やはり俺の恋のリベンジは間違ってはいない。リメイク 作:龍造寺
ーー奉仕部教室→テニスコート付近。
雪乃、結衣、吹寄は、テニスコートの方に来てみたが、凄い人混みで中々近づけない。
学校中の生徒達が来てるのではないかというくらいの集まりがこのテニスコートの周りにいるのだ。
これは錯覚でもなんでもない、事実である。
「葉山君、比企谷君と遊びで勝負するってだけでこれだけの人間を集めるなんて」
「隼人君は、学校中に人気あるから…」
「それが葉山君の人望のあつさなんだろうけどね」
「……それに比べて何もない谷君の声援は無いに等しいわね」
結衣と吹寄は顔を合わせながら互いに苦笑いをする。
「ゆきのん、何もない谷って、ヒッキーが可哀想だよ」
「比企谷君も人望はあるみたいよ」
葉山コールのウェーブの中に比企谷コールも上がっている。それも女子達の声援である。
「八幡お兄ちゃん、雫さん!頑張って!」
「比企谷先輩!八重樫先輩!葉山先輩なんか倒せ!」
「八幡先輩!雫先輩!やっちゃって下さい!」
「総武中の色男である八幡先輩、八重樫先輩と一緒に葉山それがし先輩を倒してくださいな」
八幡に声援を送るのは、綾香やその親友達だけではない。
「比企谷先輩!頑張って下さい」
「八幡先輩!」
「比企谷先輩!」
彼女達は、総武中から彼を追ってやって来たのだ。
すると次々と比企谷八幡コールが起こり始める。結衣は以外に八幡のコールが多いのに驚いているが、いやそれ以上に八重樫雫という固有名詞に大変に驚いている。
「ヒッキーのコールがこんなに?って八重樫雫って誰?」
「やはり彼はすごいのよ。総武中の英雄みたいなものだからね。八重樫雫さんは、海浜総合高校の生徒で、次期海浜の女子バスケ部の部長とまで言われてるみたいね。それに比企谷君の幼なじみでもあるみたい」
吹寄は、八幡の恋人だと知っているが、言わなかった。それは自分が言うべきではないと分だからだ。
「ヒッキー、幼なじみがいるなんて、話してないし、というかなんで海浜の生徒がうちにいるし?」
「ふーん、あの比企谷君に幼なじみがいるなんてね。驚きだわ。海浜の生徒がここにいるのも交流会の類でしょうし」
戸塚の声で
「比企谷、八重樫ペア対 葉山、三浦ペアのテニス勝負を始めたいと思います…では始め!」
テニスコートの周りの観衆の歓声が上がる。雪乃と結衣が
「混合ダブルスってことね」
「隼人君に優美子…ヒッキー達大丈夫かな?」
「普通に考えたら勝てないでしょうね」
「優美子、中学んときにテニスの県選抜に選ばれているし」
吹寄はそれでも希望を捨ててはいなかった。
「八重樫さん、中学の時は、剣道部のキャプテンで、中学の千葉県選抜に選ばれたみたいで、中体連をはじめ、大会のほとんどを優勝してる。それにテニスの腕もかなりのものらしいよ。それに比企谷君もテニスはかなりの腕だと聞いたことあるわ」
ギャラリーの声援が一段と大きくなる。葉山・三浦に先制点が入ったのだ。
「0ー15!」
「やっぱり、隼人、優美子ペアに勝てるわけないし」
「まだわからないわよ、勝負は最後までわからないし」
「どうかしらね」
雪乃、結衣、吹寄は、人垣をかき分け前の方へ移動した。
ーー1ーC→テニスコート。
綾香達は、テニスコートの場所までやって来たが、すでに葉山のファンの集まりでごちゃごちゃしていた。
「凄い人だかりね。これじゃあ近づけないわね」
「うーん、人混みをかき分けるしかないんじゃない?」
美桜と瑠璃がそう言った。
「かき分ける…かき分ける…かき分ける…!」
静香がそう言ったが、瑠璃によって頭を叩かれる。
「静香、アンタは、ここまで来て下ネタか!」
「瑠璃さん、貴女、先ほどから私の頭を叩きものにしてませんか?」
「アンタが下ネタばかり言うからよ」
綾香達がそう言った時、声援って言うより罵声に近い声が聞こえてきた。
「あーしら、男女ペアでやるから、そっちも男女ペアにしてくんない?」
「な、何だと」
「っつっても、ヒキタニくんと組んでくれる子はいんの?とかマジウケる」
三浦がゲラゲラゲラと甲高い下品な声で笑うと、ギャラリーにもどっと笑いが巻き起こった。
それを聞いた綾香は、怒りが込み上げてきた。大好きな八幡を馬鹿にされた彼女は、怒りで燃え上がり始めた。親友の美桜、静香、瑠璃も怒っている。
「綾香、比企谷先輩の側に行ってあげなさい。今の先輩を助けられるのは、綾香だけだよ」
「綾香さん、ドーンっとかまして下さいな!」
「綾香、八幡さんと頑張ってね!」
美桜、静香、瑠璃の3人は綾香の背中を押した。綾香も背中を押され、ギャラリーの中に行こうとする。すると綾香を引き止める声がした。
「綾香、待って!」
「「えっ!?」」
綾香達は声のした方を向く。そこには八幡の恋人である八重樫雫がそこにいた。
「雫さん、なんでここに?」
綾香はとっさにそんな事を言った。本来ならいるはずのない雫が今まさにここにいる。だから驚いているのだから。そんな雫も
「総武の女子バスケ部との交流会の一貫で来ているのよ。まさかこんなことに出くわすとは思わなかったけど」
「交流会、ああ、私達、水泳部もやってますね」
「今は、八幡を馬鹿にするあの下品な女をどうにかしないとね」
雫はゲラゲラと下品な笑いをする三浦を見据えながら綾香達に言う。
「綾香、ここは私が行くわ」
「ふふっ、やっぱり恋人の雫さんが行くべきですね。❝妹❞は大人しくしてますね」
綾香はそう言うと道を譲る。八幡の幸せは彼女の幸せでもあるのだ。だから雫と一緒に幸せになってほしいのだ。
「ありがとう、綾香」
そう言うと雫はギャラリーの中へ入って行く。ギャラリーは、雫や綾香達の気迫に押され、両サイドに割れる。そして雫は、八幡のことを侮辱する相手に向かってこう言い放つ。
「三浦さんだったかしら?あまり私の彼氏の八幡の悪口を言わないで欲しいのだけど?」
雫は、堂々とした態度で、相手の土俵へ上がって行く。
雫が愛する八幡を馬鹿にしたこと。
それだけではない、それは八幡を尊敬している人達への侮辱と変わらないのだ。
そして何よりも自分が一番大切な八幡を、人前で傷つけた目の前の敵をぶちのめすために。
雫の眼は、闘志が宿っている。その眼は三浦と葉山を見据えていた。
ーーー
学校中がテニスコートに釘つけになっているとき、とある人物はテニスコート脇にあるテニス部の女子更衣室のすぐそこにいる。
森崎弥太郎である。何故彼がこんなとこにいるのかというと、学校中が比企谷対葉山に目を向けている最中に、どさくさに女子のパンチラ写真でも撮ってこいと言われたからだ。
「あの人達も人使いが荒いよ。こんな人がいる時にはリスクが高いのに」
森崎は、周りを警戒しながら機会を伺う。すると2人の足音が近づいてくる。まずいと思い森崎は影に隠れる。隠れながら様子を見る。
「あれは、2ーF組の三浦優美子と海浜の生徒の八重樫雫か!?」
何故、海浜の生徒である雫が総武高校にいるのか疑問があるものの、言いつけを守るのが先決の森崎であっため深くは考えなかった。
そして2人は、テニス部の女子更衣室へ入っていく。森崎は一瞬どうするかと考えたが、女子更衣室へ近づく。真剣モードになり自分自身の気配を消す。
葉山コールとそれよりも弱いが比企谷コールが常に上がっている。
「コールのおかけで、色々と助かってはいるが…」
森崎は中の様子を伺おうとしたが、中が見えるようなとこは無い。中に2人の被写体がいるというのに何も出来ないことに腹を立てていた。
時間だけが過ぎていき、三浦と雫は女子更衣室から出ていく。2人が遠ざかったのを確認すると、森崎は窓を確認する。どこか開いていないか確認する。すると1つだけ窓の鍵が壊れているのか、綺麗に閉まっていない。森崎はそれを無理やり鍵を外し、女子更衣室へ侵入する。
「これがテニス部女子更衣室か…」
森崎は中を物色するように見渡す。先ほどまで、三浦と雫がいたのだ。
だが長居は出来ない。自分で購入して自分なりにアレンジして作った小型カメラをとある場所に設置してそそくさに退散する森崎。
「三浦と八重樫のヤツが綺麗に撮れますように」
森崎は、そう言って祈った。彼が密かに女子テニス部の更衣室から脱出してちょっとしてから、学校の放送室から、BGMが流れる。
それはテニスコートの方へと。
テニスコートの方のギャラリーの一部、比企谷コールを言っていた人間達が歌い出していた。
とある女子生徒は、生徒会室で。
とある女性は、移動中のリムジンの中で。
とある女子生徒達は、離れた海浜総合高校の屋上で。
この歌を歌い出したのは、綾音が八幡に告白する前に歌ったのが最初である。その後は綾音が八幡を送り出す時に歌ったり、雅史達に対して八幡が歌ったこともある。それが八幡を慕う人間達が歌うようになったのだ。
FUNKY MONKEY BABYSの【あのひとつ】
この歌は彼を奮い立たせるには十分な歌であり、内なる闘志が湧いてくるのだ。
八幡の眼には、いつものやる気無しの眼ではなく闘志の炎が宿っていた。
かつて指し手の八幡と言われていたあの頃の眼に。
いつもより2時間遅れの投稿です。
雫編も留美の話で終わりです。次の選択肢から次に見たいヒロインか選んでください。
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1ー雪柳綾香
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2ー吹寄制理
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3ー一色いろは