やはり俺の恋のリベンジは間違ってはいない。リメイク   作:龍造寺

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雫編22話です。


30ー22話ー彼女達の想い。

ーー比企谷家・綾香の部屋

 

綾香は、八幡から自分の部屋に戻るように言われ自室へ戻って来た。

 

八幡から以前、平塚先生により、奉仕部に入れられたと聞いていた。

 

「奉仕部…って一体何なの?」

 

綾香は、パソコンで総武高校の情報を調べる。入学時のパンフレットでも良かっただが、今は手元にパンフレットが無いから、パソコンで見る。運動系、文化系の部活動を見たが、奉仕部はどこにも記載されていない。

 

「…何で記載されてないの?」

 

総武高校の部活動紹介を隅々まで見たが、何も載っていないのだ。

 

「八幡お兄ちゃん、まさかブラックな部活に入れられたんじゃ…」

 

ブラックな部活、そんなものが総武高校にあるのかにわかに信じがたいが、綾香は、調べなければという衝動にかられていた。

 

「明日、ちょっと調べてみようっと」

 

綾香は、そう決意してから眠ることにした。

 

 

ーー八重樫家・雫の部屋

 

雫は、自宅に帰ってきても笑顔は無かった。それは八幡の事が関係している。彼が元カノの綾音のお墓の前で倒れてしまったこと。その八幡を総武高校の城廻めぐりが抱きしめていたこと。本来なら彼女である雫がしないといけなかったが、彼女が気づいて駆けつけた時には、遅かったのだ。それでも雫は運はいい方だ。

 

総武高校にバスケの練習試合に総武高校に訪れていたのだから。

 

だけど、その運を有利に使うことが出来なかった。めぐりにその権利を取られてしまったのだ。

 

めぐりは雫にバトンタッチしてくれたのだが、2人きりになるわけでもなくみんながやって来たのだからやるせない気持ちだけが残った。

 

その後は、めぐりやあとから来た陽乃達が事後処理をやってしまったので、雫の役目は無かった。

 

自宅に帰ってきてもなんとも言えない気持ちだけがあった。だから八重樫道場で、気合を入れるために無心に竹刀を振った。

 

全てを終わらせ、自室に戻ってもやるせない気持ちはある。

 

「私は、八幡の彼女なんだ。こんなことで弱気になってどうする」

 

雫は独り言を言って気を紛らかそうとしている。自分が彼女なんだから有利なんだからと自身に言い聞かす。そして

 

「そもそも学校が違うのだから、いつも一緒に入れるわけではない。なら自分からそれを作り出すしかないよね」

 

雫は、そう言って八幡の彼女としての役目を果たそうとする。彼女は自分の部屋の窓を開けて空を眺めて改めて決意するのだった。

 

 

 

 

翌日綾香と小町は、八幡にくっついていた。

 

「小町に綾香、あまりくっつかれると、朝飯も食えないんだが?」

 

「小町が食べさせてあげるね」

 

「小町、私が八幡お兄ちゃんに食べさせてあげるんだから」

 

「お、おう…ありがとう…って俺は食べさせてもらうほど、怪我も病気もしてないぞ」

 

八幡がそんなことを言えば、母親が

 

「八幡、無理はしなくて良いからね。だから、綾香ちゃんや小町に食べさせてもらいなさい」

 

「はぁ?俺は病人じゃねーよ。母さんも何を言い出すんだよ…」

 

そんな会話をしながら、母親と小町、綾香との朝ご飯を食べた。

 

食べながら昔の事を思い出していた。

 

綾音が1人で食事が出来なくなった時に、八幡が食べさせていた。彼女は、八幡にそこまでしてもらうつもりは無かった。だが八幡は、

 

【何を言ってるんだよ?彼氏…恋人として当然だろ。俺は、これからずっと綾音と寄り添うつもりなんだから。一生お前といるし離れるつもりはない】

 

この台詞を聞いた綾音は、大粒の涙を流した。本当に八幡を好きなって良かったと。彼を愛せて幸せだと。

 

 

八幡は、雅史達とサッカーで国立に出るという夢があった。だが綾音のためにサッカー部を辞め、夢を諦めた。夢は雅史に託して。

 

彼にとって、綾音とのあの時間は幸せな時間だったのは間違いはないのだ。それが、普通の恋人同士がやるデートとかほとんどやれなかったが、病院の近所や屋上、中庭を散歩して過ごした時間は、綾音にとってかけがえのない時間だったのだから。それに比べて雫とはそんなに一緒にいる時間が無い。それは恋人同士と言えるのか?

 

 

 

思い出と雫のことに浸っていたら、すでに登校時間になっていて、八幡は学校に行くことにした。すると綾香と小町がやってきて

 

「八幡お兄ちゃん、一緒に行こう」

 

「お兄ちゃん、昨日、雅史さん達が自転車持って来てくれたよ」

 

「ああ、雅史達には迷惑をかけたな」

 

綾音の墓がある霊園から、雅史達が八幡の自転車を持って来てくれた。その事は、雅史がチャットで教えてくれた。八幡は雅史にお礼を言い感謝したのだった。

 

小町は、八幡の自転車の後ろに股がる。そして彼にしがみつく。

 

「あ、あの小町さん?こっちはお兄さんの自転車ですよ?」

 

「いいの。こうしないと、お兄ちゃんがどっか行っちゃいそうで、小町、怖いんだ」

 

綾香も横からしがみついてきた。

 

「…八幡お兄ちゃん、いなくならないで」

 

「…小町、綾香…」

 

八幡は、そんな2人を見て、何をやってるんだと自分の中で、自分にカツを入れた。綾音を失って悲しいのは、自分だけではない。小町や綾香も十分に悲しいのだ。悲しいのに、八幡を元気をつけるために、元気を振る舞ってる。それは恋人である雫だって同じなはずだ。

 

「小町、綾香、俺はいなくならない。それに、俺が不甲斐ないと、綾音が安心して眠れないだろ」

 

「お兄ちゃん…」

 

「八幡お兄ちゃん…」

 

八幡は、小町と綾香の温もりを感じて、己の気持ちを奮い立てさせた。

 

綾音にこれ以上、迷惑をかけるわけにはいかない。

 

これ以上、雫に小町や綾香にも心配や迷惑をかけるわけにはいかない。

 

少しずつでもいい、一歩ずつ前に進もう、それが彼女達のためになるのだから。

 

 

いつまでもそうやっていた3人だったが、母親に怒られて、学校へ向かうことした。

 

怒られはしたが、そういうことさえも心地よく思えるようになった八幡であった。

 

 

小町と綾香は、八幡の背中を押した。

 

 

そんな姿を遠くで見ていた人物達がいた。雅史、緑子、七海である。古参の3人も八幡が心配で比企谷家の近くまで来ていたのだ。

 

「八幡、元気になったんだな」

 

「今回は、小町ちゃんと綾香ちゃんのおかげかな」

 

「そうだね、雫に取っては、綾香ちゃんには塩を送った形になったけどね」

 

仲良く登校する3人を見届けながら、雅史達も自分達の学校へ向かうことした。

 

 

 

雅史達だけではなく、比企谷家の近くに黒いリムジンが止まっていた。

 

「八幡君、元気が無かったらお姉さんが抱き締めてあげたのに、妹さん達に一本取られたかな。それにしても、八幡君があんなになった原因が、雪乃ちゃんにあったとはね…」

 

陽乃は、自分の情報網を使い、情報収集をやった。そして材木座に行き着き、彼から話を聞いた。

 

八幡と綾音の物語の小説を否定されたことを聞いた。

 

「雪乃ちゃんが小説だと思って否定したかもしれないけど…でも本当なんだよ、八幡君と綾音ちゃんのとても甘く…切なくて悲しい物語…」

 

陽乃は、いずれ介入するつもりでいる。それがいつになるかはわからないが。

 

そしてしばらくして、リムジンは走り去った。

 

 

 

また違う場所から、めぐりも八幡の様子を見ていた。やはり昨日、めぐりの胸で泣きじゃくった彼の様子を見に来たのだ。

 

「良かった、八幡君…元気になったみたい」

 

めぐりは、良かったと安心しつつ、また八幡が泣きたくなったら、胸を貸そうと思った。彼女にとって気になる男子になっていたが、雫がいるため身を引いた1人でもある。

 

 

 

そしてもう1人、海浜総合高校の制服を着た女子高生がいた。制服を着崩し、パーマでくしゅくしゅっとした黒髪を手櫛ですいている。

 

折本かおり、八幡達と同じ総武中出身であり、綾音、緑子、七海、香織、雫以外の女の子の親友である。彼女は、あの文化祭の際に八幡に告白して、フラれている。

 

一度は、綾音に敗北したが、彼女の死後、落ち込んだ八幡の事を心配していた。その後、八幡が雫と付き合うことを知り、再び身を引く。親友として彼の事が心配で、海浜総合高校受験を辞めて、総武高校へ行くと言ったこともある。

 

だが八幡は、【自分のために自身の将来を潰すな、かおりはかおりの決めた道を進め】

 

と言われたのだ。だから海浜総合高校を受験したのだ。

 

卒業式の日、そして前を進むため、過去の想いを断ち切るために、八幡に告白しフラれる。

 

フラれたかおりは、すっきりした表情で八幡と雫を見送ったのだ。2人が幸せが続くように祈った。

 

 

今回、海浜総合高校内の総武中ネットワークによって、八幡の件を知ったのだ。

 

「八幡、あんたの周りには支えてくれる人達がたくさんいる。あんたが助けの声を上げたらどんなときでも駆けつけるから」

 

かおりは、そんなことを言いながら、海浜総合高校へと歩いていく。

雫編も留美の話で終わりです。次の選択肢から次に見たいヒロインか選んでください。

  • 1ー雪柳綾香
  • 2ー吹寄制理
  • 3ー一色いろは
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