やはり俺の恋のリベンジは間違ってはいない。リメイク 作:龍造寺
ーーー
綾香が比企谷家に居候し始めて1週間が過ぎた。
最初は戸惑う事もあったが、徐々に慣れていった。それだけではなく、結衣がクッキーの件の翌日に、彼女は八幡にお礼を持ってきた。
学校でも陽介と完二が、休み時間に八幡のクラス、2ーF組に来るようになった。
昼御飯も今までなら1人ボッチ飯を食べてたが、今では陽介と完二の3人で食べている。もちろん八幡のお気に入りの場所で。それは特別棟の非常階段の中間にある踊り場みたいな場所である。陽介と完二が来るようになったのは、雫から頼まれたのもあるし、2人も心配していたからだ。
最初、2ーF組のクラスメイトは、八幡に親しく話す陽介、完二を不思議そうに見ていた。クラスメイトは、八幡とほとんど話したことがない。
陽介と完二は、葉山と戸部とは話している。サッカー部の部員同士ってのはあるが。葉山や戸部が陽介達に話を八幡の話をしているようには見えなかった。
ただ、葉山がたまに八幡を見ていることがあるが、八幡は気にも止めていないし、興味がないからである。
実際に中学1年生の時、八幡や雅史達の総武中学と葉山が通っていた総武東と夏の大会で、決勝で戦っている。
スコアは、【総武中】3ー1【総武東中】
得点→八幡1、雅史2、
彼らは、1年生でレギュラーを張っていて、八幡も雅史も将来の総武のWエースと言われていた実力だったのだ。葉山も1年生として、途中から出場して八幡達と対戦している。
その時、葉山は八幡や雅史とはレベルが違うと痛感した。
八幡を中心に総武中学のサッカーはなっていたのだ。
いつしか総武中の指し手の八幡、雅史は、総武中の虎と呼ばれるようになる。
全国大会では、3位であった。
それから葉山は、打倒総武中学、打倒八幡、雅史を掲げてきた。
だが中2年の夏の大会には、総武中学に八幡の名前は無かった。
風の噂で、八幡はサッカー部を辞めたと流れてきた。
総武中学の人間の噂話も葉山は聞いた。八幡がサッカー部を辞めた理由もそれで聞いたのだ。
【八幡は、病魔に犯された大事な幼なじみの為に、大好きなサッカーを辞めて、看病に専任している】と。
葉山は真相を確かめたくて、一度総武中学の付近に行った事がある。
そして彼女を献身して支えてる八幡を見たのだ。
そして葉山は考えた。自分も大切な人間が病魔に犯されて、大事なサッカーが辞めれるのか?と。
あんな風に献身的に支えられるのか。
あんな風に笑顔でいられるのか。
葉山はわからなかった。
葉山は、八幡の事を頭の片隅に置いて、サッカーに情熱を注いだ。
中学時代には、結局雅史達には勝てなかった。
葉山は、総武高校に入学し、高校でもサッカー部に入った。1年からレギュラーを取り、次期エースの名乗りを上げた。
高1年の夏は、雅史率いる海浜と対戦する前に総武高校は敗北。千葉県代表として、海浜が出場している。
高校2年になると、同じクラスに比企谷八幡がいたのだ。だが中学時代の八幡の雰囲気ではなかったから、別人だと思ったが、本人だった。転入してきた花村陽介、1年の巽完二が入った。
葉山は、本気で国立を目指す事を考えている。
【陽介と完二が入ってくれた。もし、サッカー部に比企谷が入ってくれれば…】
葉山は、そんな風に八幡を見ていた。
そんな、雨のが降っている日の4時間目の後、昼休みの時間なったが、昼御飯を食べに例の場所には、行かない。
当たり前だろう、八幡も濡れながら食べる趣味はない。仕方ないので教室で食べることに。陽介は、クラスの連中と食べると連絡があったし、完二は昼休み中に何かを完成させなければならないようだ。
久しぶりの1人メシを楽しむことにする八幡。厳密に言えば、クラスメイトがいるから1人メシではないが。
だが後ろの葉山グループがうるさい。前にも説明をしたが、結衣もこのグループ。
「いやー今日は無理そうかな。部活があるから」
「別に1日くらいよくない?今日ね、とある店が安いんだよ。あーし、チョコとショコラのタブルが食べたい」
「それどっちもチョコじゃん」
「えぇー。ぜんぜん違うし。超お腹減ったし」
今答えたのが、葉山の相方の三浦優美子。金髪縦ロールに肩まで見える勢いで、着崩した制服。スカートも標準よりもかなり短い。三浦の顔立ちは綺麗で整っている。
八幡は、葉山と三浦は付き合ってるかと思っていたが、そうでもないようだ。三浦は葉山に好意があるようだが、葉山がその気がないように見える。
「悪いけど、今日はパスな。サッカー部の仲間達も必死に練習してるんだ」
葉山が仕切り直しにそう言った。三浦はきょとんとしている。すると傍らの金髪こと、戸部が髪を掻き上げ、声高く宣言をした。
「俺ら、今年はマジで国立狙ってるから打倒、海浜って」
国立、八幡にとっても馴染みの単語である。彼も一度は、仲間と共に目指した事もある。もちろん雅史達は、国立に立っている。
八幡がサッカーの事を思い出していたら、三浦と結衣が何か言っていた。
「それじゃあ、わかんないから。言いたい事があんならはっきり言いなさいよ。あーしら、友達じゃん。そういうさー、隠し事?とかよくなくない?」
結衣はしゅんと俯いてしまう。三浦が言ってることは、字面こそ美しいが、その実、仲間意識の強要でしかない。友達だから、仲間だから、だから何でも言ってもいいし、何もしてもいい。三浦はそう言っている。
そして、その言葉の裏には
【それが出来ないなら仲間ではない。したがって敵である】
という意図が隠然と込められている。こんなのは胸糞悪いだけ。
八幡は、昔、綾音がそうやってイジメられたことを思い出す。
異端審問、魔女裁判みたいなのは許せない、拳を静かに握る。結衣は、ただ謝るだけ。だか三浦は攻勢をかけてくる。
「だーかーらー、ごめんじゃなくて。何か言いたい事があるんでしょ?」
八幡は机をバシッと叩くと結衣の前に立った。
「はぁ~何なの、アンタ?」
「さっきから聞いてるけど、由比ヶ浜が怯えてるの分かんないのか!」
「ヒッキー……」
「アンタに関係ないしょ?あーしらの問題に口を出さないでくれない?」
「俺は、昔からお前みたいな、クラスのボスザルみたいなのは、嫌いなんだよ!」
「ぼ、ボスザル……陰キャのぼっちの分際で、あーしらに口を出すなし!」
八幡と三浦が言い合っていると葉山が中に入ってきた。
「優美子!それぐらいにしろ。お前の発言が酷いだろ!」
「隼人、でも…」
「比企谷、済まない」
「謝るなら、由比ヶ浜に謝りな」
八幡はそう言って自分の机に座る。葉山は三浦を連れて、どこかに出る。葉山の取り巻きは、葉山と三浦について行った。結衣は八幡のところへ来る。
「ヒッキー…あ、あの…ありがとう」
「別にお前の為にやったわけじゃない。ああ言うのが嫌いなだけだ。それにお前、どこかに行くのじゃないのか?」
「あ、うん、ゆきのんと待ち合わせてるんだった。それじゃあね、ヒッキー」
結衣は、そう言うと教室から出ていった。
クラスにやっと平穏が戻り、八幡も綾香が作った弁当を食べることにした。そしてさっきのことを思い出し
【なにやってるんだろうな俺は…あんなのほっとけば良いものを】
ほっとけば良い。簡単に言える言葉だが、八幡にはそれが出来ない。目の前で、そんなことを見せつけられるのは胸糞悪いからだ。いくら結衣が好きではないと言ってもアレはないと思ったからである。
【俺が出なくても葉山が止めただろうしな】
八幡は弁当を食べながら、心で思ったのだった。
雫編も留美の話で終わりです。次の選択肢から次に見たいヒロインか選んでください。
-
1ー雪柳綾香
-
2ー吹寄制理
-
3ー一色いろは