やはり俺の恋のリベンジは間違ってはいない。リメイク   作:龍造寺

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雫編20話です。


29ー21 話ー悲しみ。

ーーー

 

雫達が綾音のお墓の前に到着したときには、八幡はめぐりの胸の中で気を失っていた。

 

このあと、七海が自分のところの運転手を呼ぼうとした時、陽乃まで駆けつけてきた。

 

陽乃も八幡が青ざめた表情で自転車に乗っていたのをリムジンの中から見たようだ。

 

陽乃は、雨で濡れた八幡とめぐりを自分が乗って来たリムジンで送り届ける事を言う。

 

雫達は自転車で来ているし、八幡の自転車も持って帰らないとと言い、綾音のお墓がある霊園で別れた。

 

雫達は、八幡の自転車を持って帰りながら帰宅するのであった。

 

雫は、八幡が何故そうなったかを調べたいが、香織や緑子達に止められたので、今日は引き返すことにしたのだ。

 

陽乃によって運ばれた八幡は、自室のベッドで眠っている。

 

陽乃は、八幡の両親や綾香や小町には、綾音のお墓の前で、落ち込んで座り込んでいたと説明した。八幡の両親は、月城事件の時に顔を会わせているので、信じてくれたのだ。綾香はもちろん、小町もそのことを聞いていた。

 

 

一方八幡は、夢を見ていた。

 

真っ暗な暗闇の中で、1人取り残されてた感じである。

 

「なんだ、ここは……?」

 

八幡は、キョロキョロして周りを見渡しても真っ暗なだけで何もない。彼は座り込んで、ため息を吐く。

 

「こんな夢を見るとはな……。城廻先輩の胸で泣いて…そのまま眠ったって事か」

 

雪乃や結衣に否定されてだけで、ここまで落ち込むとはなと、自分でも思ってしまった。

 

「俺のことは、何を言われようが我慢できる。だが綾音の事を否定したことは、どうしても許せなかった」

 

材木座が、あのとき制止してくれなければ、キレていたかもしれない。

 

「材木座や城廻先輩には悪いことしたな…」

 

明日、謝罪をしないといけないと考えた八幡は、雪乃や結衣はどうするかと思った。

 

「雪ノ下や由比ヶ浜にとっては、俺と綾音の物語は、作者の妄想としか思えないだろうな…正直言えば、俺自身も驚いているんだから。幼なじみじゃなければ、話すことすら無かっただろうし…」

 

雪柳綾音、総武中一の美少女と言われるほどの女の子であった。

 

小学、中学も自分の事を陰キャと思っていた八幡だった。周りはそうは思っていなかったのだが。

 

だから綾音の事を高嶺の花だから、自分は興味がないと思い込んでいた。

 

だが月城事件で、綾音を守って、己の気持ちに気がついた。

 

気がついたが逆に怖くなった事もあった。

 

綾音が優しいのは、幼なじみのよしみで仲良くしてるだけだと、思い込んだ事もあった。

 

だが綾音が倒れ入院することになって、彼女に対する思いは、八幡の心の中いっぱいになっていた。

 

あの文化祭で、八幡は告白することを決めた。例えフラれることになっても、後悔だけはしたくなかった。

 

だが八幡よりも先に、綾音が告白してきた。それも歌に乗せて八幡に思いを届けてきた。

 

八幡は、驚いた。綾音から告白してきたことに。

 

何故自分に?雅史や光輝、他のイケメン達ばかりだと思っていたからだ。八幡の心配は杞憂だったのだ。

 

綾音は、八幡が助けてくれたあの日から、八幡しか目に入っていなかったのだから。

 

すると一瞬眩い光に一面が覆われたかと思えたが、すぐに暗くなる。いや正式には、八幡の周りは輝きに満ちていた。そして、そこには綾音の姿があった。

 

「あ、綾音なのか?俺はまだ綾音の事を思ってるんだな。夢にまで見るとはな」

 

【「八幡、元気出して。あの2人に馬鹿にされようが、貶されようが、私は気にしないよ。貴方は、かけがえのない時間を私にくれた。それだけでも私は幸せだったから。だから私に気にせずに八幡と雫が幸せになってね。それが私の幸せでもあるから。雫はああ見えても私よりもか弱き乙女だからちゃんと守ってあげてね」】

 

「分かってるよ、綾音。俺は雫をきっと幸せにする。だから…」

 

八幡は、ばあっと目を開けて飛び起きる。

 

すでに夜になっており、そんなに寝ていたのかと頷く八幡。だが側を見てみると、綾香と小町が寝息を立てて寝ていた。

 

「小町、綾香…。俺はまた2人に心配させたのか……いや綾音にも心配かけてしまった…いや…みんなにか」

 

八幡は、自分の側にあったスマホを見る。すると、雫、雅史達だけではなく、陽介、完二や海浜に行った同級生からも心配なメールやチャットが届いていた。それだけじゃなく、陽乃さんや城廻先輩からもチャットが来ていた。

 

「またお前に励まされたな綾音」

 

八幡はそう言って、小町と綾香の頭を撫でた。

 

しばらく撫でていた八幡のスマホに着信がなる。相手は材木座だった。

 

「もしもし、材木座、なんだ?こんな時間に?」

 

【八右衛門、元気になったか?綾音嬢のお墓で倒れたって聞いたから心配していたんだぞ】

 

「倒れたって大げさだな、誰がそんなことを?」

 

【海浜高校の同級生経由で、我は知ったが?】

 

「そうか……あ、あの、その、材木座、悪かったな、あのまま奉仕部の教室を出てよ。その、雪ノ下や由比ヶ浜はあの後どうだった?」

 

【雪ノ下嬢はいつも通りな感じで、帰って行った。由比ヶ浜嬢は、何か気にしていた感じがしたな…まあ我にはわからないが…。八幡よ、本当に済まなかった。綾音嬢との物語を貶されてしまって、申し訳ないと言うか…】

 

「材木座、気にすんな。それに夢で綾音からも励まされたからな」

 

【そうか…綾音嬢が…八幡よ、本当に愛されてるんだな…】

 

「アハハ、当たり前だろ、あいつに雫を幸せにって言われちまったからな」

 

【八幡、全く妬けてくる話だ。で、明日はこれそうなのか?】

 

「当たり前だろ。陰キャが欠席したら存在を忘れられる…だろ?」

 

【陰キャは、存在を忘れられる。だが八幡、お前は違うだろ?】

 

「総武高校においては、陰キャだぞ、俺は」

 

【陰キャ、仮面を被った偽りの八幡…我にはそうしか見えないが】

 

「別にいいだろ、それと、小説のことは気にするなよ、また書いてあいつらに認めさせてやれ!」

 

【ああ、何度でも挑戦するさ、夢のためにな!】

 

八幡と材木座は、そう言って会話を終えた。

 

「……ありがとな、みんな」

 

その後、八幡は、小町と綾香を起こして、自分の部屋へ戻させた。2人共、不満げで戻って行ったが、これ以上入らせるわけにはいかなかった。

 

「風邪をひかせるわけには、いかないしな」

 

今日の事は忘れた方がいい、明日は何も無かったようにした方がいい、と八幡は考え判断した。

雫編も留美の話で終わりです。次の選択肢から次に見たいヒロインか選んでください。

  • 1ー雪柳綾香
  • 2ー吹寄制理
  • 3ー一色いろは
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