やはり俺の恋のリベンジは間違ってはいない。リメイク 作:龍造寺
ーー
「比企谷君、戸締まりよろしく」
「ああ」
雪乃はそう言うと、奉仕部の教室から出ていった。
「雪ノ下は、相変わらずだな…」
それでも少しずつ変わってきてると思う八幡。
ほんの少し。
ほんのちょっと。
それでも歩み出したことには変わらない。
八幡と雪乃の奉仕部の始まりでもあった。
ーーー
八幡は、自転車で自宅に帰って来ると、玄関には、何故か制服にエプロンをつけた綾香がいた。それも昭和の奥さんが夫を出迎えた格好で
「八幡お兄ちゃん、お帰りなさい」
「ち、ちょ…俺…無意識に雪柳家に?」
八幡は、家の表札を改めて確かめる。
しかし
表札には【比企谷】と明記されている。
「俺の家だ…じゃなくてなんで綾香がうちにいるんだ?」
すると小町が玄関の方に首を出して
「お兄ちゃん、綾香、しばらく小町達と住むことになったよ」
「はぁ?それはどういう意味だ?」
「綾香のお父さんのお仕事の関係で、関西に行かなくてはならなくなったから、お母さんもついていくって」
「おじさんとおばさんが、関西に…。綾香も行くんじゃ?」
「八幡、リビングまで来てね、みんなで話すから」
「八幡お兄ちゃん、全てを話すから、まずは手を洗ってね」
八幡の母親と綾香は、リビングの方へ行く。1人取り残された八幡は
「…一体どういうこと?」
八幡は言われたとおりに手を洗ってからリビングに行く。するとそこには、父親、母親、小町、綾香の4人が既に座っている。
「オレから話す。八幡、綾香さんを家で預かることになった。雪柳さん夫妻は、仕事の関係で関西に転勤となったんだ。綾香さんは、ここから離れたくないと言ったみたいだ。雪柳さん達も綾香さんの気持ちも考えて、家で預かってもらえないかと頼まれたんだ」
「それで引き受けたと?」
「そうだ」
「綾香は両親と行きたくなかったのか?」
「もちろん行きたい気持ちもあったよ。でも八幡お兄ちゃん、小町から離れたくなかった…お姉ちゃんの思い出が沢山あるここから離れたくなかった」
綾香はポロポロと涙を流し始めた。そんな姿を見て、八幡も小町も涙が自然と出てくる。
「綾香…!小町も離れたくないよ~」
「小町…」
八幡は、小町と綾香の頭を撫でた。昔から2人が泣き出したりすると、八幡がよく頭を撫でていたのだ。
学校で奉仕部で、雪乃や結衣によって疲れ果てた身体だが、綾香や小町の事を考えれば、疲れなんか関係なかった。2人とも嬉しそうにしている。
「八幡、綾香さんを頼むぞ」
「八幡、綾香さんを頼むわね。私達にとっても娘みたいなものだからね」
八幡は、綾香の事を任された。綾音と綾香の両親は、八幡の事を実の息子のように接してくれていた。綾音が亡くなった後も普通に接してくれていたのだ。だから綾香の事を任されたのだ。
「おじさんとおばさんが言うのなら、仕方がない」
「ありがとう、八幡お兄ちゃん!」
綾香は八幡にくっついた。
「全く、お前は昔から変わらないな~」
「変わったよ、ちゃんと成長したから」
「綾香、お兄ちゃんは、小町だって大好きだよ!1人で取らないで!」
そんな光景を見て、両親は微笑ましく笑ってるだけだ。八幡も嫌ではないから、なすがままになっていたが、心では雫に謝っていた。
そして、母親と綾香が作った夜ご飯を食べた後、自室に戻った八幡は、雅史達のグループチャットでその事を話していた。
【そうか、おじさんとおばさんが、関西にな。俺のお袋も事前に知ってたみたいだ】
【ああ、俺の両親もそんな感じだった。本当は、春前に転勤の事はわかってたみたいだが、綾香が総武高校に受験するって、言い張ったみたい】
【綾香ちゃん、八幡の力になりたいって言ってたからな】
【それは、小町からも両親に聞いた。って緑子も七海も会話に入ってこないな?】
【……綾香ちゃん、八幡の家に居候するってことだよね?】
【どうなのかな、これって雫的には良いのかな?】
【まあ、綾香の両親と八幡の両親が決めたんだからしょうがないよ。私がどうこうする権利無いし】
緑子と七海からの雫のコメントには色々あるが八幡はちゃんと答える。
【あ、綾香は妹、小町と一緒で妹的存在だ!】
八幡がそう言うと、いつもは冷静な雫が取り乱して
【綾音の妹であって、八幡の妹じゃないでしょ?八幡は妹と思っていても、綾香ちゃんはそう思ってないから!私だって!】
【雫、お前…】
【 八幡、雫は寂しいんだよ、不安なんだよ、学校も違うし。その点綾香は、学校も同じで同じ家で同居って】
【雫、ごめん、ただでさえ学校も違うのに一緒に入れる時間も少ないのに】
八幡は、雫を寂しがらせたことを悔い、励ますために言葉を並べる。何とか雫の機嫌を取ったときには、雅史達の姿は無かった。
【みんな、居なくなったわね】
【雅史達、空気を読んで、ひっこんだな。まあ、その…好きなのは、雫だけだからな】
【うん、分かってる】
【そうだ、休みの日にどこか出かけるか?】
【そうね、しばらくはデートもしてなかったわね】
休みの日は、雫の部活動の練習があるからデートというデートはしていない。それでも放課後にプチデートはやっていたが、やはりデートとは違うのだから。
【明日にも、総武高校前で待ってようかな?】
【雫さん、やめて!総武高校が混乱しちゃうから】
雫は、海浜のバスケ部の次期エース、総武高校でも名前は知られている。中学生までは、剣道部だったが、高校からは違う部活に入りたいとバスケ部に勧誘され、入部した。才能があったのか、高校から初めてすぐにレギュラーを奪取し、そのまま海浜女子バスケ部の不動のポイントゲッターになっている。試合も八幡も雫の応援に何回も行っている。もちろん行ける範囲であるが。
八幡と雫はしばらく、2人だけでグループチャットで話してからチャットを終わった。
そして小町から、お風呂に入ってよし、と号令が出てから
「さてと、風呂に入って寝るか」
今日は色々あって、風呂から上がってきたらそのまま寝落ちしそうと八幡は思った。
八幡は、着替え等を持って風呂場へ。
八幡は着替えたのを洗濯機で洗うために、自分のヤツを色物に分けていると、小町と綾香の洗濯物が別にされていて、なんか目に入るようなところに置かれている。
「はぁ~、小町の下着とか見てもなんにも思わんし、綾香のヤツも何も思わんだろ!」
綾香の下着が何故か、隠しもせず堂々と一番上にある。青とピンクの下着である。
「綾香のヤツ…恥じらいを持ってほしい…」
そして八幡は風呂に入った。そして湯船に浸かりながら
「ふぅ…緑子も七海達もそして綾香も…もちろん雫も。綾音の手前…身を引いていた。でもその綾音がいなくなり、俺が壊れそうになった時に雫が支えてくれて、彼女の告白を俺は受け入れた。本当は彼女達も…少なくとも綾香は…」
雫が恋人である以上、彼女達の思いを受け入れるわけにはいかない。雫という恋人を幸せにすることを告白を受け入れた時や綾音の墓の前で誓ったのだから。
「…雫、俺はおまえだけだから」
八幡はそう言った。水面に映る自分の顔を見つめて改めて決意をした。
そして湯に浸かる八幡は天井を見つめて、ただ静寂の時間だけが過ぎていく。
「ふぅ~家でも学校でもメンドくせーことが増えそうだよな〜」
八幡が嘆いたとおりに、奉仕部を中心に舞い降りてくることになる。
雫編も留美の話で終わりです。次の選択肢から次に見たいヒロインか選んでください。
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1ー雪柳綾香
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2ー吹寄制理
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3ー一色いろは