいい。さっきも俺の悪口を言ったじゃないか?なあビッチ?」

 

「嘘なんか言ってないし。あれは悪口じゃないし…それにビッチ何よ!あたしはそれに処…」

 

八幡は、はぁ~とため息を吐いた。結衣が処女だろうが、非処女だろうか興味はないのだから。そこに雪乃も爆弾発言をする。

 

「別に恥ずかしいことではないでしょう。この歳でヴァージンなんて、おかしくないわよね、童谷君?」

 

「雪ノ下、人の名前を下ネタに被せるな!」

 

「あ、ごめんなさい、貴方から童貞臭がするもの」

 

「雪ノ下!下ネタはやめろ」

 

「ヒッキーがあたしにビッチって言ったし、人の事をビッチとか呼んで、ヒッキーってマジで気持ち悪いし童貞だし」

 

「気持ち悪いとか、ヒッキーとか、童貞とか、関係ないだろ…このビッチが!」

 

「あたしは、ど、童貞とか言ってないし!ビッチとか言うなし、マジでウザイしマジでキモい。本当に死ねば?」

 

八幡は、スタスタと歩き窓を開ける。そして身を乗り出す。

 

「お前、俺がここから飛び降りたらどうする?責任取れるのか?自分が言った言葉の責任が取れるのかと聞いてるんだ」

 

結衣は青ざめた表情で下を向いている。八幡はすぐに身を直してから元の位置に戻る。雪乃はため息を吐きながら

 

「……なんでこんな話になったのかしら……。由比ヶ浜さん、貴女何か依頼があるから来たのではないのかしら?」

 

「あ、そうだった。あのさ、平塚先生から聞いたんだけど、ここって、生徒のお願いを叶えてくれるんだよね?」

 

「まさか、由比ヶ浜の依頼が一番手になるとはな」

 

「由比ヶ浜さん、ちょっと違うかしら。あくまでも奉仕部は手助けをするだけ。願いが叶うかどうかは貴女次第」

 

雪乃の言葉は、冷たく突き放した感じだった。

 

「どう違うの?」

 

怪訝そうな表情で結衣が問う。八幡も雪乃の言ったことを理解した。あくまでもヒントを与えるだけ、あとは本人次第。八幡がやって来た事とは違う。どっちかと言えば、餌を与え、方法も教える方になるだろう。

 

「飢えた人に魚を与えるか、魚の取り方を教えるかの違いよ。ボランティアとは本来そうした方法論を与えるものであって結果のみを与えるものではないわ。自立を促す、というのが一番近いのかもしれない」

 

雪乃の言ったことは、学校教育のお手本みたいなものである。

 

簡単に言ってしまえば、迷える子羊ための部活、迷ってる生徒がいれば、ヒントを与えて自立を助ける部活ってことになる。

 

「な、なんかすごいねっ!」

 

結衣はほえーっと目から鱗で納得しましたという表情をしている。何の科学的根拠も無いが、結衣みたいな巨乳な女の子は、詐欺まがいなことに騙されるんじゃないかと、八幡は思ってしまった。

 

かたや塗り壁みたいな胸の持ち主で、知名明晰にして怜悧極まる雪乃。相変わらず冷たい微笑みを浮かべていた。




結衣も雪乃同様に最初は悪くかかれてますが、後々には彼女も態度を軟化させていきます。

雫編も留美の話で終わりです。次の選択肢から次に見たいヒロインか選んでください。

  • 1ー雪柳綾香
  • 2ー吹寄制理
  • 3ー一色いろは
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