やはり俺の恋のリベンジは間違ってはいない。リメイク   作:龍造寺

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プロローグです。


プロローグー最愛の恋人の死。

しかし綾音の病状はどんどん悪くなっていく。確実に病魔が彼女の身体を蝕んでいく。

 

八幡は、今まで以上に綾音に付きっきりになった。季節は暑い真っ盛りだが、八幡にしたら、どうでも良かった。綾音が少しでも良くなるようにと必死に頑張っている。

 

勉学と綾音の看病の両立をやっているが、雅史達から見れば、無理をしているのは明白だった。そんな姿を見て痛々しかった。

 

だから雅史は、親友代表として八幡に

 

「八幡、お前は無理をしすぎてる!このままだとお前まで病気になって倒れるぞ!」

 

「…無理がなんだ!俺は…俺はこんなことしかできない。綾音が苦しんでいるのに、見守る事しかできない。彼氏なのに何もしてあげられない…」

 

八幡は崩れ落ちるように泣き出した。そんな姿を見て雅史は、そっと胸を貸した。八幡にとって素を見せられる数少ない男の幼なじみで親友である。雅史にそう言われ肩肘の力を少し抜いた。

 

 

世間が夏休みになって浮かれた時期になっても八幡は、病院にあった。

 

綾音が病気ではなく、健康体であったのなら、万々歳だっただろう。海や映画館などでデートをして、リア充満喫してるだろう。しかし現実は、病院の病室の中。ロマンもへったくりも無いが、八幡はそれでも満足なのだ。

 

綾音の話せて、彼女の笑顔を見るのが、何よりも嬉しいのだから。

 

八幡の中3の夏は、ほとんど綾音の病室で過ごした。だがとあるイベントだけは、綾音の強い要望で彼女も参加した。その間も綾音の身体は、どんどんと痩せていく。

 

 

そして、2学期に入り、終わり、文化祭の準備も始まる。

 

八幡はクラスの文化祭実行員になった。普段の彼ならやるはずがないのだが、綾音のためにクラスでやれないかと、立候補したのだ。クラスのみんなも八幡の真剣な言葉で納得し決まったのだ。ちなみに女子の文化祭実行員は、綾音の親友の緑子である。

 

八幡と緑子は、真剣に文化祭準備に取り組む。そして彼は、文化祭実行委員長を努めるまでなっていた。実行委員長として、地域の人々に協力を願い出て商店街などの協力を取り付けている。

 

クラスの方も八幡の的確な指示により、クラス全体が一体感を生み出していた。

 

クラスの出し物は、執事メイド喫茶店である。

 

喫茶店は、色々こだわったかいもあり、売り上げが1位をとったのである。執事のWエースの雅史と光輝、メイドのWエースの緑子と雫であった。八幡も執事として雅史に負けないぐらいにやっていたのだ。

 

 

ちなみに綾音のメイド服も作ってあり、八幡が病室で彼女に着てもらったのだった。綾音は、八幡の執事姿を見たいと言われ、恥ずかしながら着たのであった。

 

 

文化祭も終わり、季節も秋から冬に変わっていく。だが綾音の容態は、悪化の一途を辿る。

 

抗がん剤のおかけで、綾音の綺麗な黒髪は抜け落ち、頭には被り物を被っていた。身体も痩せており、バスケをしていた頃の面影はない。

 

八幡は、それでも綾音を献身的に支えていた。彼女は1人で立つことも出来なくなり、病院内の中庭を車椅子で散歩デートをやっていた。

 

「綾音、寒いけど大丈夫か?」

 

「うん、大丈夫」

 

「なんだ?元気がないな?いつもなら、綾音が俺を励ましてくれたじゃないか?」

 

「そうだね」

 

冬の曇り空の下、中庭の木々から枯れ葉が1枚風に揺られて綾音の足下に落ちてきた。

 

「私の命もこの枯れ葉のように散っていくんだろうな」

 

「綾音…」

 

「八幡、私がいなくなったら…どうする?」

 

「俺は、綾音を失ったら…泣く…泣き崩れと思う…立ち直れないかもしれない」

 

「八幡…」

 

綾音は、八幡がそう言ってた事に胸が苦しくなった。彼女は彼が不器用だから、自分が亡くなった後、塞ぎこんでしまうのではないかと。新しい彼女を作らずに、自分の事を思い続けるだろうと。

 

だから綾音はまだ元気な内に、雅史、光輝、緑子、七海、雫、香織、折本、その他の友達にとある事を頼んでいた。(この事は、2年後の文化祭で明らかになる)

 

 

そして八幡達は高校受験のための勉強で忙しい中、八幡は綾音の眠る病室にいた。八幡にとっては受験勉強どこではなかった。綾音の命が今年もつかわからないと両親から言われたからだ。

 

八幡は、商店街の駄菓子屋で、買ったおもちゃの指輪を2つ買っていた。それは綾音にあることを言うためだ。そう決意し

 

八幡の気配に気づいた綾音は目を覚ます。

 

「あ…れ…八幡…いたんだ…」

 

「綾音、結婚しよう!」

 

「え…?…結婚!?…八幡…何を言ってるの?」

 

八幡は、おもちゃの指輪を取り出し、綾音の薬指にはめた。

 

「八幡…この指輪は…駄菓子屋の…」

 

「おもちゃの指輪で悪い。本物の指輪なんて中学生じゃ買えないからな。本物の指輪は大人なってプレゼントする!」

 

「ううん…ありがとう、八幡…」

 

綾音は、こんな状態の自分に結婚しようと言って、指輪をくれた八幡に嬉しくて涙を流した。八幡はもう一度さっきの言葉を言う。

 

「綾音、結婚しよう!」

 

「はい!」

 

その話を聞いた雅史、光輝、緑子、七海、雫、香織、折本は、クラスを巻き込んだ、小さな結婚式を開こうと決めたのだ。担任、手芸部、バスケ部の仲間達、綾音の両親、綾音の妹の綾香、八幡の両親、八幡の妹の小町、お世話になっためぐりや陽乃も巻き込んだものになった。

 

もちろん法律上、八幡と綾音は結婚は出来ない。だが、綾音の命が残り少ないのをわかった上で八幡が考え出したものであった。綾音と過ごした思い出を1つでも多く作るため、綾音のウェディング姿を彼女の両親に見せたかったからだ。

 

手芸部は、頼みを引き受けてくれた。主に2年と1年だったが。

 

12月24日、クリスマスイブにささやかな結婚式を開いた。もちろん病院の教会でだが。話を聞いた神父も協力してくれた。

 

何故か、綾音のウェディングドレス以外に、八幡のタキシードまで作っていた。

 

手芸部曰く、花嫁に恥をかかせないためにだと言うことらしい。何故か映研まで来ていて、式を録画している。

 

そして八幡と綾音の模擬結婚式が始まる。

 

本物の結婚式みたいな感じで始まり、最後の神父からの誓いの言葉を言われる。

 

「 新郎、八幡、新婦、綾音を妻とし、一生涯愛する事を誓いますか?」

 

「はい、誓います」

 

「 新婦、綾音、新郎、八幡を夫して生涯愛する事を誓いますか?」

 

「はい、誓います」

 

「それでは、指輪の交換を」

 

八幡は綾音の薬指に指輪をはめた。綾音は八幡の薬指に指をはめた。まあおもちゃの指輪だが。

 

「それでは、誓いのキスを」

 

八幡は、誓いのキスをするため、ベールをあげる。そして綾音の唇にキスをした。

 

八幡は目の前の綾音が愛しくてたまらなかった。なんで綾音が苦しまなくてはならないのか。綾音の病気を自分が変わってあげたいとも考えてたこともあった。だが今は愛しくてたまらない。1日でも長く綾音とそう遂げたかった。

 

そして模擬結婚式は、無事に終わった。綾音の両親、綾香、八幡の両親、小町、雅史、光輝、緑子、七海、雫、香織、折本、クラスメイト、協力してくださった方々は、祝福の拍手が鳴り響いたのだった。

 

 

弱々しくも元気な綾音を見るのは、これが最期だった。25日の夜に綾音は、容態が悪化、そのまま意識が無く、眠っている状態であった。

 

26日、27日と病院に泊まり込みで綾音の側にいた八幡。人工呼吸器の音だけが、ただ響いている。八幡は綾音の手を握ってひたすら堪えている。

 

雅史、光輝、緑子、七海、雫、香織、折本も交代で、八幡を見ていた。見るに耐えれないからだ。緑子達も本当は泣きたい。だが自分達は必死に我慢している。もちろん雅史や光輝だって我慢している。男子達も交代で見ているようだ。

 

そして綾音の瞳がちょっと開いた。そして最後の力を振り絞りながら綾音は唇を動かした。

 

「……雅史……光輝君、緑子……七海、雫、香織、今まであり…がと…う」

 

「…綾音、ありがとうって…悲しい事を言わないでくれ!」

 

「綾音、八幡と幸せになるんだろ!だったらこんなことで諦めちゃ駄目だ!」

 

「ありがとうって、私達はこれからも親友でしょ!」

 

「綾音、それじゃあ、最後の別れみたいじゃん、わたしは、綾音ともっと話したいよ!」

 

「綾音、しっかり気持ちを持って!別れみたいなこと言わないで!」

 

「綾音ちゃん、私はまだ綾音ちゃんと話したい!綾音ちゃんといろんな事を語りたい!だから悲しい事を言わないで!」

 

「ふふっ、みんな……ありがとう。八幡を…頼むは…ね…。…彼は…不器用…だから…」

 

「…八幡のことは…」

 

「…私達が」

 

「…見るから安心して」

 

「…うん、…頼んだ…から…ね。お父さ…ん、お母さ…ん…先立つこと…を許して…下さい……親不幸の…娘…で…ごめん…なさい。綾香、ごめんね、こんなお姉ちゃんで…」

 

その言葉を聞いた綾音の両親と綾香は、嗚咽をならした。そして綾音が最期の力を振り絞り

 

「……ハァ…ハァ…は、八幡…」

 

「綾音、なんだ?」

 

「ハァ…ハァ…は、八幡…こん…な…私を…好きなって…くれて…ありがとう…」

 

「なに言ってるんだ。俺の方こそ、こんな俺を好きって言ってくれた…ことがどんだけ嬉しかったか…」

 

「…ハァ…ハァ…ハァ…は、八幡……どこ?」

 

八幡は、綾音の手をぎゅっと握る。

 

「俺は綾音の側から離れない。ここにいるから、だから……」

 

八幡は今にも泣きそうになるが、ぐぅっと堪えている。だが言葉が出てこない。

 

「……八幡……こんな私を好きに…なってくれて…愛してくれて…妻にしてくれ…てありがとう……」

 

人工呼吸器の心臓の鼓動が止まったことを意味をする音が鳴り響いた。

 

八幡は、人目を気にすることなく、大声で泣いた。雅史も光輝も声を殺して泣き、緑子と七海、雫と香織は、互いに支え合って泣いた。両親も綾香も涙を流して泣いたのだった。余命半年と言われたのが、ここまで生きられたのだから。

 

雪柳綾音…12月28日・22:46分・ご臨終。享年15

 

12月29日ーお通夜

 

12月30日ーお葬式

 

八幡達には、暗くて寒い年の瀬になってしまったのである。




アンケートの方は、今回までです。よろしくお願いします。

雫編も留美の話で終わりです。次の選択肢から次に見たいヒロインか選んでください。

  • 1ー雪柳綾香
  • 2ー吹寄制理
  • 3ー一色いろは
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