やはり俺の恋のリベンジは間違ってはいない。リメイク   作:龍造寺

27 / 107
雫編19話です。


27ー19話ー材木座義輝。

ーー奉仕部

 

「お、お前は、材木座義輝!」

 

「我の事を覚えてくれたようだな。流石、色男だけの事はあるな」

 

八幡は、無言で材木座に近付き、窓際まで連れていく。そして

 

「材木座、あいつらの前で…いや総武高校内で色男とかで俺を呼ぶな!」

 

「何故だ?色男は貶し単語では無いぞ?」

 

「いいか、材木座、総武高校では、陰キャのぼっち、キモいヤツで名が通っているんだ。だから色男とかで呼ぶなよ」

 

材木座は、腕を組みながら少し考える。

 

「貴様が陰キャのぼっち?キモいヤツ?あんな美人な彼女がいるのに?笑わせるな、貴様がそれだったら、我はどうなる?道端の虫ケラか?生ゴミか?」

 

「別にそこまで、言ってないだろ。それと綾音、雫の事は…言うなよ、絶対!」

 

八幡と材木座が押し問答をしていると、雪乃と結衣が変な物を見るような感じで、見てきた。

 

「随分と仲が良いのね?」

 

「まあ、体育ととかで一緒にコンビを組んでるけどな」

 

雪乃と結衣は、冷ややかな目で見てくる。

 

「八幡、貴様の一番星は輝いているか?今も輝いているか?」

 

「材木座、おまっ!」

 

「我だけではない。お主を思っている者達は、お前のことを心配している。お前が無茶なことをしないか。まだお前が過去のことに囚われていないかって、八重樫嬢は心配している」

 

雪乃と結衣の表情が、蔑んだ目となっている。そんな目で八幡と材木座を見てる。

 

「材木座、ちょっと黙ってろ。雪ノ下、由比ヶ浜、こいつは材木座義輝、中学が同じ出身だ」

 

雪乃は、材木座を上から下まで見て、八幡を見てため息を吐いて

 

「類は友を呼ぶってやつね」

 

材木座は、八幡に小さな声で

 

「八幡よ、あの彼女…綾音嬢に似てるが、性格が違ってキツイな…」

 

「まあな。それは言えてるが……」

 

「貴方達、何か失礼な事を考えてるのかしら?」

 

「はぁ~考えてるわけねーだろ」

 

「何でもいいのだけど、そのお友達、貴方に用があるんじゃないの?」

 

「…で、用件は何なんだ?」

 

「時に八幡よ。奉仕部とはここで良いのか?」

 

「ええ、ここが奉仕部よ」

 

八幡の変わりに雪乃が話した。材木座は、一瞬雪乃の方を見てから、再び八幡を見てくる。

 

「そ、そうであったか。平塚教諭に助言頂いたとおりならば八幡、お主は我の願いを叶える義務があるわけだな?ふっ、八幡…お主は中学の時から変わっておらぬ」

 

不気味に笑う、材木座。彼がこういうのにもわけがある。中学時代に八幡と綾音によって救われたことがあるのだ。

 

材木座は、アニメや漫画が好きで、中学時代イジメられたことがある。それを八幡と綾音でイジメていた連中を片付けたことがあり、それからの付き合い。助けてもらった時、まだ2人は付き合ってなかったが。

 

八幡と綾音は、それから材木座の書いた小説を読んでいた。まあ最初は、読んでいても楽しいものではなかった。だが書いてるうちに徐々に上手くはなっていた。

 

だが綾音が入院するようになってから、一度も材木座は書いた小説を持って来ることはなかった。

 

雅史や陽介の話だと、綾音と一緒にいる八幡の邪魔はしたくないと言ったそうだ。

 

気を使わなくてもいいと八幡は思ったし綾音も材木座の小説は読みたいって言っていたからだ。

 

「あ、剣豪将軍ってペンネームで小説を書いてるのか?」

 

「モチのロンだ。剣豪将軍はお気に入りだからな」

 

剣豪将軍…これは、綾音から付けてもらった名前だ。材木座がペンネームで悩んでいた時に室町幕府の13代将軍足利義輝と材木座義輝をかけて生み出した名前だ。

 

材木座に合わせて、中二病的に付けたと後で八幡に話している。

 

「なるほど、まだ中二病って事か…」

 

「ちゅーに病?」

 

雪乃が首を傾げながら八幡を見る。

 

「知らないんだな、雪ノ下」

 

「中二病って病気なの?」

 

「病気じゃないんだが、男子のほとんどがそれを発病する。邪眼とか、俺の父親は魔族とかな…」

 

八幡は、アニメや漫画の主人公みたいな格好をして、中二病の説明を行う。雪乃は途中でわかったようだが、結衣はわからないみたいな表情をしている。八幡は昔に言っていた八幡菩薩の諸々を言ってしまい、雪乃と結衣に気持ち悪いモノを見るような目で見られる。

 

「コホン、で、材木座、奉仕部にお前が来たって事は、いつぞやの小説でも読んで欲しいとかか?」

 

「我が友、八幡よ。よく分かってくれた。ああ、あんな事があって小説を書くのを辞めようかとも思ったのだが、彼女の思いは書いて欲しいと言われたんでな、書いたと言うわけだ!」

 

材木座は、八幡の両手に原稿用紙を渡される。感慨深げに呟く材木座を完全に無視して結衣は八幡の手の中にある原稿用紙に視線をやる。

 

「これ、何?」

 

「小説の原稿だな…タイトルは幼なじみね…。中二病だらけの小説より、ラブコメに変えたのか?」

 

「御明察痛み入る。如何にもそれはライトノベルの…ラブコメの原稿だ。とある新人賞に応募しようかと思っているが、生憎友達がいないので感想が聞けぬ、読んでくれ」

 

「…まあ、俺は良いが、雪ノ下や由比ヶ浜にも見せるのか?」

 

「ああ、女性の意見も聞きたいので、お願いする」

 

雪乃は、材木座の首根っこを掴む。

 

「人が話すときは、相手の目を見て話なさい。それが礼儀でしょ?」

 

「……そ、それは」

 

「雪ノ下、許してやれ。こいつは、女子との会話は慣れてない…。しかしこの原稿は…今から読むのはキツイな」

 

結局、材木座の小説の原稿は、各々が持って帰って読むことになった。

 

 

だが八幡は、読み出して驚く。材木座が書いた小説は、八幡と綾音の物語だったのだ。名前こそ八幡が、一八になって、綾音が綾奈に変えてるだけで、ほぼ、八幡と綾音が生きてきた証が書かれていた。

 

八幡は、涙を浮かべながら材木座の小説を読んでいた。

 

「材木座のヤツ…何が幼なじみだよ、人の恋愛をラブコメにしやがって……」

 

休憩に入った八幡は、自分の部屋の窓を開け、空を眺める。

 

「…だが…雪ノ下と由比ヶ浜がなんて思うか…。まあ俺が題材ってことには気づかないだろうが…」

 

再び材木座の小説を読み始めた。そして夜も更けていく。

雫編も留美の話で終わりです。次の選択肢から次に見たいヒロインか選んでください。

  • 1ー雪柳綾香
  • 2ー吹寄制理
  • 3ー一色いろは
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。